e-POWERの寿命はどれくらい?メリット・デメリットや寿命を延ばす方法などを解説
日産が製造・販売するセレナe-POWERやノートe-POWERなどに搭載されている「e-POWER」は、日産が開発したハイブリッドシステムです。
e-POWERの寿命はどのくらいなのか気になる人もいるのではないでしょうか。
特にe-POWERが搭載されている中古車の購入を検討している人にとっては、選ぶ項目の一つになるかもしれません。
この記事では、e-POWERの寿命や寿命を延ばす方法を解説していきます。
また、e-POWERのメリット・デメリットについても解説しているため、参考にしてください。
関連記事:オイル交換の基礎知識|エレメントとフィルターの違いや交換方法を解説
INDEX
e-POWERの概要・搭載車
ここでは、e-POWERの概要やe-POWER搭載車について解説していきます。
e-POWERの概要
e-POWERとは、日産が開発した電動パワートレインです。
一般的なハイブリッド車は、エンジンとモーターを組み合わせて走行するのに対し、e-POWERはモーターのみで走行します。
エンジンは発電専用で使用されるため、電気自動車のような静かで快適な走りを実現できるのが特徴です。
e-POWERの搭載車
e-POWERは、駆動用モーターと発電用エンジンの組み合わせを変更することで、コンパクトカーからミニバンやSUVまでの幅広い車種でレスポンスの速い静かな走りを実現します。
2023年5月時点でe-POWERが搭載されている車は以下の5車です。
・ノート
・ノート オーラ
・エクストレイル
・キックス
・セレナ
e-POWERの寿命はどれくらい?
e-POWERに使用されているリチウムイオンバッテリーは寿命が長く、基本的に交換不要です。
充電や放電を繰り返すことによって劣化していくものの、60%から75%程度充電して使っているため、バッテリーへの負荷が少なく、長期間使用できます。
リチウムイオンバッテリーは基本的に交換が必要ないものの、パワートレインは5年または10万キロ走行のメーカー保証期間が設けられています。
しかし、5年または10万キロ走行に達する時期は車自体も劣化しているため、車の乗り換えを検討する人も多いでしょう。
e-POWERのメリットとは
ここでは、e-POWERのメリットを3つご紹介します。
走行性能が優れている
e-POWERは、すぐに最大トルクを発揮できるモーターによって走行するため、アクセルを踏むと同時にスムーズな加速が可能です。
また、路面状況に合わせて最適なトルクに自動調整されるため、路面を選ばずに快適な走りを楽しめます。
ほかにもアクセルを緩めると自然に減速するため、アクセルとブレーキペダルをこまめに踏みかえる必要がなく、長時間運転しても疲れにくいでしょう。
燃費性能が優れている
e-POWERは、モーターのみで走行し、発電が必要なときのみエンジンを稼働させます。
そのため、発電時以外エンジンは稼働しません。
これにより、無駄な燃料の消費を防ぐことが可能です。
また、ブレーキをかけるときに発生するエネルギーを電気エネルギーへと変換する回生ブレーキが搭載されているため、さらなる低燃費を実現します。
e-POWER搭載車のカタログ燃費は以下の通りです。
ノート:X/2WD
WLTCモード(km/L) | 28.4 |
市街地(km/L) | 28.0 |
郊外(km/L) | 30.7 |
高速道路(km/L) | 27.2 |
ノート オーラ:G/2WD
WLTCモード(km/L) | 27.2 |
市街地(km/L) | 26.9 |
郊外(km/L) | 29.6 |
高速道路(km/L) | 25.9 |
エクストレイル:S/2WD
WLTCモード(km/L) | 19.7 |
市街地(km/L) | 17.3 |
郊外(km/L) | 21.7 |
高速道路(km/L) | 19.7 |
キックス:X/2WD
WLTCモード(km/L) | 23.0 |
市街地(km/L) | 23.2 |
郊外(km/L) | 25.3 |
高速道路(km/L) | 21.6 |
セレナ:e-POWER X/2WD
WLTCモード(km/L) | 20.6 |
市街地(km/L) | 21.3 |
郊外(km/L) | 22.5 |
高速道路(km/L) | 19.2 |
静粛性が高い
e-POWERは、発電時のみエンジンを使用するため、100%モーターによって走行します。
これにより、静かな車内空間を実現でき、ドライブ中の会話が楽しめるでしょう。
また、発電が必要なときにはエンジンが稼働するものの、ロードノイズが大きい状況を選んで稼働するといったエンジン音がロードノイズに紛れ込むように工夫されています。
e-POWERのデメリットとは
e-POWER搭載車には、さまざまなメリットがあるものの、デメリットもあります。
ここでは、e-POWERのデメリットを3つご紹介します。
高速道路では低燃費の効果が発揮しない
ガソリン車は高速走行を得意な速度域としており、市街地よりも高速道路を走行するときのほうが燃費はよくなります。
一方、モーターで走行するe-POWERの場合は高速域で駆動効率が低下するため、エンジンによる発電が必要となり、燃料を消費しやすくなってしまいます。
また、高速道路では空気抵抗も大きくなるため、より多くのエネルギーが必要です。
そのため、常にエンジンを稼働させて発電する必要があります。
エンジン音が大きく感じる可能性がある
e-POWER搭載車は、電力の減少に応じてエンジンを稼働させます。
エンジンが稼働するタイミングを選べるわけではないため、意図しないタイミングでエンジン音が発生することから、エンジン音をうるさいと感じる場合があります。
また、普段モーターのみで走行しており静粛性が高いため、エンジン音を余計に大きく感じてしまう人もいるでしょう。
e-POWERの寿命を延ばす方法とは?
e-POWERは寿命が短いわけではないものの、使用状況によっては寿命が短くなってしまう可能性があります。
ここでは、寿命を延ばす方法を3つ紹介します。
ポイントを押さえて長く大切に乗り続けましょう。
エンジンオイルの交換を定期的にする
e-POWERは、走行状況に応じてエンジンを稼働させたり停止させたりします。
この動作の繰り返しは普通のガソリン車よりもエンジンに負担がかかり、エンジンオイルの劣化も早まります。
そのため、普通のガソリン車よりもエンジンオイルの交換時期に気をつけなければなりません。
日産が推奨するe-POWERのオイル交換時期の目安は以下の通りです。
通常使用 | 1年/15,000km |
シビアコンディション | 6ヶ月/7,500km |
このようにエンジンオイル交換時期の目安はありますが、車の使用状況によって交換時期が異なるため、目安よりも早い時期に交換を実施するのがおすすめです。
定期的に乗車する
e-POWER搭載車は、長期間乗らずに放置していると少しずつ放電します。
そのため、2~3ヶ月に1度、30分程度運転しましょう。
放置したままにすると、リチウムイオンバッテリーがダメージを受けてしまい故障する恐れがあります。
まとめ
この記事では、e-POWERの寿命や寿命を延ばす方法、e-POWERのメリット・デメリットについて解説しました。
e-POWERは、エンジンを発電専用として使い、モーターのみで車を動かす日産独自のハイブリッドシステムです。
走行性能や燃費性能の高さ、優れた静粛性などのメリットがあります。
しかし、高速道路では低燃費の効果がでにくかったり、静粛性が高いばかりに発電用エンジンが稼働した際にうるさいと感じてしまったりなどデメリットもあります。
e-POWER搭載車に使用されているリチウムイオンバッテリーは耐久性が高く、基本的には交換を必要としません。
万が一故障して交換が必要となった場合でも、新車登録から5年以内もしくは走行距離が10万キロ以内であれば、メーカー保証が適用され、無料での交換が可能です。
エンジンオイルを定期的に交換し、放置しすぎないといった対策によって寿命を延ばしながら、大切に乗り続けましょう。
関連記事:オイル交換の基礎知識|エレメントとフィルターの違いや交換方法を解説