新しいセンチュリーの内装|リヤシートから見るこれからのショーファードリブン[MJ]
「センチュリーSUV」と噂されていたクルマがついに発表されました。
センチュリーといえばトヨタの最上級に位置する特別なサルーンですが、新しいボディのセンチュリーはどんな特徴があるのでしょう。そして、何がスゴいのでしょうか?
ちなみに、トヨタはこのモデルを「SUV」とは表記せず、「新しいセンチュリー」と呼んでいます。
従来タイプのセンチュリーも「センチュリー(セダン)」として継続販売されます。
○文:工藤 貴宏
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INDEX
センチュリーってどんなクルマ?
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1967年に発売され、トヨタの最高峰セダンとして君臨するモデル。
「センチュリー」という車名は英語で「世紀」を意味し、皇室に愛用されているほか、総理大臣をはじめとする政治家、そして企業の役員が後席に乗って移動するための気品あふれるモデルです。
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ウールファブリック仕様「瑞響」
塗装をはじめ車体は一般的なトヨタ車に比べて特別に手間をかけてつくられていて、また厳選した素材を使って丹念に作り上げられたインテリアなどもあって現行モデル(セダン)の価格は2000万円オーバー。
そんな立ち位置からして、異次元の国産車と言っていいでしょう。
新たに追加されたセンチュリーはどこが新しい?
![トヨタ センチュリー](https://car-knowledge.jp/sys/wp-content/uploads/2023/09/001-1024x320.png)
2023年9月。
そんなセンチュリーに新たなバリエーションが加わりました。
従来のセンチュリーよりも背が高く、これまで「センチュリーSUV」と噂されていた新しいボディタイプが投入されたのです。
![トヨタ センチュリー](https://car-knowledge.jp/sys/wp-content/uploads/2023/09/088-1-1024x768.jpg)
従来タイプのセンチュリーに対する最大のアドバンテージは室内の広さ。
車内でパソコン作業をしたり、オンライン会議をしたり、またリクライニングしてくつろぐこともできるのが魅力なのです。
![トヨタ センチュリー](https://car-knowledge.jp/sys/wp-content/uploads/2023/09/075-1-1024x543.png)
かつて、VIPなどが移動に使うのは上級セダンが定番でした。
しかし昨今は政治家なども大型ミニバンを使う人が増えています。
その理由は室内が広くて移動時間を有効活用しやすく、さらに乗り降りもしやすいから。
それをミニバンではなくSUVのようなプロポーションで実現したのがセンチュリーの「新ボディタイプ」と考えればわかりやすいでしょう。
![トヨタ センチュリー](https://car-knowledge.jp/sys/wp-content/uploads/2023/09/058-1024x768.jpg)
この新ボディタイプのセンチュリーが発売されても、従来のセダンボディのセンチュリーも併売されます。
そして呼び方は新しいタイプを「センチュリー」とし、従来型は「センチュリー(セダンタイプ)」もしくは「センチュリー(セダン)」と表記。
そこから感じるのは、トヨタは今後、この新ボディタイプの「センチュリー」をセンチュリーの中心にしていこうという狙いです。
センチュリーも時代に合わせて変わる必要があるとトヨタも判断したのでしょう。
つまり、この新型はセンチュリーの定義をガラリと変えた「シン・センチュリー」と言っていいのではないでしょうか。
新しいセンチュリーの価格とバリエーションは?
![トヨタ センチュリー](https://car-knowledge.jp/sys/wp-content/uploads/2023/09/025-1024x576.jpg)
新タイプのセンチュリーにはグレードがひとつしかありません(セダンも同様)。
価格は2500万円と国産車としては異例のハイプライス。
軽自動車10台分以上(スズキ「アルト」なら25台分!)なのですから、凄すぎます。
しかし、それはあくまでベースモデルであり、メーカーオプションに加えて後述するスペシャルカスタマイズで“自分仕様”にも仕立てることができます。
オーナーの希望をかなえるそういった手法も、一般的な国産車との違いですね。
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センチュリーのパワートレインは?
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パワートレインは排気量3.5LのV6ガソリンエンジンを組み合わせたプラグインハイブリッドです。
日常(カタログ値で最大69km/hほど)はエンジンを止めてEV(電気自動車)のようにモーターだけで走行可能。
それ以上長い距離を走る際は、エンジンを使いハイブリッドカーとして走行します。
EVのような静粛性と滑らかな走りを実現しつつ、いっぽうでハイブリッドのような利便性も実現。
しかもモーターとエンジンの総合能力である“システム出力”は412馬力。車体が2.5トン以上あるので「駿足」とまではいえませんが、一般的なセダン以上の動力性能をもっています。
駆動方式は前輪をエンジンとモーターで駆動(EVモード時はエンジンを止めてモーターだけで走行)し、後輪はモーターだけで駆動力を生み出す(E-Four)という仕掛けになっています。
電気式の四輪駆動といっていいでしょう。
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このハイブリッドシステムはセンチュリーのために新開発されたもの。そんな特別なパワートレインもセンチュリーの凄さです。
センチュリー新ボディタイプのエクステリアは?
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新たに加わった新タイプのセンチュリーを目の前にすると、気品あふれる風格、威風堂々の存在感、そしてボリューム感に圧倒されます。
車体サイズは全長5,205mm×全幅1,990mm×全高1,805mm。
従来モデル(セダン)は全長5,335mm×全幅1,930mm×全高1,505mmなので、長さは少し短いものの、幅は広がり、さらには高さが30cmも増しています。
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この背の高さが発表前に「SUV」と言われていた所以ですが、確かに実車を見ると今までのセダンタイプのセンチュリーとは大きく違いますね。
この背の高さが、次世代のショーファードリブンを見据えた広い室内を作り出しているのです。
車体はセダンとは異なり、トランクリッドのない2ボックス。
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とはいえ一般的なステーションワゴンよりもボディに厚みがあるので、背の高いステーションワゴンのようなパッケージングです。
それにしても、この巨大かつ気品あふれるスタイリングは何とも言えない特別なオーラを放っていて、さすがとしか言いようがありません。
このクルマを知らない人にそれを感じさせるデザインの“圧”が凄いですね。
センチュリー新ボディタイプのインテリアは?
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誕生以来、センチュリーは後席に乗る人のためのクルマでした。
もちろん、センチュリーの歴史に新しい扉を開くことになる新しいボディタイプでもそれはかわりません。
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これまでのセンチュリーと大きく違うのは、室内高がたっぷり確保されていること。
もちろんこれまでのセンチュリーでも十分な室内空間がありましたが、新型はそれを凌駕しているのです。
リヤシートは左右が完全に独立した2人掛けで、幅をゆったり確保。立派なセンターアームレストも備えています。
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いっぽう前席は、ドライバーズ空間として運転に集中できる環境を狙い徹底してシンプルなデザインにしていることが伺えます。
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ただただ快適に、リヤシートの機能が凄い
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快適な移動を約束するリヤシート周辺の機能は、ひとことでいえば最上級のおもてなし。
まず目をひくのは飛行機のビジネスクラスや新幹線のグランクラスをイメージさせる大きなシート。
いうまでもなく調整は電動式で、オットマンも組み込んでいます。
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走る執務室をイメージしノートパソコンを広げられるテーブルも用意したニュートラルポジションのほか、シートを寝かせてくつろげるリラックスモード、さらには77度まで倒せるフルフラットモードも搭載。
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単に広いというだけでなく、自由なシートアレンジがこれまでのセンチュリーではできなかった「新しいセンチュリー」のベネフィットなのです。
シートはヒーターやベンチレーションはもちろん、14個の空気袋を組み込んだ本格的なマッサージ機能まで内蔵。
またタッチパネルで空調、オーディオ、照明、サンシェード、シート機能などの操作ができるオペレーションパネルも搭載。手元で後席環境のコントロールができるのです。
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また後席にはセンチュリーらしいアイテムの靴べらホルダーがBピラーに備わり、メーカーオプションで冷蔵庫を追加することも可能です。至れり尽くせりですね。
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驚きのカスタマイズメニューが用意されている
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さらに驚くのは、このセンチュリーには常識を覆すカスタマイズメニューが用意されること。
詳細は追って発表されますが、スポーツ仕様の「GRMN」やリヤドアのスライドドア化、さらにオープンモデルなど顧客の求めに応じたカスタマイズ仕様を制作する準備があるとのこと。
これはハイエンドブランドが展開する「ビスポーク」と同じ考えで、メニューを用意するのではなく、技術的に可能であり合法の範囲内であれば特別なカスタマイズも受け付けてもらえることになりそうです。特別すぎますね。
トヨタは、これまでの日本のメーカーでは想像もできなかった新たなる道に進み始めたと言っていいでしょう。
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新センチュリーのライバルはどんなクルマ?
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トヨタはこのクルマを「SUV」とは呼んでいませんが、ライバルを挙げるとすれば世界に名だたるハイブランドのSUVとなるでしょう。
たとえばロールスロイスの「カリナン」、ベントレーの「ベンテイガ」、さらには「レンジローバー」も気になる存在です。
新世代のセンチュリーは、そんな世界のライバルたちを競合することになるでしょう。
モータージャーナリストレポート一覧 Vol.7/ジャパンモビリティショー2023特集
画像出典元:トヨタ自動車株式会社
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