ブレーキパッドはいつ交換すればよいのか?費用感やスケジュールも併せて紹介
安全に道路を走行するには車の装備の状態が万全である必要があり、衝突事故を防ぐためにも定期的なメンテナンスや部品の交換が大切です。
特にブレーキは重要な部品であるため、正常に作動する状態を維持しなければなりません。
そこでこの記事では、ブレーキパッドの特徴や交換方法を解説します。
交換のタイミングについても紹介するため、ブレーキ部品の交換に悩まされている人は参考にしてみてください。
INDEX
ブレーキパッドはどのような部品?
ブレーキには2種類存在します。
- ディスクブレーキ
- ドラムブレーキ
このうち、ブレーキパッドはディスクブレーキの重要な部品の一つです。
ブレーキパッドがなぜ重要なのか?
ディスクブレーキで車が停止する仕組みを見てみましょう。
- 走行する車の速度を落とすためにブレーキペダルを踏む
- ブレーキペダルを踏む力がブレーキに伝えられる
- 車輪の回転と連動しているブレーキディスクローターをブレーキパッドが両側から挟み込む
- 摩擦力により車の運動エネルギーが熱エネルギーに変換され、車の速度が落ちて停止する
このように、ブレーキパッドはブレーキディスクローターを挟み込み減速させるという重要な役割を持ちます。
ブレーキパッドが無ければ車を減速・停止させることができず、重大な事故につながる可能性があるため、定期的な点検・交換が欠かせません。
ブレーキパッドを交換するタイミングは?
ブレーキパッドを交換するといってもどのようなタイミングで交換するべきなのでしょうか?
車の状態を確かめることで、ブレーキパッドを交換する適切なタイミングを確認できます。
ここでは、ブレーキパッドを交換するタイミングについて解説します。
関連記事:ブレーキパッドの寿命はどれくらい?交換時期と費用を紹介
厚みが薄くなっている
ブレーキパッドの厚みが薄くなっていると感じた場合には交換することをおすすめします。
車の種類により異なりますが、新品の状態にあるブレーキパッドの厚さは10 mmとされ、ブレーキをかけると減っていきます。
半分以下の厚さになった場合には交換の検討が必要であり、特に厚さ2〜3 mmの状態が交換に最適なタイミングです。
異様な音が聞こえる
ブレーキをかけた際に異様な音が聞こえた場合は、ブレーキパッドを交換するタイミングです。
ブレーキパッドがすり減ってくると「キーキー」という音がなります。異様な音がなった際はすぐに交換しましょう。
走行距離を確認する
走行距離からブレーキパッドを交換するタイミングを確認することができます。
1万 kmの走行でブレーキパッドの厚さが1 mm減るとされているため、5万 kmを超えた当たりから状態を確かめてみるのが適切です。
ブレーキフルードの残量を確認する
ブレーキフルードとは油圧式ブレーキの内部を満たすオイルのことで、ブレーキオイルと呼ばれることもあります。
運転手がブレーキペダルを踏んだ力をブレーキに伝達する重要な働きを持ちます。
ブレーキフルードの入っているタンクには線が引いてあり、液面が最低ラインにある場合はブレーキパッドが薄くなっているサインです。
ただし、これはブレーキパッドとブレーキフルードを同時に交換したときのみ有効な方法です。
ブレーキパッドが薄くなりブレーキフルードの液面が下がっているときにブレーキフルードのみを補充してしまうと、どのくらい減ったかわからなくなってしまうため参考にならないので注意しましょう。
警告灯が付いているか確認する
車種によってはブレーキパッドの交換を示唆する警告灯が付いている場合があるため確認しましょう。
特に高級車や輸入車に装備されていることが多く、一目で交換のタイミングが分かります。
衝突事故を防ぐためにも、警告灯が付いている場合にはすぐブレーキパッドの交換を行う必要があります。
ブレーキパッドを交換するには?
ブレーキパッドを交換する方法はいくつかあります。
・自分で交換する
・カー用品店に依頼する
・ディーラーに依頼する
・ガソリンスタンドに依頼する
・整備工場に依頼する
自分の車のブレーキパッドは自身で交換できますが、ほかの人の車のブレーキパッドは交換できないため注意が必要です。
他人の車のブレーキパッド交換は原則、国に認証された工場・店舗のみ行うことができます。
国から認証を受けていない工場・店舗がブレーキパッドの交換を行うことは違法であると同時に、信頼性が低く事故に遭う可能性も考えられます。
認証整備工場の標識が確認できる会社に交換を依頼しましょう。
関連記事:ブレーキパッドの交換は自分でできる?交換手順や費用感などを解説
ブレーキパッドの交換にかかる費用・時間はどれくらい?
ブレーキパッドの交換にかかる費用の内訳は以下の通りです。
- 交換工賃
- ブレーキパッド本体の価格
交換工賃の相場は左右2箇所で6,000円程度とされていますが、高い場合だと1箇所5,000円程度かかることもあります。
一方で、ブレーキパッドの本体価格は普通車の場合だと左右1セット(=タイヤ2つ分)で8,000円程度が相場とされていますが、車種によっては数万円する場合もあるため、都度確認が必要です。
なお、車検や法定点検のタイミングでブレーキパッドの交換を依頼すると、交換費用が安くなる可能性があります。
コストをおさえるため、車検の際に交換を依頼するのがおすすめです。
また、ブレーキパッドの交換にかかる作業時間の目安は30分程度です。
交換するパーツの数によって時間は大きく変化しますが、単体であれば30分程度で作業は完了します。
関連記事:ブレーキパッドの交換費用はどのくらいかかる?依頼先ごとの費用感を紹介
ブレーキパッドと併せて整備した方がよいパーツとは?
安全に車を運転するためにはブレーキパッドの交換だけでなく、ほかのパーツの交換やメンテナンスも必要です。
ここでは、ブレーキパッドと併せて整備した方がよいパーツについて解説します。
ブレーキフルード
ブレーキフルードは運転手がブレーキを踏んだ力の伝達を行う重要なパーツです。
ブレーキフルードは吸湿性が高く、長い間使用すると水分を多く含み劣化していきます。
劣化したまま放置するとブレーキが効きにくくなり、最悪の場合、ブレーキが全く効かなくなる「ベーパーロック現象」が起きて大変な事故につながるかもしれません。
ブレーキフルードも定期的に交換しましょう。
ブレーキディスクローター
ブレーキディスクローターは車輪の表面に一体化しており、走行時はともに回転します。
ブレーキ時、ブレーキディスクローターがブレーキパッドに両側から挟み込まれることで、お互いがふれあい、摩擦が発生する仕組みです。
摩擦が発生するとダメージが蓄積しブレーキの力が弱くなる傾向にあるため、定期的にパーツを交換しましょう。
ブレーキキャリパー
ブレーキキャリパーとはブレーキパッドの動作を制御する部品であり、ディスクブレーキに採用されています。
仕組み上、ブレーキパッドをうまく作動させなければ車を停止させることはできないため、キャリパーは重要な役割を持ちます。
事故を起こさないためにも、キャリパーを定期的に交換して誤作動が起きないよう注意が必要です。
まとめ
道路を安全に走るためには定期的なメンテナンスやパーツの交換が大切です。
中でもブレーキは車の動きを止める重要な役割があるため、正常な状態を維持する必要があります。
ブレーキパッドは、厚さが薄くなっている、ブレーキから変な音が聞こえる、など車の状態に違和感を抱いたら部品交換の合図です。
ブレーキが壊れてからショップへ交換しに行くのは事故防止の意味がないため、定期的な点検を必ず行いましょう。
また、異常を感じたらすぐにパーツの状態を確認しましょう。
ブレーキパッドの交換は国の認証を受けた専門業者に依頼することで手間をかけずに交換できるため、安全走行に向けて定期的に行うことが大切です。