車にできたガリ傷は自分で修理できるのか?
毎日のように車を運転していると、ふいに車をこすってしまった時についてしまう傷が「ガリ傷」です。
ガリ傷は何かしらと接触し、ガリっと傷がついてしまうことからガリ傷と呼ばれます。ガリ傷は軽微な損傷と考えられがちですが、場所や傷に程度によっては車体に甚大なダメージを与える危険性があります。
この記事では、車にガリ傷ができる原因と自分で修理するメリット・デメリット、修理方法について紹介します。
INDEX
車にガリ傷ができる原因とは?
ここでは、車にガリ傷ができる主な原因を紹介します。
曲がり角のブロック塀や電柱
路地の角を曲がるとき、ブロック塀や電柱があると内輪差の関係で車体後方をぶつけてしまうことがあります。もし一度で曲がり切れない場合は、切り返して車体位置を修正しながらぶつからないように慎重に曲がりましょう。
また、ブロック塀や電柱のほかにも植栽や交通標識、カーブミラー、ゴミ箱などがよくぶつかるものとして挙げられます。特に横幅が広い車の場合、これらの障害物に気をつけて運転しましょう。
駐車場や歩道に乗り上げるときの段差
店舗の駐車場は歩道を挟んだ先にあることが多く、道路と歩道の段差を超える必要があります。
スポーツカーや車高調整式サスペンションを装着している車は、車の底面をこすったり、駐車場入り口以外に設置される縁石にドア下部やスポイラーをこすってしまうことがあります。
車高調整式サスペンションがエアサスペンションの場合であれば、位置を高く設定してから歩道に乗り入れましょう。サスペンションが固定式であれば、ジグザグに一輪ずつ乗り上げると底面をこするリスクが減ります。
駐車場の車止め
多くの駐車場には車止めが設置してあります。そこにタイヤを当てて停車する人も多いと思いますが、このときにバンパーやエアロパーツをこすることがあります。駐車の際には車止めの高さにも注意しましょう。
立体駐車場の坂道
立体駐車場の構造により坂道を運転しますが、坂道の勾配率によっては平面から坂道の入り口でフロントバンパーの下部をこすることがあります。こすってしまうかどうかを事前に判断することは難しいため、坂道に入る際には減速して走行するよう心掛けましょう。
山道や林道脇の木々の枝
山道や林道においては、道路脇の木の枝が道路まで伸びている場合があります。
国道や県道であれば各管理団体が枝の剪定をしていますが、森の中のキャンプ場などに続く私道などでは剪定されていない場合があるため、道路脇の植物には注意して走行しましょう。
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ガリ傷を放置するとどうなる?
ここでは、できてしまったガリ傷を放置しているとどうなるのかを紹介します。
バンパー
バンパーは主に樹脂製で、軽いガリ傷であれば放置しても見た目以外の問題はありません。
しかしバンパーが割れるほどのガリ傷ならば交換修理が必要です。
また、バンパーは外部からの衝撃を吸収し、車体を保護する役目があります。バンパーが割れていると十分に保護できない可能性があるため、割れるほど深い傷であれば早めに修理を依頼しましょう。
ドア
ドアの骨組み部分は鋼材、外装部分には樹脂や鋼材が主に使われています。
外装部分が樹脂の場合、軽いガリ傷を放置していても見た目以外に大きな問題はありません。
しかし、傷が深い場合はドア内部のメカニズム保護のため、交換修理が必要でしょう。
また、ドアの外装部が鋼材の場合、軽いガリ傷であれば見た目以外にさほど問題はありません。
しかし塗装下の鋼材が見えるほどの深いガリ傷だと、そこから塗装はがれやサビの発生が懸念されるため、早急に修理に出しましょう。
また、車の側面や底面もガリ傷を放置していると、塗装がはがれている部分からサビが発生してしまうため、傷の深さに関わらず早めに修理した方が安心です。
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軽いガリ傷なら自分で修理できる?
ガリ傷がついた部位や深さ、範囲にもよりますが、塗装面が痛んだ程度の軽いガリ傷ならば自分で直すことができます。ただし、バンパーなど樹脂製パーツが割れて鋼材が見えるような深いガリ傷は専門業者へ修理に出しましょう。
塗装に傷がついた程度の軽いガリ傷ならば、コンパウンド(研磨剤)でガリ傷とその周囲を磨くことで目立たなくすることができます。このやり方であれば、バンパーとボディのどちらも基本的には補修できます。
以下では、簡単に修理手順を紹介していきます。
ガリ傷跡の清掃
コンパウンドで磨く前にガリ傷を清掃します。
これは、ガリ傷に異物が残っていると研磨で傷がさらに大きくなるためです。
細目のコンパウンドで磨く
細目のコンパウンドを乾いたスポンジに少量を取って、ガリ傷を磨きます。
キュッキュと音がすればうまくできている証拠です。ガリ傷が目立たなくなるまで磨き、磨きカスを拭き取ります。
極細のコンパウンドで磨く
仕上げに極細のコンパウンドで磨きます。2.で使ったものとは別のスポンジに少量を取って、先の工程で曇った塗装がクリアになるまで磨きます。
ツヤ出し用のコンパウンドで磨く
最後にツヤ出し用のコンパウンドで磨きます。新しいスポンジに少量を取って磨き、ガリ傷跡のツヤを出します。
これらを行った後、ワックスがけやコーティングを行えば補修完了です。
車のガリ傷を自分で修理するメリットとデメリットについて
浅いガリ傷を自分で修理した場合のメリットとデメリットについて紹介します。
自分で修理するメリット
自分で修理するメリットは安価で済ませることできる点です。
業者に修理を依頼した場合、小さな傷でも1万円以上する場合があります。
自分で修理ができるのであれば、補修費用は道具をそろえる分だけで済むため、大幅に節約することができるでしょう。
自分で修理するデメリット
自分で修理するデメリットは、きれいに仕上がるか分からないことと、自分で作業する分労力と時間が必要になることです。
必要な道具をそろえて補修をしても、周囲との色合わせが十分でなければ素人が行った補修跡として目立ってしまいます。さらに直し後が残った場合、下取り査定の価格にも影響が出てしまいます。
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深いガリ傷は業者に修理の相談をしよう
バンパーの下地や車体の鋼材が露出するほどの深いガリ傷を負った場合は、素直に業者に修理に出した方が無難でしょう。
ここでは、依頼できる業者の種類と修理を依頼した場合の修理代の相場について紹介します。
深いガリ傷の修理業者
深いガリ傷の修理を相談できる業者としては、新車ディーラー、自動車板金工場、自動車用品販売店、ガソリンスタンド、車検業者が挙げられます。
業者は基本的には自社工場で修理しますが、新車ディーラーの中には自動車板金工場に委託している場合があるため、事前に電話で持ち込み先を確認しておきましょう。
修理代金の相場
ガリ傷の修理代金は、傷の大きさや範囲によって異なります。また地域や依頼する業者によっても相場が異なるため、以下に目安料金の表を掲載しますが、あくまで目安としてご確認ください。
また、修理費用の高低だけでなく、サービスとして納得感のある業者を選ぶことも大切です。
バンパー | ボディ | |
新車ディーラー | 25,000円〜 | 35,000円〜 |
自動車板金工場 | 7,000円〜 | 20,000円〜 |
自動車用品販売店 | 20,000円〜 | 30,000円〜 |
ガソリンスタンド | 18,000円〜 | 28,000円〜 |
車検業者 | 25,000円〜 |
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まとめ
塗装に傷がついた程度の浅いガリ傷であれば、コンパウンドで磨くと目立たなくなるケースがあります。しかし、バンパーの下地や車体の鋼材が露出した場合だと修理難易度は高くなります。特に車体は適切な処置をしないとサビが発生する原因になります。
深いガリ傷がついてしまった場合、まずは修理業者に相談してみましょう。プロに見せることで下地と思っていた部分が、接触物の色落ちだったという例もあります。
自分で対処できる場合であればDIYで、対処が難しいと感じたら修理業者に依頼し、いずれの場合においても早期に修理しておくことが被害を最小限に抑えるポイントであることを覚えておきましょう。