車に乗っていれば雷は大丈夫?注意点と正しい対処法を解説
気象庁のデータによれば、日本では内陸部では夏に、日本海側では冬に雷が多く発生する統計があります。
雷には1億ボルト以上の電圧があるとされ、建物や木などに落雷すると火事を引き起こすほど危険であり、人命にも関わります。
落雷に対する避難場所の一つとしては、車の中が挙げられます。
しかし、実際には安全な車とそうでない車が存在します。
この記事では、車内が安全である理由と、どのような車が安全でないかについて解説します。
また、正しい雷への対処法も紹介します。
INDEX
車は雷の避難場所の一つ
気象庁によれば、車やバスの中は、雷に対して一定の安全が確保された避難場所であるとされています。
この安全性は、車のボディのほとんどが金属で構成されていることに起因しています。
雷は電気であり、電気を通しやすい物質を優先的に通過し、一定の方向に流れます。
金属は人間の体よりも電気を通しやすく、車に落雷した電気はボディ表面からタイヤを伝って地面に流れていきます。
そのため、車内の人や車の機器に対してはほぼ影響がありません。
車のメーカーも雷対策を考慮しながら設計や開発を行っており、落雷試験に関しても、先述のような結果と安全性が確認されています。
ただし、車内の金属部品やガラスに触れていると感電するリスクがあるため、シートベルトの金具やボディ表面に近いドアノブなどには注意が必要です。
注意が必要な車もある
車内は雷が鳴っていても安全とはいえ、注意が必要なタイプの車も存在します。
オープンカー
ルーフ部分が金属でできたハードトップのオープンカーは一般的に問題ありません。
しかし、素材が布やビニールなどでできたソフトトップの場合は、落雷時に車内の人に被害が及ぶ可能性があります。
さらに、ソフトトップはハードトップや通常の車と比較して、落雷による破損をしやすいという特徴があります。
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ルーフの一部にガラスが使用されている車
サンルーフ付き車など、ルーフの一部にガラスが使用されている車も注意が必要です。
金属部分からガラスへの電気の流れる可能性は低いですが、ガラス部分に直接落雷することがまれに発生します。
ガラスに落雷すると、金属部分を伝って車内に電気が流れ込む可能性があります。
また、落雷による衝撃でガラスやその周辺部分が破損し、欠片などが車内に飛散するリスクも否めません。
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雷が鳴っている中で車を走行することのリスク
雷が鳴っている状態は、天候が不安定で急変することを示しています。
このような悪天候下での走行は、交通事故を起こすリスクが高まります。
大雨が降ると、視界が悪化して走行に支障が生じます。
また、雷が近くで鳴っている場合、大きな音に驚いたり、強風がハンドル操作に影響を及ぼしたりすることが考えられます。
交通事故や車への落雷のリスクを回避するためには、安全な場所に車を停車させることが望ましいです。
高い建物が周囲にない開けた場所や、標高の高い山頂付近などの道路での走行中は、落雷の危険性が高まるため避けましょう。
走行中に雷が鳴ったときの対処法
大切なことは落雷のリスクを回避する行動を心掛けることです。
ここからは対処法を解説します。
落雷に備える
雷が鳴っている状況下で走行を続けなければならない場合は、車への落雷に備える必要があります。
具体的な注意点として、金属部分には触れないことと窓をしめることを留意しましょう。
車内への落雷の影響は一般的に低いとされていますが、念のため金属部分に手や体が触れないようにしましょう。
また、窓が開いていると、金属部分に囲まれていなことになるため危険です。
雷が遠くで鳴っているように感じたときでも、雷鳴や稲光が聞こえたり見えたりする距離では、落雷の危険性があります。
さらに、積乱雲からは横に雷が放射状に落ちることがあるため、頭上に雲がなく晴れていても、安心せずに落雷に備えましょう。
気象情報を確認する
雷雲や雨雲の動向を把握するために、気象情報を定期的に確認しましょう。
気象情報はテレビやラジオで入手可能です。
また、近年のスマートフォンの気象アプリは予報精度が高く、非常に便利です。
これらの情報を活用して、現在の天候状況や今後の予報を知ることで、より安全な行動を取る準備ができます。
可能であれば雷雲を回避する進路を選んだり、天候が改善するまで車を停車したりすることを検討しましょう。
無理な走行を避けて安全な場所に停車する
車内は雷に対して一定の安全が確保されていると言われていますが、できるだけ屋内駐車場など屋根の下に移動することが望ましいです。
屋内の方が雷に対する安全度は高いため、安全な選択を優先しましょう。
雷雨の中では視界が悪化し、走行自体が危険となることがあります。
無理な走行は避け、安全な場所を見つけて停車しましょう。
雷が発生すると局所的で集中的な大雨が降ることが多く、道路が冠水する可能性があります。
特に地下道(アンダーパス)や河川近くの立体交差道路は非常に危険なため、停車する際には、冠水の可能性がある場所を避けましょう。
車の外に出ない
雷が鳴っている状況で、車から建物内に避難しようと外に出るのは非常に危険です。
また、雨や強風が一時的に収まったと感じたとしても、すぐに外に出ることは避けてください。
天候が回復したかどうかは、雷鳴や稲光の有無、気象情報などを確認して判断しましょう。
車に雷が当たった場合の対処法
車に落雷した場合は以下のように対処してください。
慌てない
雷が車に落ちると、大きな音と衝撃が発生し、驚いてしまうことでしょう。
しかし、パニック状態での運転は正常な操作ができなくなり、危険を増大させます。落ち着いて、速やかに安全な場所に車を停車させましょう。
停車後も焦って車から出ることは避けてください。
車に雷が落ちたということは、雷雲が近くに存在する可能性が高いです。
自身への危険を最小限に抑えるため、車の外に出ないようにしましょう。
車の状況を確認する
雷雲が去り、天気が回復したら、車の状態を確認しましょう。
落雷を受けた場合、ただちに走行を再開せず、車に被害がないか調べる必要があります。
タイヤやボディの損傷やメーターなどの電気系の不具合という被害であれば分かりやすいですが、見えない部分が故障していることもあります。
ロードサービスやカーディーラーへ連絡して指示に従いましょう。
専門家に点検を依頼する
落雷を受けた車は、走行できたとしてもなるべく早く専門家に点検を依頼してください。
問題がないように見えても、自身では気づけない箇所が故障している可能性があります。
将来的に重大な事故を回避するためにも、徹底的な点検が必要です。
まとめ
車の中は雷からの避難場所として安全性が高い場所です。
その理由は、車のボディが金属でできており、雷が車に落ちても電気である雷は車のボディ表面からタイヤを伝って地面に流れていくためです。
そのため、車内の人や電子機器に被害が及ぶことはほとんどありませんが、金属でできた箇所に触れていると感電のリスクがあることには注意が必要です。
一方で、ソフトトップのオープンカーやサンルーフが付いている車は危険が高まります。
このような車に乗っている場合は速やかに屋内駐車場などに避難する必要があります。
落雷による人的被害が起こる確率は低いですが、ゼロではありません。
被害を防ぐために、リスクを避ける行動を常に心掛けましょう。