車のブレーキが効かない原因とは?対処法と併せて解説!

車を運転するときに当たり前のように利用するブレーキですが、車を運転し続けていくとブレーキが効かなくなってしまうことがあります。

この記事では、ブレーキが効かなくなる原因や対処法から日常でできる点検方法まで解説しています。

万が一の事態に備えておけるようにぜひ参考にしてください。

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ブレーキが効かない原因

事故イメージ

ここでは、ブレーキが効かなくなってしまう原因について解説します。

ハイドロプレーニング現象

雨などでぬれている路面を高速で走行することで、タイヤと路面の間に水の膜ができてしまい、ブレーキ操作もハンドル操作も効かなくなってしまう状態のことをハイドロプレーニング現象といいます。

このハイドロプレーニング現象は雨の高速道路で発生しやすいといわれています。

劣化したタイヤは溝が浅くなり、排水能力が低下してハイドロプレーニング現象が発生しやすくなってしまいます。

タイヤの溝に問題がないか、タイヤのウェアインジケーター(スリップサイン)で確認すると共に、雨天時にはスピードを上げすぎないようにしましょう。

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フェード現象

強くブレーキをかけたり、長時間ブレーキをかけ続けたりするとディスクパッドやブレーキライニングといった摩擦材が異常な温度まで加熱してしまい、やがてブレーキの効きが悪くなってしまいます。

このような現象をフェード現象といいます。

フェード現象によってブレーキの効きが悪くなってきたと感じた場合には、安全な場所に停車し、ブレーキが冷えるまで待つことでブレーキの性能が回復します。

ベーパーロック現象

フェード現象が発生してもさらにブレーキを使い続けてしまうと、ブレーキオイルが加熱されることで沸点を超えて沸騰し、ブレーキホース内に気泡が発生してしまいます。

気泡が発生してしまうと、ブレーキペダルを踏んで発生させた圧力が気泡に吸収されてしまい、ブレーキが効かなくなってしまいます。

フェード現象、べーパーロック現象は共にフットブレーキの使いすぎで発生してしまうため、エンジンブレーキを使用することで予防することができます。

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ブレーキオイル(ブレーキフルード)関連のトラブル

ブレーキオイルは吸湿性(空気中の湿気を吸ってしまう)が高いという特徴があります。

新品状態では、ブレーキオイルの沸点は200°C以上ですが、時間が経過するほど吸湿して沸点が下がってきてしまいます。

したがって、走行距離に関係なく定期的に新品のブレーキオイルに交換することが推奨されています。

ブレーキシステムの異常

ブレーキの構成部品に異常が発生すると、ブレーキが効かなくなってしまいます。

ブレーキの構成部品であるブレーキパッド(摩耗材)がすり減ってくると、制動力が低下します。

ブレーキペダルを踏んだときに「キーキー」と高い音がする場合には、ブレーキパッドが摩耗しきってしまっている可能性があるため、すぐに整備工場で点検をしてもらうようにしましょう。

また、ブレーキシステムであるディスクブレーキのディスクが部分的に摩耗している場合や、ゆがみやさびがひどい場合はブレーキの効きが悪くなることがあります。

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ブレーキが効かないときの対処法

修理

ここでは、運転中にブレーキが効かなくなってしまったときの対処法を3つ紹介します。

エンジンブレーキを使用

平地であれば、アクセルペダルから足を離しただけでゆっくりと減速していきます。
より強くエンジンブレーキをかけるには、トランスミッションを操作しましょう。

トランスミッション

トランスミッションがMT(マニュアル)、AT(オートマ)どちらの場合でもシフトダウンすることでエンジンブレーキがより強力にかかるようになります。

MTと、一部のマニュアルモード付きAT(Mの横に+ −マークが付いていることが多い)において5速で走行している場合には、4速→3速→2速→1速と順番にシフトダウンしていきます。

マニュアルモード付きATの場合には「−」マーク側に操作するとシフトダウンします。1速に近づくほどより強くエンジンブレーキがかかるようになります。

その他のAT車では、Dマークの下に2、1、S、L、Bのいずれかの数字かアルファベットが記載されている場合もあります。

AT車は車種によって操作方法が多岐にわたるため、取扱説明書を事前に確認しておきましょう。

エンジンブレーキを上手に使用する

緊急時以外でもエンジンブレーキを上手に使用することで、燃料消費を節約できます。

長い下り坂や、高速道路のパーキングエリアやインターチェンジで減速する際にエンジンブレーキを使用すると低燃費で優しくブレーキがかかるため便利です。

また、エンジンブレーキはブレーキランプが点灯しません。
後続車がすぐ後ろにいる場合にはフットブレーキも併用して、減速していることを後ろの車に伝えて追突されないようにしましょう。

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パーキングブレーキ(サイドブレーキ)を使用

パーキングブレーキは主にレバー式、足踏み式、電動式の3種類があり、最近の車両では電動式が増えています。

レバー式は運転席横に付いているレバーを上げる、足踏み式は文字通り足で踏んで作動させるため分かりやすいでしょう。

しかし、意外と知られていないのが電動式パーキングブレーキの緊急時の使い方です。
一部車両の電動式パーキングブレーキは、緊急時にパーキングブレーキボタンを引き続けることでパーキングブレーキを作動させる機能が付いています。

車両により操作方法が異なるため、いざというときのために自分の車の取扱説明書を参照しておきましょう。

ガードレール・路肩に車体をこすりつける

この方法は、エンジンブレーキ、パーキングブレーキでは間に合わない緊急時の最終手段となります。

ガードレール、路肩などに自動車の車体をこすりつけて、車を減速させます。

この手段を使わなければならないときはパニック状態になってしまっていると思いますが、できるだけ落ち着いて周囲の状況を確認しながら実行しましょう。

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日頃からできるブレーキの点検方法

ここでは、日頃から誰でもできるブレーキの点検方法について紹介します。

ブレーキペダルを踏んで感触を確かめる

エンジンをかけた状態でブレーキペダルを思い切り踏み込んでみて、踏みごたえに問題がないか確認します。

いつも以上に奥まで踏める、踏みごたえがやわらかく感じるといったときにはブレーキオイルの液漏れ、空気の混入が疑われます。

ブレーキオイルの量を確認

ブレーキオイルがきちんと規定量が入っているか、ボンネットを開けて確認してみましょう。

ブレーキオイルが入っている「リザーバ・タンク」という容器があります。液量がMIN(最低)とMAX(最高)の目盛りの間に入っていれば適量です。

もしも適量から外れてしまっている場合には、整備工場に入庫するようにしましょう。

特に液量が不足している場合には、どこかで漏れてしまっている可能性があるため危険です。

パーキングブレーキの確認

レバー式パーキングブレーキの場合には、レバーを引き上げてみて、「引きしろ」を確認することができます。

普段よりも余計に上まで引かなければいけないのであれば、パーキングブレーキの効きが悪くなってしまっている可能性があるため、整備工場に入庫して点検してもらうようにしましょう。

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まとめ

ブレーキが効かなくなった場合の対処法を日頃から頭に入れておくことで、ブレーキが効かなくなってしまっても落ち着いて行動できるでしょう。

ガードレールに車体をこすりつけるような事態は避けたいですが、いざというときに方法を知っていればその後の被害を最小限に抑えることができます。

また、適切にエンジンブレーキを使用することは、「フェード現象」「べーパーロック現象」といったブレーキが効かなくなる現象の予防になるだけでなく、燃費を抑えることにもつながります。

ブレーキが効かなくなる原因を把握して日頃から点検を行い、適切にブレーキを使用するように心がけましょう。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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