コラムシフトとは?無くなった理由について解説

車の速度をチェンジするシフトレバーの位置は、車によってさまざまです。

前席シートの真ん中にあることが一般的ですが、ハンドルの裏で操作できるタイプもあることをご存知でしょうか。

この記事では、コラムシフトが搭載され無くなった理由を解説します。

また、コラムシフトのメリット・デメリットやそのほかのシフトレバーのタイプも併せて紹介するので、自分に合う車体を選ぶ際の参考にしてください。

関連記事:パドルシフトとは?メリットやデメリット、使用する上での注意点について解説

関連記事:シフトロック解除のボタンがない場合の対処法とは?

コラムシフトとは?

そもそもコラムシフトとはどのようなものなのでしょうか。

ここでは、コラムシフトとはどのようなものか、概要や歴史について解説していきます。

コラムシフトの概要

コラムシフトとは、シフトレバーがステアリングコラムに取り付けられているタイプのことを指します。

ステアリングコラムとは、ウィンカーやワイパーなどのスイッチレバーが設置されているハンドルの根本部分のことです。

コラムシフトは、ハンドルの近くにあるため、シフト操作がしやすいというメリットがあります。

また、運転席と助手席の間に空間ができるため、前席から後席へのウォークスルーを可能としました。

コラムシフトの歴史

コラムシフトは、1938年にアメリカの高級車ブランドであるキャデラックで採用されたことが始まりです。

その後、1980年代の後半ごろまでアメリカではコラムシフトが主流でした。

これは、前席で3人掛けできるベンチシートを車に設置するためにコラムシフトが最適であったためです。

しかし、コラムシフトはマニュアル車の複雑な操作が難しいというデメリットがありました。

そのため、スポーツモデルといったギア数の多い車が増えるにつれて、徐々にコラムシフトを採用した車が減少します。

また、日本では1980年代にギア操作の段数が少ないタクシーやバン、トラックなどの商用車にコラムシフトが採用されていました。

その後、1990年代にAT車の普及によりミニバンやSUVなどの乗用車にも採用されるようになります。

コラムシフト以外のシフトレバー

シフトレバーは、コラムシフト以外にフロアシフト、パドルシフト、インパネシフトの3つのタイプがあります。

以下で、それぞれの特徴を解説していきます。

それぞれの特徴を把握し、自分に合ったシフトの配置を選びましょう。

フロアシフト

フロアシフトは、シフトレバーが床から伸びているタイプで、運転席と助手席の間にあります。

フロアシフトは普通車からスポーツカーまで、さまざまな車に採用されています。

フロアシフトは、視認できる場所にあり、操作性に優れているというメリットがあります。

ハンドル操作とシフト操作を分けて、はっきりとレバーを握って操作ができるため、比較的事故が起こりづらい形態です。

一方で、シフトレバーに広く場所を必要するため、車内スペースが狭くなってしまうというデメリットがあります。

運転席と助手席が遮断されるため、フロアシフトがあることによって閉塞感を感じるかもしれません。

フロアシフト

パドルシフト

パドルシフトは、ステアリングホイールに取り付けられています。

ステアリングホイールとは、ハンドル部分を指し、実際にハンドルを握りながら指先だけでシフト操作が可能です。

パドルシフトは、F1用の車に採用されたことが始まりです。

そのため、素早い操作性に優れているのが特徴です。

デメリットは、自分の体格とパドルシフトの位置が合っていないと使いづらいことが挙げられます。

特に、外国産のスポーツ車などは日本人の体格に合っていないことが多く、操作が難しいと感じる人も多いでしょう。

インパネシフト

インパネシフトは、車のダッシュボードに取り付けられたシフトレバーです。

運転席と助手席の間にあるフロアシフトと違って、シフト操作に場所を取らないという利点があります。

また、コラムシフトやパドルシフトのように、ハンドル操作や周辺のレバーを誤操作する心配がなく、操作性に優れていることもメリットとして挙げられるでしょう。

目で見て何速に入っているか確認ができるため、誤操作により事故を起こすリスクが下がります。

しかし、今までフロアシフトやパドルシフトを使用していた人にとっては、慣れるまで操作が難しいと感じる人もいるでしょう。

コラムシフトが無くなった理由

近年では、コラムシフトを採用している車が減っています。

コラムシフトはなぜ普及しなくなったのでしょうか。

ここでは、コラムシフトが採用されている車が無くなった理由を3つご紹介します。

扱いにくい・操作ミスが起きやすい

コラムシフトは、ほかのシフトレバーよりも使いにくいといわれています。

コラムシフトは、ハンドルのそばにありレバーに手が届きやすいというのがメリットです。

しかし、近くにあるウィンカーを操作する際に手が当たり誤作動する可能性があります。

また、コラムシフトは何速に入っているのか、ギアのポジションが目視できない位置にあります。

これらの理由から、扱いづらく事故につながる可能性が高まり、コラムシフトは好まれなくなりました。

危険 運転

ハンドル周りの操作が複雑になった

以前の車のハンドルはシンプルでしたが、現在の車のハンドル周りには、多くの機能が備わっています。

たとえば、オーディオやナビ、ハンズフリー、オートクルーズ機能などのスイッチです。

コラムシフト操作に加えてこれらの機能を操作しなければなりません。

そのため、ハンドル周りの操作が複雑になり誤操作を起こす可能性があるでしょう。

このような、ハンドル周りの操作が複雑になったことが、コラムシフトが減少した要因の一つです。

ほかの機能と明確に区別するため、左手で握れる位置にあるフロアシフトが多く採用されています。

インパネシフトが普及した

フロントシフトやコラムシフトの代わりに、インパネシフトが台頭したことも、コラムシフトがなくなった原因として挙げられます。

操作性の高いフロントシフトには、車内空間が狭くなるというデメリットがあります。

一方、省スペースで操作できるコラムシフトには、操作ミスが起こりやすいというデメリットがあるでしょう。

操作性と省スペースの両方のメリットを実現したのが、インパネシフトです。

シフトレバーが前方のパネル部分に配置されることで、視認できる場所にありながらも座席を広く確保できるようになりました。

現在では、ミニバンや軽自動車などの車にインパネシフトが多く採用されています。

まとめ

この記事では、コラムシフトが無くなった理由について解説しました。

コラムシフトは、車のハンドルの裏でシフト操作を行うタイプのものです。

運転席と助手席の間にあるフロアシフトと異なり、前席のスペースを広く使えることで多くの車に採用されていました。

しかし、ハンドル周りにレバーやスイッチなどの機能が増え、シフト操作の誤操作が懸念され、コラムシフトを採用する車は減少します。

現在では、車のパネル部分で操作できるインパネシフトが注目されています。

シフトレバーは車の運転操作において重要な機能です。

自分にあった配置の車を選んで、快適な運転を実現しましょう。

関連記事:初代から新型まで歴代オデッセイの内装・インテリアを画像で紹介

この記事を書いた人

自動車ニュースのWEBマガジン

カーナレッジ編集部

カーナレッジはクルマの知識をわかりやすく提供する自動車ニュースメディアです。新車・中古車の最新情報やメーカー・ボディタイプ・メンテナンスなどの基本知識まで。自動車のことがすべて分かるWebマガジンです。

関連する記事

カテゴリーから記事を探す

error: このページの内容は保護されています。