タイヤの空気圧はどれくらい?空気圧を測る方法とタイミングを解説
タイヤ内の空気は、駐車しているだけでも自然に低下してしまうのは知っていましたか?
車のタイヤは乗り心地や走行性能などに影響するため、日頃から注意しておくことが大切です。
乗っている車両の適正な空気圧や設定について、正しく理解しておくことも重要になってくるでしょう。
そこで今回は、タイヤの空気圧を測る方法やタイミングについて、詳しく解説します。
関連記事:車のメンテナンス方法とは?長く使うための基本項目
INDEX
タイヤの空気圧を測るにはどうすればよい?
タイヤの空気圧は、ガソリンスタンドで測ることが可能です。
専用の空気入れを使用して空気圧を測り、同時に空気を補充します。
空気入れには持ち運びできるエアタンクタイプと据え置きタイプの2種類があるため、それぞれの使用方法について説明します。
関連記事:タイヤの空気圧を点検する意味は?適正ではない空気圧によるデメリットについて
エアタンクタイプの使用方法
エアバルブのキャップを外し、エアタンクからノズルを出してエアバルブに押し当てます。
ノズルの先端がきちんとはまっていないと正確に測れないため、注意が必要しましょう。
測定が進むと、エアタンクに現状の空気圧が表示されます。
空気を入れる場合は「+」を、空気を抜きたい場合は「-」を押して調整し、指定空気圧にします。
ノズルを外し、忘れずにキャップを付けて完了です。
据え置きタイプの使用方法
ホースが届く位置に車を移動します。
据え置きタイプは先に空気圧を設定するため、ダイヤルを回して指定空気圧に合わせます。
エアバルブのキャップを外し、ホースの先端を押し当てると、自動的に空気が注入され音が鳴ります。
設定した空気圧まで補充すると音が鳴りやむ、もしくはENDと表示されます。
ホースを外し、忘れずにキャップを付けて完了です。
タイヤの空気圧の確認方法とは?
空気圧の適正値は、タイヤの種類やサイズ、車種によって異なります。
従って、自動車メーカーが推奨している、車両指定空気圧の確認が必要です。
車両の指定空気圧は、運転席ドアの開口部などに貼られた空気圧ラベルや車両取扱書に記載されています。
なお、空気圧の単位は「kPa(キロパスカル)」や「kgf/cm2(キログラムフォース)」で表示されるのが一般的です。
ただし、社外品のタイヤを装着している場合は、自動車メーカーによる指定空気圧と異なる可能性があるため、タイヤ販売店などで別途確認する必要があります。
タイヤの空気圧の調整方法とは?
タイヤの空気圧は、正しく調整することが重要です。
こちらでは、調整する頻度や点検の注意点などについて説明します。
関連記事:中古車のタイヤは大丈夫?チェックポイントや交換の目安を紹介
空気圧を調整する頻度
車の使用頻度にかかわらず、タイヤ内の空気は徐々に低下するため、日常的に接地部のたわみ状態を見ておくことが重要です。
月に一度はエアゲージを使用して現状の空気圧を測定し、適正値になるよう調整しましょう。
なお、調整後のたわみ状態を把握しておくと、目視で確認する際の目安にできます。
走行性能を重視した低扁平タイヤはたわみにくい性質があるため、目視ではなくエアゲージを使用して調整することをおすすめします。
関連記事:車検に通るタイヤの溝は何mm?スリップサインについても紹介
空気圧を点検する際の注意点
空気圧の点検は、タイヤが冷えているときに行います。走行後はタイヤが熱を持ち、熱膨張でタイヤ内の空気圧が高くなっているため、正確な測定ができません。
点検を実施する際は、必ずタイヤが冷えていることを確認しましょう。
また、スペアタイヤやエアバルブの劣化、空気の漏れがないかもあわせてチェックしておくことがポイントです。
スペアタイヤはパンクなどしたときに応急処置として使用するため、空気圧の過不足がないようにしておくことが重要です。
エアバルブはゴム製のものが多く、経年劣化するため、状態に異常がないかを点検します。
空気漏れの確認は、エアバルブに洗剤やせっけんを溶かした水をかけ、泡ができるかできないかで空気の漏れを判断できます。
エアバルブの劣化や空気漏れを発見した際は、早期に対応することが大切です。
専門業者や自動車用品店などで詳しく点検してもらい、適切に対処しましょう。
関連記事:ブレーキパッドの寿命はどれくらい?交換時期と費用を紹介
タイヤの空気圧は高めがいいの?どれくらいに設定すればよいのか解説
空気圧が適正に設定されていないとタイヤ本来の性能を発揮できず、トラブル発生のリスクを高めます。
タイヤの空気圧は高めがよいのでしょうか?それとも低めがよいのでしょうか?
こちらでは、空気圧の過不足で起きる症状や、タイヤの空気圧がどれくらいの数値が適切なのかを説明します。
タイヤの空気圧の適切な数値
まず空気圧の設定は、自動車メーカーが推奨している指定空気圧の数値を下回らないことが重要です。
自然に空気が漏れることなどを考慮して、指定空気圧から20kPa程度上回るように設定するケースが多いようです。
感覚に頼って補充することは避け、指定空気圧から上限20kPa以内に収まるよう調整しましょう。
関連記事:タイヤの空気圧を点検する意味は?適正ではない空気圧によるデメリットについて
タイヤの空気圧が不足した時の症状
空気圧が不足すると接地面が広がり、抵抗が増します。
そうなると燃費が悪化するほか、ハンドルを取られやすくなり、操縦安定性を損なう恐れがあります。
また、タイヤの両端部分が摩耗するため、寿命が短くなるのも特徴です。
ホイールとの密着が弱くなることで空気漏れを起こしたり、高速走行時の発熱によってバーストしたりする危険性が高まります。
タイヤの空気圧が高い時の症状
空気圧が高すぎると、タイヤが張り詰めた状態になり、中央部分を極端に摩耗します。
両端部分の溝が残っていても使用できず、長く持ちません。
また、タイヤが正しい形となっていないため走行時に路面から受ける衝撃を緩和しにくくなり、乗り心地が悪化します。
それに加えて損傷を受けやすい状態であるため、バーストするリスクが高まります。
タイヤのトレッド部の接地面が小さくなることでグリップ力が低下し、ブレーキが利きにくくなるのも特徴です。
とくに雨などで濡れている路面では滑りやすく、事故につながる恐れがあります。
高速を走る時のタイヤの空気圧はどれくらいが適切か
結論、指定空気圧と同じぐらい、もしくは1割程度上回ることが多いようです。
昔は、指定空気圧よりも高めに設定した方が良いと言われることが多かった、みたいです。
しかし、タイヤ自体の耐久性も向上したため、走る道路と区別して空気圧を調整する必要も、少なくなってきました。
ただ高速道路では、タイヤの回転率が上がり、熱を持ち破裂しやすいのも事実です。
高速道路を走る際は、指定空気圧を下回ることはないように、気をつけましょう。
不安がある方は、指定空気圧よりも1割程度上回ると、安心できるかもしれませんね。
タイヤの空気圧点検の必要性
安全な運転を実現するためにも、タイヤの空気圧点検は、定期的に行いましょう。
空気圧を適正に保っていないと、以下のようなデメリットが生じます。
- 燃費が悪くなる
- ハンドルが取られたりなど、運転に支障をきたす
上記したように、指定空気圧から上限20kPa以内に収まるよう、タイヤの空気圧点検はこまめに行いましょう。
通常の空気と窒素ガスの違いとは?
タイヤに通常の空気の代わりに窒素ガスを入れることもあります。
こちらでは、窒素ガスを入れる理由や空気との違いについて紹介します。
酸素や二酸化炭素などで構成される空気と比べて、窒素ガスは物質を通り抜けにくい性質を持っています。
そのためタイヤ内から抜けにくく、空気圧の低下を抑制できるのが特徴です。
窒素ガスは水分を含まないため、タイヤの発熱で膨張することを抑え、内圧を一定に保つことが可能です。
激しい温度差でも内圧を保てる窒素ガスは、レーシングカーや航空機のタイヤに使われています。
また、酸素を含まないため難燃性が高く、不慮の事故が起きた際の安全面も考慮されています。
通常の空気に比べて窒素ガスは安定性が高いため、燃費のよい状態で走れるのも利点です。
しかし、取り扱っているガソリンスタンドの数が少ないことや、費用が高いといった面もあります。
空気に比べてタイヤ内から抜けにくいからといっても、メンテナンスが不要になるわけではありません。
トラブルが発生しないよう定期的な点検は必要です。
窒素ガスは、長距離を頻繁に走る人や気温差の大きい地域で乗る場合など、用途やシーンに応じて利用することをおすすめします。
まとめ
このページでは、タイヤの空気圧を測る方法や点検するタイミングについて紹介しました。
タイヤの空気圧は車の使用頻度にかかわらず自然に低下してしまうため、定期的な点検が重要です。
自動車メーカーが推奨する指定空気圧は、タイヤの種類やサイズ、車種によって異なります。
そのため、乗っている車両の空気圧ラベルや車両取扱書で適正値を把握しておくことが大切です。
日頃からタイヤに注意を払い、本来の性能を発揮できるよう月に一度は空気圧を測定して適切な状態を保ちましょう。