アイドリングストップって何?メリット・デメリットを解説

近年では、アイドリングストップを標準装備させた車が増えてきています。

アイドリングストップにはどのような効果があるのでしょうか。

また、そもそもアイドリングストップがどのようなものなのか知らない人もいるかもしれません。

そこでこの記事では、アイドリングストップの基本的な概要を解説するとともに、アイドリングストップを行ううえでのメリット・デメリットについても解説していきます。

アイドリングストップ搭載車の購入を検討している人は参考にしてみてください。

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アイドリングストップの概要

アイドリングストップとは、ブレーキを踏んで停車したときに自動的にエンジンが停止する機能のことです。

アイドリングストップによって自動的に停止したエンジンはブレーキを緩めたり、ハンドル操作をしたりすることで再始動します。

アイドリングストップが作動する条件は以下の通りです。

  • ブレーキペダルを踏んだ状態で完全に停止している
  • ハンドルの操作をしていない
  • アクセルペダルを踏んでいない
  • 平坦な道路に停車している

このような条件がすべてそろうとアイドリングストップが作動します。

アイドリングストップは、信号待ちで停車している際に作動するのが多い傾向です。

またアイドリングストップの作動条件は、自動車メーカーによって異なります。

たとえば、上記の条件に加えて「バッテリーの状態が良好であること」や「エンジンが暖機されていること」などです。

そのため、アイドリングストップの作動条件を確認しておきましょう。

アイドリングストップのメリット

アイドリングストップが搭載されている車はどのような利点があるのでしょう。


ここでは、アイドリングストップのメリットについて解説していきます。

燃費の向上・燃料の節約

アイドリングストップの最大のメリットは、燃費がよくなることです。

車は、エンジンをかけたままの状態で停車しても一定の燃料を消費します。

しかし、アイドリングストップによってエンジンが自動的に停止すると燃料は消費されません。

そのため、無駄な燃料の消費を避けることができ燃費が向上します。

また、燃費が向上することによって給油する機会が減り、ガソリン代を抑えられることもメリットといえるでしょう。

環境問題への配慮

アイドリングストップを行うことで車から出る排出ガスを抑えられます。

地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量のうち、約2割は車を中心とする交通運輸部門からの排出です。

近年は環境問題への配慮から、ハイブリッドカーをはじめとした排出ガスを抑えた車が多く販売されています。

この排出ガスを抑える機能の一つがアイドリングストップです。

環境省のデータでは、乗用車の場合アイドリングストップを10分間行うと約90グラムの二酸化炭素の排出を抑えられると記されています。

騒音の防止

車のエンジン音は、自分では気づかないうちに周囲の人に迷惑をかけていることもあります。

特に深夜や早朝などは、エンジン音が周囲の静けさを壊していることがあるかもしれません。

しかし、アイドリングストップを行えば、停車時のエンジン音がなくなります。

アイドリングストップのデメリット

メリットがある一方、アイドリングストップのデメリットもいくつか存在します。

アイドリングストップが搭載された車の購入を検討している人は、デメリットについても事前に確認しておくことが大切です。

バッテリーが消耗する

アイドリングストップによりエンジンのオン・オフの頻度が多くなることは、バッテリーへの負担が大きく、消耗しやすくなります。

そのため、アイドリングストップが搭載された車には、専用の高性能バッテリーを搭載する必要があります。

燃費はよくなりますが、バッテリーにかかる費用は高くなる点は認識しておきましょう。

発進にタイムラグが生じる

車のエンジンがかかったまま停車している場合、信号が青に変わった際にスムーズに発進することが可能です。

しかしアイドリングストップをした車は、エンジンを始動させたあとに発進しなければならないため、多少のタイムラグが発生するでしょう。

また、渋滞により一瞬車を停車させた際に、アイドリングストップがタイミング悪く作動する可能性もあります。

作動した瞬間は、アクセルペダルを踏んでも反応しないため苦手に感じる人もいるでしょう。

エアコンの効きが悪くなる

アイドリングストップによってエンジンが停止するとエアコンの効きが悪くなります。

なかにはエアコンが停止したり、冷房から送風に切り替わったりするものもあるため、夏の暑い時期などは不快に感じる人も多いかもしれません。

また、アイドリングストップ作動時は、バッテリーを使用してエアコンを稼働させる車もありますが、その分バッテリーの消耗は早くなります。

アイドリングストップに関するよくある質問

ここでは、アイドリングストップに関するよくある質問について解説していきます。

実際どのくらいの効果がある?

アイドリングストップの作動時は、無駄な燃料消費を抑えられるため、燃費が向上します。

環境省のデータでは、エンジンをかけたまま10分間停車していると乗用車の場合0.14リットルの燃料を消費していると記されています。

そのため、10分間アイドリングストップを作動させるとその分の燃料消費を抑えることが可能です。

車によって実際にどのくらいの削減効果があるかは変わりますが、特に都市部など信号の多い場所では、アイドリングストップによる効果が期待されます。

エンジンに悪影響を与える?

アイドリングストップは、エンジンに多少の負担をかけています。

これは、エンジンを停止している状態から始動させるときに負担がかかるためです。

エンジンを始動させる際は、内部の部品の摩擦が起こりやすくなります。

これを防ぐためにエンジンオイルがありますが、エンジンが停止しているときは油膜が薄なるため、あまり機能しません。

アイドリングストップはキャンセルできる?

アイドリングストップをキャンセルしたいと感じる人もいるでしょう。

アイドリングストップが搭載されている車には、アイドリングストップをキャンセルできるボタンが付いています。

そのため、キャンセルボタンを押すことでアイドリングストップをオフにすることが可能です。

また、車に乗るたびにキャンセルボタンを押すのが面倒だと感じる場合は、アイドリングストップキャンセラーを取り付けることでオフ状態を維持できます。

アイドリングストップ非搭載の車が増える?

アイドリングストップが搭載されている車は、エコカー減税の対象です。

そのため、自動車重量税を抑えることができます。

しかし、近年ではアイドリングストップ非搭載の車も増えてきている傾向です。

その理由として、アイドリングストップ非搭載車であっても低燃費を実現できることが挙げられます。

今後、車の性能が向上するとアイドリングストップが搭載されていなくても省エネ基準を満たせるようになり、アイドリングストップ非搭載の車が増えてくるかもしれません。

まとめ

この記事では、アイドリングストップの概要と、メリット・デメリットについて解説しました。

アイドリングストップをすることで、環境面への配慮や燃費向上につながるなど、いくつものメリットがあります。

近年では、各自動車メーカーからアイドリングストップが搭載された車が数多く発売されています。

一方で、エンジンが頻繁にオン・オフされることでエアコンの効きが悪くなったり、バッテリーの消耗が早くなったりなどのデメリットもあるでしょう。

アイドリングストップ搭載車にはキャンセルボタンが付いているため、ボタンを押すだけでアイドリングストップを止めることができます。

車を購入する際は、アイドリングストップのメリット・デメリットを理解したうえで、自分が納得できる車を選びましょう。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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