ブレーキパッドの寿命はどれくらい?交換時期と費用を紹介

ブレーキパッドは、車を減速させるための重要な部品の1つです。
消耗品のため、適切なタイミングで交換する必要があります。

しかし、どのタイミングで交換すればよいのかよくわからない人も多いのではないでしょうか。
交換すべきタイミングを知らずに使用し続けていると、ブレーキが利きにくくなり、事故を起こす恐れもあります。

そうならないためにも、正しい知識を持っておくことが大切になります。

そこで今回は、ブレーキパッドを交換すべきタイミングや、交換にかかる費用を解説します。

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ブレーキパッドはどのような部品なのか?

ブレーキパッドは、車を減速させたり、停止させたりする役割がある部品です。

車のブレーキシステムには、ディスクブレーキと、ドラムブレーキの2種類があります。
今回のメインであるブレーキパッドは、ディスクブレーキで用いられている部品です。

ディスクブレーキは、タイヤと一体で回転する「ディスクローター」と呼ばれる円盤をブレーキパッドで挟み込むことでタイヤの回転スピードを落としてくれるのです。

余談ですがディスクブレーキは前輪、ドラムブレーキは一部車種の後輪において主に使用されています。
ドラムブレーキではディスクブレーキではなく「ブレーキシュー」という部品がタイヤの回転を止める役割を担っています。ブレーキシューももちろん消耗品です。

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ブレーキパッドの寿命はどれくらいか?

綺麗なタイヤ


ブレーキパッドは、摩擦によって車を減速させる役割を担うため、使用し続けるうちに少しずつすり減っていきます。

新品の状態では厚みが約10mmあります。5mm程度になってきたら交換を検討するタイミングです。2mm以下になると使用が困難になりますので、3mm以下になったら早急に交換した方がよいでしょう。

厚みが2mm以下の状態で使用し続けていると、ブレーキが利きにくくなったり、ディスクローターを傷つけたりする危険があります。

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ブレーキパッドの寿命が来る前に気付く方法

ブレーキパッドの寿命が近づいていることに気付く方法を3つご紹介します。

ブレーキ音を確認する

車種によりますがブレーキパッドには、交換時期をドライバーに知らせる機能が備わっています。その1つが「キーキー」といった異音です。
すり減って交換すべきタイミングになると、異音が発生します。なにか聞きなれない音が聞こえたらブレーキ周りの点検を行ったほうが良いでしょう。

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警告ランプを確認する

ブレーキパッドにつけられた電線が摩擦で切れることによって、インパネに警告灯が表示され、交換タイミングを知らせる車種もあります。
主に国産の高級車や輸入車に採用されています。

走行距離を目安にする

ブレーキパッドは、ブレーキ操作を繰り返すことですり減るため、走行距離も交換時期の目安になります。

一般的に1万km走行すると約1mmすり減るとされています。
そのため、単純計算で約5万km走行すると、交換の検討が必要な厚み5mm程度になります。

走行距離が5万km近くになったら点検し、必要に応じて交換しましょう。

走行距離とパッドの摩耗の関係は乗り方によって大きく変わりますので、あくまでも参考程度に留めておいてください。

関連記事:車の走行距離と寿命の関係は?購入時のポイントやリースの走行距離制限

ブレーキフルードの液量を確認する

ブレーキフルードとは、油圧を伝達する役割があるオイルです。ブレーキオイルとも呼ばれます。
ブレーキフルードが少なくなっている場合、ブレーキパッドの交換が必要である可能性があります。

ブレーキフルードのタンクには、下限ライン(MINまたはLOWER)と上限ライン(MAXまたはUPPER)が目印として記載されています。
ブレーキパッドがすり減ると、液面が下限ラインよりも下がります。これは、パッドが摩耗していた場合、通常よりもパッドを作動させる部品やピストンなどの稼働が激しくなるためです。

ブレーキフルードは不具合がない限り、極端に減ることはありません。そのため、水面がラインよりも下がっていた場合は交換が必要であると判断できます。

下限ラインと上限ラインの間にブレーキフルードの液面があれば問題ありません。

関連記事:エンジンオイルの交換時期はどうやってわかる?見分け方と交換方法を紹介

ブレーキパッドの交換方法について

ブレーキパッドは、業者に依頼するか自分で作業して交換します。

そういった面も含め、それぞれの交換方法の特徴や費用をご紹介します。

業者に依頼する場合

ブレーキパッドの交換作業を行える業者は、運輸局長から認証や指定を受けた業者のみです。認証や指定された業者には「自動車分解整備事業」「指定自動車整備事業」の標識が提示されています。

ディーラーや大きなカー用品店は認証や指定を受けていることが多いです。
しかし、個人経営の整備工場などは指定されていない場合もあるため、業者に依頼するときには認証や指定を受けているかを確認しましょう。

業者に依頼した場合は、ブレーキパッドの本体代と交換作業工賃がかかります。
本体価格は、車の大きさなどによって異なりますが、軽自動車は前方と後方で各7,000円、普通車は各8,000円程度です。

交換作業工賃は、依頼先によって大きく変化します。
軽自動車・普通車ともに左右2か所で6,000円程度のところもあれば、片側だけで5,000円程度のところも。
本体代と作業工賃代合わせて12,000円以上はかかると予算立てをしておくとよいでしょう。

安全な走行に関わる重要部品のため、少し費用が高くても信頼できる確かな技術を持った業者に依頼した方が今後の運転において安心です。

自分で交換する場合

ブレーキパッドは自分で交換することも可能です。
業者の場合、運輸局長からの認証等が必須でしたが、個人で自分自身の車を整備する場合は必要ないということです。
しかし、他人の車となれば話は別です。ブレーキパッドの交換は認証工場や指定工場以外で(自己所有車を除く)の交換は禁止されています。

自分で交換する場合は、カー用品店などで新しいブレーキパッドを購入しましょう。

購入するときは、適合車種に自分の車が含まれていることを確認することがポイントです。
また、交換作業には専用工具が必要となるため不足しているものはホームセンターなどで購入しましょう。

自分で交換する場合にかかる費用は、ブレーキパッドの本体代と専用工具の購入費です。
工具がある程度そろっている場合は、交換作業工賃もかからないため、自分で交換する方が安く済ませられるでしょう。

しかし、少しのミスも許されない交換作業なので、自信がない場合はプロに依頼することをおすすめします。

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ブレーキパッドと併せてチェックしておきたい部品とは?

ブレーキパッド以外に、ブレーキに関わる部品のなかで消耗品として定期点検と交換が必要な部品を2つご紹介します。

ブレーキフルード

ブレーキフルードは、ブレーキペダルを踏んだ力をブレーキ装置まで伝達する役割を担うオイルのことです。ブレーキオイルとも呼ばれます。

ブレーキフルードは、吸湿性が高く、空気中の水分を取り込む性質があります。
そのため、長期間使用していると、水分を含んで沸点が低くなります。沸点が低くなったブレーキフルードは、ブレーキが作動するときの熱によって沸騰しやすくなり、気泡を多く発生させてしまいます。気泡は力の伝達を妨げてしまうため、結果的にブレーキの利きが悪くなってしまう恐れがあり、早めに交換をしたいところ。

寿命は2~4年程度です。新品は無色に近い色ですが、劣化すると茶色っぽく濁った色になるため、変色していた場合は交換しましょう。

関連記事:エンジンオイルの交換費用はどのくらいかかる?交換方法や依頼先別の価格帯を解説

ディスクローター

ディスクローターは、車輪と一体で回転する円盤のことです。
車のブレーキは、ブレーキパッドでディスクローターを挟み込むことで回転スピードを落とす仕組みなので、ディスクローターも摩擦ですり減っていきます。

寿命は、ブレーキの使用頻度やペダルの踏み方にもよりますが、走行距離約10万kmが目安です。劣化したまま使用を続けると、ブレーキをかけるときに振動したり、ヒビが入ったりする恐れがあるため、適切なタイミングで交換しましょう。

まとめ

ブレーキパッドは、車を減速・停止させるための重要な部品です。

使用することで少しずつすり減っていくため、適切なタイミングで交換する必要があります。
すり減った状態のまま使用し続けると、思うように減速ができない、車が止まらないといったトラブルにつながる恐れがあります。

最悪の場合、他人を巻き込む事故を引き起こす危険もあるため、交換を怠らないようにしましょう。

異音がしないか、ブレーキフルードは減っていないかなど、交換の目安となるポイントはいくつかあるため、自己点検や業者による点検を定期的に行うことが大切です。

適切に交換し、安全に走行しましょう。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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