アイドリングストップはバッテリーの寿命に悪影響?伸ばす方法は?
皆さんは、アイドリングストップ機能を普段から使用されますか?
アイドリングストップ機能は、
- 燃費が良くなる
- 排出ガスを抑える
- 騒音を防ぐ
などのメリットがある一方で、バッテリーの寿命が短くなると言われます。
その理由はなんなのでしょうか。
この記事では、アイドリングストップがバッテリーの寿命を短くする理由、バッテリーの寿命の見極め方、アイドリングストップ車のバッテリー寿命を伸ばす方法などを解説します。
「経済的にも環境的にも良い車に乗りたい。でも、バッテリーの寿命もできるだけ伸ばしたい」方は、ぜひ最後までお読みください。
INDEX
アイドリングストップはバッテリーの寿命に悪影響。理由は?
アイドリングストップの使用は、車のバッテリーの寿命を縮めることにつながります。
その理由は、
- エンジンの停止と再始動を繰り返すことは、バッテリーに負荷を与えるから
です。
アイドリングストップとは停車時にエンジンを自動で切ることで、燃費を良くしたり、排出ガスを抑えるなどの効果が期待できる機能です。
そもそもエンジンは始動時に、バッテリー容量の約10~20%程度の電力を必要とします。
これによりエンジンの再始動を繰り返すことで、バッテリーの容量が激しく増減しバッテリーに負荷がかかってしまうのです。
さらにアイドリングストップで自動車を停車後にエンジンを再始動するとき、セルモーターを作動させて瞬間的に車を動かさなければなりません。このセルモーターの酷使もバッテリーの劣化につながります。
アイドリングストップ車のバッテリーの寿命はどのぐらい?
アイドリングストップを搭載していない車とアイドリングストップを搭載する車では、車のバッテリーの寿命は約2倍ほど異なると言われます。
目安となるバッテリーの寿命は、以下です。
- アイドリングストップなしの車→バッテリーの寿命 3年または5万キロ
- アイドリングストップありの車→バッテリーの寿命 18ヶ月または3万キロ
上記のバッテリー寿命の期間は、メーカーが保証する参考値です。
したがって、この期間を超えると使用できないわけではありません。
しかし、使用頻度や走行距離によっては寿命がより短くなる可能性もあります。
車のエンジンの不調は、重大事故につながるリスクがあります。
アイドリングストップを頻繁に使用する方は、定期的な点検を行いましょう。
アイドリングストップ車の方 必見!バッテリーの寿命が切れる前兆
続いて、バッテリーの寿命が切れる前兆を紹介します。
アイドリングストップ車の方において、以下の症状が現れたら、点検をしてもらいましょう。
- エンジンのかかりが悪い
- ヘッドライトが暗い
- アイドリングストップしない
- バッテリーの液量の減少
- パワーウィンドウの開閉が遅い
前兆①:エンジンのかかりが悪い
「エンジンのかかりが悪い」ときは、バッテリーの不具合が考えられます。
- セルモーターの回転音が遅い
- セルモーターの回転音が小さい・弱い
などの症状が現れたときも、バッテリーの不具合を疑いましょう。
前兆②:ヘッドライトが暗い
ヘッドライト含め車のライト関係の明るさが暗いときは、バッテリーの不具合を疑いましょう。
ただし、消費電力の少ないLEDライトが使われているなら、バッテリーの不具合の可能性は低くなります。
前兆③:アイドリングストップしない
アイドリングストップ機能を搭載しているのに、アイドリングストップしない場合は、バッテリーの劣化が考えられます。
こちらの症状もすぐにバッテリーの点検が必要です。
前兆④:バッテリー液の減少・本体の膨らみ・粉がついている
バッテリー本体に以下の症状が現れたら、バッテリーの劣化を疑いましょう。
- バッテリー液が規定量から減っている
- バッテリーの本体が膨らんでいる
- バッテリーの端子のまわりに粉がついている
前兆⑤:パワーウィンドウ(ウインドガラス)の開閉が遅い
車の窓、通称パワーウィンドウもしくはウインドガラスの開閉が遅いとき、バッテリーの劣化の可能性があります。
ただ、多くの電飾品を使用する場合においても、パワーウィンドウの開閉が遅くなることがあります。
アイドリングストップ車のバッテリーの寿命を伸ばす方法
アイドリングストップ車のバッテリーの寿命を伸ばすために効果的な方法は、アイドリングストップ機能を使わないこと。
以下の状況のときには、アイドリングストップ機能の使用を控えましょう。
そうすれば、アイドリングストップ車のバッテリーの寿命を伸ばすことにつながります。
- 渋滞時
- 夏場にエアコンを使用するとき
- 冬場に暖房を使用するとき
- 停車時間が5秒以内など短いとき
エンジンの再始動には、多くの電力を必要としバッテリーに負荷をかけます。
したがって、エンジンが停まって5秒以内で車が動き出す可能性が高いときは、アイドリングストップ機能は使わないようにしましょう。
また、定期的に長距離走行を行いバッテリーを充電することも、バッテリーの寿命を短くしないことにつながります。
そもそもアイドリングストップとは
最後に、アイドリングストップ機能の概要を紹介します。
アイドリングストップ機能とは、信号待ちなどで車が完全に停止したとき、エンジンが自動でストップする機能です。
エンジンが停止した車は、ブレーキを緩めたりハンドルを操作するなどの動作により、自動的にエンジンが再始動します。
アイドリングストップのメリット
アイドリングストップ機能を使うメリットは、以下です。
- 燃費が良くなる
- 排出ガスを抑えるので環境に良い
- 駐停車中の騒音をなくす
それぞれ詳しく見ていきます。
メリット①:燃費が良くなる
アイドリングストップ機能を使えば、燃費を良くすることができます。
燃費が良くなれば、車のガソリン代の削減にもつながりますね。
メリット②:排出ガスを抑えるので環境に良い
アイドリングストップではエンジンが停止するため、車からの排出ガスを抑えることができます。
ちなみに、都内の全ての自動車がアイドリングを毎日10分間ずつ短縮した場合、1年間で二酸化炭素排出量を約12万トン削減できると言われています。
メリット③:駐停車中の騒音をなくす
アイドリングストップによりエンジンを停止すれば、駐停車中の騒音を抑えることができるでしょう。
住宅街などに長時間駐停車する場合、近隣住民の方の暮らしやすい生活のためにも、アイドリングストップ機能を使いましょう。
アイドリングストップのデメリット
アイドリングストップ機能を使うデメリットは、以下です。
- 部品の消耗が激しい
- 停止時間が短いと、燃費は悪くなる
それぞれ詳しく見ていきます。
デメリット①:部品の消耗が激しい
アイドリングストップ搭載車は、アイドリングストップ非搭載車と比較し、
- バッテリー
- タイミングベルト
- クランクシャフト
など、さまざまな部品の消耗スピードが早いです。
定期的に点検を行い、安心できる運転を実現しましょう。
デメリット②:停止時間が短いと、燃費は悪くなる
停止時間が短いのにアイドリングストップ機能を使うと、車の燃費が悪くなります。
目安は、停止時間5秒。
車の停止時間が5秒未満の場合、車の燃費を良くするためにも、アイドリングストップ機能を使わないでおきましょう。
まとめ
車の燃費を良くし、排出ガスを削減するなど、経済的にも環境的にもメリットのあるアイドリングストップ機能。
しかし、アイドリングストップ機能はバッテリーの劣化の原因になります。
アイドリングストップ機能は、
- 渋滞時
- 夏場にエアコンを使用するとき
- 冬場に暖房を使用するとき
- 停車時間が5秒以内など短いとき
このような状況では、使わないようにしましょう。
そうすれば、アイドリングストップ搭載車でもバッテリーの寿命を伸ばすことにつながります。