ウォッシャー液は水で代用してもよい?役割や種類について解説

ウォッシャー液は、フロントガラスをきれいに洗浄する際に使用するものです。
自分で補充する際に、代用品として水を入れてもよいのではないかと考える人もいるでしょう。

ウォッシャー液の代わりに水を入れた場合、車には何か影響はあるのでしょうか。

この記事では、ウォッシャー液の役割と種類、代用品として水を使用した場合の影響について解説していきます。

関連記事:ウォッシャー液の役割とは?補充する方法や補充時の注意点も解説!

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pit in plus carwash
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ウォッシャー液の役割とは?

ウォッシャー液の役割は二つあります。

一つ目はフロントガラスについた汚れを落とすことで、二つ目はワイパーゴムを保護することです。

ウォッシャー液には洗浄成分が含まれており、ガラスにこびり付いた汚れを落としやすくします。

また、ガラスが乾いた状態でワイパーを作動させると、ガラスに付着している砂や小さな粒子によってガラスやワイパーゴムが傷つきます。

ウォッシャー液を使用することで、ガラスとワイパーの滑りがよくなり、傷を防ぐことができます。

ウォッシャー液の種類とは?

ウォッシャー液には、さまざまな種類があります。

ここでは、ウォッシャー液の種類別の特徴について解説していきます。

洗浄効果タイプ

洗浄効果タイプは、シンプルな標準タイプのウォッシャー液です。
洗浄成分のみが含まれており、すべての季節に対応しています。

また、界面活性剤の効果により、ガラスの乾きが早いことが特徴です。
洗浄成分のみしか含まれていないため、価格もリーズナブルで購入しやすいことも特徴として挙げられます。

撥水効果タイプ

撥水効果タイプは、フッ素系の成分を含んでおり、ウォッシャー液をガラスに噴射するだけで撥水効果が期待できるウォッシャー液です。

ガラスの汚れを落とすだけでなく、水分をはじくため、より良好な視界を保ちます。

ガラスに撥水コーティングを施す方法もありますが、撥水効果タイプのウォッシャー液であれば、安価にコーティングができます。

油膜取りタイプ

油膜取りタイプは、油膜除去成分が含まれており、油膜を除去できるウォッシャー液です。

ガラスの油膜は、アスファルトや排気ガス、ボディーワックスやコーティング剤などの油分が原因で付着します。

ガラスに油膜が付着していることで、対向車のライトの光を乱反射してしまい視界が悪くなり、雨天時はさらにギラつきが悪化するなど、安全運転に支障をきたします。

油膜取りタイプのウォッシャー液を日頃から使用していると、このようなリスクを防ぐことが可能です。

凍結防止・解氷効果タイプ

冬の時期や寒い地域では、ウォッシャー液が凍結する恐れがあります。

凍結してしまうと、ウォッシャー液が使用できなくなり危険です。
これを防止するために、凍結防止効果タイプのウォッシャー液があります。

凍結防止効果タイプのウォッシャー液は、凍結温度が表記されているため、住んでいる地域の気温よりも低いものを選びましょう。

また、凍結したガラスを溶かす解氷・融雪タイプもあります。
寒冷地にお住いの人やスキーなどのスノーアクティビティを趣味としている人におすすめのウォッシャー液です。

ウォッシャー液を水で代用した場合

応急処置として一時的に水で代用するのは問題ありませんが、長期間に渡って水で代用することはおすすめしません。

ここでは、ウォッシャー液を水で代用するのをおすすめしない理由について解説していきます。

汚れが落とせない

ガラスには、埃以外にも油分を含んだ汚れや泥が付着しています。
これらは、洗浄成分を含んでいない水だけでは十分に落とすことができません。

そのため、ガラスの汚れが完全に落ちず、視界が悪くなるため危険です。

冬の時期に凍結する恐れがある

ウォッシャー液はエタノールや塩化カルシウムを含んでいるため、冬の時期や寒い地域でも凍結しにくくなっています。

しかし、水の場合は、タンク内や配管などで凍結する可能性があり、使用したいときに噴射されなくなります。

また、タンク内や配管などで凍結せずに噴射できた場合でも、噴射した瞬間に凍り視界が奪われてしまう可能性があるため、危険です。

タンク内や配管、ノズルが腐敗する

ウォッシャー液は防腐剤が配合されており、タンク内や配管などのカビの発生を抑制しています。

しかし、水の場合は、時間が経過するとタンク内や配管などにカビが発生して腐敗してしまいます。

腐敗した場合、タンクや配管の交換が必要です。

また、水道水を入れる場合、水道水にはカルキが含まれており、カルキはノズルが詰まる原因になります。

カルキを含んでいないミネラルウォーターであれば問題ないと考える人もいるかもしれませんが、殺菌成分も含んでいないため水道水以上に腐りやすいため、水を代用することは避けましょう。

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ウォッシャー液の補充・交換方法は?

ウォッシャー液は定期的にメンテナンスをしなければなりません。
ウォッシャー液が同じ種類であれば補充をし、別の種類の場合は交換作業をする必要があります。

ここでは、自分で補充・交換を行う手順と業者に依頼した場合の流れについて解説していきます。

同じ種類を補充する場合

基本的な作業は、タンクにウォッシャー液を注ぐのみの作業です。
同じ種類のウォッシャー液を補充する場合の手順は以下の通りです。

手順1

ボンネットを開け、ウォッシャータンクにつながる補充口を探します。
補充口のキャップには噴水のようなマークと扇状のマークが描かれています。

手順2

補充口のキャップを開け、ウォッシャー液を注ぎます。

メモリやゲージを頼りに上限を超えないよう注意しましょう。
大容量タイプの容器は注ぎにくいため、小さな容器に移して注ぐことをおすすめします。

手順3

キャップとボンネットを閉じて、噴出するかを確認する。

ウォッシャー液を別の種類に交換する場合

ウォッシャー液は、別の種類と混合して使用してはいけません。

そのため、別の種類を補充する際は、タンク内を空にする必要があります。
別の種類のウォッシャー液と交換する場合の手順は以下の通りです。

手順1

ボンネットとタンクのキャップを開け、ウォッシャー液の残量が多い場合は、少なくなるまで新品の灯油ポンプを利用して液を抜きます。

手順2

残量が少なくなくなれば、ウォッシャー液がなくなるまでワイパーレバーを操作し、噴出させます。 このときにウォッシャーモーターに負担をかけないよう断続的なレバー操作を心掛けましょう。

手順3

ウォッシャー液が噴出されなくなったらコップ1杯程度(約200ml)のきれいな水を注ぎ、再度空になるまで噴出させます。

手順4

タンク内が空になったら、補充するウォッシャー液を注ぎ、キャップとボンネットを閉じて、噴出を確認したら作業完了です。

業者に依頼する場合

ガソリンスタンドやカー用品店などで、ウォッシャー液の補充や交換ができます。
補充だけなら料金は数百円程度、高くても千円程度です。

ガソリンスタンドやカー用品店では洗浄効果タイプの補充が多いため、交換が必要な場合は、使用中の液のタイプを把握しておきましょう。

ウォッシャー液の補充・交換時の注意点は?

ここでは、ウォッシャー液を補充・交換する際の注意点について解説していきます。

別の種類のウォッシャー液と混合させない

異なる種類のウォッシャー液と混合させてしまうと、それぞれの成分が思わぬ化学反応を起こす場合があります。
化学反応が起こり、成分が変わってしまうと液が固まってノズルに詰まることや、ワイパーゴムの劣化につながる恐れがあり危険です。

そのため、異なる種類のウォッシャー液を使用する際は、必ずタンク内を空にしてから使用しましょう。

希釈率を間違えない

希釈して使用するタイプの場合、規定よりも多く水を加えると洗浄や撥水などの効果が発揮されません。

たとえば、凍結防止タイプのウォッシャー液を希釈して使用する際に、水の量が多くなってしまうと、凍結する可能性があります。

希釈する量は、商品によって異なったり、同じ商品でも使用する季節や環境下に合わせて希釈率を変えたりするため、使用する際は必ず確認しましょう。

補充口を間違えない

エンジンルーム内にはウォッシャータンクのほかに、エンジンオイルや冷却水用の補充口があります。
それらに、ウォッシャー液を入れてしまうと故障の原因になります。

そのため、ウォッシャータンク以外の補充口に誤ってウォッシャー液を注いでしまわないよう細心の注意を払いましょう。

ガラスコーティング車対応か確認をする

車のガラスにコーティングをしている場合、ウォッシャー液に含まれている成分がコーティング剤を洗い流してしまう可能性があります。

ガラスコーティング剤は主にフッ素系かシリコン系に分かれます。

シリコン系は特にウォッシャー液の影響を受けやすくコーティングが剥がれやすいです。
そのため、ガラスコーティングを施している場合は、コーティング剤に対応しているかを確認しましょう。

まとめ

ウォッシャー液の役割は、ガラスの汚れを除去することやガラスとワイパーゴムに傷がつかないよう保護することです。

ウォッシャー液の種類はさまざまあり、シンプルな洗浄に特化したタイプから撥水タイプや油膜取りタイプ、寒冷地向けのタイプも存在します。

自分が必要とするタイプを選ぶようにしましょう。

また、ウォッシャー液の代用として水を使用することは、本来の効果が果たせなかったりノズルや配管の故障の原因なったりするためおすすめしません。

水以外にも、希釈率を間違えたり、別種のウォッシャー液を混合させたりする場合も、効果がなく、故障してしまう可能性があります。

ウォッシャー液を補充・交換する際は手順や注意点を把握して正しく行いましょう。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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