車の傷やへこみは自分でどこまで修理できる?簡単な修理方法や注意点を解説
車の傷やへこみは修理に高度な技術が必要なことから高額な費用がかかります。
またDIYで修理をしてもきれいに仕上げるのが難しいため、傷やへこみを放置してしまう人も少なくありません。
しかし、傷の状態によっては自分で修理を行ったとしてもきれいに仕上げることができます。
この記事では、修理できる傷の見分け方や簡単な修理方法、注意点を解説します。
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車の傷やへこみの種類
車の傷やへこみにはいくつか種類があります。
今回は日常的に付く軽度な傷と、修理が必要なレベルの傷について紹介します。
日常で付く線傷や引っかき傷
車に付く傷の中でも付きやすいものが線傷や引っかき傷です。
これらの傷は気をつけていても付きやすい、日常的な傷といえます。
例えば、ボディに線のようにできる線傷は路肩の木や植物などに接触することが原因で生じる傷です。
また飛び石や鍵、かばんの金属部分などが触れることでも付いてしまいます。
また、引っかき傷は小動物や人間の爪で付く傷です。
ドアハンドルの周りやボンネットなどに付きやすい傷といえるでしょう。
これらの傷は主に車の塗装面の最上層であるクリア層に付く軽度な傷です。
付いたとしてもコンパウンドで擦れば消すことができます。
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ぶつかったときにできるスリ傷やガリ傷とへこみ傷
業者による修理が必要とされるレベルの傷は、スリ傷やガリ傷、へこみ傷などです。
これらの傷は車をぶつける、または擦った際に発生します。
例えば、スリ傷は塀や壁にこすり付けたような傷を指し、ガリ傷はポールなど硬いものに擦ったときにできるえぐられたような傷です。
へこみ傷はボディが陥没する傷で、板金修理が必要になります。
これらはボディの下地が出てしまうケースが多いため、重度の傷となります。
放置するとサビや腐食、塗装はがれなどが発生するため、早めに業者に修理を依頼しましょう。
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自分で修理できる車の傷やへこみはどの程度まで?
車の傷は程度によって修復の難易度が異なります。
どの程度の傷やへこみであれば自分で直せるのか確認してみましょう。
自分で修理ができるのは浅い傷まで
自分で修理ができるのは基本的に軽度の引っかき傷や線傷までです。
手先が器用な人や車に詳しい人であればスリ傷やガリ傷も補修ができますが、傷が完全に分からない状態まで持っていくのは非常に難しいといえます。
また、傷が深くなればなるほど、修理に必要な塗料やパテなどの材料や道具をそろえる必要があります。
場合によっては材料や道具をそろえるだけで修理を依頼した場合の費用を超えてしまうこともあるでしょう。
そのため、自分でできる修理は、必要な材料や道具が少ない浅い傷程度までといえます。
へこみや塗装はげがある場合は業者に依頼しよう
へこみやガリ傷、塗装がはがれて下地が見える傷は業者に依頼する方が良いでしょう。
なぜならこれらの傷を消すためには、パテ盛りや塗装など高度な技術が求められるためです。
特に塗装は難しく、国家資格が必要なほどです。
大きな傷や目立つ傷は、素直に業者に依頼する方が良いでしょう。
また、金属でできているフェンダーやドアなどは特に注意が必要です。
これらの部品は下地処理を誤ると修復後の塗装下で腐食や新たなサビが発生し、後に部品の交換など大きな修理につながる恐れがあります。
金属面が見えているスリ傷やガリ傷、へこみ傷は業者に依頼して修理をしましょう。
自分でできる車の傷やへこみの修理方法を状態別に解説
車の傷を直す板金修理は難しいといわれますが、浅い傷やへこみであれば自分でも修理が可能です。
傷やへこみの状態別に修復に必要なアイテムや方法を紹介します。
浅い傷ならコンパウンドやタッチアップペン
軽度の線傷や引っかき傷であればコンパウンドで消すことができます。
コンパウンドとは非常に細かい粒度の研磨剤で、塗装面を整えるために使用されるアイテムです。
車の塗装の最上面であるクリア層を削り、傷の部分をなだらかにするため、表面に付いた浅い傷を消すことができます。
また、コンパウンドで消すのが難しい傷の場合や浅いスリ傷の場合であれば、タッチアップペンで修復が可能です。タッチアップペンは車の塗料と小筆が一体になったアイテムで、傷面に塗ることで傷を消すことができます。
小さなへこみは専用パテで
飛び石や小さなへこみの場合、パテとタッチアップペンで簡易的な修復ができます。
パテはへこんだ部分を埋めるための粘土のようなアイテムです。
へこんだ部分の塗装面を一度はがした後にパテを盛り付け、タッチアップペンなどで塗ることでへこみが消えたように修復することができます。
パテはドアなどに使われる金属用やバンパーに使用される樹脂用パテなどさまざまなものが販売されています。
大きなへこみ傷やガリ傷が深いものの修復は難しいですが、素材に合ったパテを用意し、正しい色のタッチアップペンを使用すれば、簡単なへこみであれば修復可能です。
大きなへこみも市販のキットで直るケースも
大きなへこみであったとしても、「デントリペア」と呼ばれる市販のキットをうまく活用すればへこみを直せる場合があります。
デントリペアとはへこんでしまったボディを引っ張り出すためのアイテムです。
へこみ面に棒を差し込む、あるいはホットボンドなどで貼り付けた後、慎重に引っ張ることでへこんだ面を引き出すことができます。
大きな傷を自分で修復するのはとても難しいことですが、デントリペアを使用しへこみを浅くすれば自分で修復ができるレベルまで浅くなる場合があります。
うまく使用すれば大きなへこみを修復できるアイテムでしょう。
車の傷やへこみをそのまま放置したらどうなる?
車に付いた傷やへこみを放置することで、新たなトラブルが発生する場合があります。
ここでは、傷やへこみを放置することで起こりうるトラブルを紹介します。
塗装のはがれや腐食の原因に
スリ傷やガリ傷などによって塗装面がはがれてしまった傷を放置すると、腐食による穴あきなどが起こる場合があります。
これは車のドアやフェンダーと呼ばれるタイヤ周りのボディ部品は金属でできている車が多いためです。
傷によってこうした金属面が表面に出てきてしまった場合、ゴミや水がたまりサビてしまう場合があります。
サビの進行によっては穴が開くケースも少なくありません。
また、サビが塗装の裏にまわり塗装面に歪みができてはがれてしまうこともあるため、早急に対処をしましょう。
車の前や後にあるバンパーや一部の車種のボンネットは樹脂でできています。
こうした樹脂部分であれば放置しても問題はありませんが、金属でできている場合は注意が必要です。
下手な修理は新たな故障の原因にも
ネット上やSNSではドライヤーで温めたりお湯をかけたりすることでへこみを直す方法が紹介されています。
しかし、こうした方法でへこみの修復は難しく、確実に直せる保証はありません。
場合によっては、熱で塗装面が歪んだりケースや傷の裏にある電装や配線を傷つけてしまったりする可能性があります。
安直な修理は車をさらに傷つけることにつながるため、避ける方が良いでしょう。
自分で修理する際の注意点
自分で板金修理を行う場合の注意点を2つ紹介します。
失敗すると高額な費用も
大きなへこみや傷の修復に失敗し、修理業者に依頼すると修理費用がかさむケースがあります。
これは修理の際、DIYで行われた部分の塗料をはがす工程が加わるためです。
へこみや傷ができた直後であればそのまま作業ができますが、塗装のはがし工程が入ってしまうのです。
また、個人が作業に必要な道具をすべてそろえると、場合によっては業者に修理を依頼するのと同じぐらいの費用が必要になります。
そうしたケースで失敗してしまった場合、二重に費用がかかることになります。
どのくらいの費用がかかるか、まずは見積もりを取ってから自分で行うか、依頼するかを考えましょう。
サビ対策を怠ると車を傷めることも
DIYでパテを使った修理をする場合、サビ対策が非常に重要です。
傷によってできたサビが残った状態でパテ埋めを行うと、パテの下でサビが進行する可能性があります。
また、パテの上はきっちりと仕上がっているため、サビに気が付かず、後に大きな腐食となって現れるケースも少なくありません。
大きなサビや腐食の場合、大規模な板金が必要になるケースや部品の交換が必要です。
DIYで下地が見えるレベルの傷を修復する場合は、特に気をつけましょう。
まとめ
車の傷やへこみは修理に高額な費用がかかるため自分で直せるのか考える人は少なくありません。
しかし、大きな傷やへこみの修復は難しく、業者に依頼した方がきれいに仕上がります。
一方で浅いスリ傷や引っかき傷などであれば自分で車の傷をきれいに消すことも可能です。
車に傷を作ってしまった場合は、どのレベルの修理が必要かを見極めることが費用を抑えるポイントとなります。
車の傷のレベルを見極め、最適な手段を選択しましょう。