8ナンバーで登録できる車とは?取得方法について解説
道路を走行する車のなかに、「8ナンバー」と呼ばれる車があることをご存じでしょうか。
8ナンバー車のナンバープレートは、管轄支局(地域名)の横の3桁の数字が8から始まっている車です。
8ナンバー車には、どのような特徴があるのでしょうか。
この記事では、どのような車が8ナンバーとして登録できるのかを解説します。
また、8ナンバー車の税金や保険料などについても解説するため、参考にしてください。
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INDEX
8ナンバーで登録できる車とは?
8ナンバーに分類されるには、「特種用途自動車等」と呼ばれる車です。
「自動車の用途等の区分について(依命通達)」によると、特種用途自動車等(8ナンバー)のなかで、さらに次のように分類されています。
- 緊急時に使用する車
- 特定の事業を行う車
- 特殊な目的のために使用する車
- キャンプや宣伝活動を行うための車
ここでは、それぞれの種類について詳しく解説します。
緊急時に使用する車
緊急時に使用する車とは、道路交通法施行令第13条に定められている、指定または届出された緊急自動車であり、車体の形状ごとに定める構造上の要件に、適合する設備を有するものです。
具体的には、以下のような車が挙げられます。
- 救急車
- 消防車
- 警察車
- 臓器移植用緊急輸送車
- 保線作業車
- 検察庁車
- 緊急警備車
- 防衛庁車
- 電波監視車
- 公共応急作業車
- 護送車
- 血液輸送車
- 交通事故調査用緊急車
特定の事業を行う車
以下のように、特定の事業を行うための車にも8ナンバーが割り振られます。
- 給水車
- 医療防疫車
- 採血車
- 軌道兼用車
- 図書館車
- 郵便車
- 移動電話車
- 路上試験車
- 教習車
- 霊柩車
- 広報車
- 放送中継車
- 理容・美容車
特殊な目的のために使用する車
特殊な目的のために使用する車に区分される8ナンバーは種類が多く、以下ではその一部の車を紹介します。
- 粉粒体運搬車
- タンク車
- 現金輸送車
- アスファルト運搬車
- コンクリートミキサー車
- 冷蔵冷凍車
- 活魚運搬車
- 保温車
- 患者輸送車
- 車いす移動車
- 消毒車
- 寝具乾燥車
- 入浴車
- ボイラー車
- 検査測定車
- 穴堀建柱車など
キャンプや宣伝活動を行うための車
キャンプや宣伝活動を行うための車は、一般の人でも使用する可能性が高いでしょう。
該当するのは以下に挙げる車です。
- キャンピング車
- 放送宣伝車
- キャンピングトレーラ
関連記事:内装にこだわったキャンピングカーを紹介!購入時にチェックすべきポイントも解説
8ナンバーの車の税金について
車の税金でメインとなるのは、自動車税(種別割)と自動車重量税です。
ここでは、8ナンバーの車の税金がどのくらいになるかについて、詳しく解説します。
自動車税(種別割)
まずは自動車税(種別割)の金額について8ナンバーのキャンピングカーと一般的な乗用車を排気量別で比較してみましょう。
【自動車税(種別割)】
区分(総排気量) | キャンピング車(自家用のもの) | 普通自動車(※令和元年10月1日以後初回新規登録) |
1L以下 | 23,600円 | 25,000円 |
1L超1.5L以下 | 27,600円 | 30,500円 |
1.5L超2.0L以下 | 31,600円 | 36,000円 |
2.0L超2.5L以下 | 36,000円 | 43,500円 |
2.5L超3.0L以下 | 40,800円 | 50,000円 |
3.0L超3.5L以下 | 46,400円 | 57,000円 |
3.5L超4.0L以下 | 53,200円 | 65,500円 |
4.0L超4.5L以下 | 61,200円 | 75,500円 |
4.5L超6.0L以下 | 70,400円 | 87,000円 |
6.0L超 | 88,800円 | 110,000円 |
※参考元:東京都主税局|自動車税種別割(特種用途自動車の税率)
一目見ただけで、同じ排気量であればキャンピングカーの税金のほうが安いことが分かります。
自動車重量税
自動車重量税は、新車購入時および、継続車検時に課される税金です。
その名の通り車の重さに対してかかる税金となっており、重量が重くなりがちなキャンピングカーは自動車重量税が比較的高額になる傾向があります。
関連記事:自動車税一覧を解説!自動車にかかる税金の種類とは?
8ナンバーの車の保険料について
車の保険は大きく「自賠責保険」と「任意保険」に分けられます。ここでは、それぞれについて詳しく解説します。
自賠責保険
自賠責保険は、全ての車に加入が義務付けられている保険です。
任意保険とは異なり、どの保険会社で契約しても同じ価格です。
具体的に、24ヶ月分加入するための金額は、自家用乗用自動車の場合が17,650円、特種用途自動車(三輪以上)に区分されるキャンピングカーは19,980円です。
この結果を見ると、自家用車の価格が安いことが分かります。
任意保険
任意保険の料金は、保険会社によってさまざまです。
そのため、一概に比較することはできません。
前提として、8ナンバーは任意保険に加入しづらいという点は覚えておきましょう。
8ナンバー車の任意保険に対応していない保険会社もあり、対応している会社でも加入時は普通乗用車のようにネットから簡単な手続きだけで済まないケースもあります。
関連記事:車を買い替えるとき、保険は何をすればよい?必要な手続きや条件を解説
8ナンバーの車の車検について
8ナンバー車の車検の特徴は、初回車検を2年後に行う必要がある点です。
普通乗用車であれば、初回車検は3年後であるため、8ナンバー車のほうが早いです。
初回車検を受けたあとは、8ナンバーの車も普通乗用車も2年ごとに車検を受ける必要があります。
車検に関してもどの業者で受けるかによって費用は変わるため、複数社で見積もりを取ってから依頼するようにしましょう。
8ナンバーを取得するには?
ここでは、8ナンバーを取得するための設備の取り付けや構造変更の手続きなどについて解説します。
就寝設備
寝る場所が備えられているかが、8ナンバーとして登録できる大きなポイントです。
就寝定員は乗車定員の3分の1(小数点以下切り捨て)と定められています。
つまり、乗車定員6人の車であれば、6÷3=2となるため2人分の就寝設備を用意する必要があります。
炊事設備
炊事設備と聞くと大袈裟な設備を思い浮かべるかもしれないものの、常設の設備である必要はありません。
よって、カセットコンロなどを積み込むことでもこの基準はクリアできます。
水道設備
10リットル以上の水を貯蔵できるタンクや洗面台を設置する必要があります。
また同時に、10リットル以上の水を排水できるタンクも設置しなければなりません。
水道設備は、比較的スペースが必要になる部分といえるでしょう。
このほかにも車の広さや高さに関する構造要件も定められており、これらを全て満たすと、普通乗用車でも8ナンバーを取得可能です。
まとめ
記事では、8ナンバーの概要や、税金、保険料などについて解説しました。
一般の人が所有する8ナンバーの車として代表的なものは、キャンピングカーです。
普通乗用車として登録していた車でも、一定の構造要件を備えることで8ナンバーを取得できます。
8ナンバーを取得した場合、自動車税(種別割)が安くなるなどのメリットがある一方で、初回車検が3年後から2年後と前倒しになったり、任意保険に加入しづらかったりなどのデメリットもあります。
8ナンバー車に適合した車に変更するための時間や労力もかかるため、今回紹介したメリット・デメリットを考慮したうえで、8ナンバーの取得を検討してください。