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諸星 陽一もろほし よういち

12年ぶりに三菱のピックアップトラック・トライトンが日本に導入される[MJ]

○文:諸星 陽一

2023年7月26日、三菱自動車工業はトライトンというピックアップトラックをタイの首都、バンコクで発表。来年初頭には日本へ導入されることもアナウンスされました。

トライトンとはどんなクルマで、どんな楽しみ方ができるクルマなのでしょうか?

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トライトンとは

三菱トライトン

トライトンは三菱のピックアップトラックです。

三菱のピックアップトラックは1978年に発売されたフォルテというモデルが最初になります。
三菱の代表的車種であったパジェロやデリカスターワゴンはこのフォルテをベースとして開発されています。

フォルテは1986年にフルモデルチェンジされストラーダに移行、ストラーダは1996年にフルモデルチェンジを受け2世代にわたって製造され2005年にトライトンにバトンを繋ぎます。

トライトンは2014年に1度目のフルモデルチェンジ、そして今年2023年に2度目のフルモデルチェンジを受けて3代目となりました。

トライトンという車名はアジアで使われているもので、オセアニア地区ではL200という車名が使われています。

日本ではダブルキャブが導入予定

三菱トライトン。写真:諸星陽一

新型トライトンには1列シートのシングルキャブ、1列シートながら後方に余裕を持たせ荷物の搭載やリクライニング量のアップが行われているクラブキャブ、2列シートのダブルキャブという、3種のボディタイプが用意されています。

三菱トライトン

ボディタイプごとにドアも異なり、シングルキャブはヒンジドアが左右1対、ダブルキャブはヒンジドアが左右2対、クラブキャブはヒンジドアの後ろに逆開きの小さなドアがあり観音開き状態になるドアを備えています。

この3種のボディのうち、日本への導入が予定されているのはダブルキャブと言われるタイプです。

三菱トライトン。写真:諸星陽一

ボディサイズ

三菱トライトン

ダブルキャブのボディサイズは、全長×全幅×全高が5320×1865×1795(mm)で、ホイールベース(前後車軸間距離)が3130mmとなります。

このサイズは日本で販売されているトヨタのピックアップトラック、ハイラックスとほぼ同一です。
ちなみにハイラックスもタイで生産されるモデルです。

エンジン

三菱トライトン

トライトンに用意されるエンジンは2.4リットルの4気筒ディーゼルエンジンだけで、仕様によって出力が異なります。

もっともパワフルなモデルは、新型ターボチャージャーと新たな燃焼方式を採用しており150kW/470Nmの最高出力/最大トルク。
135kW/430Nm仕様と110kW/330Nm仕様はVGターボチャージャーを採用しタービン容量の違いによって出力を調整しています。

駆動方式

三菱トライトン。写真:諸星陽一

駆動方式は4WDでシンプルなイージーセレクト4WDと、三菱が誇る高機能4WD方式であるスーパーセレクト4WD-IIの2種が用意されます。

スーパーセレクト4WDは先代のトライトンにも搭載されていましたが、日本のみなさんにはパジェロに採用されていた4WDシステムといったほうが馴染みがあるでしょう。

スーパーセレクト4WDは、後輪駆動(2H)、前後トルク配分を自動調整する4WD(4H)、前後トルク配分をロックする4WD(4LHc)、前後トルク配分をロックしつつ減速比を下げる4WD(4LHc)の4モードを選べます。

アウトドアレジャーの流行

三菱トライトン。写真:諸星陽一

1980年代、日本でもピックアップトラックが流行したことがあります。このときに同時に流行っていたのがアウトドアレジャーです。

ピックアップトラックに自由に荷物を積んで、キャンプなどに出かけるといったスタイルで楽しむ人達が多く見られました。
そうしたなかでも、水上バイクやモトクロッサーなどを荷台に積んで遊びに行く姿はアウトドア派のあこがれでもありました。

三菱トライトン。写真:諸星陽一

現代だとマウンテンバイクなどもそうしたアウトドアアイテムのなかに含まれるので、ピックアップトラックの可能性はさらに広がっています。

ピックアップトラックの可能性

ピックアップトラックはタイをはじめとする東南アジアやオセアニア地区、アメリカなどでは今も人気が高く、ピックアップトラックを対象としたさまざまなアイテムも用意されています。

三菱トライトン。写真:諸星陽一

たとえば、荷台をすっぽりとカバーしてしまうトノカバーと呼ばれる用品を使うと、巨大なトランクルームを備えるセダンのようなスタイルになりますし、荷台を利用したテントなども人気です。
さらにシェルと呼ばれる荷台に高さのあるカバーをドッキングさせてSUVのようなスタイルに仕上げるアイテムもあります。

こうしたアイテムは1980年代のブームのときも存在していたのですが、当時は専門店で購入するのが一般的、個人輸入には大きな壁がありました。

しかし現在はネット販売などを利用することで、こうしたアイテムも簡単に手に入れることができます。
そしてそれらのアイテムは進化して使いやすいものになっているので、より一層楽しむことができるようになっています。

クロスカントリー4WD

また、クロスカントリー性能の高さも大きな魅力です。
かつては日本にも多くのクロスカントリー4WDモデルが存在しましたが、今はそうしたモデルがかなり少なくなってしまいました。

三菱トライトン

しかし、トライトンは前述のように高性能の4WDシステムを備えるモデルという部分もヒットを予想させます。

パジェロなき今、スーパーセレクト4WDを搭載するモデルとして、クロカンファンが飛びつきそうな要素満載のモデルです。

三菱のクロスカントリー4WDモデルとしての要素をふんだんにつぎ込んだトライトンの登場まで半年あまり、日本のクロカンファンもかなりの期待を持って待ち焦がれていることでしょう。

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この記事を書いた人

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諸星 陽一もろほし よういち

モーター・フォト・ジャーナリスト。東京生まれ、東京育ち。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ボッシュ認定CDRアナリスト。

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