ボンネットの開け方はどうやるの?車の種類による違いも解説!
ウォッシャー液を補充する際やエンジンオイルの状態を確認する際は、ボンネットを開ける必要があります。
しかし、ボンネットを開ける機会は少ないため、開け方を知らない人もいるのではないでしょうか。
また、ボンネットを開けて作業する際には、注意すべきことがあります。
これらを事前に把握しておかなければケガにつながる恐れがあり、とても危険です。
この記事では、ボンネットの開け方や作業時の注意点などについて解説していきます。
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INDEX
ボンネットの役割とは?
ボンネットは、風や雨からエンジンを守るために設計されているものです。
それだけでなく、エンジンルームの保温やエンジン音の遮音、なにかに衝突した際に車内への衝撃を和らげる役割も担っています。
さらに、現代の車のボンネットには衝撃を吸収する素材を使用しています。
歩行者と衝突した際の二次災害を防ぐためです。
エンジンが搭載されておらず、モーターで走る電気自動車(EV)などにもボンネットがあるのは、こういった理由も関係しているのです。
このように、ボンネットはエンジンを守る蓋としての役割だけでなく、事故を起こした際の被害を抑える役割もあります。
ボンネットの開け方・閉め方
ここでは、ボンネットの開け方・閉め方について解説していきます。
ボンネットを開ける機会に備えて確認しておきましょう。
ボンネットの開け方
ボンネットを開けて作業する際は、安全を確保するために広いスペースに駐車させましょう。
また、ボンネットは無理やり開けると故障してしまいます。
そのため、ボンネットを開ける際は正しい手順に沿って行いましょう。
以下は、一般的な車のボンネットを開ける手順です。
1.運転席付近にあるボンネットオープナーを引く
初めにボンネットオープナーを引きます。
ボンネットオープナーには、ボンネットのイラストがついており、運転席の足元付近に設置されているのが一般的です。
「ボンッ」という音がなれば、ボンネットのロックが解除された証です。
ただし、ボンネットにはボンネットオープナーのほかにレバーによるロックもかかっているため、この状態では完全に開きません。
2.レバーを操作してボンネットを持ち上げる
開いたボンネットの隙間に手を入れて、前端の中央付近にあるレバーを押し上げたり左右に動かしたりしてフックを外しましょう。
この操作をしながらボンネットを持ち上げることで完全に開きます。
レバーはおもにボンネットの前端中央部にあるため確認しましょう。
3.ボンネットステーを立ててボンネットを開いたまま固定する
片手でボンネットを支えながら、ボンネットステー(棒状の金属)を外し、ボディにある専用の穴に立てましょう。
ボンネットステーはエンジンルーム内の前方、または脇の方にあります。
ボディの専用の穴に差し込むことでボンネットが開いたまま固定されるため、エンジンルーム内の作業を行うことが可能です。
ボンネットの閉め方
ボンネットの閉め方の手順は以下の通りです。
- ボンネットが落ちてこないように片手で押さえながら、ボンネットステーを外す
- ボンネットステーをボンネット裏側のフックに戻す
- ボディとの隙間が20cm程度になるまで、ボンネットをゆっくりと下ろす
- 20cm程度の隙間を保った状態で、ボンネットから手を離す
- 重みによりボンネットが閉まるため、しっかりとロックされているかを確認する
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車種によってボンネットの開け方は違う?
基本的に日本の車は、ボンネットの開け方に違いはほとんどありません。
しかし、外国の車のなかには、ボンネットの開け方が異なるものがあります。
たとえば、ドイツの自動車メーカーのBMWが販売している車は、ボンネットオープナーを2回引いてボンネットを開ける仕様になっています。
ほかにも、メルセデスベンツが販売している車のなかには、ボンネットオープナーが運転席側ではなく助手席側にある場合もあります。
ボンネットの開け方が分からない場合は、取扱説明書やマニュアルなどを確認しましょう。取扱説明書が手元にない場合は、車を購入したディーラーに確認して、開け方を教わるのもおすすめです。
ボンネットを開け閉めするときの注意点とは
ここでは、ボンネットを開け閉めするときの注意点について解説していきます。
事前に把握しておかなければ、ケガにつながる恐れもあるため、押さえておきましょう。
風が強くない日に作業をする
ボンネットを開けて作業する場合は、風が強くない日を選びましょう。
風が強い日は、ボンネットステーが風圧により倒れてしまい、ボンネットが落ちてくる可能性があります。
作業中にボンネットが落ちてきたら、頭や指などを挟む恐れがあり危険です。
そのため、ボンネットを開ける際は、風が強くない日、もしくはガレージのなかで行いましょう。
エンジンが冷めた状態で作業する
ボンネットを開けて作業する際は、エンジンが冷めているのを確認してから行いましょう。
車を動かした直後は、エンジンが高温になっているため、ボンネットを開けて作業を行うのは危険です。
エンジンの温度は、運転席のメーターの水温計で確認できます。
水温計とは、エンジンを冷ます冷却水の温度のことです。水温計には「H」と「C」が表示され、Hは温度が高い状態、Cは温度が低い状態を表しています。
ボンネットを開けて作業する際は、水温計のメモリがCを指していることを確認してから行いましょう。
ワイパーが倒れているのを確認してから開く
ボンネットを開く際は、ワイパーが倒れているのかを確認してから開きましょう。
ワイパーが起きている状態でボンネットを開けると、ワイパーアームと接触してしまい故障する可能性があります。
また、ボンネットにも傷がつく恐れがあるため、開ける前に確認することが大切です。
ボンネットが完全に閉まっているのかを確認する
エンジンルーム内の作業が完了したあとにボンネットを閉める際は、完全に閉まっているのかを確認しましょう。
ボンネットが半開きの状態で走行すると、雨水やホコリがエンジンルーム内に入り込み、エンジンが故障する可能性があります。
ボンネットを閉めたあとに手で揺らしてみて半開きになっていないか確認しましょう。
ボンネットが開け閉めできないときの原因と対処法
ここでは、ボンネットが開け閉めできないときに考えられる原因や対処法について解説していきます。
原因が把握できれば自分で対処できる可能性もあるため、覚えておきましょう。
ボンネットが開かない場合
長い間ボンネットを開けていない場合、何らかの故障により開かなくなることがあります。
このときに考えられるのは、ボンネットオープナーの故障やレバーの故障です。
ロックが錆ついている場合は潤滑油をつけたり、ボンネットオープナーを引き続けたりすることで開く場合があります。それでも開かない場合は、無理やり開けようとせずにディーラーや修理工場に不具合箇所を確認してもらいましょう。
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ボンネットが閉まらない場合
ボンネットが閉まらない場合は、ボンネットステーが正しく収納できていない可能性が考えられます。
ボンネットステーが正しく収納できていないとボンネットは閉まりません。
ボンネットステーが正しく収納されているにも関わらずボンネットが閉まらない場合は、ロックが劣化している可能性があります。
潤滑油をつけることで復活することもありますが、それでも閉まらない場合はディーラーや修理工場へ依頼しましょう。
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まとめ
この記事では、ボンネットの開け方や作業時の注意点などについて解説しました。
ボンネットは、風や雨からエンジンを守るふたとしての役割を担っています。
そのほかにも歩行者と衝突した際の二次災害を防ぐことも役割の一つです。
ボンネットは、ボンネットオープナーを引いてレバー操作することで開きます。ボンネットを開けての作業は、風が強くない日に行いましょう。
作業する際は、エンジンが冷えたのを確認してから行うことが大切です。
また、ボンネットのロックを外しても開かなくなった場合は、潤滑油をつけることで復活する可能性もあります。それでも開かない場合は、ディーラーや修理工場に依頼することがおすすめです。
ボンネットを開ける機会に備えて、開け方・閉め方についてしっかり把握しておきましょう。