カンガルーバーとは?衰退した理由や後付けの注意点を解説

カンガルーバーといわれる車の前面にパイプのようなものを装着したものを見たことがある人は多いでしょう。

しかし、近年では、カンガルーバーをあまり見かけなくなったと感じる人もいるのではないでしょうか。

この記事では、カンガルーバーの概要とカンガルーバーが衰退した理由について解説してきます。

また、車検の際の扱いや後付けする際の注意点などについても解説しているため興味がある人は参考にしてください。

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カンガルーバーとは?

カンガルー 標識

そもそもカンガルーバーとはどのようなものなのか知らない人もいるでしょう。

ここでは、カンガルーバーの概要や役割などについて解説してきます。

カンガルーバーの概要

カンガルーバーとは、車のバンパー部分をカバーするように取り付けられる部品のことです。

これは、金属製のパイプや板などを曲げて作られています。

カンガルーバーが最初に開発されたのは野生動物が多く生息するオーストラリアです。

走行中に野生のカンガルーと衝突した際に、車体や乗員のダメージを抑えるための装備として開発されました。

オーストラリア以外でも、南米や北米などの山岳地域においては日常的に野生動物との衝突事故が起きているため、カンガルーバーは重要な装備であり、ほとんどの自動車メーカーで純正オプションとして扱われています。

野生動物との衝突時に保護する役割

ヘルメット

カンガルーバーは車両の前部を保護し、野生動物との衝突時の衝撃を吸収する役割があります。

時速40km超で移動し、体重が100kg以上の野生のカンガルーや300kgを超える野生の牛などが車に衝突した際は、衝撃が大きく車だけでなく乗員も危険が伴います。

また、衝突した場所が砂漠といった僻地だった場合は、助けを求めることも困難です。

カンガルーバーは、これらを防ぐために車両本体やエンジンなどを保護する役割があります。

日本ではファッション性

日本においては山間部を除き野生動物と遭遇する機会はほとんどないため、カンガルーバーは実用性よりも、アウトドア感や無骨な雰囲気を演出するためのファッションアイテムとして装備されています。

カンガルーバーを装着することによって頑丈さやオフロード的な雰囲気を出すことができるでしょう。

カンガルーバーが衰退した理由

衰退

1990年代頃はカンガルーバーを装着した車が日本でもよく見かけられましたが、近年ではほとんど見かけることがなくなってきました。

カンガルーバーが衰退した理由としてどのようなことが挙げられるのでしょうか。

ここでは、カンガルーバーが衰退した理由について解説していきます。

対人事故の際の歩行者保護

カンガルーバーは、野生動物との衝突時に車両のダメージを抑えるために、丈夫な金属で作られています。

しかし、万が一歩行者や自転車もしくはバイクなどと衝突した場合、相手側に深刻なダメージを与えてしまう可能性が高くなります。

そのため、近年では各自動車メーカーが自主規制を行い、カンガルーバーの標準装備をすることがなくなりました。

特に日本の都市部においては、野生動物と遭遇することがなく、車における安全性が最も重視されているため、歩行者保護の観点からカンガルーバーの需要は減少していると考えられるでしょう。

デザインがミスマッチである

1990年代のRV車が流行していた時代には、アウトドア仕様の無骨なデザインの車が多く、カンガルーバーともマッチしていました。

しかし、近年流行しているSUV車は、都市部で乗ることを想定した流麗なデザインで、カンガルーバーの無骨なイメージとの相性があまりよくありません。

このような、流行の変化もカンガルーバーの衰退の一因といわれています。

燃費性能の低下

カンガルーバーは頑丈な作りであり重量もあるため、装備すると車の走行性能に影響を及ぼし、燃費性能が低下する可能性があります。

近年のSUV車では、走行性能や燃費性能が高いことを重視する傾向があるため、あえてカンガルーバーを積極的に装着する人は少なくなっているでしょう。

カンガルーバーは車検に通る?

カンガルーバーは国土交通省が許可している指定部品であるため、法律で定められた保安基準を満たしていれば構造変更の手続きなどは不要で、大きな影響はありません。

保安基準として以下のことが挙げられます。

・カンガルーバー装着後の車両寸法が規定の全長と全幅の範囲内であること
・カンガルーバーをしっかりと固定すること

近年では、カンガルーバーが純正部品として最初から装備されている車はほとんどなく、社外品ばかりです。

そのため、カンガルーバーを取り付ける際は、保安基準を満たしているかを確認しておきましょう。

カンガルーバーを後付けする際の注意点

現在ではカンガルーバーが標準装備された車は日本では販売されていないため、後付けすることになりますが、後付けするには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

ここでは、カンガルーバーを後付けする際の注意点について解説していきます。

車検が通らないことがある

前章で解説した通り、カンガルーバーを装着した場合、保安基準を満たしていれば車検に影響はありませんが、以下のような場合には構造等変更手続きが必要となる可能性があります。

・車両寸法・重量が大きく変わる
・溶接やリベットなどでカンガルーバーを固定する
・カンガルーバーによってヘッドライトやウインカーが見えづらくなる

特にウインカーやヘッドライトが見えづらい場合は事故の原因となるため、できるだけ避けましょう。

歩行者と衝突した場合の危険性が高まる

カンガルーバーを後付けすることは可能ですが、カンガルーバーを装着していない車と比較して、歩行者や自転車などと衝突した場合の相手側に与えるダメージが大きくなります。

山間部など野生動物と衝突する可能性の高い地域を除き、都市部では実用性の面においてカンガルーバーは特に必要のない部品です。

車のドレスアップが目的で装着したい場合は、事故を起こさないように安全運転を心掛けましょう。

耐久性は低い

カンガルーバーは、本来は野生動物との衝突を想定して製造されているため、オーストラリアなどで使用されているものは鉄やアルミなどで作られており、耐久性が高いです。

しかし、日本で販売されているものは、万が一歩行者などと衝突した際の相手側の衝撃を軽減するため、安全性の観点からABS樹脂やプラスチックなどが使用され、耐久性はあえて低く設計されています。

まとめ

この記事では、カンガルーバーの概要と衰退した理由、車検や後付けする際の注意点について解説しました。

オーストラリアで野生動物から車や乗員を守るために開発されたカンガルーバーは、1990年代に日本でも流行しました。

しかし、カンガルーバーを装備したことによる危険性やデザインのミスマッチによりメーカーも標準装備から外し、衰退していきます。

ファッションとしてカンガルーバーの装備を検討している人は、危険性を把握して保安基準を満たしたものをつけましょう。

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