代行運転とは?サービスの内容や依頼方法、金額などについて解説
代行運転は、車で出かけた先で思いがけず飲酒してしまったときや、急に体調が悪くなった場合などに役立つサービスです。
タクシーに比べると利用する機会は少ないかもしれませんが、依頼方法や料金体系を把握しておくと、いざというときにスムーズに利用できるでしょう。
この記事では、代行運転のサービス内容や依頼方法、料金について解説します。
併せて、タクシーと比較した場合のメリット・デメリットも紹介するので、参考にしてください。
関連記事:アルコールが体内から抜けるまでの時間はどのくらい?飲酒運転の罰則についても紹介
INDEX
代行運転とは?
代行運転とは、さまざまな事情で車を運転できない利用者の代わりに、運転代行業者のドライバーが利用者と車を指定の場所に運ぶサービスです。
基本的に、業者からは利用者の車を代行運転するドライバーと、その車に随伴する社有車のドライバーの2人が派遣されます。
随伴車が必要な理由は、業務を終えた運転代行ドライバーが会社に戻るためです。
利用者を指定の場所まで運ぶ点はタクシーと似ていますが、両者はまったく別のサービスです。
法律で定められた業務範囲から外れないよう、利用者やその同伴者は随伴車ではなく、利用者本人の車にしか乗れません。
また、車だけを運んでもらうことは不可能です。
これらの規則は、「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」で定められています。
関連記事:カーリースの飲酒運転を撲滅!業務で使用する際のアルコール検査が義務化
代行運転サービスの利用方法
代行運転は、電話や業者のサイトで連絡して利用します。
業者によっては、ナビサイトやLINEからも依頼可能です。
利用する日時が決まっている場合は、事前予約もできます。
業者を利用する際は、営業所を管轄する公安委員会からの認可を受けた業者を選ぶと安心でしょう。
各都道府県警察が公表する一覧から認定業者を確認できます。
利用する際の詳しい流れは、次の項目で説明します。
代行運転サービスを利用するときの流れ
ここでは、代行運転サービスを利用するときの流れを順番に解説します。
1.現在地から利用できる業者を探す
まずはスマートフォンなどで検索し、自分が現在車を停めている場所がサービス提供範囲に入っている運転代行業者を探します。
現在地の位置情報から利用可能な業者を探せる検索サイトやアプリを活用してもよいでしょう。
2.業者に依頼する
利用する業者を決めたら、電話や公式サイトから連絡して依頼します。
初めて利用する場合は次のような事項を尋ねられるため、あらかじめ把握しておきましょう。
氏名
携帯電話番号
現在地(車を停めている駐車場住所)
目的地住所
車の特徴(車種・色など)
同乗者数
また、このときに現在地と目的地の距離から予想される支払額を確認することをおすすめします。
運転代行業者には目的地までの料金の概算額を利用者に伝える義務があるため、料金トラブルを防げるでしょう。
3.合流・目的地到着後、料金を支払う
連絡が完了したあとは待ち合わせ場所で合流し、業者のドライバーに鍵を預けて運転してもらいます。
自宅などの目的地に到着したら料金を支払い、サービス終了です。
関連記事:MaaS(マース:モビリティ・アズ・ア・サービス)とは?わかりやすく解説
代行運転サービスの料金体系
代行運転の料金は、タクシーと同じく「基本料金(初乗り料金)」と「距離などに応じた料金(加算料金)」の合計額を支払うシステムが一般的です。
これらに加えて、時間帯による割増料金や、利用者が待ち合わせに遅れた場合の待機料金といった追加料金がかかる場合もあります。
ここでは、代行運転の料金体系や相場を地域ごとに解説します。
ただし、同じ地域でも業者によって料金は異なるため、あくまでも目安として参考にしてください。
北海道・東北
北海道・東北における基本料金は1,000~1,800円、距離従量料金は200~300円程度です。
都道府県間の金額差は大きく開いておらず、全国的に見ても安価な傾向にあります。
下表は、都道府県別料金体系の一例です。
都道府県 | 基本料金(~3㎞) | 距離従量料金(3km以降1kmごと) |
北海道 | 1,500円 | 300円 |
福島県 | 1,700円 | 250円 |
宮城県 | 1,800円 | 250円 |
関東・中部
関東における基本料金は1,500~3,000円、距離従量料金は200~450円程度、中部における基本料金は1,300~2,600円、距離従量料金は200~333円程度です。
関東の中でも首都圏は、基本料金と距離従量料金の両方が高価な傾向にあり、都道府県によって2倍以上の金額差があります。
都道府県 | 基本料金(~3㎞) | 距離従量料金(3km以降1kmごと) |
栃木県 | 1,700円 | 200円 |
東京都 | 3,000円 | 450円 |
長野県 | 1,790円 | 252円 |
愛知県 | 2,300円 | 250円 |
関西・中国・四国
関西の基本料金は1,500~3,000円、距離従量料金は200~350円程度、中国・四国の基本料金は1,200~2,200円、距離従量料金は200~275円程度です。
関西では、大都市圏の中心地である大阪府の基本料金が突出しています。
都道府県 | 基本料金(~3㎞) | 距離従量料金(3km以降1kmごと) |
京都府 | 2,000円 | 300円 |
大阪府 | 3,000円 | 350円 |
広島県 | 2,200円 | 250円 |
高知県 | 1,400円 | 200円 |
九州・沖縄
九州・沖縄の基本料金は1,000~2,000円、距離従量料金は150~250円程度です。
北海道・東北と同様に、九州・沖縄における代行運転の料金は全国的にも安価といえます。
都道府県 | 基本料金(~3㎞) | 距離従量料金(3km以降1kmごと) |
福岡県 | 2,000円 | 250円 |
鹿児島県 | 1,600円 | 150円 |
沖縄県 | 1,100円 | 200円 |
代行運転サービスとタクシーはどちらがよい?
「代行運転とタクシーのどちらを利用すべきか」という質問の答えは、状況によって変わります。
ここでは、代行運転とタクシーのメリット・デメリットを紹介しながら、それぞれのサービスに向いている人について解説します。
代行運転サービスのメリット
代行運転サービスのメリットは、人だけでなく車も自宅に運んでもらえることです。
事前予約をしておけば、飲酒運転を気にせずに外食できます。
また、急な体調不良などの不測の事態にも対応可能です。
さらに、タクシーとは異なり自分の車で移動できる点もメリットとして挙げられるでしょう。
翌日に車を使いたいというときでも車と一緒に帰宅でき、安心です。
代行運転サービスのデメリット
代行運転のデメリットは待ち時間が長いことです。
運転代行業者の数は増加傾向にあるものの、タクシー業界に比べると車両台数や従業員数が不足しています。
そのため、現在地から遠い業者や利用者が集中している業者に依頼した場合、合流までに1時間以上かかる可能性があります。
タクシーのメリット
タクシーのメリットは、乗車までの待ち時間が短い点です。
特にタクシー激戦区の都市部では、ほとんど待たずに利用できることもあります。
配車を依頼するほかに、乗り場や街中で拾うなど乗車方法も幅広く、基本的には代行運転より利用しやすいでしょう。
さらに、タクシーは短距離の移動であれば、代行運転よりも料金を安く抑えられます。
代行運転は、車を運ぶ手間や2人分の人件費がかかる分、基本料金が高く設定されているためです。
例えば東京都23区において代行運転の基本料金が3,000円かかるのに対し、タクシーの場合は500円で済みます。
一方で、距離に応じた加算料金はどちらも大して変わらず、往復や長距離で利用しない限りはタクシーの支払い料金がより安価になりやすいのです。
関連記事:ウーバータクシーとは?サービスやメリット・デメリットを解説
タクシーのデメリット
タクシーは代行運転とは異なり、サービス対象が利用者のみのため、車は運んでもらえません。
車で外出した先でタクシーを利用した場合、あとで自分の車を取りに行く必要があります。
車を駐車場に放置することになるため、駐車料金の高騰や車上荒らしに遭うリスクも高まります。
代行運転とタクシーがおすすめの人
代行運転サービスは、出かける際に乗った車を翌日の仕事で使う場合など、車を自宅に戻しておきたい人にとって便利です。
タクシーは、徒歩や電車で出かけた帰りにそれらの交通手段が使えなくなった人におすすめします。
短距離の利用であれば、大抵は代行運転の料金よりも安く抑えられ、すぐに帰宅可能です。
関連記事:タクシーに赤ちゃんと乗車する場合チャイルドシートは必要?
まとめ
この記事では、代行運転サービスの概要や料金について解説しました。
代行運転は、飲酒をはじめとした理由で運転できない利用者を、本人の車に乗せて目的地まで送るサービスです。
一般的な料金システムは「基本料金+距離に応じた加算料金」に設定されており、料金体系は地域や業者によって異なります。
したがって、利用する際は依頼したい業者の料金表や概算額をあらかじめ確認することが大切です。
全国の業者を検索できるナビサイトなどを活用し、代行運転を依頼してください。
※参考元:ナビタイム|運転代行料金相場