バックモニターが義務化!選び方や後付する方法を紹介

国土交通省による保安基準改正では、車の後方を確認できるバックモニターを設置することの義務化が順次進められています。現在すでに一部の車両に適用が開始されており、国としては今後さらなる拡充を目指す方針です。

バックモニターの義務化により、さまざまな影響を及ぼすことも懸念されます。とはいえ、安全性の向上という面からみると積極的に設置を検討するほうがいいでしょう。

そこでこの記事では、バックモニター義務化の現状と背景を解説するとともにバックモニターの選び方や後付けする方法についても解説していきます。

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バックモニターの義務化が進んでいる

バックモニターの画像

現在、日本におけるバックモニターの設置義務はすでに一部で導入されており、適用が順次進められている状況です。

ここでは、バックモニター義務化の詳細について解説していきます。

いつから?義務化される時期

バックモニターの設置を義務付けることとなった「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部改正」は、2021年6月9日に公布および施行されました。この法改正により、道路運送車両の保安基準が変更されています。

新規登録車へのバックモニター設置は、2022年5月からすでに義務化されました。継続生産車について2024年5月に義務化されることが決定しています。

なお、現在すでに使用中の車についてはバックモニターの設置義務はありません。いずれにせよすべての車へのバックモニターの設置が義務付けられることが予想されます。安全確保の観点からも、早期のバックモニター後付けが推奨されるでしょう。

バックモニターの設置要件は?

後ろから見た車の画像

現行制度においては、下記の要件を満たすバックモニターの設置が必要です。

  • 車両の直後0.3mから3.5m、高さ0.8mの範囲で障害となる人やものが写ること
  • カメラ・検知システム・ミラーのいずれかを後方の確認装置として設置すること

上記の基準は、一定の条件を満たせば複数の装置の併用も可能です。ただし、検知システムのみを後方確認装置として設置する場合は上記規定と一部異なります。検知システムとは、超音波で対象物との距離を測り、警報を鳴らすバックソナーといった装置のことです。

また、カーナビとの連携は義務付けられていませんが、連動しているバックモニターが大半でしょう。

バックモニターを取り付ける位置については明確に規定されておらず、各メーカーの判断によるとされています。また、経年劣化などのアフターフォローも各メーカーの責任のもとで行われるべきとの見解が示されました。

義務化の対象となるのは、二輪車を除くすべての自動車です。そのため、乗用車、バス、トラックなど、種類に関係なくほぼすべての車両において基準に合致するバックモニターを取り付けなくてはなりません。

国が義務化に踏み切った背景

国がバックモニターの設置の義務化に踏み切った理由には、以下二つの背景があります。

  • 歴史的な背景
  • 現実問題としての事故防止

歴史的な背景としては、平成10年11月24日に国連の「車両等の型式認定相互承認協定(別名:1958年協定)」への加入がきっかけです。日本は、車両等の型式認定相互承認協定の加入以来、段階的に規則の導入を進めています。

WP29(国際連合欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム)で「後退時車両直後確認装置に係る協定規則」で採択された内容に準じ、今回のバックモニター義務化が導入されました。日本では安全基準を国際的なルールに統合するため、今後も導入を進めていく方針です。

現実的な問題としては、後方不注意による事故が増加していることが挙げられます。子供が車の後方に回り込み、目視では確認できなかったことが原因の事故や、工事現場におけるトラック通行中のトラブル防止が主な目的です。

バックモニターの義務化による影響

負担が増えるイメージ画像

バックモニターの義務化によって今後起こりうる影響について、一つずつ確認していきましょう。

新車価格の上昇

バックモニターの義務化は新車の価格に影響を与えると考えられます。新規登録車にはすでにバックモニターの義務化が適用されており、今後販売される車には、5万円〜10万円程度の費用の追加が推定されるでしょう。

バックモニターの過信による事故増加

バックモニターの過信により、事故が増加することも起こりえます。国土交通省の調査によると、車をバックさせる際の事故には、バックモニターに起因する事故も多いことが分かりました。

バックモニター機能に頼りきるのではなく、目視と組み合わせることが大切でしょう。

車検費用の負担増加

バックモニターの義務化が進められることで、車検費用の負担が増加する可能性があります。バックモニターは定期的なメンテナンスが必要です。義務化の流れにより、車検の項目に追加され、費用が高くなることが予想されます。

後付けによる負担の増加

現行の制度では、すでに使用している車へのバックモニター設置は免除されていますが、今後は適用範囲が拡大されていく可能性が高いといえます。

すべての車へバックモニター設置が義務付けられた場合、後付けにより対応しなければなりません。後付けには費用や手間がかかるだけではなく、操作方法などの知識を身に付ける負担も生じるでしょう。

バックモニターの種類

ルームミラーの画像

バックモニターは主にポータブル型モニターとルームミラー一体型モニターの2種類があります。それぞれの特徴について解説していきます。

ポータブルモニター型

ポータブルモニター型は、小型であるためダッシュボードに設置できるのが特徴です。

しかし、ダッシュボードに設置できる場所がない場合は使用できません。モニターのサイズを確認し、おけるスペースを確保したうえで購入しましょう。

ルームミラー一体型

ルームミラー一体型は設置方法が簡単なバックモニターです。通常はミラーとして使え、バックする際にモニターに切り替わる仕組みになっています。

ただし、ルームミラーに取り付けるという性質上、モニターのサイズが小さくなります。そのため、見えづらい可能性がある点には注意しましょう。

バックモニターの選び方

バックカメラの画像

ここでは、バックモニターの選び方について解説していきます。

画質の鮮明さ

バックモニターは、画質がよいものを選ぶほうがよいでしょう。画質に制限はないものの、ある程度の画素数がないと鮮明に見えないためです。

特に屋内の駐車場や夜間など暗いときでもはっきりと写すためには、最低でも30万画素は必要だと考えるのが妥当です。画素数が高いほど値段も上がりますが、安全を確保するためには必要な措置といえるでしょう。

レンズの種類

バックモニターに使用されるレンズの種類も重要なポイントです。バックモニターに使用されているレンズは、「標準タイプ」と「広角レンズ」の2種類があります

標準タイプは、実際に目で見たときに近い画像が写るため、距離感が分かりやすい特徴があります。しかし、映る範囲が狭く、目視による確認が必須です。

一方、広角レンズは確認できる範囲が広く、標準レンズでは隠れてしまう部分まで見ることが可能です。ただし、見え方が肉眼とは異なるため、慣れていなければ距離感の把握に苦労するでしょう。

見えづらい環境に配慮した機能の有無

バックモニターに映りにくい屋内駐車場や地下駐車場、夜間などの暗い環境でも見えやすくする配慮がされているかどうかも一つの判断基準です。

たとえば、自動点灯のLEDライトや超音波による検知システムであるバックソナーなどが該当します。車のバックライトだけでは十分な明るさが得られないときでも、見えやすい機能が搭載されたバックモニターであれば後方の安全確認を万全にできるでしょう。

設置のしやすさ

自分で取り付けようと考えている人は、設置のしやすさを確認してから購入することをおすすめします。

小型の単体レンズのみやナンバープレートの上部にはめ込むタイプなど、さまざまな種類のモニターが販売されており、それぞれ取り付けやすさが異なります。自分の車との相性がよいものや、その車専用のものを購入すれば、設置の際にも安心でしょう。

バックモニターを後付けする方法

ディーラーやカー用品店に依頼するのがおすすめ

バックモニターは自分でも取り付けられます。また、ディーラーやカー用品店に依頼することも可能です。
ここではそれぞれの特徴について解説してきます。

自分で取り付ける

自分で取り付ける場合、純正品のカーナビを後付けする方法とアフターパーツを取り付ける方法があります。

純正品は品質に安心感がありますが、大手メーカー品だと20,000円ほどの費用が相場です。ハーネスが付いた専用アダプターも合わせて購入するのであれば、加えて10,000円〜15,000円程度は必要でしょう。

アフターパーツを取り付ける場合は、カメラ・モニターの代金として数千円〜15,000円程度が相場です。しかし、数多くの種類があるパーツのなかから自分の車に最適な組み合わせを選択しなければならず、手間がかかります。

いずれの方法にせよ、配線や位置の調整など、専門的な知識が必要であるため、ディーラーやカー用品店に依頼するのがおすすめです

ディーラーやカー用品店に依頼する

ディーラーやカー用品店に依頼する場合、取り付け作業の手間が省けます。しかし、バックモニター本体の費用に加えて工賃を支払う必要があるため費用が高額になるのが難点です

工賃は依頼先によって異なるため、ディーラーやカー用品店に問い合わせてみましょう。

軽自動車にはバックモニターはいらない?その理由は?

最後に、軽自動車にバックモニターはいらないのでは?と言われる理由を解説します。

軽自動車にバックモニターがいらないと言われる理由は、以下です。

  • 設置にお金がかかる
  • 後方確認が雑になる可能性
  • 左右を見損ねる

はたして、本当に軽自動車にはバックモニターはいらないのでしょうか。

いらないと言われる理由を詳しくみていきます。

理由①:設置にお金がかかる

まず当たり前ですが、バックモニターを設置するにあたり、お金が発生します。

そしてバックモニターを設置するにあたり、カーナビやバックビデオの取り付けが必要です。

設置費用は、最低でも2万円前後はかかるでしょう。

理由②:後方確認が雑になる可能性あり

バックモニターに慣れてしまうと、駐車をするときの後方確認が雑になってしまう可能性があります。

雑になるとは、首を振って目視確認するわけではなく、モニターだけを見て「人がいないから安心だ」と思い込んでしまうことです。

バックモニターでしか後方を確認しなかった場合、モニターでは映っていない死角から人が飛び出てきたときに対応が難しく事故につながってしまいかねません。

理由③:左右を見損ねる可能性あり

バックモニターに頼るあまりモニターばかり見てしまい、左右の確認が不十分になり障害物に衝突する、というケールもあります。

上述したようにバックモニターに頼りすぎて、目視での確認が不十分になると事故の原因になります。
この油断を生んでしまうため、「いらない」という噂があるのかもしれませんね。

ただバックモニターには車の後方を映像で見れるため、障害物を確認できたり、駐車がしやすくなるなど、設置するメリットもたくさんあります。
運転初心者の方は特に恩恵を感じるでしょう。

もしバックモニターを設置するときには、目視でしっかり確認し、車後方の左右も確認することを徹底しましょう。

まとめ

この記事では、バックミラーの義務化について解説しました。
バックミラーの義務化は現在すでに導入されており、今後も順次拡大されていく可能性があります。

いずれ設置する可能性が高いのであれば、早めに取り付けて慣れておくのが得策です。適用前から使用している車については義務付けられていませんが、安全性の向上のために設置の検討してみてはどうでしょうか。

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この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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