スタンディングウェーブ現象とは?空気圧を保って問題対策を
運転中に起こる色々な現象は、自動車学校で習うものの特に試験に出るわけでもなく時間と共に忘れていきます。
中でもスタンディングウェーブ現象は存在感が薄く「何だったっけ」と思っている方も多いでしょう。
今回は、スタンディングウェーブ現象が発生する原因、事故やトラブルを防ぐための対策についておさらいしますので、ぜひご参考になさってください。
名前は覚えられなくても、事故防止のためにも必要な知識ですのでぜひしっかりと理解しましょう。
関連記事:タイヤの空気圧を点検する意味は?適正ではない空気圧によるデメリットについて
INDEX
「ハイドロプレーニング現象ともう一つ」現象
そもそもなぜこんなにもスタンディングウェーブ現象の存在感が薄いのかというと、同じ時期に習う「ハイドロプレーニング現象」が強すぎるせいです。
「スタンディングウェーブ現象」も単体で見たら存在感は充分にあるのですが、どうしても「ハイドロプレーニング現象」に負けてしまうのです。
スタンディングウェーブ現象も大事なのですが、このような理由で「ハイドロプレーニング現象ともう一つ何だっけ」と言うような現象が起こっています。
関連記事:ハイドロプレーニング現象って何だっけ?原理から対策まで解説
スタンディングウェーブ現象とは
ハイドロプレーニング現象に完全に押されているので、改めて説明をいたします。
スタンディングウェーブ現象とは、タイヤの空気圧が低く、不安定な状態で高速走行をしたときに、接地面の後方が波打つように変形する現象のことです。
タイヤの空気圧が低いと、タイヤが円形を保ちにくくなり、接地面の凹みが大きくなります。
そのような中でさらに高速回転していると、凹みが戻ろうとする力が作用する前にタイヤが1周してしまいます。
その為、力のバランスが崩れ、タイヤ全体が波打つように変形してしまいます。
スタンディングウェーブ現象の起こり始めはあまり違和感を覚えませんが、そのまま悪化していき、ハンドルを取られたり、最悪の場合タイヤが加熱され突然バースト(タイヤが破裂すること)してしまいます。
関連記事:タイヤバーストとは?起こった時の対策は?前兆や予防策もご紹介!
スタンディングウェーブ現象はなぜ起こる?
スタンディングウェーブ現象の原因は主に「タイヤの空気圧の不足」です。
空気圧が適正であれば、タイヤの凹みも少しで済みます。
タイヤが主に空気とゴムでできている以上、多少の凹みは起こりますが、それがメーカーの想定内であれば危険ではないのです。
車両の指定空気圧はドアの内側に書いてあることが多いですが、その値を守ることが大切です。
対策に関しても、やはり「車両の指定空気圧を守る」のが一番です。
高速回転していることもスタンディングウェーブ現象を起こす可能性のある原因の1つですが、高速道路を走っている以上、ある程度のスピードは出ますので、そこは防ぎようがないでしょう。もちろん制限速度は守らなければなりません。
また過積載も原因の一つですが、法律で定められた範囲を守っていれば特に問題はありません。強いて言うなら偏った積載はやめてなるべくバランスよく荷物を載せることが重要です。
関連記事:高速道路を走行するときのタイヤの空気圧は高めが良いというのは本当?
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スタンディングウェーブ現象が発生したら?
スタンディングウェーブ現象は、突然起こり、その後すぐにタイヤが破裂することがあります。
タイヤが高速で波打つことで急激に加熱され、空気圧が急上昇します。
この状態が持続すると、タイヤが破裂する可能性が高まります。驚くべきことに、異常振動などの前兆がほとんどないため、ドライバーは危険に気付きにくくなっています。
スタンディングウェーブ現象が発生した場合、異常を感じたら速やかに周囲の交通状況を確認し、安全な場所にクルマを停車させましょう。
路肩などの安全な場所に車を寄せ、他の車による危険を避けることが重要です。そして、タイヤの状態を確認し、必要に応じて適切な対処を行いましょう。
安全を最優先に、速やかに対応することが重要です。
スタンディングウェーブ現象を防ぐには?
スタンディングウェーブ現象が起きた時には、以下の対策を取ることが重要です。
①空気圧の点検を行いましょう
タイヤの空気圧を適正値に保つことが重要です。特に高速道路を走る前には、必ず空気圧をチェックしましょう。適切な空気圧を維持することで、スタンディングウェーブ現象を防ぐことができます。
②スピードの出しすぎに注意しましょう
スタンディングウェーブ現象は高速走行時に起こりやすいものです。高速道路での走行時には特に注意が必要です。スピードを出し過ぎると、タイヤに大きな負荷がかかり、事故のリスクが高まります。安全運転を心がけ、スピードを適切にコントロールしましょう。
③荷物の積み過ぎに注意しましょう
スタンディングウェーブ現象は、荷物の積み過ぎによっても引き起こされることがあります。荷物を多く積んだ場合には、タイヤのたわみに応じて空気圧を調整する必要があります。荷物を降ろした後は、タイヤの空気圧を適正値に戻すことを忘れないようにしましょう。
これらの対策をしっかりと行うことで、スタンディングウェーブ現象のリスクを低減し、安全なドライブを実現できます。
スタンディングウェーブ現象とハイドロプレーニング現象の違い
ハイドロプレーニング現象は、雨天時などに、タイヤと道路の間に水膜ができて、タイヤのグリップが効かなくなることです。
一方で、スタンディングウェーブ現象は、天候は関係なく、タイヤの空気圧が低いことでタイヤそのものが波うつことです。
こうして見ると似ているのは響きというか字面だけで、全く違うことがわかります。
しかし、ハイドロプレーニング現象も原因の一つに「空気圧の低下」があるので、やはりタイヤの空気圧を守ることがいかに重要かがわかります。
関連記事:タイヤの空気圧は高めの方が良い?理由や許容範囲を解説
空気圧を適正にするには?
走行状態などにもよりますが、月に1回程度の空気圧の点検・補充がおすすめです。
一般的に、タイヤの空気圧は月に5%〜10%ほど低くなると言われています。
ちょうどその程度の低下時に空気圧を点検すると、程よく維持し続けることができます。
ガソリンスタンドなどで簡単にお願いできるので、月に一度は空気圧を確認するようにしましょう。
関連記事:タイヤの空気圧はどれくらい?空気圧を測る方法とタイミングを解説
空気圧の点検をつい忘れてしまう
月に1度の点検が重要ですが、習慣化するまではどうしても忘れてしまいがちです。
そのような場合はカーメンテナンスアプリ「ドライブオン」がおすすめです。
「ドライブオン」は、車両情報を登録しておくと適切なタイミングでお知らせしてくれるスマホアプリです。
通知だけでなく、そのまま予約することもできるのでうっかり忘れることもなくなるでしょう。
この機会にぜひ、ご検討なさってください。