トヨタが出資している空飛ぶ車とは?実用性についても解説

空飛ぶ車と聞くと、遠い未来の話と感じる人も多いと思いますが、現在世界中で開発や実用化に向けた実証実験が行われています。

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の中に登場するような空飛ぶ車とはイメージが異なるかもしれませんが、大型ドローンのような空飛ぶ車が将来的に実用化されるかもしれません。

この記事では、トヨタが出資している空飛ぶ車の概要を紹介しつつ、今後空飛ぶ車が実用化されるための課題について解説していきます。

空飛ぶ車に興味がある人にとっては今後の未来をイメージできる内容になっているため、最後までぜひお読みください。

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トヨタが出資している空飛ぶ車の概要

2020年1月、トヨタはアメリカの航空ベンチャー企業、Joby Aviation(ジョビー・アビエーション)に対して、約3億9,400万ドル(当時のレートで約430億円)を出資しました。

Joby Aviationは2009年に創立された会社で、eVTOLと呼ばれる空飛ぶ車の開発を手掛けています。

同社が開発中の空飛ぶ車は、国土交通省に「航空法に基づく型式証明申請」を行い、受理されています。
空飛ぶ車の実用化に向けた大きな一歩といえるでしょう。

現在このJoby Aviationをはじめ、世界中で空飛ぶ車の開発や実証実験が行われています。

空飛ぶ車

トヨタがJoby Aviationに出資したことで、トヨタの設計技術・開発技術が、空飛ぶ車の実用化に大きく役立ちます。

また、2025年4月に開催される大阪・関西万博において、空飛ぶ車の展示・飛行が期待されていることからも、トヨタが空飛ぶ車に巨額の出資をした意味は大きいでしょう。

経済産業省によると、空飛ぶ車の正式名称は「電動垂直離着陸型無操縦者航空機」とされています。
「電動垂直離着陸型」という名前の通り、滑走路を必要としない点で現在の飛行機とは大きく異なる乗り物となっています。
また、「無操縦者航空機」という名前から、自動操縦により操縦士が不要ということが分かります。

このように離着陸場所を選ばず、操縦士が不要となる点からも、空飛ぶ車は飛行機と比べると自由度が高い乗り物となります。

実用化された場合、私たちの生活の利便性は一気に向上することになるでしょう。

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空飛ぶ車のメリット

空飛ぶ人

ここでは、空飛ぶ車が実用化されたときのメリットについてお伝えします。

渋滞の緩和

私たちが普段車を運転していると、渋滞が発生することがあります。

しかし、空飛ぶ車には、道が必要ないため渋滞が発生することもなくなるでしょう。

また、空飛ぶ車が実用化されることで道路を走る車の量が減り、道路の渋滞緩和にもつながる点が望まれます。

災害時に活用

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大規模な災害や交通事故が起きた際に空飛ぶ車の活躍が期待されます。

大規模な災害時に地上の状況に左右されず駆けつけることができるため、被災者の救助や救援物資の配達を迅速に行うことができます。

また、交通事故が起きた場合には救急車両として活用し、事故発生から到着までの時間を短縮することもできます。

新しい観光事業になりえる

空飛ぶ車を使った遊覧飛行は、観光資源として期待されています。空飛ぶ車に乗車し、雄大な自然や言葉を失うほど綺麗な夕日など、さまざまな景色を見ることができる。そうすれば、これまで観光地として人気のなかった土地にも、観光客を呼ぶことができるかもしれません。

路線バスや乗合タクシーに変わる手段として活用

公共交通機関を利用する際、移動や乗り継ぎなどで目的地に到着するまでに待ち時間が発生します。

しかし、空飛ぶ車であれば路線バスや乗合タクシーの代わりとして活用し、ピンポイントの地点に到着ができるため、短い時間での移動が可能になります。

空飛ぶ車のデメリット

夢3夜

ここでは、空飛ぶ車の実用化に向けてハードルとなるデメリットについて解説します。

操作の難易度

空飛ぶ車は手動で運転するのであれば自動車よりも操作の難易度が高くなります。

空飛ぶ車が自動車と同程度の操作性でなければ実用化は難しいでしょう。

そのためには、自動運転技術の導入を前提として、技術のさらなる向上が必要となってきます。

安全面の不安

空飛ぶ車が事故に遭遇した場合、陸上を走る車と比べて怪我や死亡するリスクが一段と高くなります。

自動操縦技術などの発達により、確固とした安全性を維持できる状態になれば、事故が発生しない未来が実現する可能性はあります。

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莫大な開発費が必要

空飛ぶ車の実用化には、莫大な開発費が必要です。その額は、数百億円から数千億円規模とも言われています。

これだけの開発費を準備することは、企業にとっても負担が大きく、参入へのハードルも高いものになります。

公的な支援制度や企業間で協力を図るなど、制度や体制を整備することも必要です。

専用のインフラの整備が必要

空飛ぶ車を利用するにあたり、充電ステーションや離発着場を整備する必要があります。

また空の交通ルールといわれる運航規則にそって、監視システム、通信システムの整備も必要でしょう。

空飛ぶ車の実用性はどのくらい?

自動運転2

空飛ぶ車の実用性を考える場合は、実状の側面と制度的な側面から考える必要があります。

実状の側面での実用性

トヨタが空飛ぶ車に出資したように、スズキもベンチャー企業と連携して空飛ぶ車の実用化に向けた取り組みを行っています。

こちらも2025年の大阪・関西万博において、会場輸送での活用を目指しています。

このように世界中の各社で開発が進められているものの、空飛ぶ車の価格が高いという面を克服するためにはメーカーが大量生産できるようになる必要があります。

価格が高いことで多くの人の手に渡らない状態では、実用化に向けた制度が整うまで相当な時間を要することが想像できます。

また、実用性を考えたときにはインフラ面の整備も必要になります。
空飛ぶ車の燃料は電気バッテリーが主流ですが、水素燃料電池のエネルギーを動力にするモデルも登場しています。

いずれにせよ、燃料を補給するための場所が必要であり、これらのインフラ整備が進まないことには車は空を飛べません。

水素ステーションの建設が進まないことで水素自動車が普及しないように、インフラ整備が整わなければ空飛ぶ車の実用化も難しいのかもしれません。

制度的な側面での実用性

制度面においても、空飛ぶ車の実用化に向けたハードルは多くあります。

日本では、このような新しい技術に対する法整備が進みにくいというのが現実的な問題として挙げられます。

空飛ぶ車の実用化に向けて現行の道路交通法などを改正するだけではなく、新たな法律を作る必要があるのかなど、考慮すべき点がいくつもあります。

「普通自動車第一種運転免許」に代わる新たな免許が必要なのかといった点など、今後完全自動運転の車が一般的に実用化された場合にも議論されるポイントになるでしょう。

別の視点では、空飛ぶ車用の航空管制塔が必要かどうかについても、制度設計の上で議論される点になると考えられています。

現実的な話としては、現在の航空管制塔が空飛ぶ車の運行状況をすべて把握するのは困難だと考えられるため、新たな仕組みづくりが必要になるでしょう。

日本においては小型ドローンの飛行ですら厳しく規制されている現状を考えると、人が乗る大型ドローンのような空飛ぶ車が街の上を飛び回るというのは、遠い未来の話のようにも聞こえてきます。

実用化される場合は、まずは乗り合いバスのように、決められた区間を走行する商用利用といった活用法が現実的といえるかもしれません。

まとめ

空飛ぶ車は、これまでの車には無かった「空を飛ぶ」という機能が付いた、夢のような車です。

トヨタがアメリカのベンチャー企業に投資していることからも、未来の実用化が期待される車ともいえるでしょう。

一方で実用化に向けた課題も多く、実状や制度面などを考えた場合に数々のハードルをクリアする必要があります。

まずは2025年の大阪・関西万博において、空飛ぶ車がどのような活躍をするのかという点が注目しておきたいポイントです。

ここで空飛ぶ車が脚光を浴びた場合、実用化に向けて大きく前進するでしょう。

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