エンジン警告灯が点いた!修理代はどれくらいかかる?
車の故障を知らせる警告灯ですが、点灯してしまった際に以下のような疑問が湧くでしょう。
- そもそも警告灯とは何なのか?
- 原因は何か?修理代はどれくらいかかるのか?
- 点灯したらどうすればよいのか?
この記事では、これらの疑問を解決する内容をまとめています。
今回の内容を参考にして、警告灯が点灯した際に冷静に対処できるようにしましょう。
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INDEX
エンジン警告灯とは?
エンジン警告灯とは車のエンジントラブルを知らせるための表示ランプで、スピードメーターや燃料計などと並んでメーターパネルの中に設置されています。
点灯色
エンジン警告灯は黄色や橙色、赤などで点灯し、それぞれ違う意味を持っています。
この点灯色は、国際標準化機構(ISO)にて制定されており世界共通です。
赤色の意味
緊急性が高いため、速やかに安全な場所に停車してください。
黄色の意味
注意が必要です。可能な限り走行は控えて安全な場所に停車してください。
エンジン以外の警告灯
警告灯はエンジン以外にも多数あります。主な例は以下の通りです。
赤色
・シートベルト非装着
・半ドア
・ブレーキ関連
・充電系統やバッテリーの異常
・油圧不足
黄色
・燃料残量が規定値以下
・フューエルフィルターに水分混入
・電子制御ブレーキシステムの異常
エンジン警告灯が点灯・点滅する主なケース
エンジン警告灯が点灯・点滅する原因はさまざまです。
ここでは、代表的なケースを説明します。
O2(オーツー)センサーの故障
O2とは酸素を意味しています。
O2センサーは、排気されるガスの中の酸素濃度を計測し、適切な酸素量がエンジンに送られているかをチェックするセンサーです。
エンジンは内部で燃料を燃焼させて、走行するための力を生み出しています。
燃焼させるには酸素が必要なため、エンジンに適切な量の酸素を送らなければなりません。
O2センサーが故障すると燃費の悪化、アイドリング不調、エンストなどの症状が出ます。
エアーフローセンサーの故障
エアーフローセンサーとは、エンジンに送る空気の量を計測しているセンサーです。
空気の量に合わせて、エンジンに噴射する燃料の量を調整しています。
エアーフローセンサーの故障というよりも、正常値から外れた空気の量を検知した際に警告灯が点灯するケースが多いです。
そのため、エアーフィルターの汚れが原因となることもあります。
理由としては、フィルターが汚れているとエンジンへ送り出される空気量が減少するからです。
故障時の症状は、O2センサーと似ています。
イグニッションコイルの故障
イグニッションコイルとは、エンジンの点火に関わる部品です。
故障するとアイドリング不調や、加速力に異変が出ます。
また、エンジンがかからなかったり、かかりにくくなったりすることもあるでしょう。
アクセルポジションセンサーの故障
アクセルポジションセンサー(ASP)とは、アクセルペダルをどれだけ踏み込んでいるかの深さを計測するセンサーです。
故障するとエンジンがかからない、アクセルを踏んでも回転数が上がらない、アイドリング不調などが起こります。
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バッテリーの故障
バッテリー上がりや寿命が近かったり電圧が低下状態にあったりすると、バッテリーセンサーが異常を発見し警告灯が点灯します。
ほかにも、バッテリー端子への締め付けに不備があると接続不良となり、センサーが異常を検出するケースもあるでしょう。
上記以外にも原因はさまざまあります。
給油口キャップの劣化や締め忘れによって、ガソリンタンク内の圧力が異常となり警告灯が点くこともあります。
関連記事:バッテリー上がりが起きた車、どのような対処法がある?症状や原因を解説!
エンジン警告灯が点灯した場合の修理代
警告灯の点灯は車の異常事態を意味し、修理が必要になります。
ここでは、原因別に修理代の目安をまとめました。
内訳は、部品代と作業料金の合計となっています。
なお、正確な修理代は状況によって異なるため、あくまで参考にしてください。
- O2センサー:20,000〜50,000円
- エアーフローセンサー:20,000〜30,000円
- イグニッションコイル:30,000~40,000円
- アクセルポジションセンサー:10,000~50,000円
- バッテリー:10,000~50,000円
O2センサー
O2センサーは消耗品のため交換時期があります。
消耗が見られたときなど適切な時期に交換するようにしましょう。
また、純正品以外に社外品が製造されています。
社外品とは自動車メーカー以外が製造している部品を指し、純正品よりも安価です。
しかし、ネット上には粗悪品も出回っているため、車の知識がない人は専門業者に部品選びを任せましょう。
エアーフローセンサー
エアーフローセンサーは、ブランドや車種によって価格が異なります。
また、純正品を使用するか、代替品を使用するかによっても費用が変わります。
一般的には20,000円から30,000円程度で修理が可能です。
エアーフローセンサーはエンジン内部に位置しているため、その取り外しや取り付けには専門的な知識が必要になります。
したがって、エアフローセンサーの修理は、ディーラーや自動車整備工場に依頼しましょう。
イグニッションコイル
イグニッションコイルは車種によって3〜8本使用しており、不具合が起きた際は全数交換が望ましいです。
また、同時にスパークプラグの交換も推奨されており、交換した場合は別途料金が発生します。
スパークプラグは性能の差によって異なり、1本につき2,000〜6,000円です。
アクセルポジションセンサー
アクセルポジションセンサーの修理代には、診断機(車の異常を発見するためのコンピューターツール)による点検料なども含まれます。
センサー自体がアクセルペダルに付いているタイプの場合、センサー単品の交換は不可で、アクセルペダルごとの交換が必要です。
バッテリー
バッテリーの修理代は、サイズだけでなく性能による差があります。
費用を抑えるために自分で交換することも可能ですが、交換時の不備や事故、車に適合しないサイズの取り付けによるリスクがあるため、知識のない人にはおすすめしません。
また、メモリーバックアップをしないで交換作業を行うと、時計やカーナビゲーション、バックモニターなどの電装類の設定がリセットされてしまうため注意が必要です。
エンジン警告灯が点灯したときに取るべき対処法とは?
走行中に警告灯が点灯すると動揺してしまいます。
事態を悪化させないためにも適切な対処法を身につけ、冷静な行動を取れるようにしましょう。
安全な場所に停車する
赤色の警告灯が点いた場合、緊急性が高いためハザードランプを点滅させながら、速やかに路肩などの安全な場所に停車してください。
高速道路を走行中の場合、安全を確認した上で路肩に停車しましょう。
停車後は発炎筒や停止表示板を設置します。
高速道路上でやむをえず停車する場合は義務付けられているため、後続車に注意しながら設置作業を行いましょう。
警告灯が黄色の場合、すぐに路肩に停車する必要はないため、安全に停車できる場所を探しましょう。
しかし、車が止まりそうなほどアイドリングが不安定だったり、ハンドル操作ができない状態だったりと、走行に支障がある場合は速やかに停車してください。
高速道路の場合、緊急性が高くなければ近くのサービスエリアやパーキングエリアまで移動してください。
そのほか、一般道路で降りる選択肢もあります。
救援要請をする
安全が確保されたら救援要請をしましょう。
連絡先はロードサービスや自動車整備工場、車を購入したディーラーなどです。
車の任意保険にロードサービスが付帯されている人は、利用するとよいでしょう。
警告灯が点灯した旨を伝え、専門家の指示に従い行動してください。
必要に応じてレッカーを手配する
走行自体に問題がなければ、自分の運転で修理工場へ移動するよう指示が出ることが多いです。
走行ができない状態や運転が不安な場合、レッカーや積載車を手配しましょう。
警告灯が点滅するときは?
点滅しているときは、今まさに不具合が発生中ということが考えられるため、速やかに安全な場所に停車してください。
専門業者に車の状態を伝え、すぐに修理すべきかどうか相談しましょう。
点滅状態とは異なり、一度点灯して消えるなど点灯・消灯を繰り返す場合は、配線が接触不良を起こしている可能性があります。
早い段階で点検してもらうことが望ましいです。
一度でもエンジン警告灯が点灯したら点検しよう
まれに、警告灯が点灯しても時間が経過すると消えることがあります。
正常な状態に見えますが、一度でも点灯した場合は必ず専門業者で点検してください。
放置しておくと、より重大なトラブルを招くことがあります。
点検を依頼する場所
車のトラブル、特にエンジン系の不具合は一般の人が見ても原因特定は難しいです。
診断機などの専用ツールも必要となるため、車の専門家や技術者がいる場所で点検を行ってください。
具体的な依頼場所は、以下が挙げられます。
・ディーラー(車の購入店など)
・自動車整備工場
・修理、メンテナンス作業が可能なカー用品店やガソリンスタンド
日頃からメンテナンスをお願いしている場所があれば、相談しやすいでしょう。
まとめ
エンジン警告灯はさまざまな理由で点灯します。
原因の追究や修理を自分で行うのは困難です。
点灯した場合は、慌てずに安全な場所に停車して専門業者に連絡しましょう。
また、不具合が発生する要因は、日々のメンテナンスで防げるものもあります。
日頃から、車について気軽に相談ができるかかりつけの場所を持っておくとよいでしょう。