応急救護のやり方とは?講習場所や内容・流れをわかりやすく解説

自動車教習所のカリキュラムには、約3時間かけておこなう応急救護講習があります。

応急救護講習では、事故を起こした時に負傷者の救命処置方法や二次被害を防ぐための対処法などを座学と実技の両方を学びます。

応急救護はドライバーの義務であり、負傷者の命を守るために必要な知識です。

この記事では応急救護の内容や流れ、講習を受けるときの注意点を解説します。

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応急救護とは

人身事故のイメージ

応急救護とは、ドライバーが事故を起こした時に、知っておくべき救命処置のことです。

道路交通法では、自動車免許を取得する前に必ず応急救護講習を受けるよう定められています。

なぜなら、応急救護は事故を起こしたドライバーの義務だからです。

ドライバーが適切に応急救護を行わないと、二次被害が発生したり、負傷者の状態が悪化し命の危機に晒されたりしてしまいます。

そのため、自動車免許を取得するには、応急救護講習の受講が必須となっています。

応急救護の流れは次の通りです。

  1. 負傷者の安全確保
  2. 負傷者の状態を確認し119番通報
    ・傷病者の状態の確認
    ・周りの人に助けを求める
    ・心肺蘇生
    ・AEDの手配、使用

文章で見ると簡単そうに見えますが、実際に事故に遭遇すると冷静な判断ができず慌ててしまうドライバーも少なくありません。

事故に遭遇したとき、冷静にそして迅速に負傷者を救護するためには、応急救護の習得が欠かせません。

なお応急救護は、自動車教習所で応急救護研修または免許センターでの試験合格後、試験場での特定講習で習得できます。

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応急救護講習は誰が教えるのか

応急救護では、事故発生直後から救急隊などの到着までに負傷者に対して行う救命処置や応急的な手当の方法を学習します。

応急救護講習で行う救命処置の訓練内容は次のとおりです。

  • 気道確保
  • 人工呼吸
  • 心臓マッサージ
  • 止血法

応急救護では救命処置の資格を持つ、以下の人が指導を行います。

1.応急救護処置講習等指導員の養成を行う際に、必要で適切な組織および能力があると、公安委員会が認める人であること。さらに実施する応急救護処置講習等指導員養成講習を受け、その課程を修了した人。
2.医師
3.救急救命士
4.応急救護処置に関し、医師に準ずる能力を持ち合わせていること。そして、定める規則(平成6年国家公安委員会規則第2号)第2号または第3号(第二種免許を除く)に掲げる人。
引用元:警察庁 応急救護処置講習『教習』の指導員の認定及びその養成について

応急救護講習が免除になる人

自動車免許取得時に必要不可欠な応急救護講習ですが、次の資格保持者は講習が免除されます。

  • 普通免許・準中型免許、大型二輪免許・普通二輪免許のいずれかを既に取得している人
  • 普通免許・準中型免許、大型二輪免許・普通二輪免許のいずれかを既に取得していたが失効してしまった人
  • 応急救護処置の知識を得ていることが証明できる職に就いている人(医師・看護師・助産師・救急救命士など)

自動車免許を受ける前に既に他の自動車免許取得時に応急救護を受けている人や仕事で日常的に救命処置をおこなっているスペシャリストは受けなくて良いとされています。

教習所の応急救護のやり方・流れ

応急救護イメージ

自動車教習所では、約3時間かけて応急救護講習を行います。

座学と実技を続けて受ける必要があり、途中退出した場合はまた最初から受講し直しとなるためご注意ください。

なお、試験場での特定講習でも同じ時間講習を受ける必要があります。

座学

まずは応急救護の内容を映像や教官の説明で学びます。

事故で負傷者が出た場合、二次被害をどう防ぐかの対処法や負傷者の救命処置の方法などを配布された教本や教材を確認し、理解を深めます。

人形を使った実技

座学で学んだAEDの使用方法や心肺蘇生法などを応急救護用の人形を使い、教官が実践します。

それだけでなく、負傷者への声かけや周りの人にどう助けを求めるのか、救急車を素早く安全に誘導するにはどうすれば良いのかなどより細かく具体的な方法も教えられます。

生徒による実践

応急救護用の人形を使った実技で教官からより具体的な応急救護のやり方を学んだら、最後は生徒が人形を使い実践を行います。

2人〜3人の少人数グループを作り、必ず全員が応急救護の流れを一通り実践をするよう教官から指導されます。

座学や実技を見て理解できたと勘違いしがちですが、実際に人形を使い実践してみるとうまくいかないことが多いです。

このことから実際の事故に遭遇した際は、頭が真っ白になり手順を思い出せなかったり、誤った救命処置をしてしまったりすることが容易に予測できます。

自動車免許取得のための応急救護は、たった1回のみです。

万が一の事故に遭遇した時に、素早く対応できるよう定期的に応急救護講習に参加することをおすすめします。

関連記事:車をぶつけた際の対処法とは?保険や修理費用についても解説

応急救護に適した服装・持ち物

応急救護では、心肺蘇生時に意識確認のため屈んだり、胸を強く押し込んだりと意外と体を使うことが多いです。

応急救護講習に参加する時には、動きやすい服装で参加するようにしましょう。

また講習所の場所によっては、靴を脱ぐ必要があるところもあります。

脱ぎ着しやすいスニーカーや滑りにくい靴下を履いておくと良いでしょう。

一方で、応急救護に必要な教本は当日に渡されることが多いです。

そのため、応急救護講習に参加に必要な持ち物は筆記具とメモ帳のみで問題ありません。

応急救護を受けるときによくある質問

応急救護講習の必要性や内容、持ち物がわかったところでここからは、応急救護を受けるときによくある質問とその回答をご紹介します。

応急救護講習を受ける前にぜひチェックしてみてください。

応急救護は1人で受けても問題ない?

応急救護講習は1人で受けても問題ないのでご安心ください。

実践では2人1組または、3人1組のグループを組まされますが、グループは教官が指示します。

知り合いがいなくても強制的にグループを組まされるので、ひとりぼっちになることはありません。

応急救護を受けるのは恥ずかしい?

応急救護を受ける人の中には、「人形と間接キスするのを他の参加者に見られたくない」「誤った救命処置を実践して失敗するのが恥ずかしい」と思う人もいるようです。

しかし実際に参加すると、参加者のほとんどは恥ずかしさを忘れて真剣に講習に励みます。

なぜなら、応急救護講習は負傷者の命を守ることにも失うことにもなる重要な講習だからです。

失敗しても笑う参加者や教官はいませんし、誤った行動をしたら教官や周りの参加者が丁寧に教えてくれます。

また手順の1つひとつを声に出しながら確認し、実践するため恥ずかしさも気にならなくなります。

このことから応急救護を受けて恥ずかしい思いをすることはほとんどないため、安心して講習を受けましょう。

なお人形へ心肺蘇生をする時には、応急救護の実践時に配られる人工呼吸用携帯マスクの着用が必須です。

そのため衛生面が気になる方も安心して受けられるでしょう。

まとめ

応急救護講習は、自動車免許を取得するのに必要な講習の1つです。

なぜなら応急救護は事故を起こしたドライバーの義務であり、負傷者の救命や二次被害を防ぐために必要な対応だからです。

もし応急救護が遅かったり、不十分だったりするとさらなる事故を招いたり負傷者が命の危機に晒されたりする恐れがあります。

とはいえ、事故直後は運転手は気が動転して頭が真っ白になりがちです。

まずは周りに助けを求める方法を身につけましょう。

また応急救護を学んでも、実際に事故に遭遇することはそう多くありません。

そのため手順を忘れてしまうこともあるでしょう。

応急救護の方法を忘れないよう、定期的に行われる応急救護講習に参加するのをおすすめします。

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