車のボディにコーティングはした方がよいのか?費用感やメンテナンス方法も紹介

車の塗装は、車のデザインを際立たせより魅力的に見せることができるだけでなく、車のボディを傷やサビから守るという機能的な役割もあります。
せっかく購入した愛車を長く使い続けたいと思う中で、ご自身の車のボディコーティングを検討している人もいるのではないでしょうか。

この記事では、車のボディコーティングについての概要や費用感、メンテナンス方法について紹介していきます。
今回は特に人気の高いガラスコーティングについて説明しています。

ぜひ愛車のお手入れ方法の参考としてください。

車のボディコーティングとは何か?

車のボディコーティングとは、塗装の保護や車のボディに細かい傷がつかないように、専用のコーティング剤を使用して塗装の上にさらに被膜を形成することを指します。
何重にも塗装を重ねても日頃の運転でボディに付く傷や汚れは、車の塗装を傷つけ、車のボディ本体にサビを発生させる要因にもなります。車の塗装を美しいまま維持し、ボディにサビが発生しないよう多くのユーザーが導入しているのが、コーティングです。

車のボディコーティングには以下の6種の方法があります。

  • 固形ワックス
  • ポリマーコーティング
  • ガラス系コーティング
  • ガラスコーティング
  • セラミックコーティング
  • 自己修復コーティング

固形ワックスとポリマーコーティングは、光沢や撥水性に優れますが、小傷の保護はできません。
ガラス系コーティング以降の4種類は、ボディの光沢を引き出し撥水性にも優れ、小傷の防止にもなります。使用されるコーティング剤により特徴や価格が異なります。

人気のボディコーティングは、ガラスコーティングです。
ディーラーオプションで用意されていることもありますし、専門店も多くあります。
また、ガラスコーティング剤は自動車用品店やホームセンターなどでも販売されているため自身でコーティングすることも可能です。

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ガラスコーティングとは

ガラスコーティング剤を車のボディに塗布すると、ガラス成分の被膜が形成され、車の塗装を保護します。

ガラスコーティングの被膜の硬度は、最高で9Hです。これは「どの硬さの鉛筆でひっかくと傷がつくのか」という基準のもと設定されています。
9Hという硬度を持つ鉛筆も実際に存在します。金属や石材に文字を記す際に用いられるもので、用途からもかなりの硬度を持つことがうかがえるでしょう。

ガラスコーティングの特徴はガラス被膜を形成するため光沢に優れていることです。また、擦り傷や紫外線に強く、持続性が高いという特徴も持ち合わせています。使用年数は概ね3〜5年です。

傷のないなめらかなボディを保ちながら乗りたい人には、ガラスコーティングはおすすめのカーケアです。

ガラスコーティング施工の流れ

ガラスコーティングの施工の手順は、洗車、下地処理、コーティングの順で行われます。

ガラスコーティング前の洗車は、車体の汚れを落としガラスコーティングの効果を高めるために大切なことです。
必要な道具は、ワックス成分の入っていないカーシャンプー、洗車用スポンジ、バケツ、水分を拭き取るマイクロファイバークロスです。

下地処理では洗車で落としきれない汚れを落とし、ボディを磨き上げます。
ボディに付着した鉄粉は、鉄粉除去用の洗剤や粘土で落ちます。水垢は水垢除去剤、シミはイオンデポジット除去剤、油汚れは脱脂クリーナーなどの専用グッズで落としましょう。

ボディに付着した汚れを落としたら、ボディを仕上げ用の研磨剤(コンパウンド)で磨き上げ、その後余分な研磨剤を拭き取ります。
続いてアルコール系の脱脂クリーナーを車に塗り込み、下地処理は終わりです。

最後に本題のガラスコーティングです。
ガラスコーティング剤をスポンジで、どの箇所も均一になるよう車のボディに塗布します。
乾燥時間は1日程度みておきましょう。

乾燥し終えたら新しいクロスでガラスコーティング被膜を拭き取り、汚れ具合をチェックして完了です。

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費用はどれくらいかかるのか?

ガラスコーティングには、多種の専用ケミカル剤や工具が必要です。
さらにコーティング作業用の密閉空間を作ることでよりコーティングの効果を発揮するため、できるだけ作業用の空間を確保したいところでしょう。

このようにガラスコーティング施工には多くの手間と時間、施工スペースが必要です。
では、ガラスコーティング専門店とDIYとで費用はどれくらい異なるのでしょうか。

ここでは、専門店に依頼した場合とDIYで施工した場合の費用や特徴について解説してきます。

ガラスコーティング専門店の場合

ガラスコーティング専門店の場合、ガラスコーティングを施工する車によって価格が変わります。
新車か中古車かでも変わってきますし、ボディサイズによってガラスコーティング剤の質と使用量が異なります。
そのため、価格が変動するのです。

同じガラスコーティングを施工した場合、一般的に新車で小型車の方が安価になります。
逆に、中古の大型車は高価になります。
新車であれば洗車や下地処理に手間がかからない上に、さらに小型車であれば使用するガラスコーティング剤が少なくて済むからです。

中古車は下地処理が必須となり作業時間が増えるため、施工料金が高価になります。相場は新車で7〜10万円、中古車で10〜15万円ほどです。

DIYで施工する場合

DIYでガラスコーティングを施工する場合、コーティングに必要なケミカル剤や道具を全て自動車用品店で購入すると、およそ下記の価格と予想されます。

カーシャンプー 1,000円
洗車用スポンジ 3,000円(600円×予備含め5点)
バケツ 1,000円
マイクロファイバークロス 10,000円(1,000円×予備含め10枚)
鉄粉除去用洗剤 2,000円
鉄粉除去用粘土 1,000円
水垢除去剤 1,000円
イオンデポジット除去剤 2,000円
脱脂クリーナー 2,000円
研磨剤 2,000円
ガラスコーティング剤 3,000円
合計 27,400円

マイクロファイバークロスは、ガラスコーティング施工の各手順で必要になります。
少なくとも10枚程度を準備しておくとよいでしょう。

また、洗車用スポンジもカーシャンプー、鉄粉除去、水垢除去、イオンデポジット除去、ガラスコーティング剤と各ケミカル剤ごとに別に用意することをおすすめします。
目に見える支出に加えて、DIYなので施工時間という支出も必要です。ガラスコーティングのプロは、10時間ほどかけて施工し1日以上ガラスコーティング剤を乾燥させ、その後に仕上げをします。ガラスコーティングの施工は、プロでも3日がかりの仕事です。DIYなら、さらに時間がかかることでしょう。

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メンテナンスはどうすればよいのか?

ガラスコーティング施工後は、洗車などのメンテナンスを全く行わなくてもいいのかというと、そんなことはありません。

ガラスコーティング被膜には、走行中に多くのゴミを受けて傷ついています。そのままにしておくと光沢や撥水機能が失われるだけでなく、ガラスコーティングそのものの剥離にもつながりかねないので、定期的にメンテナンスをしましょう。

ここでは、メンテナンス方法について紹介します。

車についた汚れをすぐに除去する

ガラスコーティングを傷つける原因として雨、鳥のフン、虫の死骸の体液、花粉、黄砂があります。

雨は水垢汚れの原因になり、他のものはガラスコーティング被膜を傷つけます。
特に気を付けたいのは春先で、雨、花粉、黄砂とガラスコーティング被膜の大敵が現れます。
対策としては車にボディカバーを被せ、ガラスコーティング被膜を花粉や黄砂に触れさせないことです。

また、走行中にこれらのゴミが付着したらすぐに水洗いをし、水分をしっかりと拭き取りましょう。
洗車に使用する家庭の水道水には多くの物質が含まれており、それが水垢汚れの原因になります。

洗車に使う水は、洗車用浄水フィルターを通してから使うと水垢汚れを抑えられます。

降雨後に洗車する

ガラスコーティング被膜を長持ちさせるメンテナンスで日常的に実践できるのが、洗車です。

汚れがついたら洗車をするのはもちろんですが、雨が降った後にも洗車をおすすめします。雨が水垢汚れの原因になるためです。

ガラスコーティングであればまだよいのですが、それ以外の樹脂製コーティングを施工していた場合、花粉はすぐに洗車して洗い流すことをおすすめします。
花粉を放置したままでいるとペクチンと呼ばれるタンパク質性の物質が発生します。ペクチンは粘性が高く、乾燥した際に収縮する性質を持ちます。樹脂製のコーティングだとペクチンの収縮に引っ張られてしまい、その結果洗っても消えない跡になってしまうわけです。

水洗いをしてみて、もし落ちない汚れがあればなるべく中性に近いカーシャンプーや各種除去剤を使用しましょう。

定期的にプロにメンテナンスを依頼する

ガラスコーティング被膜は、日常の運転でも傷つきます。

ガラスコーティングの良さが半減する前に、定期的にガラスコーティング専門店にメンテナンスを依頼するのもよい方法です。

ガラスコーティングは化学物質を使用するため、洗剤や各種除去剤との相性があります。素人判断でメンテナンスにケミカル剤を使用し、逆にガラスコーティングが破損するなど取り返しのつかないことになることもあります。

その点、プロにメンテナンスを依頼すれば、取り返しのつかない事態を避けることができ、結果的に安くなることもあります。

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まとめ

ガラスコーティングは車の塗装を保護するだけでなく光沢や撥水性に優れています。
車を綺麗なまま乗りたい人には、おすすめのカーケアです。

ガラスコーティングの予算が確保できる人や、自動車のメンテナンスに時間が確保できない人は、ガラスコーティング専門店に任せるとよいでしょう。
車いじりが好きであったり時間に余裕のある人は、DIYでガラスコーティングに挑戦してみてはいかがでしょうか。必要な道具を1から揃えたとしても3万円程度で済みますが、施工時間の捻出という支出が必要です。

どちらを選ぶかは予算と時間、そしてコーティングへのこだわり次第です。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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