なぜ中古車が高騰するのか?その理由と今後の見通しを解説
中古車は新車よりも安価であるため、多くの人が車を購入する際に検討するものです。
しかし、近年は中古車の価格が高騰し続けており、安価という1番のメリットが薄れている状況にあります。
自動車は通勤や旅行など移動に便利なものですが、あまりに価格帯が上がると多くの人が車を購入できず、生活に支障をきたすケースも想定できます。
この記事では、中古車が高騰する原因や今後の見通しについて解説していきます。
関連記事:若者の車離れの理由とは?本当に高い維持費だけが原因?
INDEX
中古車が高騰している原因とは?
中古車の価格が高騰している背景としては、複数の要因が考えられます。
ここでは、中古車が高騰している原因について解説していきます。
パンデミックによる製造ラインのストップ
新型コロナウイルスの影響により、自動車の部品を製造する工場が稼働をストップし、新車を生産できない状態が続いたことが中古車の高騰にも影響を及ぼしました。
さらに、キャンプなどアウトドアブームやウイルス対策のために公共交通機関を避けて自家用車で移動する人が増加したことで、自動車の需要が高まりました。
こういった背景が重なり、供給が間に合わなくなったことが中古車の価格が高騰するきっかけとなりました。
関連記事:中古車購入の交渉成功は準備で決まる!交渉の要点を総まとめ
ウクライナ危機による石油価格の高騰
ウクライナ危機により石油の価格が高騰したことも中古車の価格が引き上げられた原因の一つです。
石油はタイヤやオイル、バッテリーの生産に必要不可欠なものであるため、価格が上がると自動車の製造にかかるコストも比例して増加します。
新車の製造にコストがかかると量産が難しくなるため新車の数が減少した結果、すぐ手に入る中古車への需要が高まり、価格が高騰しました。
関連記事:走行距離課税とは?若者の車離れが加速する?どういうメリットがあるの?
半導体不足による製造ラインのストップ
半導体は自動車だけでなくスマートフォンや家電にも広く使用されています。
しかし、コロナ禍において半導体の生産が出来ず、顧客からの注文に対して新車の生産が間に合わない状況となりました。
半導体を生産するには長期間を有するため、すぐに準備できない一方で、半導体の多くはデジタル機器へと活用されるため、自動車の製造に必要な半導体が不足してしまいました。
新車が製造できない場合、既に世に出ている「すぐに手に入る車」に需要が集まるため、中古車が高騰したという経緯があります。
半導体不足は世界中で問題視されており、大手の各企業も大きな影響を受けています。
価格高騰の見通しについて
パンデミックやウクライナ情勢など、さまざまな背景から物価の高騰が続いています。
中古車も例外でなく、少なくとも今後2〜3年は高騰が続くと予測されています。
自動車自体が高価なものであるため、購入を検討する際に新車よりも安価である中古車を選択する人も多い現状ですが、価格が高騰してしまうと中古車を選ぶことも難しくなります。
また、生活費の支払いに追われている場合は車を購入することもできない事態も考えられます。
近年は中古車不足の解決策として個人リースやサブスクリプションなどのサービスが展開され、中古車高騰の影響を緩和しています。
高騰がおさまるのは部品調達や新車製造の早さが受注数を上回った頃とされているため、時期が来るまで新サービスを活用することも併せて検討することをおすすめします。
高騰中に中古車を買うコツとは?
中古車の価格は高騰中ですが、なるべく費用を抑えて購入する方法があります。
ここでは、高騰中の中古車を少しでも安価で手に入れるためのコツを紹介していきます。
旧モデルを選ぶ
フルモデルチェンジした車種については旧モデルが値下がりする傾向にあります。
そのため、比較的安価で自動車を購入したい場合は、フルモデルチェンジした車種における旧モデルが狙い目となります。
旧モデルであっても性能の高い車は多く、種類も豊富であることから自分に適した自動車を選択することが可能です。
残価設定ローンで手放された車
残価設定ローンとは今後車を買い替える際に残る下取り価格のことであり、設定年数は3年・5年・7年があります。
中でも残価設定ローン5年は新車の車検に向けて設定する人が多い傾向にあり、車の状態も良いためおすすめの中古車といえます。
3〜7年落ちの車
年数落ちの中古車を選ぶ方法も、お得に中古車を購入する手段の一つです。
年数が新しいほど自動車の性能や内装などは比較的新品に近い状態ですが、それに伴い販売価格も高くなります。
7年落ちの自動車は安価ではありますが、状態が良くないものもあるため、購入の際は実際に試乗してみるなど細かく確認しながら検討を進めましょう。
中古車のおすすめ3台を紹介
自動車の種類はニーズに合わせて多種多様にラインアップさせており、何も指標がないままであればどれを選べばよいのかで迷うことになります。
特に中古車を選ぶときは確認すべき条件が多いため、頭を抱える人は少なくありません。
ここでは、中古車で購入するにあたってのヒントとなるよう、おすすめの車を3台紹介していきます。
走行性と車内の快適さを堪能できるSUVのマツダ CX-5

CX-5はマツダが製造と販売を行っているSUV車です。
SUVらしいたくましい外観のデザインと充実した内装が基本スペックとして装備されており、シートは長時間の運転でも疲れにくく、長距離のドライブでも快適に運転できます。
SUVであるためアウトドアやレジャーで活躍する場面も多く、必要な準備をすることで車中泊もできます。
2021年11月に大幅改良したことにより、旧モデルが出回っている可能性があります。
関連記事:CX-5の燃費はどのくらい?他車との燃費比較や走行性能を解説!
コンパクトなサイズで使いやすいハッチバックのホンダ フィット

フィットはホンダが製造と販売を行うコンパクトカーであり、ホンダのラインアップの中でもトップクラスの人気を誇る車です。
外観がコンパクトでありながら車内空間は広々としており、長距離の運転でも普段使いでも快適に乗りこなすことができます。
2022年にモデルチェンジを行っていたり、新モデル「FIT RS」の販売により、旧モデルが出回る可能性がありますが、旧モデルでも車内の快適性と走行性能は高い水準を誇ります。
関連記事:フィットの走行性能や燃費、内装を調査!新モデル「FIT e:HEV RS」も!ソニーとタッグでどうなる?
アウトドアにも街乗りにも活躍するスズキ ジムニー

ジムニーはスズキが製造と販売を行うアウトドア仕様の軽自動車です。
誕生してから50年以上経ち、いまだに多くの人から愛される車です。
外観はがっしりとしていますが、車内は機能性にこだわっているためシンプルであり、2ドアタイプである点も主な特徴として挙げられます。
2021年、2022年にマイナーチェンジを行っており、新型を欲しがっている方が売っている可能性はあります。
元祖ハイブリッドカー プリウス
プリウスは言わずとしれた元祖ハイブリッドカーです。
人気はあるものの、2022年11月16日にフルモデルチェンジと新型となる5代目を発表しています。
4代目から7年ぶりのモデルチェンジということもあり、プリウスファンは手放す節目となる可能性があります。
2022年冬にHEVモデル、2023年春にPHEVモデルを販売予定です。
新型プリウスが販売開始される時期を狙って見るのもいいかもしれません。
関連記事:新型プリウスの走行モードは?EVモードと変わった点はHybrid Reborn!!
関連記事:新型プリウスは改善された?今までのプリウスが運転しにくいと言われていた理由
まとめ
この記事では、中古車の価格が高騰する原因や今後の見通しを解説してきました。
中古車は新車よりも安価であり、性能や安全性に問題は見られないため、多くの人から指示を集める便利なものです。
しかし、パンデミックやウクライナ危機などが原因で新車の供給が滞り、中古車の価格は高騰し続けているのが現状です。
中古車の価格の高騰は今後も2〜3年ほど続くと予想されており、まだ解決の糸口は見えない状況です。
中古車の購入を検討する際は、フルモデルチェンジした車や残価設定ローンで手放された車を狙い目とすることで、上手に費用を抑えて中古車を購入できることを覚えておきましょう。