アルコールが体内から抜けるまでの時間はどのくらい?飲酒運転の罰則についても紹介

お酒を飲んで車を運転すると判断力や危険察知能力が著しく低下し、事故を起こす可能性がとても高くなります。

飲酒運転は道路交通法でも禁止されており、厳しい罰則も設けられていますが、それでも飲酒運転による悲惨な交通事故は少なくありません。

一方で飲酒運転は禁止されていることは把握しているものの、お酒を飲んでからどのくらいで運転して大丈夫なのか気になる人もいるでしょう。

この記事では、お酒を飲んだ後にアルコールが体内から抜ける仕組みや、分解にかかる時間について解説します。

アルコールが早く抜ける方法の有無や、飲酒運転をした場合の罰則についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:ノンアルコールビールを飲んで運転してもよい?飲酒時の注意点を解説!

関連記事:酒気帯び運転で後日呼び出し?応じない場合はどうなるか解説

出光のカーリース・ポチモへ
出光のカーリース・ポチモへ

アルコールが体内から抜ける仕組み

お酒を飲んだ後、アルコールはどのようにして体内から抜けるのでしょうか。

ここでは、その仕組みを順番に解説します。

胃と小腸で吸収される

お酒を飲んだとき、アルコールはまず胃で20%程度、残りは主に小腸で吸収され血中に溶け込みます。

その後血液として全身に行き渡るのです。

胃や小腸で吸収される速度は、アルコールの濃度や体の状態などにより異なります。

たとえば、空腹でお酒を飲むと血中アルコール濃度が高くなり、酔いやすくなります

肝臓で分解される

血中に溶け込んだアルコールは、肝臓で「アルコール脱水素酵素(ADH)」の働きにより「アセトアルデヒド」という物質に分解されます。

さらに「アルデヒド脱水素酵素(ALDH)」により酢酸に変わります。

肝臓の働きは個人差が大きい部分です。

たとえば女性と男性を比較した場合、一般的に女性は体格や肝臓の大きさなどが男性より小さいため、アルコールの分解に時間がかかります

結果として血中アルコール濃度が高くなりやすい傾向があります。

排出される

上記の過程で生成された酢酸は血管を通して全身を巡り、徐々に水と炭酸ガスに分解されます。

またアルコールの一部は尿や汗、呼気となって体外に排出されます。

今回紹介したアルコールの分解に関わる「ADH」「ALDH」という2つの酵素は、遺伝によりその働きが大きく変わります。

そのため、アルコールの分解速度が遅い人と速い人、つまりお酒に酔いやすい人と酔いにくい人がいるのです。

アルコールが体内から抜けるまでの時間

アルコールが体内から抜ける時間は、摂取した量や個々の代謝速度によって変動します。
例えば、一般的な摂取量である缶ビール1本(500ml)の場合、お酒に強い人でも約4〜6時間、お酒に弱い人では6時間以上かかることがあります。
ただし、これはあくまで平均的な目安であり、体重、性別、飲酒前の食事の有無が影響します。

アルコールが抜けるまでの間、車の運転は厳禁です。
飲酒運転は法的に厳しく罰せられ、アルコール濃度が規定を超えると刑事罰を受けることになります。
例えば、酒気帯び運転、酒酔い運転の罰則は、アルコール量で内容が変わります。

注意すべきは、アルコールの影響は個人差が大きいことです。
体調やストレス、睡眠の質も影響するため、自分の体調をよく把握し、十分な休息を取ることが重要です
飲酒後は水分を摂りながら待機し、安全が確認できるまで車の運転を避け、公共交通機関や代行サービスを利用するようにしましょう。

アルコールの分解時間に影響を与えるものとは?

アルコールが体内から抜けるまでの時間は、個人差による違いやそのときの体調などによりさまざまです。

ここでは、アルコールの分解時間に影響を与える要因を解説します。

代謝能力

体内に入ったアルコールの分解は主に肝臓で行われますが、その分解能力には個人差があります。

分解能力が高い人は、アルコールを早く体内から排出することができます。遺伝による差が大きく出る部分です。

飲酒量やアルコール度数

一度に大量のお酒を飲んだ場合、血中アルコール濃度が急激に高くなります。

肝臓で分解することができなかったアルコールが血液を通じ体内を巡り続けるため、アルコールが抜けるまでに時間がかかります。

女性に人気のカクテル類は飲みやすく、つい多量に飲酒する人もいるでしょう。

しかし、このようなお酒の中には意外とアルコール度数が高いものもあるため、飲み過ぎには注意が必要です。

体質や体調

ここまでの内容で、アルコールの分解には思った以上に時間がかかると感じた人も多いのではないでしょうか。

その日の体調などによっては、普段より分解が遅くなることも考えられます。

お酒を飲んだ後、ある程度時間が経っているため運転しても大丈夫と考えていると、思いがけず飲酒運転になる場合もあります

アルコールが早く抜ける方法はある?

お酒を飲み過ぎて二日酔いになってしまったときや早く運転したいなどの理由から、早くアルコールが抜けてほしいときもあるでしょう。

しかし、アルコールが早く抜ける方法は基本的にはありません。

サウナに入ったり運動をしたりすることで汗を流し、汗と一緒にアルコールを排出しようとする人がいるかもしれません。

しかし実際は、汗から排出されるアルコールはごく微量です。

また飲酒した状態でのサウナや運動は脱水症状を引き起こす可能性もあり、とても危険です。

お酒を飲み過ぎたときは、水分補給をしっかりと行い安静に過ごすようにしましょう

飲酒運転の罰則

飲酒運転の罰則は、昔に比べて厳しくなっています。

その効果もあってか、飲酒運転による死亡事故件数は年々減少傾向にあります。

飲酒運転による罰則は「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類に分かれており、それぞれ罰則の内容も異なります。
ここでは、飲酒運転の罰則の内容について解説します

酒気帯び運転

酒気帯び運転とは、呼気中のアルコールの濃度が0.15mg以上/Lとなった状態で車を運転することを指します。

歩行や言動に異常がない場合でも、アルコール探知機で反応が出た場合は酒気帯び運転となります。

どれだけ自分が「酔っていない」と判断した場合であっても、数値がオーバーしていれば罰則対象になるため注意が必要です。

酒気帯び運転の罰則は以下のとおりです。

運転免許に対する行政処分刑事処分
呼気1リットル中のアルコール量違反点数免許の扱い
0.15mg以上0.25mg未満13点免許停止90日間(前歴なしの場合)3年以下の懲役、又は50万円以下の罰金
0.25mg以上25点免許取り消し
(欠格期間2年)
3年以下の懲役、又は50万円以下の罰金
※参考元:警視庁ホームページ
※欠格期間とは免許を再取得できない期間を指します。

酒酔い運転

酒酔い運転とは、呼気中のアルコール濃度に関係なく、酒に酔った状態で運転に支障をきたしている状態のことです。

酒酔い運転に該当するかは、警官との対話や認知能力などを元に判断されます。

酒酔い運転は酒気帯び運転よりさらに危険性が高く、重い処分が課せられます

酒酔い運転の罰則は以下のとおりです。

運転免許に対する行政処分刑事処分
違反点数免許の扱い
35点免許取り消し
(欠格期間3年)
5年以下の懲役、又は100万円以下の罰金
※参考元:警視庁ホームページ

同乗者の罰則はある?

飲酒運転をした場合の運転者の罰則は上記のとおりですが、運転者が飲酒していることを知りながら同じ車に乗っていた場合、その同乗者にも罰則が課せられます

同乗者の罰則は以下のとおりです。

運転者の状況刑事処分
(運転者が)酒気帯び運転の場合2年以下の懲役、又は30万円以下の罰金
(運転者が)酒酔い運転の場合3年以下の懲役、又は50万円以下の罰金
※参考元:警視庁ホームページ

さらに同乗者が運転免許を保持している場合は、以下の運転免許に対する行政処分も課せられます

運転者の状況運転免許に対する行政処分
呼気1リットル中のアルコール量(運転者)違反点数免許の扱い
0.15mg以上0.25mg未満13点免許停止90日間
0.25mg以上25点免許取り消し(欠格期間2年)
酒酔い運転35点免許取り消し(欠格期間3年)
※参考元:愛媛県警察ホームページ

その他、運転者が飲酒していることを知っていて車を貸したり(車両等提供罪)、飲酒運転をする可能性がある人に酒類を提供したり(酒類提供罪)する場合にも罰則が課せられます。

まとめ

この記事ではお酒を飲んだ後のアルコールが体内から抜ける時間や、飲酒運転の罰則などについて解説しました。

お酒を飲んだ後は、絶対に運転してはいけないのは大前提です

とはいえ、飲んでから時間が経っていると判断して運転した場合でも、まだアルコールが体内に残っていることもあり得ます。

飲酒運転による交通事故や違反を防ぐためにも、飲酒後には十分に時間を置き、アルコールが完全に抜けてから運転するようにしましょう

また運転者だけではなく、同乗者や周りの人も運転者が飲酒運転をしないよう注意し、安心・安全な運転を心がけましょう

出光のカーリース・ポチモへ
出光のカーリース・ポチモへ

この記事を書いた人

自動車ニュースのWEBマガジン

カーナレッジ編集部

カーナレッジはクルマの知識をわかりやすく提供する自動車ニュースメディアです。新車・中古車の最新情報やメーカー・ボディタイプ・メンテナンスなどの基本知識まで。自動車のことがすべて分かるWebマガジンです。

関連する記事

カテゴリーから記事を探す

error: このページの内容は保護されています。