エンジンオイルの交換時期はどうやってわかる?見分け方と交換方法を紹介
定期的なエンジンオイルの交換は、エンジンが本来のパフォーマンスを発揮するために欠かせません。
しかし、エンジンオイルの適切な交換時期について、はっきり答えられる人はあまり多くないのではないでしょうか。
本記事ではオイル交換の時期やオイル交換しなかった場合のリスク、オイル交換を依頼先などについて解説します。
適切なタイミングでオイル交換を行えるようになれば、車の不調も未然に防げるようになり、修理などの手間も省けるでしょう。
ちなみにオイルの交換は個人でも可能ですが、リスクもあります。
そのため不慣れな方は、無理をせずにプロに頼むと良いでしょう。
オイル交換を行える業者はたくさんありますが、いざオイル交換を依頼すると60分以上かかり順番を待った方も少なくないでしょう。
その対策に事前にWeb予約ができるサービスで、timyやPIT in plusなどあります。
来店後スムーズに案内されるメリットがあるため、一度ご検討ください。
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エンジンオイルとは?
エンジンオイルとは、エンジンに使用されている潤滑油のことです。
車にとって、エンジンはとても重要な部分で、人に例えるならば「心臓」です。
心臓は血液が無いと機能しませんが、エンジンも血液にあたる「エンジンオイル」が無いと全く機能しません。
エンジンオイルはエンジン下部に取り付けられている「オイルパン」に入っており、それを「オイルポンプ」で汲み上げてエンジン各所に送られます。
エンジンオイルのコンディションを良い状態に維持することで、エンジンを長く最良な状態に保ちます。
一方で、もしエンジンオイルのコンディションが悪い状態だと、潤滑や洗浄などの役割を果たすための添加剤がうまく機能しなくなり、オイルとしての性能が劣化し、エンジン内部の摩擦が増え、燃費の悪化や故障につながる可能性もあります。
エンジンオイルはそれほど大切なのです。
エンジンオイルの役割
エンジンオイルには、潤滑・密封・冷却・洗浄・防錆という、エンジンを正しく動かすための役割が大きく5つあります。
以下に作用と働きをまとめます。それぞれの役割を理解し、エンジンオイルの重要性を把握しましょう。
役割(作用) | 概要 |
---|---|
潤滑作用 | エンジン内の部品の摩擦を抑制する働き |
密封作用 | ガスの吹き抜けを防ぐ働き |
冷却作用 | エンジンから発生する熱を吸収して冷却する |
洗浄作用 | 稼働中に発生したカーボン、スラッジ、酸化物を取り込む |
防錆作用 | 金属のさびを防止 |
エンジンオイルの交換時期はいつ?
エンジンオイルの交換時期については、走行距離を基準にすることが一般的によく知られています。
ですが、実はそれ以外にも交換時期の目安があります。
ここから、エンジンオイルの適切な交換時期について解説します。
走行距離による交換時期
オイル交換の目安で最もわかりやすいのが走行距離によるもので、3,000〜5,000kmがひとつの基準となります。
前回のオイル交換から5,000km以上走行している場合は、あらためてオイル交換を検討したほうがよいでしょう。
しかし、車の乗り方などさまざまな要因により早い時期に交換するのがよい場合もあるため、あくまでひとつの目安と捉えてください。
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メーカー推奨の交換時期
自動車メーカーが公表しているエンジンオイルの交換時期があります。
この基準は各自動車メーカーによって異なるため、詳しくはご自身の乗っている車のメーカーのWebサイトなどで確認してください。
ガソリン車やディーゼル車、ターボガソリン車などエンジンの種類などによってエンジンオイルの交換時期が分類されています。
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経過日数による交換時期
以前にエンジンオイルを交換してから、どれくらいの期間が経過したかのかを交換時期の基準とする見方です。
具体的には、前回交換から3〜6ヶ月が経過していると新しく交換することが推奨されています。
しかし、3ヶ月が経過していなくとも5,000kmを超えている場合などは、走行距離による基準を優先し臨機応変に対応することも必要です。
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シビアコンディションによる交換時期
「シビアコンディション」とは、車にとって過酷な使用環境のことをいいます。
もしも、自分の車の乗り方がシビアコンディションに該当していた場合、エンジンオイルも過酷な環境にさらされているため、エンジンオイルの交換時期を早めにするなどの対処が必要です。
目安として、以下いずれかの条件での走行が走行距離の30%以上を占める場合、シビアコンディションに該当します。
シビアコンディション例(国内自動車メーカー) | 概要 |
---|---|
悪路での走行が多い | デコボコ道や砂利道、未舗装路や雪道などを走行する |
走行距離が長い | 年に20,000km以上走行する |
山道、登降坂路での走行が多い | ブレーキの使用頻度が高い |
短距離運転が多い | 1回あたりの走行距離が8km程度 |
低速走行が多い | 時速30km以下での走行が多い |
アイドリング時間が長い | 1日のアイドリング時間の合計が2時間程度 |
シビアコンディションでの走行は車に負担を与え、エンジンオイルの劣化を早めます。
日常的に走行する環境が悪い場合は、定期的なオイルチェックをして交換時期を見極めるようにしましょう。
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エンジンオイルを交換しないとどうなる?
エンジンオイルには、エンジンの潤滑・冷却・密閉・洗浄・防錆など、さまざまな役割があります。
定期的にオイル交換をしなければオイルに汚れが蓄積して劣化したり、オイル量が消費されて不足したりして、車本来の性能を引き出せなくなります。
オイル交換は定期的に行いましょう。
ここではエンジンオイルを交換しない場合に引き起こされるリスクについて解説します。
燃費の低下につながる
長期間エンジンオイルを交換せず、劣化した状態で車に乗っているときに起こるのが燃費の低下です。
エンジンオイルには、エンジン内部にある金属部品の摩耗を抑える潤滑作用やエンジン内部の熱を抑える冷却作用、また効果的なエネルギー伝達のために必要なエンジン内部の密封作用などがあります。
エンジンオイルの劣化により上記のような機能のパフォーマンスが下がる結果、燃費が低下します。
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エンジンの異音や騒音がする
エンジン内部には、エンジンの駆動力を車輪に伝えるシャフトや往復運動をしているピストンなど、金属部品がたくさんあります。
エンジンオイルは上記のような部品をスムーズに動かすための潤滑作用がありますが、汚れが蓄積しているとその機能を発揮できません。
その結果、部品同士の摩耗が大きくなってエンジンをかけたときに異音が発生するようになることがあります。
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エンジンの故障につながる
長期間エンジンオイルを交換せず、エンジンオイルが汚れたり不足したりした状態で走行を続けていると、エンジンが焼き付いて故障に至ることがあります。
エンジンが焼き付いてしまえば、エンジンの交換を余儀なくされるため高額な修理費用が掛かる場合もあったり、大事故につながる恐れがあります。
最悪の事態に陥らないように、定期的なオイル交換やメンテナンスを心がけましょう。
エンジンオイルの交換はどこへ依頼するべきか?
エンジンオイルの交換を依頼する業者には、複数の選択肢があります。
また、それぞれのメリット・デメリットや特徴について解説します。
ディーラー
ディーラーでオイル交換をする場合、純正オイルを使用するため交換費用は割高になる傾向があります。
車を購入したディーラーであれば購入時からの整備記録が残っていることもあるため信頼できるメリットはあるものの、純正の部品は社外品より高く、工賃も高めに設定されていることが多いです。
また、ディーラーを利用するときは、事前予約が必要な場合があります。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドは予約不要で、給油のついでにエンジンオイルの交換を依頼できるなど気がるに利用できるメリットがあります。
費用もディーラーより安く押さえることが可能です。
しかし、ガソリンスタンドには資格を持った整備士が常駐しているとは限らず、車に詳しくない従業員が担当することもあります。
整備工場
整備工場では、使用するエンジンオイルによっても変わりますが、ディーラーよりも費用は抑えやすいです。
技術のある整備士がオイル交換を担当してくれるため心強いです。
しかし、整備工場は地域密着型の工場が多く、初回は依頼しにくいと思ってしまう方もいらっしゃるといいます。
初めて利用するときは事前に連絡をして、オイル交換に対応できるか確認しておくといいでしょう。
カー用品店
カー用品店では整備担当のスタッフの対応を期待できることと、エンジンオイルの種類が豊富に取りそろえられていることが魅力です。
費用面でもガソリンスタンドなどと同じくらい安価に抑えることができます。
また、使用済みのエンジンオイルも無料で処分してくれる店が多いです。
しかし、オイル交換の記録は残らない可能性があることは認識しておきましょう。
自分でする場合
エンジンオイルを自分で交換する場合のメリットは、自分でこだわりのエンジンオイルを選べる点です。
自分でエンジンオイルを選び、交換作業をすることにより車への愛着も増すことでしょう。
ただその際はオイル交換のための工具を揃え、オイル交換の知識もつけておく必要があります。
自分で作業するため工賃などはかかりませんが、工具を購入する費用がかかるため必ずしも節約効果が高いとは限りません。
エンジンオイル交換にかかる費用の目安について
エンジンオイルの交換には、エンジンオイルそのものの費用と工賃がかかります。
もっとも高価格となりやすいディーラーの費用は、5,000~10,000円が目安となります。
一方で、ガソリンスタンドでかかる費用は3,000~5,000円程度です。
整備会社やカー用品店の場合は、使用するエンジンオイルにもよりますが、3,000~8,000円程度と、ガソリンスタンドとディーラーの中間に位置すると考えましょう。
自分でオイル交換する場合は、工具代として20,000~30,000円ほど必要になります。
いちど買い揃えればその後は節約効果を期待できますが、最初は費用がかさみます。
関連記事:エンジンオイルの交換費用はどのくらいかかる?交換方法や依頼先別の価格帯を解説
自分で交換する場合の注意点について
オイル交換を自分でするときに注意したいことは、2つあります。
危ないことも起こる
1つ目は、交換作業中に怪我のリスクがともなうことです。
エンジンオイルを抜く際には、エンジンをかけてエンジンオイルを温めることによりオイルの粘土を下げ、抜き取りをしやすくする方もいらっしゃるでしょう。
しかし、このとき高温になったエンジンに触れ、やけどを負ってしまう危険性があるため細心の注意を払が必要です。
エンジンが冷えてから交換する方が確実です。
廃油処理をしなければならない
2つ目は、廃油の処理を自分で行わなければならない点です。
廃油はそのままゴミとして出すことはできません。
自治体ごとにゴミの出し方は異なるため、適切な方法を事前に調べておく必要があります。
カー用品店やガソリンスタンドなどで廃油を引き取ってもらえる場合もあるため、問い合わせて依頼するのもよいでしょう。
オイルフィルターの交換時期はいつ?
エンジンオイルの交換と合わせて覚えておきたいのが、オイルフィルターの交換です。
オイルフィルターの主な役割は、エンジンオイルの汚れをろ過することです。
エンジンオイルの性能を維持し、エンジンを長持ちさせるための大切な役目を果たしています。
オイルフィルターは、エンジンオイル交換2回につき1回のペースでの交換がおすすめです。
ただし、シビアコンディションで走行する車などは、オイルフィルターの劣化が早くなるため、エンジンオイル交換のたびにオイルフィルターもあわせて交換したほうが良いでしょう。
車の使用環境に合わせた交換時期の見極めが大切です。
まとめ
本記事ではオイル交換の時期やオイル交換しなかった場合のリスク、オイル交換の依頼先などについて解説しました。
交換時期の目安になるものとしては走行距離、メーカーの推奨、経過日数、走行環境などがあります。
これらはあくまで目安であるため、実際にはさまざまな理由で交換時期は前後します。
エンジンオイルの管理を怠れば、最悪の場合エンジンが故障することもあります。
エンジンオイルをベストな状態に保ち、エンジンが本来の性能を発揮できるように定期的なオイルチェックを心がけましょう。