高速道路でエンジントラブルが起こる原因と対処法について
お出かけや仕事など、車で遠方に行くときに利用する機会が多い高速道路ですが、トラブルが発生した場合は冷静に対処する必要があります。
「どこに連絡すればよいのか」「レッカーの手配は必要なのか」「費用はどのくらいなのか」など、考えることがたくさんあり、場合によってはトラブルに加えて違反となってしまうこともあります。
この記事では、高速道路でエンジンが止まってしまった場合やトラブル時の対処法についてご紹介します。
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高速道路で起こりやすいトラブル
ここでは、高速道路で起こりやすいトラブルについて紹介します。
高速道路での車の故障原因
高速道路での車の故障の原因としては以下が挙げられます。
1位 タイヤ・ホイール破損
2位 始動・点火系統不良
3位 オーバーヒート
4位 燃料切れ
5位 動力伝達装置不良
※参考元:ドラぷら|ドライブまめ知識
※2021年NEXCO調べ
上記のように高速道路での故障原因は、走行ができなくなる故障ばかりです。
なかでも、高速道路で起こる故障原因としてタイヤ・ホイールの破損が一番多いようです。
一般道路よりもスピードを出す高速道路では、タイヤへの負荷も大きくなりパンクする可能性が高くなります。
また、故障原因の1位と4位については、事前に給油とタイヤのチェック(空気圧など)をすれば防げることが多いため、高速道路を走行する前にガソリンスタンドに行くことを習慣化するとよいでしょう。
2位と3位はエンジン系のトラブルです。
2位の「始動・点火系統不良」は、バッテリーなどの点火系装置が不具合を起こし、エンジンが始動できなくなるトラブルです。
特に高速道路での渋滞時ではバッテリーが充電されず、放電していき劣化や寿命を縮める原因になります。
3位の「オーバーヒート」についても長時間の渋滞が原因とされています。
走行中に車が風にあたることで、エンジンを冷やす効果がありますが、渋滞中ではそれができずエンジンが高温になってしまいます。
また、オイル漏れもオーバーヒートの原因の一つです。
5位の「動力伝達装置」とはトランスミッションなどを指し、エンジンからのエネルギーを駆動するタイヤに伝える働きをする装置のことです。
エンジン同様、オイル漏れが原因の一つになるため、日常的な点検をすることを心掛けましょう。
高速道路でエンジンが止まってしまった場合の対処法

多くの車が速いスピードで行き交う高速道路で走行不能になってしまうと、さまざまな事故を引き起こす原因となります。
ここでは、高速道路におけるトラブルの際に、大事故につながらないようにするため、冷静に対処する方法を紹介します。
第一に安全を確保する
高速道路を走行中にトラブルが発生した場合は以下の対応を行いましょう。
- ハザードランプを点灯させて路肩に停車
- ガードレールの外側に避難
- 発炎筒、停止表示器材の設置
トラブルが発生したことを後ろの車に知らせるために、ハザードランプを点灯させながら路肩に停車します。
次に橋やトンネルなどの路肩が狭い場所や路肩がない場所では、停車できる広い場所まで自走します。
そして停車した後、走行してくる後ろの車に十分気をつけながら、同乗者も全員車から降りて、速やかにガードレールの外側に避難してください。
このとき後ろの車が追突する危険性があるため、停車した車の前方ではなく後方の位置で待機しましょう。
安全を確認した後に、発炎筒と停止表示器材を車の後方50mの位置に設置します。
高速道路上でやむを得ず停車する場合は、停止表示器材の設置が義務づけられています。
移動する際は、ガードレールの外側を歩きましょう。
安全を確保した後に通報する
自分と同乗者、後続車の安全が確保できたら、状況に合わせて以下の3つのいずれかに通報しましょう。
・故障の場合
道路緊急ダイヤル(♯9910)または非常電話で通報しましょう。
高速道路の非常電話は、1kmおき(トンネル内は200mおき)に設置されているため、受話器を取るだけで道路管理センターにつながります。
・事故の場合
110番に電話して、故障や事故の状況、場所、負傷者の有無などを伝えましょう。
トラブルが起きた後の流れと処理について
走行不能となった場合、基本的にレッカーやその後の移動手段などは自分で手配しなければなりません。
ここでは、トラブルが起きた後の対処法について発生する費用も含めて解説します。
任意保険やクレジットカード付帯のロードサービスを利用する
任意保険の加入やクレジットカードにロードサービス特約が付帯されていれば、無料でレッカーやレンタカーの手配ができることがあります。
さらに帰宅費用や宿泊費サポートが付いている保険もあります。
ただし、無料で受けられるサービスには範囲があるため、内容について事前に確認しておきましょう。
手配するには、自分で保険会社などへ連絡する必要があります。
道路管理センターに故障の通報をするタイミングで、自身でレッカー手配をする旨を伝えましょう。
道路管理センターから紹介してもらう
任意保険の付帯サービスやレッカー業者が分からない場合は、道路管理センターが紹介してくれます。
料金や到着時間などの確認をするため、連絡は自分ですることになります。
JAFなどのロードサービスを利用する
JAFなどのロードサービス業者に依頼するのも選択肢の一つです。
ただし、レンタカーの手配は行っていないため、その後の移動手段については自分で確保する必要があります。
高速道路上の危険な場所で故障してしまった場合は、車をレッカーする際に近くのサービスエリアまでは同乗となりますが、その後は自分でタクシーなどを手配しましょう。
参考までにJAF非会員の場合の料金を紹介します。
夜間(20時~8時)でのサービス・パーキングエリア外の高速道路での故障車けん引をする場合、
・基本料 19,900円
・作業料 4,750円
・けん引料 730円(1kmにつき)
・救援車両の高速道路通行料金
その他、レッカー作業の内容によっては別途料金が発生します。価格はすべて消費税込みです。
会員の場合は基本料・作業料・けん引料が無料(15kmまで)となります。
15km超過分は1kmにつき730円(消費税込み)となります。
※参考元:JAF|ロードサービスの料金を調べる
車の購入店や整備工場に連絡する
遠方の場合、レッカーや積載車、代車手配などの対応は難しい場合が多いです。
故障車の修理や買い換えは後々必要となるため、困っていることなどの相談に乗ってもらいましょう。
高速道路の通行料金も発生する点に注意
高速道路の通行料金は、故障してしまった車やレッカー車、もしくは積載車などの故障車を運ぶ車、レンタカーなどの代車のそれぞれに発生します。
・故障車の通行料金
故障車が高速道路に流入したICからけん引、もしくは積載を始めた地点から一番近い次のICまで
・レッカー車の通行料金
レッカー車が高速道路に流入したICからけん引を始めた地点から一番近い次のICまで
・積載車の通行料金
積載車が高速道路に流入したICから積載車が高速道路を流出したICまで
・代車の通行料金
代車が高速道路を走行開始する地点より手前のICから、代車が流出したICまで
エンジン以外のトラブルが起きた際の対処法

エンジン以外のトラブルが起きた際でも対処法は基本的には同じです。
後ろの車に注意しながら安全な場所に停車し、停止表示器材を設置し道路緊急ダイヤルなどに通報しましょう。
タイヤ・ホイールの破損
通報後にロードサービスなどへ救援依頼をして安全な場所で到着を待ちます。
路上でタイヤ交換やパンク修理をすることは絶対にしないようにしましょう。
燃料切れ
完全に燃料切れを起こす前に、安全な場所に停車しましょう。
その後はエンジンが止まった場合の対処法と同様の手順を行い、ロードサービスの到着を待ちましょう。
高速道路上において燃料切れが原因で停車すると、高速自動車国道等運転者遵守事項違反となり、違反点数2点・反則金9,000円(普通車)が課せられます。
緊急時に使用する発炎筒や停止表示器材について
ここでは、後ろの車にトラブルが発生したことを視覚的に伝える発炎筒や停止表示器材について紹介します。
高速道路上でやむを得ず停車する場合は、停止表示器材の設置が義務づけられています。
発炎筒
一般的には車の助手席の足元あたりに装備されています。使用方法の手順は下記の通りです。
- 発炎筒本体をひねりながらケースから抜く
- 本体下部をケースに挿す
- 本体の白いキャップを抜く
- 本体発火部分を白いキャップに付いているすり薬でこすり発火させる
オイル漏れなどの際は火災発生の危険性があるため使用を避けましょう。
また有効期限があるため、車検時などのタイミングで新品に交換しましょう。
停止表示器材
停止表示器材とは三角表示板などを指します。
新車で販売されている車の多くは標準装備ではないため、別途購入する必要があります。
価格は1,000~2,000円程度ですが有効期限はないため、一度購入すれば長く使用できます。
対応を怠ると故障車両表示義務違反になる
発炎筒・停止表示器材の設置を怠ると違反となり、違反点数1点・反則金6,000円(普通車)が課せられます。
まとめ
高速道路で車が故障してしまった場合、大切なのは安全を確保することです。
停止表示器材の設置や通報を行う際も安全確認を徹底しましょう。
高速道路で起こりやすいトラブルは、定期点検や事前準備で防げることが多いです。
万が一に備え、保険内容や装備品の再確認、緊急停車から通報までの流れを理解しておきましょう。
楽しいドライブをするために、日頃から準備しておくことが大切です。