車のエンジンがかからない!対処法と修理費用の相場を紹介

昨日まで問題なく走っていた車でも、突然エンジンがかからなくなることはあります。
これから出かけるというときに、こういったトラブルが起こると困ってしまいますよね。

走行中にエンジンが止まってしまうと大きな事故につながってしまう可能性も考えられます。

エンジンがかからない状態になった際に落ち着いて行動するためには、対処法を把握しておくことが大切です。

今回は、車のエンジンがかからない場合にどう対処すべきかを解説するとともに、エンジンを修理する際の費用相場についても紹介します。

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車のエンジンがかからない原因と対処法は?

車のエンジンがかからないときの原因としては「バッテリー上がり」「ガス欠」「パーツの故障」「人為的ミス」などが考えられます。

それぞれについて以下で詳しくご紹介します。

バッテリー上がり

エンジンがかからなかった場合、真っ先に考えられるのがバッテリー上がりです。

車を動かす際には、大量の電力を使います。
この電力を賄っているのがバッテリーです。

バッテリーが上がってしまうと、エンジンはかかりません。

また、バッテリー内はバッテリー液で満たされています。
液が劣化したり外部に漏れたりして液量が不足している場合などは、接触不良を起こしエンジンがかかりにくくなります

それか、単純にバッテリーの寿命というパターンも考えられます
バッテリーの寿命はおよそ2〜3年といわれているため、心当たりのある人は交換した方がよいでしょう。

関連記事:車のバッテリー交換時期は?寿命や劣化のサイン、長く使うコツまで解説

解決策

バッテリーが上がっているのであれば、別の車から電力を供給してもらいましょう。

この方法のことをジャンピングスタートといいます。ブースターケーブルを使い、車同士を繋ぐことで電気を分けてもらいます。

周囲に車がない場合は、ジャンプスターターを使います。
ジャンプスターターとは、一時的に電力を供給し、エンジンを始動させられるアイテムのことです。

なおバッテリーの劣化や寿命、そのほか部品の劣化が原因だった場合は、問題のある部品自体の交換が必要です。

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関連記事:一度上がったバッテリーは元に戻らない?バッテリーが上がった時の対処方法と合わせて解説

ガス欠/電欠

よくある原因として、ガソリンもしくは充電が空になっていたケースが挙げられます。
ガソリン車でいうところの「ガス欠」、電気自動車での「電欠」という状態です。

タンクの中に十分なガソリンが入っていない場合や、バッテリー残量がゼロだった場合などは、エンジンがかかりません。

また、長らく乗っていなかった車に関しては、ガソリンが入っていたとしても経年劣化の影響で、エンジンがかからないことがあります

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解決策

ガソリン関連が原因の場合は、保険会社もしくはJAFに連絡しましょう
JAF会員であれば、燃料代のみで対応してもらえます。

また、加入している保険によっては、ロードサービスが使える可能性もあります。

なお近隣にガソリンスタンドがある場合は、サポートを依頼するのも方法の一つです。
家族や知り合いに連絡してガソリンを持ってきてもらうのもよいでしょう。

セルモーターやエンジンなどのパーツトラブル

ガス欠(電欠)やバッテリー関連以外の原因としては、セルモーターやエンジンなどの故障といった部品の不具合が考えられます
セルモーターとは、エンジンを始動させる際に欠かせないパーツのことです。

またエンジンの故障として多いのが、オーバーヒートです。
オーバーヒートとは、エンジン本体が非常に熱くなる現象のことです。

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解決策

マニュアル車であれば、人力で車を押しエンジンを強制的にかける「押しがけ」という方法が使える可能性がありますが、オートマチック車ではそれができません。

そのため、すぐにディーラーや整備工場などの専門業者に連絡し、対処してもらいましょう。

オーバーヒートしているのであれば、エンジンを冷やす必要があります。

しかし、同時に他のトラブルが発生している可能性も考えられるため、こちらもすぐにディーラーや整備工場で見てもらうことをおすすめします。

人為的ミス

意外と見落としてしまう原因が、人為的なミスです。

車のエンジンをかけるためには、シフトレバーを「P(パーキング)」もしくは「N(ニュートラル)」に入れておく必要があります。エンジンがかからない際は、その他の位置にシフトレバーが入っていないかを確認してみましょう。

また、ハンドルロックがかかった状態でも、エンジンはかかりません。
まずハンドルを左右に動かし、ハンドルロックを解除しましょう。

その他、プッシュスタートタイプの車で、ブレーキを踏まずにエンジンをかけようとしているケースや、電子キーの電池切れなどがよくあるミスとして挙げられます。

いずれにしても落ち着いて状況確認を行えば、スムーズに解決できることが多いです。

関連記事:車の走行距離と寿命の関係は?購入時のポイントやリースの走行距離制限

エンジン不調のサインを見逃さないで

WHY?

「エンジンが突然止まってしまった!」と思うかもしれませんが、実は何かしらの異変が事前に起こっていることが多いです。

この章ではエンジン内部の不調を知らせるサインをいくつか紹介します。

エンジンから異音がする

エンジン、またはエンジン周りのパーツが故障していると走行中に異音がすることがあります。

例えば、ファンベルトが劣化しているとエンジンをかけた際に「キュルキュル」と高い音が聞こえてきます。

冷却水を循環させるポンプに異変がある場合は「ガラガラ」という音がします。

どちらも放置し続けるとオーバーヒートを起こしたり、最悪の場合走行不能になってしまうこともあるため注意しましょう

異臭がする

嗅ぎ慣れない異臭がしたら、すでにエンジントラブルが起こっているかもしれません

異臭の原因としては排気システムや燃料系のトラブルが考えられます。

もし、何かが焼けたかのような異臭がしている場合はすでにオーバーヒートを起こしている可能性が高いです。
オーバーヒートが悪化してしまうと引火や爆発の危険があります。

異変を感じ取ったらすぐに車を安全なところに駐車しましょう。

走行する感覚に違和感がある

アクセルペダルを強く踏んでいるのにいつもよりスピードが上がるのが遅く感じたり、ハンドルの操作に違和感を覚えたりなど、些細なことでも良いため何か「いつもと違うな」と思ったら、エンジンがパワーダウンを起こしている可能性があります。

上り坂や多くの荷物(人も同様)を積んでいると加速が鈍いという場合も同様です。

白いガスが出る

白いガスが出る時はたまにあります。

例えば寒い時期などがそうです。
寒い時期、エンジンを動かすと排気ガスが白くなることがありますが、走行しているうちにエンジンが温まるため自然と消えていきます。

この場合、マフラーから出ているものは水蒸気であるため、白くても自然に消えるのであれば問題ありません。

しかし、問題なのはエンジンオイルが燃料室に入りガソリンと一緒に燃えてしまうことです。
ガソリンと燃料が一緒に燃えてしまうと白い排気ガスとなり、異臭を放ちます。

走り出して時間が経っているにも関わらず、異臭を伴ったり排気ガスがいつまでも白かったりなど、普段の走行とは違う何かを感じたらすぐに安全なところに車を停めましょう

原因が分からない場合の対処法は?

上記でご紹介した内容に当てはまっていないにも関わらず、エンジンがかからないこともあります。どうしても原因が分からない場合は、以下でご紹介する方法を実践しましょう。

ロードサービスを呼ぶ

ロードサービスとは、車やバイクなどを運転している際に発生したトラブルの対処をしてもらえるサービスのことです。
エンジンがかからないときだけでなく、キーを閉じ込めてしまったときや、警告灯が消えないときなどでも対処してもらえます。

ロードサービスを提供しているのは、JAFや自動車工場、レッカー会社などです。
JAFに加入している場合は、JAFに連絡するとよいでしょう。

またすぐに連絡できるよう、ロードサービスの連絡先を登録しておくことをおすすめします。

保険会社に連絡する

自動車保険に加入している人は、付帯のロードサービスを利用できる可能性があります。

保険の内容によっては、無料もしくはリーズナブルな価格でサポートを受けられるため、保険会社に問い合わせてみると良いでしょう。

ただし、基本的にサービスを受けられるのは、契約している車に限られる点には注意が必要です。

近隣のガソリンスタンドに依頼する

エンジンがかからなくなった場所の近隣にガソリンスタンドがある場合は、サポートを依頼するとよいでしょう。店舗によっては、現場まで出向いて対応してくれることがあります。

ただし、全ての店舗で対応しているわけではないため、事前に確認することが大切です。

車のエンジンが故障した場合の修理費用はどのくらい?

車のエンジンが故障してしまった場合、どの程度の修理費用がかかるのでしょうか。

修理費用の目安に関しては、以下の通りです。

故障内容対処法修理費用
エンジンオイル切れエンジンオイル交換3,000~1万円程度
センサー類の故障センサーの交換など3万円〜8万円
オーバーヒート冷却水の補充
(工賃込み)
1,000~3,000円程度
オーバーヒートラジエーターの交換
(工賃込み)
2~8万円程度
エンジンの焼きつきなどエンジンのオーバーホール30万円~
エンジンの焼きつきなどエンジンの交換50万円~

エンジンオイルの交換などであれば、そこまで高額な修理費用にはなりませんが、エンジンそのものの修理となると数十万以上の修理費がかかってしまいます。

決して安くはない金額でしたが、あくまでも今回紹介した修理費用は目安です。
車の種類や故障の具合などによって大きく変わることもあるという点を覚えておきましょう。

また、エンジンのオーバーホールや交換を行う場合、比較的長い時間を修理に費やします。
期間としておよそ1~2週間程度はかかるものだと把握しておきましょう。

関連記事:エンジンオイルの交換費用はどのくらいかかる?交換方法や依頼先別の価格帯を解説

高額な修理費用を少しでも安くする方法

飛ぶお金
出典:写真AC

先述の通り、エンジン関係の修理には決して安いとはいえない金額がかかります。

しかし実はやり方によっては修理費用を少し安価に済ませてしまうことも可能です。

中古パーツやリビルド品が使えるか検討する

エンジンを交換するときにかかる費用として、工賃よりもエンジンそのものにかかる代金の方が大きな負担になっているのです。

新品でなくても良いと思うのであれば、中古のものやリビルド品を使用できないか検討してみると良いでしょう。

相見積もりを取る

エンジンの不調以外でも、点検や修理などを頼む場合は複数の業者に相見積もりを出してもらい比較することをおすすめします。

また、業種によって修理内容が異なるためその内容と費用を併せた上で他の業者と比較すると良いでしょう。

補償で修理する

自分の乗っている車が新車補償や中古車保証の期間内であれば、その保証で修理費や交換費がまかなえることがあります

これはディーラーや販売店に直接確認してみましょう。

故障運搬時車両損害特約を付ける

一般的な新車保険であれば、事故や自然災害(地震と津波は除く)での故障を補償してくれます。
しかし、経年劣化による故障は補償に含まれていないのです。

しかし、故障運搬時車両損害特約を付けておくと、走行不能に陥りレッカー車を利用した際に走行不能の原因となった故障の修理費用を補償してくれます。

そのため、エンジンの故障を原因として自走できなくなってしまった場合はエンジンの修理費用がカバーできるのです。

よくある質問

Q1. 車のエンジンがかからない原因は?

車のエンジンがかからないときの原因は「ガス欠/電欠」「バッテリー上がり」「パーツ関連」「人為的ミス」などが考えられます。

Q2.エンジンがかけられないときはどうする?

原因が分からずエンジンがかからないときは、ロードサービスや保険会社に連絡したり、ガソリンスタンドに依頼して対応してもらえるか確認してみましょう。

Q3.エンジントラブルに備えておくことは?

トラブルを避けるためには、エンジンオイルの交換やバッテリー電圧のチェックなど定期的にメンテナンスをしておきましょう。日頃より音やアクセルを踏み込んだ際の加速感などをある程度覚えておけば、調子が悪くなったときに異常を察知できます。また、万が一のために、ロードサービスやサポートを受けられる保険に加入しておくことも重要です。

まとめ

修理、故障、メンテナンス、整備

今回は、車のエンジンがかからなくなったときの対処法について詳しく解説しました。車のエンジントラブルに関する原因は、エンジン自体に問題がある場合や、バッテリー関連、ガソリン関連、人為的なミスなどさまざまです。

自分の車のエンジンがかからなくなった際は、まず落ち着いて現状確認を行いましょう。

シフトの位置やハンドルロックなどが原因であれば、すぐに解決できます。

なおエンジンや部品のトラブルだと判明した場合は、無理に自分で対処するのではなく専門家に依頼することをおすすめします。

ロードサービスを利用したり近隣のガソリンスタンドに依頼したりして、対処してもらいましょう。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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