タクシーに赤ちゃんと乗車する場合チャイルドシートは必要?
生まれて間もない赤ちゃんにとってチャイルドシートは車に乗る際の必需品です。
現在の日本では6歳未満の幼児を車に同乗させる場合、身を守るため必ずチャイルドシートを着用させるよう法律で義務付けられています。
しかし、車に乗せるのは自家用車に限らず、ときにはタクシーを活用する機会もあるでしょう。
そのようなときでもチャイルドシートは用意しなければならないのかと疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、タクシーに乗る際のチャイルドシートの必要性について解説していきます。
INDEX
チャイルドシートはタクシーに乗るときも必要?
結論からいうと、タクシーに赤ちゃんを乗せる際はチャイルドシートを着用させる必要はありません。
日本の道路交通法では6歳未満の幼児を車に乗せる場合はチャイルドシートの着用が義務付けられているものの、例外的に免除されるケースも存在します。
たとえばタクシーやバスなど公共交通機関に乗せるケースであり、このような場合は赤ちゃんをそのまま抱っこすれば問題ありません。
そもそもチャイルドシートのサイズは前後幅50cm前後と大きいうえ、重量も平均14~15kgとかなり重く、タクシーのためだけにこれだけ大きなものを常に用意しなければならないというのは現実的でないでしょう。
ほかにもチャイルドシートが免除されるケースには、以下のようなものがあります。
- シートベルトが無い車両とった、車の構造上チャイルドシートの固定が難しい場合
- 怪我や病気などの理由により、チャイルドシートがかえって悪影響を及ぼす場合
- おむつ交換や授乳など特殊な事情がある場合
- 定員内の乗車で全員にチャイルドシートを着用すると、かえって乗れなくなってしまう場合
- 応急処置で病院へ連れていったり、迷子の子どもを警察に届けたりする場合
このようにチャイルドシートは常に着用しなければならないわけではないという免除条件も知っておくと後々の子育てに役立つことでしょう。
タクシーに赤ちゃんと乗るときの注意点
タクシーに赤ちゃんと乗る際には注意点もあります。
ではどのような点に注意すればよいのか、下記にて詳しく見ていきましょう。
シートベルトは着用させない
タクシーに赤ちゃんと乗る際に注意しなければならないのは、赤ちゃんにシートベルトを着用しないことです。
赤ちゃんにシートベルトをかけてしまうと、急ブレーキのような不慮の事態によって強い負荷をかけてしまう恐れがあります。
そのためシートベルトは大人だけが着用するようにしましょう。
赤ちゃんは、シートベルトの上から抱っこ紐やスラングを活用して抱きかかえる形であれば安全に乗せられます。
抱っこ紐やスラングを活用せずに抱っこするだけでは事故を起こした際、衝撃で赤ちゃんが前方に投げ出されてしまう危険性があるため、あまりおすすめできる乗り方ではありません。
参考までに、時速40kmで衝突した衝撃は2階建てのビルから車を落としたときと同等の衝撃があるといわれており、さらに時速60kmともなれば5階建てのビルから車を落としたときと同等の衝撃が加わることから、たとえ低速時でも事故を起こせば人体に大きな負荷がかかってしまいます。
ただし、どうしても抱っこせざるを得ない状況であれば、運転手にゆっくり運転するよう伝えておくとよいでしょう。
休憩をこまめにとる
赤ちゃんや小さなお子さんにとってじっとしていることは並大抵のことではありません。
ほかにも車内の揺れやスピード、匂いなど、さまざまな要因が重なれば泣き出したり、ぐずり出したり、気分が悪くなる恐れもあります。
そのため、長時間運転が想定される場合には、休憩をこまめにとるようお願いしておきましょう。
特に新生児の赤ちゃんは2〜3時間に1回程度のおむつ替えが必要とされているため、休憩はこまめにとらなければなりません。
ぐずり対策や着替えも用意しておくと安心
「休憩をこまめにとる」と前後しますが赤ちゃんはふとしたことで泣き出したり、ぐずり出したり、吐き出したりと想定外の行動をよく起こすものです。
特にタクシーはいつもと違う環境のため、不安な気持ちからいつも以上にぐずいたり、吐き出したりする恐れもあるでしょう。
そのようなことも想定して、オモチャやおむつ、顔拭き、着替えなども用意しておけば、いざというときにも慌てずに対処できます。
乗車直前の授乳は極力さける
赤ちゃん連れでタクシーを利用する人のなかには、乗車中に寝てくれるからという理由で乗車直前に授乳する人もいます。
しかし乗車直前の授乳は運転中に吐き出してしまう恐れがあり、万が一タクシー内で吐いてしまうと着替えや掃除など余計に手間を増やしてしまいます。
そのため授乳は乗車直前ではなく、1時間~30分前に済ませておくのがよいでしょう。
タクシーでもチャイルドシートを着用したい場合
安全性に考慮するのであれば、タクシーであってもチャイルドシートを着用させるに越したことはありません。
ここでは、タクシーでチャイルドシートを活用する方法について解説していきます。
持ち運び可能なチャイルドシートを持参する
チャイルドシートには持ち運び可能なコンパクトなものも販売されています。
重さは2~3kgと比較的軽いため、タクシー利用時にはこうしたチャイルドシートを使うとよいでしょう。
形状もシートタイプや降りたたみタイプのほか、持ち手の付いたキャリータイプと豊富にあります。
また、なかにはベビーカーと一体化した商品もあるため、腰痛持ちや長時間の抱っこが辛いという人におすすめです。
ただし取り付け方法はメーカーによって異なるため、事前に固定方法を把握しておきましょう。
タクシー会社にチャイルドシートの貸し出しをお願いする
タクシー会社は営業所にチャイルドシートを用意しており、事前に予約すればチャイルドシートを準備・設置してもらえるケースがあります。
予約には電話のほか、タクシー配車アプリを活用する方法もあり、どこにいても気軽に利用可能です。
また、支払いもアプリ内で手軽に済ませられるようになるため、タクシーを頻繁に利用する人であればこうした手段を検討しましょう。
タクシー会社によっては子育て世代に向けたサービスを展開しているところもあります。
たとえば、全国のタクシー会社と提携している「子育てタクシー」というサービスは協会指定の養成講座および、保育実習を修了した専任ドライバーがベビーカーの乗り降りや荷物の積み下ろしまで対応してくれるため、外出時には頼もしい存在です。
ほかにも、日本交通が展開する「キッズタクシー」というサービスは、チャイルドシートを設置・準備してくれるほか、ドライバーは子育て経験者をはじめ保育士、普通救命講習、救急救命法などの資格を取得しているため、万が一のときにも安心です。
ただし、利用には登録が必要なうえ、対応エリアのみといった制約がある場合があるため、事前に確認しておきましょう。
チャイルドシートがないと死亡リスクは4倍以上もアップする
ここまでタクシーのチャイルドシートの必要性について解説してきましたが、やはりチャイルドシートが有るのと無いのとでは、事故を起こした際のリスクが大きく異なります。
参考までにチャイルドシート未着用で事故を起こした場合、チャイルドシート着用時と比べて死亡リスクが約4.6倍も上昇するという報告があり、この点からチャイルドシートが赤ちゃんの命を守るためにいかに重要な存在であるかがお分かりのことでしょう。
現在の法律ではタクシーにチャイルドシートの義務化はありませんが、安全に徹するのであれば、用意しておくに越したことはありません。
まとめ
近年では車の乗員全員に対してシートベルトの着用が義務化されており、赤ちゃんのような幼児であってもそれは変わりません。
ただし、バスやタクシーなど特定条件においては着用が免除されるケースもあります。
そのため外出時においてはチャイルドシートを持たずともタクシー・バスは利用可能です。
とはいえチャイルドシート無しでタクシーを利用する場合は抱っこ紐やスラングを活用したり、こまめに休憩をとったりなど適切に利用することが求められます。
子育て中の人はこの参考にしつつ、赤ちゃんの安全確保に努めるようにしましょう。