カーリースの飲酒運転を撲滅!業務で使用する際のアルコール検査が義務化
近年では、業務で車を運転する場合、運転する前と後に2回のアルコール検査がドライバーに義務付けられました。
カーリース車を業務に使用する場合、車の名義はリース会社であるものの、台数によってはアルコール検査の義務の対象となるので注意が必要です。
この記事では、カーリースを業務で使用するときのアルコール検査の義務化について解説します。
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カーリースで飲酒運転もしくは事故を起こした場合
カーリースは月額料金を支払うことで、車を借りられるサービスです。
契約期間中は、あくまでも車を借りている状態であるため、カーリース車で飲酒運転により事故を起こすと、道路交通法で罰せられるうえに、リース契約にも影響を与えるでしょう。
ここでは、カーリース車で飲酒運転により事故を起こすとどうなるのかを解説します。
道路交通法により罰せられる
飲酒運転は、人を巻き込む重大事故を発生させる恐れがあることから、道路交通法で厳しく罰せられます。
アルコールの影響で正常な運転ができない状態であるにもかかわらず運転を行った「酒酔い運転」の場合は、基礎点数35点で免許が取り消されるうえ、3年間は運転免許を再取得できなくなります。
呼気のアルコール濃度0.15mg/l 以上 0.25mg/l 未満の場合は、基礎点数13点で、90日間の免許停止処分となります。
アルコール濃度0.25mg/l 以上の場合は、免許が取り消されるうえ、2年間は運転免許を再取得できなくなります。
また、酒酔い運転をした人に対して5年以下の懲役または100万円以下の罰金が、酒気帯び運転をした人に対して3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
修理して走行できるのであれば修理する
カーリース車で事故を起こした場合、その車を修理して運転できるのであれば、契約に影響はなく修理後に使用し続けられます。
カーリースでは契約満了時に原状回復した状態で車を返却しなければならないため、修理は必ずしなければなりません。
全損した場合は契約解除となる
車が事故により全損してしまった場合は契約解除となり、違約金が発生します。
違約金は、カーリース会社によって異なりますが、基本的に残りの契約期間分の利用料金や契約解除の事務手数料などをあわせた金額のお支払いが必要となります。
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アルコール検査の義務化について
2022年4月からは、トラックなどで荷物を運ぶ運送業やバス、タクシーなどの旅客運送業でない事業者に対しても、運転前後のアルコール検査が義務化されました。
検査の義務化の対象となる企業は、目視またはアルコール検知器を用いて、運転する前と後あわせて2回の検査を行い、検査の結果を記録して1年間は保存しなければなりません。
2023年12月からはアルコール検知器による検査が義務化されるため、対象となる企業は検知器を常備し、いつでも使用できる状態にしなければなりません。
使用するアルコール検知器に推奨品はなく、呼気のアルコールを検知でき、数値で濃度を表示したり、音でアルコールの有無を知らせたりする機能がついたものであれば、どのようなアルコール検知器でもよいとされています。
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アルコール検査の義務化の対象
アルコール検査の義務化の対象となる事業者は、車の保有台数によって決まります。対象となった事業者は、安全運転管理者を選任して適切に検査を行わなければなりません。ここでは、対象となる事業者を詳しく解説します。
乗車定員が11人以上の車を1台以上保有
乗車定員が11人以上の車を1台以上保持する事業者は、運転の前後あわせて2回のアルコール検査を行わなければなりません。
車を5台以上保有
乗車定員が11人以上の車を1台も保有していなくても、そのほかの車を5台以上保有している場合は、安全運転管理者を選任し、アルコール検査を行わなければなりません。
本店と支店がある場合は車の台数を合計せず、それぞれの店舗ごとに算定します。
たとえば、本店で4台、支店で4台の車を保有している場合は対象になりません。
また、自動二輪車は1台を0.5台とするため、オートバイしか保有していない事業者も台数によって対象となるため注意が必要です。
白ナンバー車を2台保有し、オートバイを6台保有している場合も5台以上保有しているということになるため、検査の義務化の対象となります。
アルコール検査の方法
アルコール検査は、ドライバーが運転する前と運転した後の2回行う必要があります。
検査方法には目視またはアルコール検知器を用いた方法がありますが、2023年12月からはアルコール検知器を用いた検査が義務化された点を押さえておきましょう。
それぞれの検査方法について詳しく解説します。
目視によるアルコール検査方法
目視によるアルコール検査は、資格要件に沿って適切に選任された安全運転管理者または副安全運転管理者によって行われます。
誰でも検査を実施できるわけではありません。
目視による検査では、原則対面で以下の3つのポイントを確認します。
・視覚情報:ドライバーの顔が赤くなっていないか
・嗅覚情報:呼気からアルコール臭がしないか
・聴覚情報:応答の状態に問題がないか
アルコール臭の確認だけでなく、視覚、嗅覚、聴覚の3つの角度からアルコールの有無を判断します。
3つのポイントすべてが問題なければ運転が可能です。
アルコール検知器を用いた検査方法
2023年12月からはアルコール検知器を用いた検査が義務化されました。
アルコール検知器とは、息を吹きかけるだけですばやくアルコールの有無を判断できる機器です。
体内に残っているアルコール濃度が数値で表示されます。
目視では判断できない微量のアルコールも検知できるため、徹底した検査が可能です。
アルコール検知器には機器本体に息を吹きかけるものや、ストローまたはマウスピースを使って息を吹き込むものなどさまざまな種類があります。
呼気のアルコールを検知でき、数値でアルコール濃度を表示したり、音でアルコールの有無を知らせたりする機能がついたものであれば、計測方法などはどのような検知器でも問題ありません。
安全運転管理者または副安全運転管理者にアルコール検知器の正しい使い方を聞き、正確に測定しましょう。
検査結果の記録方法
アルコール検査の結果は、記録して管理することが義務付けられています。
様式は指定されていませんが、以下の項目について記録しましょう。
・検査日
・検査担当者の氏名
・検査を受けたドライバーの氏名
・ドライバーが運転する自動車登録番号や記号
・検査方法
・アルコールの有無
上記項目に加え、直行直帰の業務などにより対面でアルコール検査ができなかった場合は、具体的にどうやってアルコールの有無を確認したのかを備考欄に記載しておく必要があります。
安全運転管理協会からアルコール検査結果の記録様式が配布されているため、うまく活用してしっかり記録しましょう。
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まとめ
カーリース車を業務で使用して飲酒運転による事故を起こした場合、道路交通法で罰せられるうえに修理費や違約金などが発生する可能性があります。
飲酒運転は人を巻き込む重大事故を発生させる恐れがあるため、2023年12月からアルコール検知器による検査が義務化されます。
カーリース車であっても業務で使用すれば事業者が保有する車の台数にカウントされるため、台数によってアルコール検査の義務化の対象となります。
対象となる企業のドライバーは、運転の前後あわせて2回はアルコール検知器を使用して検査を行う必要があります。
法律や規則を把握して、適切な検査を行い、飲酒運転を撲滅しましょう。