MT車はAT車とどう違う?メリット・デメリット、注意点などを紹介
MT車へ興味を持っている人のなかには、MT車のメリットやデメリットは何があるのか疑問を感じることもあるでしょう。
実際、AT車が主流となっている現代において、あえてMT車に乗るのに利点を感じられないという人も少なくありません。
この記事では、MT車の特徴やAT車との違い、メリット・デメリットについて解説していきます。
また、運転時の注意点についても紹介するため、MT車に乗る際にはぜひ参考にしてみてください。
INDEX
MT車の特徴やAT車との違いとは?
そもそもMT(マニュアルトランスミッション)車とはどのような車のことを指すのでしょうか。
ここでは、MT車の特徴とAT車(オートマチックトランスミッション車)との違いについて解説していきます。
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MT車の特徴
MT車の最大の特徴は、ドライバーがクラッチペダルを踏みながらギアシフトレバーを操作することで、適切なギアをドライバー自らが選択できることです。
これによってパワーやトルクの制御が可能となります。
そのため、ドライバーのシフトタイミングやギア選択によって、エンジンの性能を最大限に引き出すことが可能です。
このように、MT車はクラッチ操作とシフト操作によって直接的な操作感があります。
ギアを切り替えるたびにエンジンの回転数とトランスミッションの動作が感じられ、ドライビングの楽しさや操作の手応えを味わえます。
また、適切なギア選択によって燃費とパフォーマンスのバランスを調整でき、高いギアを選択すればエンジンの回転数を下げ、燃費を向上させることが可能です。
ほかにも、MT車はエンジンブレーキの効果が高く、ダウンシフトすることで制動力を得られます。
このようにMT車はドライバーが操作感を楽しめるほか、テクニックによって車の性能を引き出しやすいことが特徴であるといえるでしょう。
AT車との違い
AT車は、ギアチェンジが自動的に行われるため、ドライバーはアクセルとブレーキの操作にのみです。
システムがエンジンの回転数や車速などの情報を基に適切なギアを選択されるため、MT車と比較すると運転が簡単で、ギアチェンジを意識する必要がありません。
AT車とMT車のどちらを選ぶかは個人の好みや運転スタイルによります。
MT車は操作に慣れるまでが大変ですが、スポーティな運転やコントロールを楽しみたい人に向いているでしょう。
AT車はストレスなく運転したい人に向いており、都市部での渋滞時は便利です。
MT車に乗るメリット4つ
AT車と違い、自らギア操作を行う必要があるMT車にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、MT車を運転する主なメリットを4つ紹介します。
制御感と操作の自由度
MT車では、ドライバーがギアチェンジを手動で行うことで、直感的な制御感と操作の自由度を得ます。
自分の意思に合わせてギアを選び、エンジンの回転数や速度などの細かい調整が可能です。
高いパフォーマンス
MT車は、スポーティな運転やパフォーマンス志向のドライバーにとって魅力的な車です。
ギアの選択やシフトタイミングを自在にコントロールすることで、スムーズな加速や追い越し、コーナリング時はタイトな制御が可能です。
ドライビングスキルの向上
MT車を運転することで、クラッチ操作やシフトタイミングの習熟度を高めることができます。
これにより、運転技術や車両の制御能力が向上し、他の車種への適応や運転スキルの幅を広げることにも繋がります。
また、MT車の運転免許証を取得しておくことで、車購入時やレンタカーを利用する際に、AT車がないようなモデルを選択することができます。
価格の面での利点
一般的に、MT車は同車種の同グレードであれば、AT車よりも価格が低く設定されているケースが多い傾向です。
これは、AT車と比べてMA車は部品点数が少ないことが理由として挙げられます。
車の種類によって金額差は異なりますが、費用を抑えて購入したい人にとって、お得感が得られるでしょう。
MT車に乗るデメリット2つ
ここでは、MT車に乗るデメリットを2つ解説していきます。
MT車を購入したいと考えている人は、デメリットも踏まえたうえで検討することが大切です。
操作の複雑さ
MT車はギアチェンジを手動で行うため、クラッチペダルとシフトレバーの操作が必要です。
初めて乗る車であれば、操作に慣れるまでに時間を要すこともあるでしょう。
また、AT車では発進時にアクセルを踏むだけですが、MT車ではクラッチ操作やシフト操作などの複雑な操作が必要であるため、坂道発進といった的確な操作が求められるシーンでは、スムーズに発進できないことがあります。
交通渋滞時のストレス
都市部や渋滞の多い道路では、頻繁なギアチェンジやクラッチ操作が求められます。
そのため、渋滞時にストレスを感じてしまう人もいるでしょう。
MT車を運転する際に気を付けること
ここでは、MT車を運転する際に気を付けることについて解説していきます。
気を付けなければ、故障や事故などに発展する可能性があるため、MT車を運転する人は確認しておきましょう。
クラッチペダルに左足を置き続けない
すぐにクラッチペダルが踏めるからといって、左足をクラッチペダルに置き続けないようにしましょう。
自分は踏み込んでいないつもりでいても、足の重みでペダルが沈み、半クラッチの状態となってしまう可能性があるためです。
このような状態が続くと、クラッチ板の消耗を進めてしまうため、クラッチペダルは必要なときに足を乗せるよう意識して運転することが大切です。
シフトレバーやクラッチペダルを中途半端に操作しない
シフトレバーやクラッチペダルを中途半端に操作することは、スムーズな走行を妨げになる可能性があるため注意が必要です。
シフトレバーを正確に適切なギアに入れない場合、エンジンの回転数と速度がマッチせず、加速や制動の操作が難しくなります。
また、中途半端な操作はエンジンの停止(エンスト)の原因にもなり得るため、クラッチペダルの踏み込みやシフトレバーの移動はしっかりと行うようにしましょう。
長時間運転する場合は休憩やストレッチを行う
MT車の運転は、クラッチやシフトレバーの操作を行うことからAT車よりも集中力を要します。
そのため、長時間運転する際には、十分な休憩や適度なストレッチを行うことが大切です。
疲労が蓄積するとミスや事故を引き起こす可能性があるため、安全運転のために無理のない運転を心がけましょう。
半クラッチの多用
MT車の運転する際、半クラッチの多用し過ぎないことも重要です。
たとえば、半クラッチを頻繁に使用すると、クラッチディスクやプレッシャープレートなどのクラッチ部品に摩耗が早まる可能性があります。
結果として、クラッチの寿命が短くなり、修理や交換などが必要です。
また、半クラッチ状態ではエンジンとトランスミッションの回転が一致しないため、エンジンの負荷が増え、燃費が悪化する可能性もあります。
そのほかにも、半クラッチ操作はクラッチペダルとアクセルペダルの同時操作という煩雑さから、運転中のストレスや疲労を増加させる要因にもなるため、半クラッチは適切に行うようにしましょう。
まとめ
この記事では、MT車の特徴やAT車との違い、メリット・デメリット、MT車を運転する際の注意点などについて解説しました。
MT車は、システムによって自動で切り替わるAT車と違い、ドライバー自らがクラッチペダルやシフトレバーを操作してギアチェンジを行う車です。
手動で操作することで、ドライバーは車を操る感覚を楽しむことができるほか、状況に応じて切り替えができるため、車のポテンシャルを引き出せるのが魅力です。
運転の楽しみの幅を広げられる一方で、AT車と比較して操作は煩雑になるため、集中力やテクニックなどを要します。
MT車を選ぶ際には、メリット・デメリットを把握し、自分の運転スタイルや環境に合わせて検討するとよいでしょう。