パトカーはなぜ白黒のデザイン?パトカーに関するさまざまな豆知識を紹介
一般道路や高速道路を走行中に、白黒デザインをしているパトカーの姿が見えれば、自分が交通違反を犯していないか不安に駆られた経験をしたことがある人もいるでしょう。
道路を普通に走行するだけでも、ドライバーに交通ルールを遵守した運転を推進させるパトカーはなぜ白黒のデザインなのでしょうか。
この記事では、パトカーが白黒のデザインになった理由や、パトカーに関するさまざまな豆知識について解説していきます。
パトカーについて興味を持っている人は参考にしてください。
INDEX
パトカーの概要
パトカーは「パトロールカー」の略称であり、警察官が事件や事故現場へ急行したりパトロールのために各地を巡回したりする警察車両を指します。
パトカーの主な役割は、治安を維持するためのパトロールや交通違反の取り締まり、交通事故が発生した際の交通整理などです。
また、事件発生時、現場へ急行する際や逃走する犯人の追跡などにもパトカーは使用されます。
パトカーにはさまざまな種類がある
パトカーは、さまざまな役割を成し遂げるために各役割に適した種類のパトカーが用意されています。
ここでは、パトカーの種類について解説していきます。
白と黒のツートンカラーのパトカー
街中で目にする機会が多いのは、車体上部が白色で下部が黒色、車両のルーフ部に赤色灯が装着されているパトカーではないでしょうか。
白と黒のツートンカラー塗装が施されたパトカーは、治安維持のためのパトロールや交通違反を犯した車両の取り締まり、交通事故発生時の事故処理などで活躍しています。
また、白と黒のツートンカラーのパトカーのなかでも役割によって種類が異なります。
パトロールや交通違反車両の取り締まりなどをするパトカーは、セダンタイプもしくはミニパトカーといわれるコンパクトカータイプです。
交通事故発生時の事故処理で主に活躍しているパトカーはワンボックスタイプです。
覆面パトカー
覆面パトカーは、通常の市販されている車とほぼ同一の外観をしており、外観上の相違点を見つけるのが困難なパトカーです。
覆面パトカーは、一般車両と見分けることが難しい特性を生かし、事件・事故の犯罪捜査や交通違反車両の取り締まり、パトロールなどで活躍しています。
警護用パトカー
警護用パトカーとは、天皇陛下や内閣総理大臣などの日本政府の要人や世界各国の政府関係者が車で移動する際に、要人が乗車している車の周囲を走行し警護するパトカーのことを指します。
警護用パトカーは、基本的に黒塗りでクラウンはじめとしたセダンタイプが多い傾向です。
なかには、メルセデスベンツやレクサスなども使用されています。
パトカーはなぜ白黒のデザイン?
パトカーは白と黒のツートンカラー塗装を施されているのか、疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。
日本におけるパトカーの歴史は、1950年に、オープンカーをアメリカ軍から譲渡されたことで登場しました。
しかし、パトカーが日本で運用された当初のボディカラーは白一色であったため、一般車両と区別がつきませんでした。
その後、パトカーと一般車両を区別するために、車体上部には白色、下部には黒色の塗装を施したパトカーが誕生します。
1955年ごろには、白と黒のツートンカラー塗装が施されたパトカーが全国各地に配備されました。
パトカーに関する豆知識
パトカーについて詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
パトカーの特徴である、赤色灯やサイレンなどには、明確に定められた決まりがあります。
ここでは、パトカーに関する雑学的な豆知識を3つ紹介していきます。
赤色灯の形状が変化している
パトカーに装着されている赤色灯は、形状が変化してきました。
登場した当初のパトカーは、小型でライトは1つの回転灯のみが装着されていた赤色灯でした。
その後、高度経済成長期を迎えた日本は、マイカーを所有する人が増加するとともに、煌々と輝くネオンが街中を彩り始めます。
このような状況では、小型でライトが1つのみの回転灯を装着したパトカーを含めた緊急車両の存在感が薄れてしまいます。
緊急車両の存在感を際立たせるために従来型の赤色灯よりも明度が増した、横長タイプの赤色灯が登場しました。
しかし、横長タイプの赤色灯は、前後の視認性の問題点は見受けられなかったものの左右からの視認性に欠けました。
そのため、前後だけではなく左右からの視認性にも優れた赤色灯が新たに開発されます。
それが、現在、一般的なパトカーへ装着されている、「V」字の形状をした赤色灯です。
世界各国のパトカーが赤色灯を装着しているわけではない
日本では、パトカーを含めた緊急車両は赤色の警告灯を装着するように道路交通法施行令第十四条によって定められています。
しかし、欧州の緊急車両には青色の警告灯が装着されており、アメリカの緊急車両には、青色または、赤色の警告灯が装着されています。
日本国内でも青色の警告灯を装着した車が運用されていますが、これらは緊急車両ではなく各都道府県警察から証明を受けた防犯パトロール用の車です。
パトカーのサイレン音の大きさ
パトカーは緊急時に大きなサイレンを鳴らしながら走行します。
これは、視覚だけでなく聴覚にも緊急を訴えかけるために、赤色灯とサイレンを組み合わせての使用が必要です。
パトカーを含め緊急車両のサイレンの大きさは、車の前方20m、高さ1mの位置において、90デシベル以上120デシベル以下であることが定められています。
この音は、飛行機のエンジンの近くの音や列車が走行する高架下の音と同じレベルの大きさです。
運転者や歩行者などにパトカーが走行していることを知らせるためには、遠くから聞こえてほかの音にかき消されないことが大切です。
パトカーのサイレン音の仕組み
パトカーのサイレン音は「ウーウー」と連続で鳴るのが特徴です。
このサイレン音には、4秒周期に鳴るものと8秒周期に鳴るものの二つの種類があります。
これらは、場所や走行状況に合わせて使い分けています。
なかには、ボタンを押すことでサイレン音が鳴る手動タイプもあります。
まとめ
この記事では、パトカーが白黒のデザインになった理由や、パトカーに関するさまざまな豆知識について解説しました。
パトカーとは「パトロールカー」の略称であり、警察官が事件や事故現場へ急行したり、パトロールしたりする際の警察車両のことです。
パトカーは、白と黒のツートンカラー塗装のパトカーや覆面パトカーなどさまざまな種類があります。
パトカーが白と黒のツートンカラー塗装を施されている理由は、パトカーと一般車両を区別するためです。
パトカーに装着されている赤色灯は、小型でライトが1つのみの回転灯から、より明度を増した横長タイプの赤色灯を経て、現在の「V」字型の赤色灯へと変化を遂げています。
日本では、パトカーを含めた緊急車両には赤色の警告灯を装着するように道路交通法施行令第十四条によって定められています。
この記事を参考に日本で活躍するパトカーの豆知識について調べてみてはいかがでしょうか。