ホイールオフセットとは?許容範囲や計算方法などについて解説

車のカスタムやドレスアップを行う中で、「ホイールオフセット」を行おうとする人は多いでしょう。

しかしホイールオフセットをどのようにすればよいのか、どこまで行ってよいのかという点について悩む人も多いでしょう。

この記事では、ホイールオフセットをどこまで行ってよいかという許容範囲や計算方法について解説します。

関連記事:ホイールオフセット(インセット)とは?計算方法も解説

ホイールオフセットとは

「ホイールオフセット」という言葉は、ホイールの幅の中心から、装着する面までの長さをあらわす数値のことをいいます。

ホイールオフセットはその数値によって、プラス・マイナス・ゼロと3種類に分かれます

まず、「ゼロオフセット」と言った場合には、装着面が中心と同じ位置にあり、ホイールと車体とが平行になる状態を意味します。

「プラスオフセット」、または「インセット」と言った場合には、装着面が中心よりも外側にある状態を指します。「マイナスオフセット」、または「アウトセット」と言った場合には、装着面が中心線よりも内側にある状態のことを指します。

これらのホイールのセットによって、車の見た目・外観や走行性能に影響を与えます。

ホイールが外側に出る配置となると、車幅が広くなり、ドレスアップ・安定性向上などの目的で行われますが、一方でタイヤがフェンダー・サスペンションに干渉する可能性があります。

また、ホイールが内側に入る配置となると、車幅が狭くなり、タイヤの摩耗・燃費の改善などの効果を得る目的で行われますが、タイヤの接地面積が減り、ハンドリングが悪化する危険性もあります。

ホイール

ホイールオフセットの許容範囲とは

では、ホイールオフセット(または、ホイールインセット)を行う場合には、どの程度までホイールオフセットができるのでしょうか。

つまり、許容範囲はどの程度なのでしょうか。

先にも解説したように、ホイールオフセットにはドレスアップや安定性向上などの効果が見込めるケースもありますが、オフセットの量によっては、車両の他のパーツに干渉したり、そもそも法律違反となってしまったりするケースもあります。

この厳密な数値は車両によって変動しますが、共通的なホイールオフセットのポイントとしては、「フェンダーからホイールがはみ出さないようにすること」「ブレーキ・サスペンションなどの部品に干渉させないこと」があります。

以下には、ホイールオフセットを行ううえでの許容範囲と見極めのポイントについて解説します。

フェンダーからはみ出さないこと

まず一番はじめに注意するべきポイントとしては、「ホイールがフェンダーからはみ出さないようにすること」です。

厳密に言えば、ホイールリム保護のために付けられているリムガードと、タイヤ側面のラベリングは、10mm未満であればはみ出しても良いとされています。

しかしながら、ホイールそのもの、またはホイールナットなどの部分、その他の部分については、はみ出すことが認められません。

これは、はみ出した部分が他の車輌や道路上の障害物に接触して事故となってしまったり、小石・ゴミなどをはねてしまったりする危険があることに加え、そもそも法律違反(道路運送車両の保安基準の第178条違反)になってしまうためです。

ホイールオフセットを検討している人は、まずホイールがフェンダーからはみ出さないという大前提をしっかり認識しておく必要があります。

事故

関連記事:タイヤのサイズを変更すると車検に通らなくなる?許容範囲を解説

ブレーキ・サスペンションとの干渉を起こさない

ホイールをボディの外側ギリギリの位置に配置することを、「ツライチ」と呼びます。

これはもともとレーシングカーで採用された技法ですが、現代ではドレスアップ・チューニングの第一歩で使われる用語と理解されています。

ホイールをできるだけ外側に配置するということは、ホイールがボディから離れていく、つまり内側のボディについている部品との干渉は避けられるかのように一見思えてしまいます。

しかしながら、実際にはホイールを交換する際に、J数(ホイールの横幅が大きいホイール)というものも存在しており、これを採用すると、ホイールを外側に拡張した分、内側にも広がることを意味します。

こうなると、ボディそのものの部品とホイールが干渉してくる可能性がでてきます。

そして注意が必要なのが、ホイールという回転する部品の周辺には、車が走行するために重要な部品が数多く配置されているという点です。

タイヤを支え、ハンドル操作を伝える「ナックル」、タイヤとサスペンションを車体と接続している「ロアアーム」、そして肝心な「ブレーキ」などとホイールが走行中に干渉を起こすと、部品の破損、ひいては操縦不能に陥り、事故を引き起こす可能性が非常に高くなります。

ホイールの交換時には、外側の「ツライチ」だけではなく、内側のボディとの間、そしてボディ側の部品との距離についてもしっかりと確認する必要があります。

ホイールオフセットの計算方法

では、実際にホイールオフセットを行ううえで、各種数値はどのように計算すると良いのでしょうか。

まず、ホイールにおいて把握しておくべき数値としては、「リム径」「リム幅」「オフセット数(インセット数)」を確認する必要があります。

中でも重要なのが「リム幅」と「オフセット数」です。

「リム幅」は、ホイールの横幅のことを指し、オフセット数はリム幅の中心線からホイールの車体取り付け面までの長さを指します。

注意点としては、リム幅は多くの場合「インチ」で表記され、オフセット数は「ミリメートル」で表記されるため、まずインチをミリメートルに変換してから計算するのがよいでしょう。

1インチは25.4mmとなります。

これらの数値が出揃ったら実際に計算に移ります。

リム幅の中心線までの長さを測定する

まずは、リム幅の中心線までの長さを測定する必要があります。

このためには、標準のホイール、変更する予定のホイールとの両方のホイールのリム幅をミリメートルに変換し、それぞれ2で割ります。

そうすると、それぞれのホイールの中心線までの長さがわかることとなります。

この2つの数値は次の工程で使用するため、メモなどをしておくとよいでしょう。

ホイールオフセット

オフセット値を計算する

次に、先の工程で求めたリム幅の中心線までの長さに対して、それぞれのホイールのオフセット値をプラス、またはマイナスします。

こうすることによって、取り付け面の部分から、ホイールの外側・内側までの間の距離を算出できるようになります。

それぞれの取り付け面からの数字が出たら、ホイールを交換した際に、どの程度現在のホイール位置・タイヤ位置から外側・内側に出っ張る、あるいは引っ込むのかということが数字で計算できるようになります。

ホイール加工が行える業者

実際にホイールのオフセット加工などをしたい際に、ホイール加工が行える業者に依頼するというケースもあるでしょう。

次の項目ではホイール加工を行ってくれる業者と、その特徴について解説します。

キタダイ製作所

キタダイ製作所は、横浜市にある金属加工工場です。

一般工業関連の製作のほかに、アルミホイールのオフセット加工やハブ穴径加工なども対応しており、全国から依頼を受け付けています。

タイヤワールド館

タイヤワールド館は、東北・北海道を中心に店舗を展開している企業です。

タイヤ・ホイールの専門業者として、ホイールのオフセットなどにも対応しています。

また、店舗では取り付け作業を依頼することもできます。

オンラインでホイールのフィッティングを行うことができる「マイカーホイールシミュレーション」というサービスもあります。

タイヤ整備

まとめ

ホイールオフセットは、車のカスタム・ドレスアップの第一歩として取り組む人が多い内容のひとつといえます。

しかし、ホイールオフセットにはメリットもありますが、しっかりと適合するホイールを選択して取り付けるという工程を踏まなければ、別の部品との干渉や、それによる事故・トラブルの元となる危険性も秘めています。

安全なカスタムを行うためには、自分自身でもしっかり知識をつける、専門の業者に依頼するなどの手順が必要となります。

関連記事:車のホイールを塗装する方法とは?塗装手順や注意事項を解説

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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