デジタルインナーミラーを後付けするメリットやデメリットを紹介!
自動車メーカーや部品メーカー、ベンチャー企業など、さまざまな企業が車の装備品の開発に取り組みにより、自動車の性能は向上しています。
昨今、注目されているのはデジタルインナーミラーです。
鏡を用いた従来型のインナーミラーに代わり、リアルタイムに後方確認が可能できるシステムであるデジタルインナーミラーは、今や標準装備されたり、純正オプションとして選択できるようになったりしています。
さらに昨今は、さまざま車に後付けできる製品も販売されています。
ここでは、デジタルインナーミラーを後付けするメリットやデメリットについて紹介します。
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デジタルインナーミラーとは?
デジタルインナーミラーとは、車の後部に取り付けたカメラで捉えた映像を、フロントガラスに取り付けたモニター(従来のインナーミラーと同じ位置)にリアルタイムで映し出すシステムです。
車の運転中に運転姿勢を崩さずに目線を動かすだけで自車の後方を確認できる装備品として、インナーミラー(ルームミラー)やサイドミラーなどがあります。
デジタルインナーミラーは、それらの鏡を用いた従来型のインナーミラーに代わる装備品です。
2016年6月に車の保安基準等が改正されたことにより導入が始まりました。
デジタルインナーミラーには別称がある
デジタルインナーミラーにはデジタルルームミラーやスマートミラー、電子ミラーなどといった別称があります。
また、日本の自動車メーカーが標準装備や純正オプションとして設定しているデジタルインナーミラーは、ホンダの「アドバンスドルームミラー」、日産の「インテリジェント ルームミラー」、スバルの「スマートリヤビューミラー」といったオリジナルの呼称を用いているケースと、トヨタ・レクサスの「デジタルインナーミラー」、マツダの「デジタルルームミラー」といった一般的な呼称をそのまま用いているケースがあります。
デジタルインナーミラーにはさまざまなタイプがある
初期のデジタルインナーミラーは、映し出される画像の荒さや夜間の視認性の低さ、モニター本体の厚みなどの課題が指摘されていました。
しかし、技術の向上により改良や新機能の追加が行われ、現在は多様な製品が販売されています。
デジタルインナーミラーのカメラの取り付け方法は、2種類あります。
- バックドアガラス上部など車内に取り付ける方法
- バックドアなど車外に取り付ける方法
また、カメラが捉えた映像を映し出すモニターの取り付け方法も2種類あります。
- 標準装備の純正インナーミラーを取り外して、デジタルインナーミラーを取り付ける方法
- 標準装備の純正インナーミラーに、デジタルインナーミラーをゴムバンドなどで固定する方法
デジタルインナーミラーの電力供給方法も製品によって異なります。
モニターやカメラに電力を供給するために車の電気系統への配線が必要なタイプや、車のアクセサリーソケット(電源ソケット)へアダプターを差し込むだけで供給できるタイプがあります。
さらに、一部のデジタルインナーミラーにはドライブレコーダーのようにカメラが捉えた映像を録画できる機能があります。
前方を撮影するカメラは、映像を映し出すモニターと分離しているタイプや、モニターと一体化しているタイプなどがあり、カメラの画質や視野角等も製品によってさまざまです。
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デジタルインナーミラーを後付けするメリット
鏡面タイプのインナーミラーが標準装備されている車にデジタルインナーミラーを後付けすることで得られる代表的なメリットを3つ紹介します。
- 背の高い乗客や荷物があっても容易に後方確認が可能で、広い視野角で広範囲をカバー。
- 体型や姿勢による角度調整が不要で、どの位置からでも同じように見ることができる。
- カメラの感度調整により夜間の視認性が向上し、後方確認が容易になる。
以下でより詳しく説明します。
後方の視野を常に確保でき安全性が高まる
一般的な鏡面タイプのインナーミラーでは、後席に背が高い人が乗車していたり、大きな荷物を積んでいたりする場合に、後方確認が難しくなるケースがあります。
しかし、デジタルインナーミラーでは、後方を捉えるカメラの装着位置が背が高い人や荷物より後部にあるため、車内の状況に関係なく後方を確認することができます。
また、多くのデジタルインナーミラーは視野角が広いため、鏡面タイプより広範囲の後方確認が可能です。
運転者による角度調整をしなくてもよい
一般的なインナーミラーは、運転者の体型や姿勢によって後方を確認しやすいインナーミラーの角度に違いがあるため、運転者が代わるたびにインナーミラーの角度調整が必要です。
しかし、デジタルインナーミラーのモニターは、スマートフォンやテレビのように、一定の範囲内であればどの位置からでも同じように見ることができます。
そのため運転者が代わっても、角度調整が不要で後方を確認することが可能です。
夜間運転時の後方確認がしやすくなる
一般的なインナーミラーでは、夜間運転時に後方確認が難しくなる場合があります。
しかし、デジタルインナーミラーでは、カメラの感度を調整することで、夜間の視認性を向上させることができます。
デジタルインナーミラーを後付けするデメリット
デジタルインナーミラーの後付けにはいくつかのデメリットもあります。
- 実際の距離感とのギャップが生じ、車線変更時などに事故を誘発する恐れがある。
- 焦点調整が難しく、目の疲労感が増大する可能性があり、映像のチラつきが目の疲れを引き起こすことがある。
- 後付けにより見栄えが損なわれる可能性があり、配線や取り付け方法によっては違和感が残る場合がある。
以下でより詳しく説明します。
実情と異なる後方の距離感
車の後部に装着したカメラが捉えた映像をモニターに映し出すデジタルインナーミラーの多くは、肉眼で見るよりも小さく見える傾向にあります。
そのため、デジタルインナーミラーで後方確認すると、自車と後続車との距離感と実際の距離との間にギャップが生じる場合があります。
このギャップが車線変更時などに事故を誘発するおそれがあるため、実際の距離感を正確に把握できるまでは、車線変更する際には細心の注意が必要です。
目の疲労感
運転中に後方確認するため視線をインナーミラーへと移した際、一般的なインナーミラーに比べてデジタルインナーミラーは焦点を合わせるのが難しいとされています。
そのため、デジタルインナーミラーは、一般的なインナーミラーよりも目の疲労感が大きくなる可能性があります。
また、後部に装着したカメラが他車のヘッドライトや店舗のネオンサインを捉えている場合、一部の条件下ではモニターに映し出される映像がチラつくことがあります。
このチラつきは、カメラが映像をモニターへ投影する特性上、避けられない現象ですが、目の疲労を高めることにつながりかねません。
見栄えが悪くなる
標準装備の純正インナーミラーを取り外し、デジタルインナーミラーを取り付ける場合、カメラとの接続ケーブルや電源ケーブルなどの配線を適切に行えば、見栄えが悪くなるケースはほとんどありません。
しかし、ケーブルの配線次第では見た目が悪くなる可能性が高まります。
また、標準装備の純正インナーミラーにゴムバンドなどで固定して取り付けるタイプのデジタルインナーミラーは、見た目を損ねないように細心の注意を払って取り付けても、後付けした違和感は残ります。
後付けデジタルインナーミラーの選び方
次に、後付けするデジタルインナーミラーの選び方を紹介します。
最適なサイズの製品を選択する
デジタルインナーミラーのモニターを含めたミラー部のサイズは、製品によって異なりますが、自分の車に最適なサイズの製品を選択することが大切です。
一般的に考えると、見やすさという点で、大きなモニターほど好ましいと思われるかもしれません。
しかし、車によっては、サンバイザー(日差しよけ)が使えなくなり、運転中に太陽の眩しさを軽減できなくなる可能性があります。
自車への取り付けが可能か必ず確認する
標準装備の純正インナーミラーを取り外し、デジタルインナーミラーを取り付けるタイプの場合、多くの製品では車ごとの専用ブラケット(取り付けに必要となるパーツ)が提供されています。
購入前に必ず自分の車に対応したブラケットが提供されているかを確認しましょう。
ただし、車によってはブラケットが提供されていても、加工が必要となるケースがあるため、注意が必要です。
ドライブレコーダー機能の有無を確認する
すべてのデジタルインナーミラーに、ドライブレコーダー機能が付いているわけではありません。
必ずドライブレコーダー機能の有無を確認しましょう。
デジタルインナーミラーの後付けはどこで依頼できる?
デジタルインナーミラーの後付けを依頼できるのは、カー用品店や自動車整備工場、自動車ディーラーなどです。
カー用品店
カー用品店では、デジタルインナーミラーの購入・取り付けを同じ店舗で行えます。
店舗によっては、他店で購入したデジタルインナーミラーの取り付けも可能です。
ただし、自店舗購入製品の取り付け工賃よりも割高となることが一般的です。
デジタルインナーミラーをインターネット通販などで購入する予定の人は、取り付け可能店舗を事前に探しておくことをおすすめします。
自動車整備工場
自動車整備工場では、購入したデジタルインナーミラーの後付けに対応しています。
また、一部の自動車整備工場ではデジタルインナーミラーを購入し、後付けを依頼することもできます。
ただし、自動車整備工場によっては、デジタルインナーミラーの取り付け経験が不十分で、仕上がりが満足できない可能性もあるため、注意が必要です。
自動車ディーラー
純正オプションのデジタルインナーミラーを後付けする際は、自動車ディーラーへ依頼するとよいでしょう。
車とのデザインの統一や安心感を重視する人にとって魅力的な選択肢です。
ただし、純正オプション品のデジタルインナーミラーは市販品よりも販売期間が長いため、性能が劣る場合があります。
また、価格も市販品よりも高くなる場合があるため、注意が必要です。
まとめ
デジタルインナーミラーは、鏡を用いた従来型のインナーミラーに代わる装備品です。
車の後部(車内もしくは車外)に取り付けたカメラで捉えた映像を、従来のインナーミラーと同等の位置に取り付けたモニターにリアルタイムで映し出すシステムです。
デジタルインナーミラーの後付けによるメリットは、常に後方の視野が確保できるため安全性が高い、運転者がミラーの角度を調整しなくてもよい、夜間運転時の後方確認がしやすくなるなどがあります。
一方で、後方の距離感がつかみにくい、目の疲労度が増す、見栄えが悪くなるなどのデメリットもあります。
自分の車に最適なデジタルインナーミラーを選んで、お近くのカー用品店や自動車整備工場、自動車ディーラーなどに依頼して取り付けましょう。