車で事故を起こしてしまったときの修理代は100万円を超えるのか?
車で事故に遭った際に、修理して乗り続けるべきか、乗り換えるべきか判断に困る場合があります。
事故車両の修理代が100万円を超えるような場合はなおさらです。
この記事では、事故車両の修理費用の相場や修理費用が高額だった場合の対処法を紹介します。
また、保険利用時の注意点についても解説していきます。
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事故に遭ってしまったらどうすればいい?
事故に遭ったときは焦ってしまいますが、落ち着いて対応することが大切です。
以下で、どのような対応をすればよいのか手順を紹介していきます。
警察と保険会社に連絡する
事故に遭ってしまったときは、まず警察に連絡しましょう。
警察に連絡したあとは、自分が加入している保険会社に連絡することも大切です。
警察や保険会社に連絡することなく当事者だけで解決することは避けましょう。
警察や保険会社を介入させない場合、適切でない賠償金額を請求されるなどのトラブルにつながる恐れがあります。
現場検証
警察が到着すると、現場検証や事情聴取が行われます。
ドライブレコーダーの映像を確認したり、当事者の話を聞いたりして事故の状況を整理します。
警察がまとめた資料をもとに保険会社が過失割合を決定するため、事故状況に間違いがないようにしっかり状況説明を行いましょう。
示談交渉
過失割合が決定したあとに示談交渉が行われます。
示談交渉は、裁判所を通さずに当事者間で賠償金額などを決定する話し合いです。
任意保険に加入している場合は、保険会社が代わりに交渉してくれる場合もあります。
関連記事:車の修理は「ディーラー」に依頼すべき?修理先の特徴をそれぞれ解説します!
修理する場合の費用について
事故車両の修理代の相場は、修理するパーツや損傷具合によって異なります。
損傷が大きい場合、修理費が100万円を超えることがあります。
パーツごとの修理費の目安は下表のとおりです。
修理するパーツ | 修理代の目安 |
バンパー | 数万円~20万円 |
ドア | 2万円~10万円 |
エンジン | 50万円~70万円 |
フレーム | 10万円~100万円 |
バンパーやドアは大きな損傷でなければ数万円で修理できます。
しかし、エンジンやフレームなど車の走行性能にかかわるパーツは、修理代が高額になる傾向があります。
エンジンが損傷した場合は交換するケースが多く、修理代は50〜70万円と高額になります。
フレームは、大きな損傷の場合、100万円程度かかる可能性もあります。
このように、修理代はパーツや損傷具合によって大きく変動するため、車の状況に合わせて修理するか、廃車または買い替えを検討しましょう。
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修理代が100万円を超える場合の事故の判断基準
修理代が100万円を超える場合、修理または廃車のどちらにするべきなのでしょうか。
ここでは、判断するポイントを3つご紹介していきます。
エンジンやフレームは修理代が高額になる
エンジンやフレームなど走行に影響を与える部位が損傷した場合は、廃車をおすすめします。
特にフレームは、事故によりひずみが生じるとまっすぐ走行できなくなったり車体がふらついたりするため、危険です。
大きく損傷している場合、修理代が高額になるだけでなく、修理したとしても安全な走行に影響が出る可能性があるため、廃車にする方がよいでしょう。
車の年式が古い場合は保険の上限額が低い
年式が古い車で事故に遭ってしまった場合も、修理するより廃車にすることをおすすめします。
事故にあったときに補償される保険金額は、車の時価を上限額として設定されます。
そのため、新しい車であれば修理に必要な費用が補償されます。
しかし、年式が古い車の場合、車の価値が下がっているため、補償される保険金額の上限額が低く、十分な補償を受けられない場合があります。
すなわち、修理代の多くを自身で支払う必要が生じるため、大きな負担となってしまうのです。
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修理する場合と車を乗り換える場合の費用の比較
次に、事故車両を「修理する場合」「乗り換える場合」「廃車にする場合」の費用相場について解説していきます。
修理する場合
修理する場合は、パーツや損傷具合によって費用が異なります。
バンパーやドアは数万円~20万円ですが、エンジンやフレームの場合は50~100万円と、修理代が高額になる傾向があります。
乗り換える場合
車を乗り換える場合は、補償される保険金額によって自己負担額が変わります。
保険金額は、車の時価に応じて決められるため、十分な金額を補償されない可能性もあります。
その場合、新車購入のための費用の多くは自身で負担しなければなりません。
車の損傷が大きい場合のために、加入している自動車保険に新車相当額を補償してくれる「車両新価特約」などを付けておくと、自己負担額を抑えて新しい車を購入できます。
保険内容を見直す際に特約の付帯も検討するとよいでしょう。
廃車にする場合
廃車にする場合は、「ディーラーに依頼する」「自分で手続きする」「買取業者に引き取ってもらう」の3通りの方法から、いずれかを選択します。
ディーラーに依頼すれば、手続きやレッカー手配などをすべて代行してもらえますが、5〜8万円の費用がかかります。
自分で廃車の手続きをする場合は、書類の準備や車両の運搬などの手間はかかりますが、費用が2~5万円と業者に依頼するよりも安く済みます。
買取業者に依頼すると、無料で引き取ってもらえる場合もあります。
廃車に予算をかけたくない人は、買取業者に依頼することをおすすめします。
保険に関する注意点について
事故が起きた際に保険を利用する人も多いでしょう。
保険を利用する上で注意すべき点がいくつかあります。
ここでは、保険を利用するときの注意点を2つ紹介します。
保険を利用すると保険料が上がる
自動車保険は、1年間無事故でいると「等級」が1つ上がります。
等級が上がると保険料の割引率が高くなり、月々の負担が軽減される仕組みです。
一方、事故に遭って保険を利用した場合は等級が下がります。
等級が下がると割引率も下がり、保険料が高くなるため、注意が必要です。
ですから、事故の際に安易に保険を使うのではなく、受け取れる保険金額と自分が負担できる金額を比較して、保険を使うべきかを判断しましょう。
被害事故のときは自分で手続きが必要
自分に過失がない被害事故の場合、相手が加入している自動車保険から保険金額が支払われます。
そのため、自分が加入している保険会社は介入せず、自分で損害賠償請求の手続きを行わなければなりません。
この際に、自分が加入している保険のプランに「弁護士特約」を付けておくと弁護士費用を負担することなく、手続きを代行してもらえます。
保険内容を見直す際は、弁護士特約の付帯も検討するとよいでしょう。
関連記事:中古車購入後はどのような任意保険に入ればよいのか?
修理に出すまでの流れ
事故車両を修理する際は、どうしたらよいでしょうか。
ここでは、事故車両を修理に出すまでの流れを紹介します。
修理工場に依頼
自動車修理工場へ車を運び、修理を依頼します。
保険会社が提携している修理工場がある場合は、指定の修理工場に修理を依頼します。
自走できる場合は自分で運転して車を修理工場に持ち込みます。
自走できない場合はレッカー車などで運搬します。
修理費の決定
修理工場の担当者に車の状態を確認してもらい、見積もりを出してもらいます。
見積もり金額をもとに、保険会社と修理工場が話し合い、正式な修理費を決定します。
必ずしも修理費の全額が保険会社から補償されるわけではないことは覚えておきましょう。
まとめ
事故に遭ったときの車の修理代は、修理するパーツや損傷具合によって異なります。
走行に大きく影響するエンジンやフレームなどを修理する場合は、50~100万円と費用が高額になる傾向があります。
保険を利用すると補償を受けられるものの、等級が下がって保険料が上がるため、自身で修理費を負担できる場合は、安易に保険を利用しない方がよいでしょう。
事故車両を「修理する」「乗り換える」「廃車にする」からどれを選択するかは、修理費や保険金額、新車購入にかかる金額などを比較して決めるのがポイントです。
しっかり比較検討して、損をしない選択をしましょう。