車の引っかき傷が浅い場合なら自分で直せる?直し方や費用感について解説

車の引っかき傷は知らない間についていることが多く、軽微で目立たない程度であれば見て見ぬふりをしている人もいるかもしれません。
しかし、浅い引っかき傷でもそこから塗装がはがれて紫外線や酸化などにより劣化が進行するおそれがあり、放置するのは望ましくありません。

そこで、この記事では車の引っかき傷の原因や対処法、修理を依頼するときの費用について解説します。

浅い傷ならすぐに自分で補修し、車へのダメージの被害拡大と修理費用を抑えようと思う人は参考にしてください。

車にいつの間にか引っかき傷が!原因は?

ある日、気がつけば車に身に覚えのない引っかき傷がついていて、いつどこでそうなったのかと不思議に思うことがあります。
車の引っかき傷の原因はさまざまですが、主なものとして木の枝や車のキー、動物などがあります。

不用意に引っかき傷がつくのを回避するためにも、まずはよくある原因を把握しておきましょう。

走行中に木の枝に当たる

道路にはみ出した木の枝が車のボディ側面に接触し、1本線のような傷跡ができることがあります。

樹木が生い茂っている狭い山道では、大小さまざまな草木が道路まで飛び出してきていることが少なくないため、走行する際はスピードを落として慎重に通過するようようにしましょう。

不用意に車のキーが当たる

車の施錠・解錠で車のキーを鍵穴に差し込もうとしたとき、思わずキー尖端の金属部分が車のボディに当たり、引っかき傷がついてしまうことがあります。

時間がなくて急いでいるような場合に、焦って手元が狂い、車のキーを接触させてしまうような状況です。

ただし、最近は車のドアについているスイッチやリモコンキーでドアのロックをオンオフすることが多いため、リモコンキーの電池切れなど、例外的に車のキーを鍵穴に差し込むときに注意するとよさそうです。

動物によるもの

駐車している車の上に動物が乗ってきて、薄くて細かい引っかき傷が複数箇所にわたってつくことがあります。

寒い冬など、熱が溜まりやすい車のボディ表面は動物にとって居心地のいい場所となるため、猫などが車の上に身体を休ませにきます。
このとき手足の爪で、ボンネットやルーフの引っかき傷がついてしまうのです。

猫以外にはイタチやカラスなども考えられますが、動物による引っかき傷の回避にはボディカバーなどが有効です。

浅い引っかき傷なら自分で直せる?

軽微な引っかき傷であれば、自分で直すことは可能です。

塗装面を超えてボディそのものに達している深い傷や大きくへこんだ傷などの場合は、専門業者に修理を依頼することをおすすめしますが、そうでない限りは市販されているDIY用品を使って自分で修復ができます。

車についた引っかき傷は、浅いものでも放置することにより塗装内部にまでダメージが及ぶこともあるため、なるべく早い段階で対策しておくのが肝心です。

コンパウンドの種類は?

コンパウンドとは研磨剤のことで、車のボディ表面についた傷を目立たなくすることができます。
コンパウンドという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、直訳すると「化合物」「混合物」という意味です。

コンパウンドを選ぶときは、粒の細かさや形状、水性・油性などを考慮して適切なものを決めます。

粒の細かさ

コンパウンドの粒の細かさを分類すると、粗目や中目、細目、極細目などの種類があり、粒の荒いものほど研磨する力が強く、細かいものほど弱くなります。

コンパウンドは、紙やすりを使用するときと同じように、まずは目の荒いものから使い始め、徐々に細かいものへ切り替えていくのが基本です。

なお、「粗目」「中目」などの呼称はメーカーによって異なります。

ペーストタイプと液状タイプ

ペーストタイプのコンパウンドは、研磨剤の粒が大きめで粘度が高く、流れ落ちることがないため、車のボディ側面などに使用できます。

一方で、液状(リキッド)タイプのコンパウンドは、伸びがいいためボンネットやルーフなど水平面をまんべんなく研磨するのに適しています。

水性と油性

コンパウンドは、水性か油性かという違いもあります。
水性のコンパウンドは研磨する力が高く、快適に作業できるのが利点です。
しかし研磨カスが出やすいため、磨き残しが目立ちやすい欠点もあります。

一方で、油性のコンパウンドは、研磨する力が弱いため慎重に作業したいときに向いています。
また、油性のコンパウンドには艶出しや保護剤が配合されたタイプのものもあります。

車の引っかき傷の直し方

コンパウンドを使用した、傷の消し方を説明します。

コンパウンドは車の傷を消すために便利なアイテムですが、実際には研磨をすることにより傷が目立ちにくくしているのであり、完全に傷を除去できるわけではないことを認識しておきましょう。

補修作業をするときに用意するものは、粗さの異なる2、3種類のコンパウンド養生のためのマスキングテープ、スポンジや布です。
市販されているコンパウンドのなかには粗いものから細かいものまでがセットになったものもあるため、自分で研磨剤の粗さを確認して購入する手間が省けるため便利です。

コンパウンドを使って傷の補修をする手順は、以下です。

  1. 傷まわりを水洗いして汚れを落とす
  2. マスキングテープで傷まわりを養生する
  3. 粗目のコンパウンドで磨く
  4. 細目のコンパウンドで磨く
  5. スポンジや布でコンパウンドを拭き取る

まずは下準備として、傷まわりのホコリや付着物を水洗いして除去します。
次に、傷まわり以外のボディがコンパウンドで削れないようマスキングテープで養生します。

下準備が整えば、まずは粗いコンパウンド、次に細かいコンパウンドという順番で磨いていきます。
コンパウンドで磨き終われば、スポンジや布でコンパウンドをきれいに拭き取って作業が完了です。

引っかき傷の修理を依頼する場合の費用

ボディの深くまで達しているような引っかき傷の場合、自分で直すよりも専門業者に依頼するほうが確実です。

傷が浅い場合であっても、放置しておくことにより症状が悪化するのを避ける目的で、早い段階から依頼するのもいいでしょう。

修理を依頼するにはディーラーや板金業者、カー用品店などがあります。
それぞれに修理内容や費用相場が異なるため、自分の求める業者を選べるようにしておきましょう。

ディーラー

ディーラーは自車メーカーの車に関する専門知識があるため、安心して依頼することができます。
純正パーツの取り扱いもできるため高品質な仕上がりを期待できますが、一方で、費用は比較的高価格となります。

浅い引っかき傷でも2万円以上となることも。

費用をできるだけ抑えたい人は、他の選択肢も確認されると良いですね。

板金屋

板金屋とは、車のこすり傷やへこみを修理する専門業者であるため、引っかき傷の修理におすすめできます。

費用はディーラーや、次に説明するカー用品店よりも比較的に低く抑えられ、場合によってはディーラーで数万円かかるような修理が板金屋なら1万円以下で依頼することも。

ただし、注意点として板金屋は営業する上で特別な国家資格などが必要とされないため、板金屋ごとに技術には差があることが挙げられます。

依頼する際は情報収集して慎重に選ぶようにしましょう。

カー用品店

カー用品店でも、車の傷の修理を依頼できます。
カー用品店であればディーラーよりも低価格で修理を依頼でき、また全国に店舗があるため利用しやすい利点があります。

修理に必要となったアイテムはカー用品店だけに豊富に取りそろえられており、多くの商品のなかから適切な商品を選べるでしょう。

また、事前に予約しておけば修理にかかる時間も短縮できるため、スムーズな作業を期待できます。

まとめ

車の引っかき傷について、解説しました。
引っかき傷の原因として木の枝や車のキー、猫などの動物といったものがありますが、浅い傷であれば自分で直すこともできます。
その際に使用するのが、コンパウンドです。

コンパウンドは、粒の粗さのほかにペーストタイプと液状タイプ、水性と油性といった種類があるため、車の傷の場所や程度によって使い分けましょう。

自分で補修するのが難しい場合や、塗装面の奥にまで達する深い傷の場合は、専門業者に依頼しましょう。

浅い引っかき傷でも油断せず、劣化が進む前の段階で対処することを心がけましょう。

この記事を書いた人

自動車ニュースのWEBマガジン

カーナレッジ編集部

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