車のエアコンに搭載されているナノイーXとは?効果や搭載車を紹介
車のエアコンだけでなく、さまざまな製品や施設にナノイーは導入されています。
漠然としたイメージで空気をきれいにしてくれることは分かりますが具体的にどのような効果があるのか、よく理解していない人も多いでしょう。
この記事では、ナノイーXの仕組みや効果、類似製品とされているプラズマクラスターとの違いについて解説していきます。
最後に、ナノイーXを搭載している車も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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INDEX
そもそもナノイーとは?
ナノイーとは、極々小さな(ナノサイズ)水に包まれた微粒子イオンのこと。
結局何が良いのかという部分に絞って説明すると、ナノイーは菌やウイルス、花粉などのアレル物質やカビなどと反応することで、発生そのものを抑え込む効果があるとされています。
さらに、マイナスイオンのように美肌や美髪にも効果があると言われた優れもの。
マイナスイオンより水分量が多く、また髪などへのダメージが少ないpH(ペーハー)で構成されているためっマイナスイオンよりも優秀なのです。
このナノイーにはOHラジカルと呼ばれる分子を含みます。
OHラジカルがもたらす作用は殺菌・除菌・除菌・脱臭などに効果を発揮するのですが、今回解説するナノイーXに含まれるOHラジカルは通常のナノイーのおよそ10倍と言われています。
車のエアコンに搭載されているナノイーXとは?

ナノイーXは、ナノイーよりもさらに多くのOHラジカルを含んでおり、量が多ければ多いほど高効果・短時間で有害物質を抑制することが可能です。
空気中の水分に高い電圧をかけることで生成され、中に含まれるOHラジカルという成分がさまざまな物質に作用します。
ナノイーXを生み出す装置が搭載された車のエアコンであれば、車内空間を清潔にする効果があります。
ナノイー・ナノイーXの特徴は、水に包まれていることとナノサイズの小ささです。
2つの特徴にどのような利点があるのか、また、OHラジカルがどのようにして有害物質を抑制するのかを解説していきます。
マイナスイオンより6倍長寿命
マイナスイオンと呼ばれる一般的な空気イオンの寿命が数10〜100秒であるのに対し、ナノイーXは600秒となっています。
寿命が長いということは、より広範囲により長時間にわたり多くの有害物質の抑制が可能です。
ナノイーXが長寿命であるメカニズムは、水に包まれている点にあります。
水に包まれていると酸素や窒素と結合しにくく、有害物質にたどり着きやすくなるためです。
一方、マイナスイオンは酸素や窒素と結合しやすく、結合すると消失してしまいます。
浸透しやすいナノサイズ
ナノイーXは非常に小さなイオンです。
水蒸気よりもはるかに小さいことの利点として、浮遊し続けることが可能になり、空気中の有害物質を捉えることができます。
また、繊維の奥まで浸透し、潜んでいる有害物質にも効果的です。
OHラジカル
OHラジカルは、有害物質の中に含まれる水素を取り出す働きをします。
水素がなくなると有害物質は性質が変わり、本来の性質を失わせることで有害物質の抑制が可能です。
ナノイーはOHラジカルの量によって4つのグレードに分けられナノイーを基準とした場合、10倍、20倍、100倍とOHラジカルの量が異なります。
グレード名の語尾の()内の数字が1秒間に発生するOHラジカルの量です。
[グレード一覧]
・ナノイー
・ナノイーX(4.8兆)
・ナノイーX(9.6兆)
・ナノイーX(48兆)
車のエアコンに搭載のナノイーXの効果とは?
ナノイーXは具体的にどのような有害物質に効果があるのか、パナソニック公式HPの効果・試験結果をまとめました。

菌・ウイルス
ナノイーXの効果の1つとして、空気中に浮遊・付着している菌やウイルスを抑制します。
約6畳の密閉試験において、浮遊菌が240分後には半数以下に減り、480分後にはほぼ0になる結果が出ました。
カビ
室内に浮遊・付着するカビ菌を抑制します。
約6畳の密閉試験において、浮遊するカビ菌が10分後には9割抑制され、60分後には0となりました。
効果が得られたカビの種類は、ハウスダストに含有するクロカビ、コウジカビ、アオカビ、ススカビ、アカカビ、カワキコウジカビ、土壌に存在するケカビ、風呂場に出現する黒色カビの計8種類です。
PM2.5
PM2.5に含有される2つの物質(酸性雨の原因となる物質とディーゼル排気から発生する物質)に効果があります。
約6畳の試験室において、酸性雨の原因となる物質は8時間後に残存率が0%になり、ディーゼル排気から発生する物質は16時間後に残存率が0%になりました。
花粉
約6畳の試験室内において、最高位グレードのナノイーX(48兆)は、スギやヒノキなど日本に生息する主な13種類の花粉を約3時間で抑制します。
ナノイーX(9.6兆)では約12時間、ナノイーX(4.8兆)では約24時間で抑制が可能です。
アレル物質
約6畳の室内や45Lの密閉容器内で試験したところ、空気中のアレル物質の抑制効果も出ています。
対象としたアレル物質は、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ、ゴキブリ、ガ、イヌ・ネコのフケ、真菌(カンジダ、マラセチア、ススカビ、コウジカビ)です。
ニオイ
繊維の奥に入り込んださまざまな生活臭を脱臭する効果があります。
対象はタバコ、ペットのニオイ、洗濯物の生乾き臭、焼肉臭、汗、生ゴミ臭、枕に付着した頭皮のニオイ、加齢臭です。
焼肉臭に関しては、臭気強度6段階中4を指していた値が120分で1まで低減しました。
臭気強度1とは非常に弱いニオイレベルです。
試験は約6畳の試験室や約7畳のペットショップゲージ室、250Lのボックス内において、各ニオイに対して該当する条件下で行われました。
美肌・美髪
肌の水分蒸発の防止や髪の水分バランスを保ち、キメの整った美肌やツヤのある指通りなめらかな美髪に整える効果を期待できます。
(個人差、周辺環境により効果は異なります。)
プラズマクラスターとの違いについて
シャープが開発したプラズマクラスターも、有害物質を抑制し空気をきれいにする製品です。
同様の効果が期待できるナノイーXとプラズマクラスターですが、その違いは何かを解説します。
プラズマクラスター
プラズマクラスターとは、プラズマクラスターイオンを生成する装置です。
プラズマクラスターイオンは、水素のプラスイオンと酸素のマイナスイオンで構成されています。
これらの2つのイオンは自然界にも存在し、有害物質作用の抑制が可能です。
生成の仕組み
空気中の水と酸素に電圧をかけることで、それぞれ水素のプラスイオンと酸素のマイナスイオンが生成されます。
しかし、この状態では不安定なため、水の分子を周りに付着させることで安定したイオンへと変化させる仕組みです。
周りを水の分子で囲うことをクラスター化と呼び、その状態がブドウの房(英語でクラスター)に似ていることから名付けられました。
ナノイーXは水に包まれている状態に対して、プラズマクラスターイオンは、水の分子が周りに付着しているという点が異なります。
有害物質の抑制方法
プラズマクラスターイオンのプラスとマイナスのイオンは、有害物質の表面に取り付くと結合してOHラジカルへと変化する仕組みです。
OHラジカルが有害物質中の水素を取り出し、性質を変化させることで作用を抑制させます。
この点においては、ナノイーXもプラズマクラスターも同じです。
一方、ナノイーXがOHラジカルを含んでいるのに対し、プラズマクラスターは後からOHラジカルに変化するという点が異なります。
効果
シャープの公式HPによると、プラズマクラスターもさまざまな有害物質に対する抑制や消臭、美肌効果があるとされています。
この点において、ナノイーXと大きな違いはありません。
加えて、静電気を抑制する・ストレスがたまりにくい・集中力を維持しやすい環境をつくる効果があるといわれています。
※参考元:シャープ|プラズマクラスターの効果
ナノイーXとプラズマクラスターの違い
細かな仕組みに違いはあるものの、効果に大きな違いはありません。
しかし、製品という点に関して違いがあります。
ナノイーXの全てのグレード・製品は、ナノイーXを生成する装置のお手入れと交換が不要です。
一方、プラズマクラスターは家庭用エアコンの場合、イオンを生成する装置は約半年に1回のお手入れと、17,500時間使用を目安に交換が必要になります。
17,500時間は1日5時間使用すると約10年です。
まとめ
ナノイーXは、家電や商業施設、病院などで広く採用されておりとても身近な存在です。
車に関しても、搭載されているモデルが増えています。
小さなお子さまがいる家庭や花粉症の人は、より安心で快適なカーライフを楽しめるようナノイーX対応のエアコンが装備されている車を選んでみてはいかがでしょうか。
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