軽自動車には何人まで乗れる?条件や罰則、注意点を解説!
「軽自動車には何人まで乗れるのか」という質問に対して、多くの人は「4人まで」という回答を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、軽自動車に4人まで乗れるという回答は、一定の条件下において正解とはいえないのです。
この記事では、軽自動車に乗れる人数について詳しく解説します。
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INDEX
軽自動車には何人まで乗れる?
ここでは、軽自動車に乗れる定員についてご紹介します。
軽自動車に乗れる人数とは?
2023年7月時点で販売されている、もしくは販売されていた軽自動車の多くは、乗車定員が4人となっています。
しかし、車の仕様によっては乗車定員が2人となっている場合もあります。
このような車には、4人が乗車することはできません。
一方で一定の条件下においては、自動車検査証に記載されている乗車定員を超えた5人の乗車が可能な場合もあります。
軽自動車の乗車定員は法律で決められていない
車の種類・区分は、道路運送車両法及び道路交通法によって定められています。
道路運送車両法によると、軽自動車は以下の規格を満たす車とされています。
- 車輪数:3輪以上
- 全長:3.4m以下
- 全幅:1.48m以下
- 全高:2.0m以下
- 総排気量:660cc以下
軽自動車は道路運送車両法にて上記の規格を定められているものの、乗車定員は定められていません。
また道路交通法においても、軽自動車の乗車定員は規定されていません。
なお、実際の車の乗車定員については、車検証(自動車検査証)の乗車定員欄に記載されているため、一度確認してみましょう。
乗車定員を定める基準
車の乗車定員を定める基準は、「道路運送車両の保安基準の細目を定める公示(2021.6.9)」に定められています。
この公示 第81条(乗車定員及び最大積載量)には、次のように記載されています。
幼児専用車以外の自動車にあっては、当該座席の幅を40cmで除して得た整数値とする。
引用元:道路運送車両の保安基準の細目を定める公示(2021.6.9)
公示によると、仮に軽自動車の後部シートに幅120cm以上のシートを配置することができれば「120cm ÷ 40cm=3」となるため、計算上は後部シートに3人が乗車できます。
この公示においても、軽自動車が4人乗りと定められているわけではありません。
あくまで、今後後部シートに3人乗車が可能となる軽自動車が発売される可能性もあるということを意味しているといえるでしょう。
軽自動車の定員条件の例外とは?
乗車定員が4人の軽自動車であっても、一定の条件下において5人乗車が可能な場合があります。
一定の条件下とは、軽自動車に搭乗する5人のうち3人以上が、12歳未満のお子さまであることです。
ここでは、軽自動車における定員条件の例外について解説します。
乗車定員を決める境界線は12歳
道路運送車両の保安基準 第53条2には、「12歳以上の人は、12歳未満の小児又は幼児1.5人分に相当する」と定められています。
つまり、車の乗車定員で考える場合は12歳未満の3人のお子さまは、12歳以上の2人と同等と考えることができます。
そのため、「大人2人+12歳未満のお子さま3人」のようなパターンであれば、実際軽自動車に乗る人数は5人となるものの、法律上の乗車定員は4人と計算されるのです。
チャイルドシートの取り扱いについて
道路交通法第71条の3第3項などにより、6歳未満のお子さまを車に乗せる際はチャイルドシートの使用が義務付けられています。
しかし、乗車定員4人の軽自動車の場合、後部シートに設置できるチャイルドシートは、一般的には2人分が限度になります。
上記のようなケースにおいて、道路交通法施行令 第26条の3の2第3項第2号には以下のような例外規定があります。
運転者席以外の座席の数以上の数の者を乗車させるため乗車させる幼児の数に等しい数の幼児用補助装置のすべてを固定して用いることができない場合において、当該固定して用いることができない幼児用補助装置の数の幼児を乗車させるとき
※引用元:e-GOV|道路交通法施行令
上記の場合には、幼児用補助装置(チャイルドシート)の設置が免除されるということになります。
しかし、法律上はチャイルドシートの使用が免除されているとはいえ、現実的におすすめできるものではありません。
安全面を考え、小さなお子さまを車に乗せる際はチャイルドシートを使用するようにしましょう。
定員以上で乗車した場合の罰則
乗車定員4人の軽自動車に大人5人が乗車する場合は、交通ルール違反となります。
例えば「大人2人+14歳のお子さま2人+10歳のお子さま1人」が乗車するようなケースでも、交通ルール違反となります。
2023年7月現在、定員オーバー(定員外乗車)の違反を行った場合、違反点数1点、反則金額6,000円が科されます。
定員以上で乗車する場合の注意点
前述のとおり、乗車定員4人の軽自動車に大人2人と12歳未満のお子さま3人が乗車することは法律上認められています。
しかし、乗車定員4人の軽自動車には基本的に4人分のシートベルトしか装備されていません。
よって、乗車する5人全員がシートベルトを着用することができないのです。
道路交通法施行令で規定されている条件を満たす場合はシートベルトの非着用が認められているため違反になることはないものの、シートベルト非着用時に事故を起こした際のリスクは高まります。
警察庁が公表している10年間(平成25年〜令和4年)のデータによると、高速道路における事故時の後部座席利用者の致死率は、シートベルト着用者に比べてシートベルト非着用者のほうがおよそ15.4倍も高いという結果がでています。
シートベルト非着用で車に乗る行為は、万一事故に遭遇した際のリスクを考えるとおすすめできる行為ではありません。
緊急の場合など、どうしてもシートベルト非着用になるケースは、この点をしっかりと認識して、より安全運転を心がけましょう。
2人乗りの軽自動車もある
2023年7月現在、販売されている軽自動車(乗用タイプ)の多くは乗車定員が4人になっています。
一方で数は少ないものの、2人乗りの軽自動車も販売されています。
新車で購入可能な2人乗りの軽自動車(乗用タイプ)として有名なのは、ダイハツが製造・販売しているコペンです。また同じコペンシリーズとして、ダイハツが製造・トヨタが販売しているコペンGR SPORTも人気の車です。
また、過去に販売されていた主な2人乗りの軽自動車(乗用タイプ)は以下のとおりです。
- スズキ カプチーノ
- スズキ ツイン
- マツダ キャラ
- マツダ AZ-1
- ホンダ S660
- ホンダ ビート
- ダイハツ リーザスパイダー
- ダイハツ ミゼットII(一部グレードは乗車定員1人)
乗車定員が2人の軽自動車は、スポーティーな車や見た目のかわいらしい車が多いことが特徴です。
中古車市場では今でも多くの2人乗り軽自動車が出回っているため、興味のある人はチェックしてみましょう。
まとめ
現在販売されている軽自動車の多くは、乗車定員が4人となっています。
しかし、「大人2人+12歳未満のお子さま3人」のようなパターンであれば、軽自動車に5人乗ることが可能です。
とはいえ、一般的な軽自動車には3人分のチャイルドシートを設置するのは困難です。
また、車に元々装備されているシートベルトも4人分しかない点を考慮すると、5人乗車時に事故を起こした場合のリスクについても考える必要があります。
軽自動車に乗車する際は、乗車定員についての法律を理解しつつ、安全・安心なドライブを楽しみましょう。