えっ!車が浸水!?どうすれば!?処理や保険について解説!

近年、豪雨による大洪水や液状化など自然災害がもたらす車の浸水が多く見受けられます。
東日本大震災では、数多くの自動車が流されたという調査結果も出ています。

車が浸水してしまった場合はどのように対処すればよいのでしょうか。

本記事では、車が浸水してしまった場合の対処法や自動車保険の補償について、また浸水を防ぐための対策などについて解説していきます。

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車が浸水した場合はどうすればよいのか?

ここでは、浸水してしまった車の対処法やどの程度の浸水であれば車は使うことができるのか解説していきます。

浸水車と判定される基準

水に浸かった車のことを水没車や冠水車と呼びますが、この基準は、一般財団法人自動車査定協会(JAAI)により定められています。

基準では、「室内フロア以上に浸水した車、または浸水の痕跡が複数確認できる車」となっていますが、車種や車高、エンジンルームの位置などにより基準より低くても浸水した車と見なされます。

特に、ローダウンした車やスポーツカーなどの車高の低い車はタイヤの半分まで浸水してもフロアに水が入り込む可能性があるため注意しなければなりません。

車が浸水した際の対処法

どれだけ最善の注意を払っていても自然災害はいつどこで起こるかわかりません。
台風予報や大雨予報などの予測できているときは車での外出は控え、車を安全な場所へ移動しておきましょう。

車が浸水した場合、無理に車を動かすのは危険です。
水たまり程度と考えて深みにはまると、タイヤの回転で水を巻き込み車が動かなくなる可能性もあります。

深みにはまった場合は、雨が落ち着いた段階でディーラーや整備工場など業者へ連絡してレッカー移動させましょう。

浸水した車はどうなる?

ここでは浸水した車がどうなるのか解説していきます。

サビや腐敗がすすむ

車の浸水具合によりますが、シートのスライド部分やシートベルトの金属部分、コンソールボックスのねじなど目につきにくい場所までサビが出る可能性があります。

塩分濃度の高い海水であればサビの発生スピードが早く、部品やパーツが腐敗する恐れもあります。

シミや汚れが付着する

車には食べこぼしやたばこの汚れなどのシミや汚れがシートの一部につくことがありますが、浸水した車にはシミやドロ汚れなどの痕が広範囲に渡って残り、生活感のあるシミや汚れとは違います。

アクセルペダルやブレーキペダルなどが集中している足元は構造が複雑になっているため、シミや汚れがあっても見落としがちです。

ドロやカビの臭いが発生する

浸水した車は、見た目は綺麗でエンジンがかかったとしても、乗り続けているうちに悪臭に悩まされるケースがあります。

水の臭いは簡単には取り除けません。

また、浸水してしまった車が完全に乾くにはかなりの時間がかかり、いくら掃除をしてもドロやカビの臭いが残ってしまうことがあります。

これは、エアコンを作動させたときも同様で、ダストに溜まった水やドロがカビ臭となりエアコンの風と共に室内へ入り込んできます。

関連記事:車のエアコンが臭いときの対策は?原因と対処法を徹底解説

浸水した車の修理費用とは?

浸水した車は、どこまで修理をするか判断が難しいです。
たとえエンジンがかかっても、将来的にエンジンに使われている金属がサビてくる恐れもあります。

タイヤの下半分の場合は、車種によってことなりますが、この程度の水没であれば、修理して乗り続けることができます。

一方、タイヤの下半分が水没した場合はタイヤやブレーキローターなどの交換が必要となるケースがあります。

タイヤ上半分の場合は、車にとっては故障リスクが高まる水位です。
電気系やエンジンなどの車の重要な部分が故障しているケースがあります。

車のフロアまで浸水していると、室内だけではなくエンジンルームまで水に浸かっている可能性が高くなり、エンジンを交換する必要が高くなります。

大雨で車が浸水したら保険はどうなる?

大雨による浸水被害は、車の所有者にとって深刻な問題です。しかし、そのような状況に備えて自動車保険を適切に活用することは重要です。浸水被害に対する保険の補償やその影響について知ることは、車の安全と財産保護の観点から不可欠です。

浸水でも補償される保険は?

自動車保険には、自賠責保険と任意保険の2つがあります。任意保険の一つである車両保険は、自車の損害を補償してくれます。一般条件とエコノミーの2つのプランがあり、エコノミープランでは補償範囲をスリム化して保険料を抑えることができます。自然災害による損害も、一般条件とエコノミープランの両方で補償されます。

自動車保険を使ったら等級はどうなるの?

自然災害で自動車保険を使用した場合、通常は1等級のダウンや保険料の上昇が少なく設定されています。これにより、保険を利用しても保険料の負担を軽減し、将来の保険契約における等級の維持が可能となります。

関連記事:カーリースでも任意保険はつけるべき?保険の必要性を詳しく解説

車両保険に加入していても地震による浸水は補償できない

車両保険に加入している車は、自然災害で損傷しても補償範囲です。

しかし、全ての自然災害の損害を補償してくれるわけではありません。
被害状況によっては免責と判断され、分損扱いになることがあります。

しかし、一部の保険会社では、地震、噴火、津波によって車が「全損」となった場合に、一定額の保険金が保険会社から支払われる特約があります。

この特約は、平成23年3月の東日本大震災で、津波による車の水没被害から新たに作られました。

車が浸水しないためにできる準備とは?

車が浸水すると、エンジンが動かなくなる可能性があります。

たとえ動いたとしてものちに車を修理に出すことになり、修理費用が大きくかかることも考えられます。
このような浸水による被害を防ぐためには、普段から浸水対策について心がけておくことが大切です。

ここでは、車が浸水しないためにできることをご紹介します。

車を置く場所付近の環境を把握しておく

氾濫が予想される河川や水はけのあまりよくない場所などを把握しておきましょう。
水害に遭いやすい場所を把握しておくことで、被害を避けられるだけでなく素早い避難もできるでしょう。

また、自宅周辺の高い場所を知っておくことも重要です。水害が起こりやすい地域に住んでいる人は、普段から周辺を確認しておきましょう。

天気予報をチェックする習慣をつける

最近のスマートフォンのアプリには、天気予報だけでなくリアルタイムにゲリラ豪雨の発生しやすい地域などを配信しているものもあります。

また、毎日の天気予報を確認すれば、事前に天気の状況がわかり、水害による被害が最小限でおさまる地域に車を移動させることができます。

地域のハザードマップを確認する

ハザードマップとは、過去に発生した災害状況をもとに、台風や集中豪雨による洪水、地震や津波、土砂崩れや崖崩れ、火山の噴火などの自然災害における被害発生状況を予測して地図にしたものを指します。

ハザードマップを確認することで台風や集中豪雨の際に、浸水が予想される地域、土砂災害が発生する危険性のある地区などが確認できます。

また近年は、インターネットの普及によりスマートフォンやパソコンでも近くの河川がどれくらい浸水するのかを確認できるようになっています。

まとめ

本記事では、車が浸水してしまった場合の対処法や自動車保険の補償、浸水を防ぐための対策などについて解説しました。

自然災害は、いつどこで起こるか予測が難しいです。

浸水した車は、修理箇所を特定することが難しいため、長く乗り続ける場合は注意する必要があります。

車両保険に加入していれば、補償範囲となりますが、浸水した車に乗り続ける場合は後から故障する可能性があることも把握しておきましょう。

浸水した車や事故車などは専門に扱う業者が買い取ってくれる場合があります。

次の車を購入する際の資金となる可能性もあるため、相談してみましょう。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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