自動車税一覧|軽・普通・新車・中古車別の税金の種類や特徴
車を維持するためにはさまざまな費用がかかります。
そのなかの一つが自動車税です。
自動車税にはどのような種類があるのか気になる人もいるでしょう。
また、自動車税は車の種類によって変わりますが、何が基準に決まっているのか分からない人もいるかもしれません。
この記事では、自動車にかかる税金について詳しく解説していきます。
関連記事:排気量とは?排気量の大きさによって変わる車検費用や自動車税についても解説
INDEX
自動車にかかる税金の種類
2019年に税制が改定され、2023年7月現在では自動車にかかる税金が4種類あります。
自動車に関する税金は以下の通りです。
・自動車税種別割(軽自動車税種別割)
・自動車重量税
・環境性能割
・消費税
自動車税種別割は、自動車の排気量に応じて税額が設定されています。
軽自動車の場合は軽自動車税種別割といい、改定前はそれぞれ自動車税・軽自動車税という名称でした。
自動車重量税は、自動車の重量に応じて税額が設定される税金のことです。
環境性能割は、自動車の燃費性能に応じて税率が異なっています。以前は自動車取得税という名称でした。
消費税は商品を購入したり、サービスを受けたりした際にかかる税です。
2023年7月現在の税率は購入額の10%です。
自動車税種別割の一覧表
自動車税種別割は、4月1日時点で車検証の所有者が支払う税金で、毎年1年分を納めます。
排気量が0.5Lあがるごとに税額も高くなる仕組みです。
税制の改定が行われた2019年10月以降に購入した車の場合は、新税額が適用され、改定以前に購入した場合は旧税額が適用されます。
普通車の税額一覧
自家用乗用の普通車の税額一覧です。2019年10月以降に購入した車の自動車税種別割は「新税額」、2019年10月以前に購入した車の自動車税種別割は「旧税額」で表しています。
総排気量 | 新税額 | 旧税額 |
電気自動車 | 25,000 | 29,500 |
1L以下 | 25,000 | 29,500 |
1L超~1.5L以下 | 30,500 | 34,500 |
1.5L超~2L以下 | 36,000 | 39,500 |
2L超~2.5L以下 | 43,500 | 45,000 |
2.5L超~3L以下 | 50,000 | 51,000 |
3L超~3.5L以下 | 57,000 | 58,000 |
3.5L超~4L以下 | 65,500 | 66,500 |
4L超~4.5L以下 | 75,500 | 76,500 |
4.5L超~6L以下 | 87,000 | 88,000 |
6L以上 | 110,000 | 111,000 |
(単位:円)
新車購入時期によっては月割りになる
自動車税種別割は、4月1日時点での所有者が支払わなければなりません。
しかし、新車を購入した時期が年度の途中であれば、新車登録日の翌月から翌年の3月31日までが課税対象期間です。
たとえば、9月に新車登録をした場合、10月から翌年の3月までが課税対象期間になります。
そのため、自動車税種別割の税額は6か月分です。
ただし、月割りになるのは新車登録後、最初の一度のみで次回からは毎年1年分の自動車税種別割を支払います。
グリーン化特例
グリーン化特例は、環境保護のために燃費性能や排出ガスの性能が優れている車の自動車税種別割を減税する施策です。
2026年3月31日までに対象車の新規登録を行うと、新規登録年の翌年分が減税します。
基準を達成している対象車であれば約75%が減税されます。
グリーン化特例が適用される車は以下の通りです。
- 電気自動車
- 燃料電池自動車
- プラグインハイブリッド車
- 天然ガス自動車
また、反対に環境へ大きい負荷があると考えられている車は増税の対象です。
具体的には、新車登録から11年経過したディーゼル車と13年経過したガソリン車およびLPG車は、約15%増税されます。
ただし、ハイブリッドカーは対象外です。
軽自動車税種別割
ここでは、軽自動車税種別割について解説していきます。
軽自動車の税額
軽自動車税種別割は、4月1日時点で車検証の所有者が支払う税金です。
2015年に新制度となり、新たな税額が設定されています。
2015年4月1日以降に新車登録されている場合は新税額となり、それ以前は旧税額の対象です。
また、自家用の軽自動車の場合、一律で下記の軽自動車税種別割になります。
- 新税額:10,800円
- 旧税額:7,200円
購入時期によっては税金が発生しない
軽自動車の場合、4月1日時点での所有者が1年分を納める必要があります。
しかし、年度途中(4月2日〜翌年3月31日)に購入した場合は、同年度の税金は発生しません。
たとえば、3月31日に新車登録を行った場合は、同じ年の4月1日から翌年の3月31日までの1年分の軽自動車税種別割を支払う必要があります。
しかし、4月2日以降に軽自動車の新車登録をした場合、同じ年の軽自動車税種別割を支払う必要はありません。
購入時期を4月2日以降に引き延ばすことができると節税になるでしょう。
グリーン化特例
軽自動車の場合も普通車同様、グリーン化特例施策により減税対象車があります。
適用期間は普通車と同じで、期間中に新規登録をした年の翌年分が減税の対象です。
基準を達成している対象車であれば約75%が減税されます。
軽自動車のグリーン化特例の対象車は以下の通りです。
・電気自動車
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車
また、軽自動車の場合も新規登録から13年を経過すると約20%の税率が上乗せされます。
ただし、ハイブリッド車や電気自動車は増税対象外です。
関連記事:軽自動車の税金はどのくらいかかる?概要や安く抑える方法を解説
自動車重量税
自動車重量税とは、車の重量に応じてかかる税金のことで、普通車も軽自動車のどちらも支払わなければなりません。
ただし軽自動車の場合は、重量に関わらず一律で自動車重量税が決まっています。
新車購入時(新規登録時)は3年分、それ以降は2年分と車検のタイミングでまとめて納めなければなりません。
また、初年度登録からの経過年数が13年を超えると税額は高額になります。
経過年数ごとの自動車重量税は以下の通りです。
経過年数 | 普通車 | 軽自動車 |
新車~12年 | 0.5トンごとに4,100円/年 | 3,300円/年 |
13年~17年 | 0.5トンごとに5,700円/年 | 4,100円/年 |
18年~ | 0.5トンごとに6,300円/年 | 4,400円/年 |
一方で環境負荷が少ない高性能なハイブリッド車などは免税や減税となります。
環境性能割
環境性能割とは、新車や中古車の購入、譲り受けた場合など自動車を取得した際に納める税金のことです。
税率は燃費基準や排ガス基準の達成度合いで変動し、非課税もしくは1~3%のいずれかになります。
環境負荷が小さいほど税率は低くなり、普通車と軽自動車の両方が課税対象です。
2023年12月末までは現行の制度(税率)が継続となっています。
2024年1月~2025年3月、2025年5月〜2026年3月末の期間はそれぞれ税率が異なります。
税額の計算式は以下です。
環境性能割の税額=取得価額×環境性能割税率(非課税または1~3%)
新車の税額の算出方法
新車の場合の税額の算出方法です。
取得価額=課税標準基準額+自動車購入時のオプション品の価額
※1,000円未満は切捨て
課税標準基準額は車種やグレードによって異なります。
目安として車両本体価格の約90%相当となっており、購入額とは無関係です。
車両本体価格より安く購入したとしても、課税標準基準額に変わりはありません。
取得価額が50万円以下の場合は、対象外となり課税されません。
中古車の税額の算出方法
中古車の場合の税額の算出方法は以下の通りです。
取得価額=課税標準基準額×残価率
中古車の場合も課税標準基準額は車種やグレードによって異なり、購入額は関係ありません。
普通車同様、車両本体価格の約90%相当です。
残価率とは、自動車の経過年数によって変動する掛け率で以下のように定められています。
経過年数 | 普通車 | 軽自動車 |
1年 | 0.681 | 0.562 |
1.5年 | 0.561 | 0.422 |
2年 | 0.464 | 0.316 |
2.5年 | 0.382 | 0.237 |
3年 | 0.316 | 0.177 |
3.5年 | 0.261 | 0.133 |
4年 | 0.215 | 0.100 |
4.5年 | 0.177 | – |
5年 | 0.146 | – |
5.5年 | 0.121 | – |
6年 | 0.100 | – |
以下の例の場合で環境性能割の税額を計算してみます。
- 2年経過した中古車(普通車)
- 課税標準基準額:300万円
- 環境性能割税率:1%
課税標準基準額(300万円)×残価率(0.464)=所得価格(1,392,000円)
取得価額(1,392,000円)×環境性能割税率(1%)=環境性能割の税額(13,920円)
まとめ
自動車に関する税金は、自動車税種別割(軽自動車税種別割)、自動車重量税、環境性能割、消費税の4種類です。
- 自動車税種別割は毎年納めます。
- 自動車重量税は新規登録時に3年ごと、以降は2年ごとと車検のタイミングで納めるのが一般的です。
- 環境性能割と消費税は自動車を購入するタイミングで納めます。
- 消費税以外は優れた環境性能を備えた自動車では減税や免税となることがあります。
この記事を参考に、どのタイミングでどれくらいの税金を納めているか把握して、家計の見直しに役立ててみてはいかがでしょう。