SUVとは?定義・種類・特徴やメリット・デメリット・SUV選びのポイントまで解説!
トヨタのランドクルーザーやスズキのジムニーなど、洗練されたデザインとワイルドな機能で注目を集める「SUV」
車の購入を考えている方の中には、「SUV」を検討される方も多いのではないでしょうか。
SUVはレジャーやアウトドアブームの後押しもあり、近年、とても人気です。
本記事では、SUVとはどんな意味なのか?定義・特徴・メリット・デメリットについて詳しく解説します。
関連記事:SUV人気ランキング!各車種おすすめポイントも解説
INDEX
SUVとはどんな意味?定義は?
SUVとは自動車の形態のひとつです。
英語の「Sports Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)」の頭文字をとった略称として「SUV」と呼ばれています。
SUVを日本語へ翻訳すると「スポーツ用の多目的車」という意味です。
多目的車という言葉の通り、単なる移動だけでなくアウトドアやレジャーなど、さまざまな用途に対応できる乗用車を指しています。
また、広い居住空間と荷室があり、かつスタイリッシュな見た目や走破性の高さを兼ね備えていることで人気を集めています。
そして、実はSUVには明確な定義が存在しません。
一般的なSUVの特徴としては
「オフロードと呼ばれる悪路での走破性が高い」
「車内の荷室が広い」
「車体と路面が接触していない部分(最低地上高)の幅ががある程度確保されている」などが挙げられます。
また、アウトドアやレジャー用のタイプだけではなく「街乗り」を意識した車種もあり、ひとくくりでは説明できないほど幅広い種類が存在します。
SUVの種類・分類について
一言で「SUV」といっても、実はさまざまな種類に分けられます。
ここからは、構造による分類とボディサイズによる分類をご紹介します。
SUVの構造について
SUVは車の骨格のつくりの違いによって、大きく2つに分類することができます。
「モノコック構造」と「ラダーフレーム構造」と呼ばれるものです。
モノコック構造

モノコック構造は、ボディ全体でひとつの構造体です。
軽量で高剛性、さらに生産効率にも優れているのが特徴です。また、モノコックにラダーフレームにはない軽さと頑丈さを持っているのが強みでしょう。
モノコック構造はオンロード(舗装道路)の走行を目的としてつくられており、快適で安定性のある走りが楽しめます。
ラダーフレーム構造

ラダーフレーム構造とは、はしごの形をした鋼の車台(ラダーフレーム)にエンジンを載せて、車輪を支えるサスペンションをつけて、ボディ本体を被せる仕組みです。プラモデルやミニ四駆を触ったことがある人は想像しやすいかもしれません。
ラダーフレームはその骨格自体が頑丈なつくりとなっています。そのため足場の悪い道路を力強く走れるという特徴があります。
SUVでいうと「クロスカントリーSUV」に採用されていますが、そのほかにもバスやトラックなど重量のある車にも採用されています。
なぜSUVに異なる構造があるのか
ラダーフレームとモノコックにはそれぞれ異なる特徴を持っています。
モノコックはその強みとして「頑丈かつ軽量」というものがありますが、薄い鋼板で作成されているためどうしても凹凸の激しいオフロードだとその衝撃を受け止めきれず、フレームに亀裂が入ってしまう可能性が危惧されるのです。
一方のラダーフレームは重量があるため、オフロード走行時に発生する足回りの力をどっしりと受け止めてくれます。そのためオフロードに適した構造ですが、やはりどうしても車両重量が重くなりがちです。
そのため、街中などの舗装された道にはモノコックの方が向いており、わざわざラダーフレームを選択する必要性はないのです。
サイズによる分類
SUVをサイズで分類する場合は、大きく6つに分けられます。それぞれの特徴を簡単に説明します。
軽SUV

軽SUVとは、軽自動車でありながらSUVの機能を持った車です。
排気量が660cc以下の軽自動車ですから、本格的なSUVのような力強い走破性はやや物足りなさがあるかもしれません。しかし、コンパクトで機能的なデザイン・お手頃な価格など、他のSUVには無いメリットがあります。
たとえば、スズキの「ジムニー」などが軽SUVに該当します。
コンパクトSUV

排気量が660cc以上あり、全長4.4m以下のSUVはコンパクトSUVに分類されます。
コンパクトSUVは、オフロードへの耐性と快適性のバランスの良さが魅力で、軽SUVよりも力強い走りが楽しめるのが特徴です。
なお、ボディが小さいため小回りが利きやすく、運転にあまり自信がない方にもおすすめのSUVです。
たとえば、ホンダ「ヴェゼル」などがコンパクトSUVに分類されます。
関連記事:コンパクトSUVとは?購入のメリットや人気車種をご紹介
ミドルサイズSUV

ミドルサイズSUVは、全長4.4m以上〜5.0m以下のSUVです。
クロスオーバーSUVを原型としたミドルサイズのSUVです。オフロードでの力強さや耐久性はクロスカントリーSUV(後述)よりも劣るものの、アウトドアでの活躍度合い、走行中の快適性のバランスに優れたタイプです。
たとえば、マツダの「CX-5」などがミドルサイズSUVに該当します。
関連記事:CX-5の燃費はどのくらい?ライバル車との燃費比較や走行性能を解説!
フルサイズSUV
フルサイズSUVは、全長約5.0m以上のSUVを指します。
ボディサイズが大きいのが特徴で、SUVの中でも特に悪路での走破性に優れていることと広い室内空間を備えているのが魅力です。
たとえば、トヨタの「ランドクルーザー」などはフルサイズSUVに該当するものがあります。
クロスカントリーSUV
クロスカントリーSUVは、舗装されていない「悪路」と呼ばれるような道を走行できるパワーを持っているのが特徴です。
“クロスカントリー”は、日本語訳で「田舎山道を横切る」という意味です。
砂利道や岩肌の道など、あらゆるシチュエーションで力強い走りを楽しめます。
関連記事:クロスカントリーSUVとは?魅力やおすすめ車を徹底解説
クロスオーバーSUV
クロスオーバーSUVは、クロスカントリーの力強さと、乗用車としての快適性を併せ持つタイプのSUVです。
車体は、フレームとボディが一体化されたモノコック構造で、高い強度だけでなく乗り心地の良さも追及されています。
近年、特に注目を集める人気のSUVです。
近年人気のクロスオーバーSUVは、小回りの利く車体を意識した「モノコック構造」でつくられており、デメリットを軽減するSUVという見方もあります。
大きめのサイズでも、燃費を意識して排気量が小さくなるタイプの車種や、ハイブリッド車も多く登場しています。
関連記事:クロスオーバーSUVの特徴や人気の理由、おすすめ3台を解説!
車検証におけるSUVの分類とは?
車検証(自動車検査証)には、車の形を表す「車体の形状」という項目があるのをご存知でしょうか?
少しおもしろい事実として、SUVの車検証における車体の形状は、「SUV」ではなく「ステーションワゴン」と記載されています。
実は、この車体の形状は各自動車メーカーの申告に委ねられており、項目に「SUV」という選択肢がないため、もっとも近い形状の「ステーションワゴン」に設定されているのです。
とはいえ、維持費や保険料、車検の検査項目などに基本的な違いはありませんので、単純に記号的な意味しかなく、ユーザーとしてはあまり深く考える必要はありません。
SUVのメリットとは?
ここから、SUV購入前に理解しておきたいメリットとデメリットについて紹介します。
まずはメリットです。
SUVは基本的に運転が好きな人におすすめできる車といえるでしょう。
別章で説明したように大きさによって分類されるSUVにはそれぞれの強みも持っています。ここで説明するメリットと一緒に照らし合わせて自分好みの種類をぜひ見つけてください。
SUVのメリット

車高が高い
車高が高いと、アイポイント(車からの視界)が良好です。
視点が高いと、周囲の状況が見やすくなるため、危険回避、つまり事故のリスクを減らすことにもつながります。
走破性が高い
走破性も高いため、レジャーやアウトドアが好きな人のほかにも、雪が積もる地域などで車を利用する方にもおすすめです。
馬力があるため雪道だけでなく、山道や砂利道など凹凸のある路面であっても力強い走りを保ってくれます。
シートアレンジの自由が効く
SUVはシートアレンジができる車種も多く、荷物を多く積める積載性があるため、レジャーだけでなく小さなお子さまがいるご家庭にもおすすめです。
SUVのデメリットとは

SUVはメリットがある一方で、もちろんデメリットも存在します。
もしSUVの購入を検討中の方はしっかりとデメリットの項目も確認しておきましょう。
運転しにくいと感じることも
SUVは車高が高いことで空気抵抗が大きくなり、カーブなどを曲がる際に大きく揺れて運転しにくいと感じる人もいるかもしれません。
維持費がかかる傾向にある
排気量(サイズ)が大きくなるにつれて、メンテナンス費用や自動車税などの維持費が高くなってしまう点も少し気にかけておきたいところです。
アイポイント(車からの視界)が高い
メリットとしてアイポイントが良好(=周囲が確認しやすく、リスクの回避につながる)という内容を挙げました。しかし状況によってこれもデメリットとなりえます。
アイポイントが良好なことで前方を含む周囲の確認が取りやすくなったのと同時に死角も生み出しているのです。
SUVと同じく車高の高い車種としてミニバンなどが挙げられます。ミニバンは車高こそ高めに設計されていますが、前方にあるボンネットは短めに設計されています。
しかしSUVはボンネットも長く作られており、そのために助手席側の前輪部分に死角を生み出しやすいのです。
関連記事:SUVのおすすめ人気ランキング!車種別おすすめポイントも解説!
SUVの選び方

SUVはどのようなポイントに意識して選ぶと良いのでしょうか?
SUVのおすすめの選び方について、いくつか例をご紹介します。
乗車人数で選ぶ
車内が広いSUVは、荷物だけではなく、たくさんの「人」を乗せられます。
たとえば家族や友人など、車で出かけるときの人数を想定したとき、6人以上で乗る機会が多いのであれば、3列目シートを備えているSUVを選ぶと良いかもしれません。
アウトドアレジャーや車中泊で使うのであれば、高い走破性を備えながら荷室を広く使える5人乗りのミドルSUVが便利です。運転者本人のみや夫婦で使う場合には、コンパクトSUVや軽SUVが扱いやすいでしょう。
このように、普段乗車する人数を参考に好みのSUVを選ぶと、利用しているときのイメージが具体的にわいてきます。
用途で選ぶ
SUVを使う用途はアウトドアや買い物など、利用する人によってさまざまだと思います。
SUVはあらゆる形(モデル・構造)や大きさ(サイズ)があるため、用途に合った1台を選ぶことがとても大切です。
日常的に車に乗るのなら、まず周辺の道路事情を考えましょう。
細い道や路地を通行することが多いようなら、コンパクトSUVなどの車体が小さいモデルを選ぶと良いかもしれません。
また、家族や友人でキャンプに出かける機会が多いなら、荷台部分をたっぷり確保できるミドルサイズ以上のSUVを選ぶと良いかもしれません。
一方で、それほど頻繁に車には乗らないものの、SUVのデザインに惹かれて購入するという方も多いでしょう。あまり乗る機会が無いのであれば、ランニングコストを抑えるために、ハイブリッドなどの低燃費タイプのSUVを選ぶのもおすすめです。
予算で選ぶ
どんな車を購入するときにも、予算(お金)が必要です。
中でもSUVは車両本体価格がやや高い傾向にあり、ランニングコスト(維持費)もある程度まとまった費用が必要なため、購入後まで見据えた予算設計が大切です。
もしも車体価格を抑えたいなら、コンパクトSUVや軽SUVなど、車体が小さめのSUVを選ぶと良いでしょう。
また、最近は、ハイブリッドSUVやディーゼル・エンジンを搭載したSUVも登場しています。
車両価格は少し割高ですが、ランニングコストを下げることが期待できます。
ちなみにSUVはとても人気が高いため、中古車市場でもたくさん流通しています。新車での購入が予算オーバーとなるようであれば、中古車も視野に入れて検討すると良いでしょう。
積載量で選ぶ
レジャーやアウトドアが好きな方は、必要な道具をしっかりと積み込める空間があるSUVなのかをしっかり確認すると良いでしょう。
お子様がいらっしゃるご家庭などの場合も同様に、チャイルドシートや着替えなど、ちょっとした遠出でも必要な荷物がしっかりと積み込めるスペースがあるのか、把握しておくとよいでしょう。
安全性で選ぶ
レジャー好きな方や雪が積もる地域で暮らす方は、舗装されていない道路や雪道などでも安全に走行できるSUVなのか事前にチェックしておくとよいでしょう。
さらに、高速道路や坂道でストレスを感じない加速性能や、長時間の運転でも安定した走行が可能かなども意識して選ぶことをおすすめします。
可能であれば、購入する前に普段通りの意識で対象のSUVへ試乗し、乗り心地を確かめるのが一番です。
デザイン性で選ぶ
レジャーやアウトドアとは別に、「街乗り」を中心としたライフスタイルであれば、見た目やデザイン性で選ぶのも良いでしょう。
質感の良いシートなど、予算内で自分の好みに合った内装を選ぶのも楽しみもあります。
まとめ

かっこいいSUVへ乗りたい。でも、購入するための金銭的な余裕がないという方はカーリースもおすすめです。
カーリースは、頭金が不要で月額料金の支払いのみで、好みのSUVを利用できます。
まずは自分の年収や貯金額から、SUVを購入する予算があるのかを確認してみましょう。
購入する予算が足りない場合には、カーリースを利用して希望のSUVに乗ることを検討してみる、という方法もおすすめです。