【2023年版】アメリカの25年ルールとは?日本の旧車がアメリカで人気の理由も解説

日本製の新車が海外で人気が高いことについて知っている方は多いと思いますが、海外では日本の中古車も人気があります。
いわゆる「旧車」と呼ばれるような車です。

その理由は、アメリカにおいて、日本の中古車を取り扱う際に外すことができない「25年ルール」という決まりにあります。

この記事では、アメリカにおいて日本の中古車を流通させるにあたって重要な意味を持つ25年ルールについて詳しく解説していきます。

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25年ルールの概要

アメリカ

25年ルールとは

アメリカにおいて中古車を取り扱うにあたって定められている25年ルールとは、「製造から25年以上たった車は、本来輸入できないような車でもクラシックカーとして登録できる」という制度です。

アメリカの道路は日本と異なり、車は右側通行になります。

そして道路を走る車は左ハンドルとなるため、日本車のような右ハンドルの車は原則輸入が禁止されています。

そこで鍵になるのが「25年ルール」です。
このルールは、右ハンドルの車であっても、製造から25年が経過した場合は輸入できるようになるという例外的な制度です。

25年ルールはいつから始まった?

25年ルールは、並行輸入車における全面禁止の緩和制度として1988年に制定されました。

このルールが適用されると、通常の車に求められる厳しい安全基準を求める検査も免除されるという利点があります。

また関税や排ガス規制も対象外となるため、アメリカで日本製の中古車を欲しい人にとってはかなり重要な制度になります。

なぜ日本車がアメリカで人気なのか

GT-Rイメージ

日本文化の影響

アメリカでは、JDM(Japanese Domestic Market:日本国内市場)と呼ばれる、日本仕様にカスタマイズした車や、25年ルールの適用により日本から輸入された車が人気です。

このような日本車が人気の背景には、映画やゲームの影響が大きいといわれています。

特に影響を大きく与えたゲームとして、「グランツーリスモシリーズ」があります。
このゲームの大ヒットにより、ゲーム内に登場するスカイラインGT-Rをはじめとする日本製のスポーツカー人気に火が付きました。

さらに、スカイラインGT-Rは映画「ワイルドスピードシリーズ」によっても人気が高まりました。

この他、「マツダRX-7」や「日産シルビアS14」といった車も映画には登場します。

このように、旧車は、ゲームや映画に登場する日本のスポーツカーは、そのスタイルや走破性の良さからアメリカでの人気が根強いものになっています。

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車のコンディション

また、人気が出た背景には、車の見た目や走破性以外だけでなく良好なコンディションの車が多いという点もあります。

日本の中古車はアメリカの中古車に比べて走行距離が少ない車が多いという特徴があります。
国土の広さの違いや、車文化の違いなどがこの結果につながっていると考えられます。

また、日本では車検が2年に1回は行われることによって車のメンテナンスが適切に行われることも、車のコンディションが良好に保たれている大きな要因です。

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為替相場

昨今の円安がより進んでいる状況も、日本車人気に拍車をかけています。

例えば500万円の日本車をアメリカで購入する場合、1ドル100円の状況では50,000ドル必要ですが、1ドル147円のように円安になると、約34,000ドルで購入できます。

円安の状況が今後も続いていく限り、人気の下支えをするでしょう。

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25年ルールが日本の中古車市場にもたらす影響

LA
Los Angels,U.S.

25年ルールはアメリカにおけるルールではあるものの、日本の中古車市場においてもこの影響は無視できません。

中古車の価格は、基本的には需要と供給で決まります。
ルールが適用される人気車は、アメリカでの需要が急激に高まるため、日本における中古車価格も高騰する傾向があります。

特に1980年代~1990年代の日本製スポーツカーの人気はアメリカでも非常に高く、日本の中古車の価格高騰が続いています。

そして今後もこのような状況は継続していくと考えられています。

関連記事:なぜ中古車が高騰するのか?その理由と今後の見通しを解説

25年ルールに対して、「うざい」「廃止してほしい」という反応も

当然日本にも旧車ファンはいます。

多少高価だろうとカスタマイズして乗り続ける方も多いのですが、できれば安くしてほしいものです。

こういった背景から、

  • うざい
  • 早く廃止にしてほしい
  • 迷惑
  • スカイラインGT-Rが…
  • 旧車いじめじゃん

と、散々な意見が飛び交っています。

25年ルールで価格が高騰しそうな人気車3選

Riverside, California
Riverside California U.S.

ここでは、25年ルールで実際に価格が高騰しそうな人気車を3つ紹介します。

日産 スカイライン GT-R R34型

日産スカイラインR34
日産スカイラインR34
出典:日産自動車株式会社

アメリカでも圧倒的な人気を誇るGT-Rシリーズも、続々と25年ルールの対象となりアメリカでの輸入が解禁されています。

BNR34型は、1999年に製造が開始されたモデルであるため、25年ルールが適用されるのは2024年以降となります。

「人に翼を」のキャッチコピーで発売されたこの車は、先代の33型からフォルムの大きさが縮減され、剛性が強化されたモデルです。

直線基調のスタイルとヘッドランプを吊り目タイプにしたことで、よりスタイリッシュな外観となりました。
また、タイヤとホイールは18インチの大きさが採用されています。

エンジンはRB26DETT型という最大出力280PSのものが搭載されています。

最大トルク40.0kgf·mが達成されており、低回転域におけるトルクの増加により、通常運転時における速度でも安定した運転が可能です。

なお、スカイラインGT-Rという名前を持つ車は、この34型が最後のモデルとなりました。

三菱 ランサーエボリューション V

三菱ランサーエボリューションV
三菱ランサーエボリューションV
出典:三菱自動車工業株式会社

通称エボVと呼ばれるこの車は、ライバル車である日産スカイラインGT-Rに対抗し、多くのアイデアが盛り込まれたスポーツカーです。

1つ前のモデルであるランサーエボリューションⅣはすでに2021年に25年ルールが適用され、価格が高騰しています。

ランサーエボリューションVでは、旧モデルに比べて全幅が80mm拡大され、3ナンバーの車となりました。
この改良は、WRC(世界ラリー選手権)におけるWRカー(ワールドラリーカー)に対抗すべく行われました。

また、旧モデルの欠点であった、乾燥した道路におけるブレーキやタイヤの容量不足が改善されていることで、より快適に走りを楽しめる車となりました。

この車は1998年に発売されていることから、2023年からアメリカ市場に出回るものと考えられます。

2代目 スバル インプレッサ

スバルインプレッサ2代目
2代目スバルインプレッサ
出典:株式会社SUBARU

2代目スバルインプレッサは2000年8月に発売されたスポーツカーであるため、2025年頃よりアメリカで流通し始める見込みです。

初代スバルインプレッサはすでに25年ルールの対象となっており、アメリカで購入できる車となっています。

2代目も初代同様に、セダン型とスポーツワゴン型のボディタイプがあります。

セダン型は5ナンバーサイズのコンパクトサイズとなっている一方、スポーツワゴン型は走行時の安定性が考慮され、安定感のある3ナンバーサイズの車となっています。

走りを極めている車であると同時に、剛性も強く安全性にも長けた車であるため、初代同様に人気の車となるでしょう。

すでに解説したように、アメリカでの輸入が解禁されると、日本での中古車価格も高騰する可能性があります。

その点を考慮すると、今回紹介したような車に関しては早めに手に入れておいた方が良いかもしれません。

2023年に25年ルールが適用される車種

2023年に25年ルールが適用となる車、つまり1998年に生産された車を紹介します。

トヨタ アルテッツァ XE10

イタリア語で「高貴」を意味するアルテッツァは、スポーツカーを意識したセダンとして一躍人気となりました。

同年のカー・オブ・ザ・イヤーにも選出され、2005年にレクサスISとして後継されました。

10代目 日産 スカイライン R34型

日産スカイラインR34
日産スカイラインR34
出典:日産自動車株式会社

スカイラインGT-Rは2024年に25年ルールが適用されますが、その前にスカイラインの10代目モデルが2023年に適用となります。

GT-Rに押され気味な印象を持つ方も多いかもしれませんが、9代目スカイラインよりわずかにコンパクトな設計、剛性強化など、スポーツ性能に寄せた性能を持っています。

ホンダ HR-V

ホンダHR-V
ホンダHR-V
出典:本田技研工業株式会社

旧車扱いされるかと言われると微妙なラインではありますが、HR-Vも1998年販売車です。

当時は珍しかったクロスオーバーSUVとして話題になりました。

現在も「ヴェゼル」として受け継がれています。

関連記事:ヴェゼルのスペックを徹底解説!燃費やボディカラー、グレードを比較

トヨタ プログレ

先述したアルテッツァと同じプラットフォームを持ち、「小さな高級車」というコンセプトで販売されました。

当時は、そのコンセプトがなかなか受け入れられませんでしたが、コンパクトな車も人気の今なら大人気となっていた可能性もあります。

3代目 レガシィ ツーリングワゴン

ツーリング性能を極めたモデルです。

マルチリンク式リアサスペンションやデュアルSRSエアバッグなど、当時の最先端技術を採用し、同年のRJCニューカー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。

関連記事:レガシィアウトバックの燃費を調査!機能や走行性能も解説

まとめ

この記事では、アメリカの25年ルールについて解説してきました。

このルールはアメリカの制度ではありますが、日本の中古車市場にも影響を及ぼす制度です。
海外で日本車が売れるということは、日本の中古車の魅力がそれだけ高いことに他なりません。

手に入れたい旧車があるという方は、今回解説した25年ルールを理解して、アメリカへの輸出が解禁される前に早めに購入することを考えても良いでしょう。

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