渋滞はなぜ起こるのか?自分が原因にならないための対策も解説
ドライブを楽しもうと出かけたものの、長い渋滞にはまってしまうとガッカリと気落ちしてしまいます。
車の運転に渋滞はつきものですが、もしかしたら自分が渋滞の原因になっている可能性があります。
この記事では、渋滞の定義や種類、渋滞が発生する原因について解説していきます。
また、ストレスなくドライブするため、渋滞を回避するポイントについても解説していきます。
INDEX
渋滞とは?
渋滞とはどのような状態のことをいうのでしょうか。
ここでは、渋滞の定義や種類について解説していきます。
渋滞の定義
公益財団法人 日本道路交通情報センターでは、「高速道路は速度が時速40㎞以下、都市高速道路は速度が時速20㎞以下、一般道路は速度が時速10㎞以下の場合が渋滞」とされています。
また、NEXCO西日本によると、高速道路における渋滞は、「時速40km以下で低速走行、あるいは停止発進を繰り返す車列が1km以上かつ15分以上継続した状態」と定義されています。
一般的には、前方の道路に車が多くあることが原因で、車が止まったり、速度が十分に出せなかったり、車がなかなか先に進めなかったりする状態を「渋滞」と呼びます。
渋滞の種類には、大きく「交通集中渋滞」「工事渋滞」「事故渋滞」の3つがあります。
交通集中渋滞
交通集中渋滞とは、道路に車の数が多く集中することにより発生する渋滞のことです。
通勤や帰宅の時間、ゴールデンウィークや年末年始、お盆のシーズンなど多くの人が車を使うタイミングで渋滞が発生する傾向があります。
つまり、交通集中渋滞は道路のキャパオーバーにより起こる渋滞のことです。
なお、NEXCO西日本の調査によると、日本における渋滞の約64%が交通集中渋滞とされています。
工事渋滞
工事渋滞とは、道路工事により車線が規制されることが原因で発生する渋滞のことです。
2車線の道路が工事により1車線になる場合、合流地点でスピードを落とす必要があるため、渋滞が発生しやすくなります。
また、2車線の道路が1車線になることで、1車線あたりの車の通行量が増えるため、スピードが出にくくなることも工事渋滞の原因です。
事故渋滞
事故渋滞とは、道路上で交通事故が起きた際に、道路の一部が塞がれることが原因で発生する渋滞のことです。
道路の一部が塞がれて、別の車線に合流する必要があるため、合流地点でスピードを減速したり、1車線あたりの車の通行量が増加したりなどによって渋滞が発生しやすくなります。
また事故が発生すると、周りのドライバーが脇見することが多くなり、車のスピードが落ちることも渋滞の原因となります。
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渋滞はなぜ起こるのか?
工事や事故などを原因とする渋滞については、発生のイメージができる人も多いでしょう。
しかし、特に道路に問題が発生していないにも関わらず、渋滞が起きてしまうことがあります。
ここでは、シチュエーション別に、渋滞がなぜ起こるのかについて解説していきます。
上り坂・サグ部を走行中に発生
平坦な道から上り坂に差し掛かるとき、アクセルを同じように踏んでいると車の速度は低下します。
前方の車が速度低下したことで、後方を走る車がブレーキを踏み、さらにその後方の車もブレーキを踏むというように連鎖が起こり、渋滞が発生します。
サグ部では、この現象がより起こりやすくなります。
サグ部とは、下り坂から一転して上り坂に変わる、V字型の道路です。
下り坂で通常よりもスピードが出ていた車が、上り坂に差し掛かると一転してスピードが出なくなることで、後方の車がブレーキを踏み渋滞が発生します。
高速道路を走行中に発生
高速道路を走行中は、合流地点で渋滞が発生することがよくあります。
高速道路の合流地点で合流する車がいる場合、高速道路を走行している車は、スピードを落とす必要があります。
これにより、後方の車もブレーキを踏むことになり、渋滞が発生します。
また、年末年始の長期休暇など、普段は車を運転しない人が高速道路を走行するときは、より交通集中渋滞が起こりやすい環境になっています。
トンネルを走行中に発生
トンネルは、スピードを落とす人が多いことから、渋滞発生の原因になります。
トンネル内は暗いため、意識しなくてもスピードが落ちることがあります。
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実はいろいろ行われている渋滞の対策とは?
交通集中渋滞を発生させないために、さまざまな対策がされています。
ここでは、渋滞を予防するために行われている対策を紹介していきます。
看板・標識
「速度低下注意!上り坂○km」「ここから傾斜○%」「サグ部 速度低下注意」など、高速道路を中心に、上り坂やサグ部など渋滞が発生しやすい箇所に注意を促す看板・標識が多く設置されています。
ペースメーカーライト
ペースメーカーライトというのは、道路の両サイドに設置されたライトで、進行方向に移動するように光ります。
主にトンネルやサグ部に設置されており、ドライバーの意識的な速度減速に回復を促します。
車線の増設
道路のキャパオーバーが原因で起きる渋滞は、新しい車線を増やすことで解消できます。
速度の遅い車が走るための登坂車線(ゆずり車線)も、渋滞の緩和につながります。
AIを活用した渋滞予測
従来は渋滞予報士が行っていた渋滞予測に、AIを活用する動きもあります。
過去に渋滞が発生した状況などのデータをAIに学習させることで、将来の渋滞が発生する場所・日時が予測できます。
事前にある程度の渋滞予測が分かると、ドライバーは渋滞を回避できるでしょう。
渋滞を避けるためのポイント
渋滞を避けるために自分でできることは、上り坂でスピードをキープすることと、車間距離を空けて運転することです。
渋滞のきっかけとなる主な行動は過度にブレーキを踏むことです。
車間距離を開けて運転することで、過度なブレーキを踏む機会が少なくなり、後方で渋滞が発生する可能性が低くなります。
また、高速道路の渋滞が予測できた場合は、急いで渋滞に近づくのではなく、焦らずにゆったりと近づくようにしましょう。
自分の車が合流する時点で渋滞が解消されている可能性が高まります。
自分一人が気をつけていても、車が多くなる時期や時間帯では渋滞を避けられない場合もあります。
どうしても渋滞を避けたい場合は、早朝や深夜など、車の通行量が少ない時間帯に出発するようにしましょう。
高速道路を利用する際は、渋滞予報をしっかり確認することが重要です。
道路状況によっては、下道を使った方が早い場合もあります。
カーナビを使い、混んでいない道がないか検討することも、渋滞を避けるポイントです。
いずれにしても、渋滞が起きても目的地の到着時間に間に合うように、早めに行動するように心がけましょう。
また、万が一のときに備えて、携帯用トイレを車に準備しておくと安心です。
まとめ
この記事では、渋滞が起こる原因や状況、渋滞を避けるためのポイントについて解説していきました。
渋滞には「交通集中渋滞」「工事渋滞」「事故渋滞」の3種類があり、日本の渋滞の約64%が交通集中渋滞です。
交通集中渋滞は、上り坂やサグ部、高速道路の合流部、トンネルの走行中に発生しやすいです。
渋滞を防ぐために、渋滞が起こりやすい箇所に、注意を促す看板や標識、ペースメーカーライトの設置、車線の増設などの対策が行われています。
多くの渋滞は、ドライバーが過度にブレーキを踏み、後方の車にブレーキが伝染することで起こります。
自分が渋滞のきっかけにならないためには、上り坂でスピードをキープすることや前の車との車間距離を保つことが重要です。
渋滞は、一人一人が少しの意識を持つだけで解消されます。この記事を参考に、快適なドライブができるように心がけましょう。