ブレーキパッドの交換は自分でできる?交換手順や費用感などを解説
「ブレーキパッドの交換時期がきたけど、自分で交換できもの?」
「自分で交換した場合どれくらい費用を抑えられる?」
この記事では、上記のような疑問や悩みを解決するために、ブレーキパッドの交換方法や費用などについて解説していきます。
実はブレーキパッドの交換はそこまで難しい作業ではありません。手順さえわかれば意外と簡単に行える作業です。
この記事を読むことで、ブレーキパッドを自分で交換できるようになり、費用を抑えられるようになります。
記事を参考に、ブレーキパッドの交換にチャレンジしてみてください。
関連記事:ブレーキパッドの交換費用はどのくらいかかる?依頼先ごとの費用感を紹介
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ブレーキパッドはどのような部品?
ブレーキパッドはブレーキ部品の1つで、各タイヤに2枚ずつ装備されています。
ブレーキディスクローター(タイヤと同時に回転する部品)をブレーキパッドで挟み込むことで摩擦が生じ、車が減速します。
ブレーキを使用するほど消耗していく部品であるため、定期的な交換が必要になります。
ブレーキパッドは、走行距離が30,000km〜50,000km程度になると交換目安とされています。
走行距離10,000kmで1mm程度ブレーキパッドは摩耗するといわれますが、運転の仕方によってもその程度は変わります。
ブレーキパッドがすり減って摩擦が少なくなるとブレーキが効きづらくなり、重大な事故につながる可能性があるので、余裕を持った交換が大切です。
また、パッドの厚みが2〜3mm以下になったときや「キーキー」といった異音が発生する際も速やかに交換しましょう。
点検時に4〜5mmになっていれば交換をおすすめします。
パッドの厚みはタイヤを外すことで確認できますが、自分では判断できないという人は走行距離に応じてプロに依頼するとよいでしょう。
ブレーキパッドは、ブレーキが正しく動作するための重要な部品であるため、必ず定期的な交換を行いましょう。
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ブレーキパッドは自分で交換できる?
大前提として、ブレーキは言うまでも無く事故を起こさないための最重要パーツです。
整備に自信が無い人は、プロに任せるという判断をした方が無難ですが、ブレーキパッドは自分で交換することも可能です。
ある程度整備経験がある人なら、技術的な点では問題なく交換できるでしょう。
また、道路運送車両法第47条にも、「自分の車は自分で点検・整備しなさい」と定められており、自分で交換することに全く問題はありません。
しかし、国の認証を受けた工場以外で他人のブレーキパッドを交換することは、法律違反になるため注意しましょう。
自分でブレーキパッドを交換するときは、下記のような工具が必要になるため、事前に用意しておきましょう。
- ジャッキ
- トルクレンチ
- ドライバー
- メガネレンチorスパナ
どの工具もホームセンターなどで簡単に手に入れられます。
自分でブレーキパッドを交換する手順
ここでは、ブレーキパッドを自分で交換するときの手順を詳しく解説していきます。
ブレーキパッドの交換は、下記の手順で行いましょう。
- ジャッキで車を持ち上げる
- ホイールを外す
- ブレーキキャリパーを開けてパッドを交換する
- 元に戻して完了
交換にかかる時間には個人差がありますが、整備に慣れている人は1時間もあれば十分可能な作業です。
それぞれ詳しく解説していきます。
ジャッキで車を持ち上げる
まずは、ジャッキで車体を持ち上げます。これをジャッキアップと言います。
注意点として、ジャッキアップするときは必ず平坦かつ硬い場所で行ってください。
傾斜のある場所や砂地でジャッキアップした場合、ジャッキが外れたり、倒れてしまったりする危険性があるからです。
また、事故を防止するためにエンジンは必ず停止して行い、周囲に人がいる場合はジャッキアップしていることを知らせておきましょう。
ホイールを外す
ジャッキアップが完了したら、ホイールを外しましょう。
ホイールは4〜5本(車によって違う)のボルトを外すだけで簡単に取り外せます。
ホイールを外すときのコツは、ボルトを緩めるまでは完全にジャッキアップしないことです。
タイヤが浮くまでジャッキアップしてしまうと、ボルトを緩めるときにホイールも一緒に回ってしまうからです。
そのため、まずは少しだけジャッキアップし、ボルトを全て緩め終わったタイミングで完全にジャッキアップさせるとよいでしょう。
ブレーキキャリパーを開けてパッドを交換する
ホイールを外したら、ブレーキキャリパーを開けて中のブレーキパッドを新品のものに交換しましょう。
ブレーキキャリパーはブレーキ部品の一つです。
ディスクローターを挟むようについており、ブレーキパッドの動きを制御します。
奥側にあるボルトを2本緩めるだけで簡単に開けられますが、完全に外すのは下側の1本だけで、もう片方のボルトは緩めるだけにしておいてください。
ブレーキキャリパーが開いたら、ブレーキパッドを1枚ずつ交換しましょう。
このとき新品のブレーキパッドは厚みがあるため、そのままではブレーキキャリパーが閉まりません。
そのため、ピストン(ブレーキパッドが減った分飛び出してくる)を一度奥に押し込む必要があります。
ピストンを押し込むための専用の工具があると便利ですが、なくても太めのマイナスドライバーがあれば押し込めます。
まず、ブレーキパッドを1枚だけ外した状態でブレーキキャリパーを閉めます。
そして、隙間にドライバーを差し込み、テコの原理でブレーキローター(ブレーキパッドで挟む円盤)を押し込みましょう。
そうすることで、飛び出したピストンを奥に押し込めます。
あとはブレーキパッドを取り付ければ完了です。
ピストンを押し戻すときは、ブレーキオイルが上から漏れないように気をつけましょう。
また、ブレーキキャリパーを開けるときは、ブレーキホースが損傷しないよう注意してください。
元に戻して完了
ブレーキパッドを交換したら、逆の手順で元に戻すと完了です。
またブレーキパッドを交換した後は、必ずブレーキがきちんと機能しているかチェックしましょう。
以前よりもブレーキが効きにくいなど少しでも不安がある場合は、プロの整備士にみてもらいましょう。
ブレーキパッドと併せて点検した方がよいパーツとは?
ここでは、ブレーキパッドと併せて点検しておくとよいパーツを紹介します。
ブレーキフルード
「ブレーキフルード(ブレーキオイル)が適量かどうか」「劣化していないか」などを点検しておきましょう。
ブレーキフルードが劣化した場合、沸点が低くなりベーパーロック現象(ブレーキが効かなくなる)が発生しやすくなるため、定期的な交換が必要です。
ブレーキフルードの交換時期は1〜2年、または走行距離2万kmのいずれか早い方であるため、車検や定期点検などのタイミングで交換しましょう。
関連記事:車検は何年ごとに受ける?有効期間・申し込みの流れを詳しく解説
マスターシリンダー
マスターシリンダーとは、ブレーキを踏む力を油圧に変える装置のことです。
ボンネットを開けるとブレーキフルードを入れる場所がありますが、そこがマスターシリンダーです。
マスターシリンダーの破損もブレーキに影響を与えるため「ブレーキフルードが漏れていないか」「損傷していないか」などを点検しておきましょう。
ブレーキローター
「ブレーキローター(ブレーキディスクローター)が歪んでいないか」「損傷していないか」を点検しましょう。
ブレーキローターが劣化・損傷した場合、制動力が低下したり、ブレーキパッドの異常摩耗が起きたりする原因になります。
ブレーキローターの交換時期は、サビや鏡面化によるブレーキの鳴きや段付き(パッドが当たる部分が極端にすり減ること)が発生したときです。
目安となる走行距離や年数はないため、ブレーキパッド交換などの際に定期的に点検するとよいでしょう。
ブレーキパッドの交換はいくらくらいかかる?
ブレーキパッドの交換費用は、交換する場所や車種によって変わります。
ここでは、自分で交換した場合とプロに依頼した場合の費用を比較してみました。
ブレーキパッドの交換費用は下記の通りです。
軽自動車 | 普通車 | |
ディーラーや整備工場に依頼した場合 | 13,000〜17,000円程 | 16,000〜20,000円程 |
自分で交換した場合 | 7,000円程 | 8,000〜12,000円程 |
ディーラーや整備工場などのプロに依頼した場合は、部品代+工賃(数千円)が発生するため、どうしても割高になってしまいます。
自分で交換した場合は部品代だけで済むため、かなり費用を抑えられます。
ただし、工具が必要です。
まとめ
ブレーキパッドの交換はそこまで難しい作業ではないため、自分で交換することも可能です。
とはいえ、ブレーキは車を安全に運転するために必要不可欠な部分です。
万が一整備に不具合があると重大な事故を引き起こすこともあるため、自信が無い人はプロに依頼しましょう。
ブレーキパッドを自分で交換するときは、下記の3箇所も一緒に点検することをおすすめします。
・ブレーキフルード
・マスターシリンダー
・ブレーキローター
ブレーキパッド交換に必要な工具もはホームセンターなどの身近な場所で簡単に手に入るため、整備が好きな人は挑戦してみてはいかがでしょうか。