突然タイヤがパンク!1本だけ交換するのは問題ない?
車を安全に走行させる上で、タイヤを良好な状態に保つことは非常に重要です。
道路に接地しながら車を支えるタイヤは、4本全てそろうことで役割を果たします。
しかし何らかの事情で、突如タイヤが1本だけパンクするケースも想定されます。
具体的には、タイヤが道路に落ちている釘を踏んだ場合などです。
タイヤがパンクしたと分かったとき、ドライバーとしてどのような対応を取ればよいのでしょうか。
この記事では、突然タイヤがパンクしたときにパニックにならないよう、どのような対処をすべきかについて解説します。
またパンクしたタイヤの交換方法も紹介するため、ぜひ最後までご覧ください。
関連記事:車がパンクしたらどこで修理できる?費用の相場の紹介と解説
関連記事:中古車のタイヤは大丈夫?チェックポイントや交換の目安を紹介
INDEX
タイヤがパンクしたらどうしたらよい?
はじめに、走行中にタイヤがパンクしたときの対応について解説します。
安全確保
最初にすべきことは安全確保です。
自分の身を守るためだけではなく、周囲の車を事故に巻き込まないためにも、できるだけ安全な場所に車を停車させましょう。
なおパンクしたタイヤで急ブレーキをかけてしまうと、車のコントロールが効かなくなり事故につながる可能性があります。
ハザードを点滅させて、徐々にスピードを緩めていきましょう。
パンク箇所の確認
車を安全な場所に停めた後は、パンク箇所を確認しましょう。
タイヤのパンクにはさまざまな種類があるものの、走行中異変に気づくほどのパンクであれば一目でタイヤのへこみなどが分かります。
注意すべきは、釘やガラス片などが刺さったことが原因でタイヤがパンクしている場合、それらを抜くことでさらに空気が抜けてしまう点です。
このような場合は、刺さっているものをすぐに抜かないようにしましょう。
応急処置
応急処置は大きく分けて「ロードサービスに依頼する方法」と「自分で行う方法」があります。
保険会社やJAFなどのロードサービスが利用できる場合は、電話やインターネット経由で依頼しましょう。
スペアタイヤへの交換やパンク修理キットを使うなどの応急処置で、走行可能な状態にしてくれます。
上記の応急処置は、整備に慣れた人であれば自分で行うことも可能です。
周囲の安全確保をした上で、応急処置を行いましょう。
ロードサービスに加入しておらず自分でも対応できない場合は、JAFの非会員向けのロードサービスを利用するとよいでしょう。
なお応急処置は、あくまでも車を一時的に走行させるための手段です。
そのままの状態で長時間・長距離運転するのは危険ということを覚えておきましょう。
またパンクの状態によるものの一度パンクしたタイヤは、基本的には交換する必要があります。
タイヤがパンクする主な原因
ここでは、タイヤがパンクする主な原因について解説します。
事前に予防できるものは対策しておきましょう。
寿命を過ぎたタイヤの使用
一般的にタイヤの寿命は、5年程度といわれています。
寿命を過ぎた劣化したタイヤをつけているとパンクが起こりやすいです。
5年以上使っているタイヤであれば、買い替えを検討するとよいでしょう。
道路に落ちている鋭利なものを踏む
走行中に釘やガラス片などの鋭利なものを踏むと、パンクする可能性があります。
タイヤへの刺さり具合によっては修理可能なケースもありますが、自分で判断するのは困難です。
店舗などで専門家に確認してもらいましょう。
タイヤ側面が縁石に当たる
走行中にハンドル操作を誤り、タイヤ側面を縁石に当ててしまうとパンクする可能性があります。
曲がり角でのハンドル操作に関しては、内輪差をしっかりと頭に入れつつ特に気をつけて行いましょう。
空気圧不足
適正な空気圧が入っていない状態で走行した場合、タイヤの一部に負荷がかかることでパンクしやすい状態になります。
月に1度を目安に、ガソリンスタンドなどで空気圧を適正に保つようにしましょう。
関連記事:タイヤの空気圧を点検する意味は?適正ではない空気圧によるデメリットについて
パンクしたタイヤ1本だけを交換してもOK?
結論からいうと、タイヤが1本だけパンクした場合でも4本全てのタイヤを交換するのが原則です。
一方で、例外もあります。
以下で詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
4本全てのタイヤを交換する場合
原則は、4本全てのタイヤを交換しましょう。
その理由は、パンクした1本だけを交換した場合、残り3本のタイヤと摩耗量の差が生じることで、さまざまな問題が発生する可能性があるためです。
具体的には、左右のタイヤのグリップ力が異なることで直線的な走行がうまくできなかったり、ブレーキをかけたときに不安定になったりなどです。
また4WD車の場合、4本のタイヤについて同じ外径が前提の駆動システムになっているものも多いため、1本だけ新しいタイヤになるとシステムトラブルの原因になるかもしれません。
タイヤ1本だけの交換でもよい場合
例外として、パンクした1本のタイヤ交換だけで問題ないケースもあります。
具体的には、4本のタイヤがほとんど新品だったケースです。
先ほど解説したように、4本全て交換する理由はタイヤの摩耗量の差が生じるのを防ぐためです。
よって、パンクしていない残り3本のタイヤがほぼ新品の状態であれば、パンクした1本のタイヤだけを新品に変えても全体としてバランスが取れます。
ただし、パンクしたタイヤの代わりに購入するタイヤは、残り3本のタイヤと同じ商品を選ぶようにしましょう。
修理でも問題ない?
タイヤがパンクしてしまった場合、状況によっては交換ではなく修理という選択肢もあります。
ここでは、修理が可能なケースと不可能なケースについてご紹介します。
修理が可能なケース
タイヤのパンク位置が接地面である場合、修理出来る可能性があります。
特に、パンクが小さく直径が約6mm以下である場合、修理出来る可能性が高いと言えるでしょう。
なお、近年ではタイヤ修理キットも進化しており、一部のパンクは専門店に行かずとも、修理キットを使用して修復できる場合があります。
しかし、修理可能かどうかはプロの判断を仰ぐことが懸命です。
基本的には、専門店でタイヤの損傷を確認してもらい、修理が可能なのか取り替える必要があるのかを判断してもらいましょう。
修理が不可能なケース
タイヤの側面を損傷した場合、基本的に修理は難しくなります。
タイヤ側面の損傷は、タイヤの構造自体に影響を与え、安全性が大きく損なわれる可能性があります。
特に、タイヤに大きな穴や深い切れ込みがある場合、修理は困難です。
修理しても十分な耐久性が確保できない可能性があるため、取り替える必要があるでしょう。
また、タイヤの側面の損傷や大きな穴や深い切れ込みによるパンクでなかったとしても、タイヤが摩耗して溝が不足している場合、修理するよりも交換した方が懸命です。
タイヤの老朽化が進むと、タイヤの強度が低下し、修理が不十分になる可能性があります。
さらに、タイヤの内部構造が影響を受けている場合も、修理が不可能になることがあります。
タイヤの修理可能性はケースバイケースであるため、損傷の具合や範囲によって異なります。
したがって、その判断は専門家に委ね、安全性を最優先に考えることが重要となります。
パンク修理・タイヤ交換にかかる費用の目安
ここでは車のパンクを修理する費用や、タイヤ交換にかかる費用の目安を紹介します。
パンク修理
パンクしたタイヤは基本的に買い替えることになりますが、場合によっては修理することで引き続き利用できるケースもあります。
パンクの修理に関しては、ディーラーやカー用品店、タイヤ専門店などに依頼しましょう。
なおパンク修理は大きく「外面修理」と「内面修理」の2つに分けられます。
タイヤを外さずにできる外面修理の費用は、以下を目安にしてください。
- ディーラー:2,000円程度
- カー用品店:1,500円程度
- タイヤ専門店:2,000円程度
一方で、タイヤの内側から補修する内面修理は修理の工数が多くなることから、費用が高くなる傾向にあります。
費用の目安は以下の通りです。
- ディーラー:5,000円程度
- カー用品店:3,000円~5,000円程度
- タイヤ専門店:3,000円~5,000円程度
なお紹介した金額はあくまでも目安のため、実際の金額は店舗で確認してください。
タイヤ交換
タイヤ交換の費用は、店舗でタイヤを購入する場合と持ち込みの場合で変わるでしょう。
ここでは、タイヤ1本を交換する場合と4本全て交換する場合の費用の目安を紹介します。
なお紹介する金額は、店舗でタイヤ購入するケースです。
タイヤ1本交換の場合
- ディーラー:1,500円~4,000円程度
- カー用品店:1,000円~2,000円程度
- タイヤ専門店:1,000円~3,000円程度
タイヤ4本交換の場合
- ディーラー:6,000円~20,000円程度
- カー用品店:4,000円~8,000円程度
- タイヤ専門店:4,000円~10,000円程度
なお紹介したいずれのケースでも、使用するタイヤの大きさや種類、店舗などで金額は変わってきます。
実際の金額は店舗で確認しましょう。
関連記事:ディーラーでタイヤ交換するのは正解か?他の依頼先とも比較
まとめ
この記事では、タイヤが1本だけパンクしてしまった場合の対処法などについて解説しました。
日頃からタイヤがパンクしないよう、整備しておくことが大切です。
とはいえ、車で道路を走行する限り、想定外の場面でタイヤがパンクするケースも考えられるでしょう。
走行中にタイヤがパンクした場合、まず落ち着いて安全な場所に停車し、応急処置を行います。
なお応急処置の状態で長時間・長距離運転するのは危険です。
応急処置後はタイヤ修理やタイヤ交換を行い、再び安全な状態で走行できるよう車を整備しましょう。