車のバックミラーの役割や種類、バックミラーモニターについてご紹介
車を運転するとき、運転者は前方だけでなく後方の安全も確認しなければなりません。
後方の状況を確認する際に役立つのがバックミラーです。
バックミラーには、ルームミラーやドアミラーなどいくつかの種類があります。
バックミラーの種類によって見える範囲が異なるため、特徴を把握して使い分ける必要があります。
この記事では、車のバックミラーの役割や種類についてご紹介します。
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INDEX
バックミラーとは
バックミラーとは何か、役割や必要性を解説します。
バックミラーの役割
バックミラーとは、車の運転者が後方を確認するための鏡です。
前席の中央に設置されたルームミラーや、サイドミラーとも呼ばれるドアに設置されたドアミラーなどが、バックミラーに該当します。
車の運転では、前方だけでなく後方の安全も確認しなければなりません。
たとえば、車線変更をするとき後方から車が来ていないか、駐車時に後方に人や障害物がないかなど、後方の安全確認が欠かせないシーンは多いです。
バックミラーがなければ、運転者は振り返って後方を確認しなければなりません。
安全運転をするためには、前方・後方どちらも確認しながら運転する必要がありますが、毎回振り返って後方を確認するのは危険です。
バックミラーがあれば少ない視線の移動で後方を確認できるため、運転者の負担を軽減できます。
このように、バックミラーは安全運転のサポートをする役割があります。
バックミラーがなくても車検に通るのか
バックミラーは法的用語で後写鏡と呼ばれており、道路運送車両にある保安基準第44条において「自動車には後写鏡を備えなければならない」と定められています。
そのため、基本的にはバックミラーがなければ車検に通りません。
また、道路運送車両の保安基準には、バックミラーの設置基準も定められています。
「走行中の振動で後方を写し出す機能が損なわれないよう取り付けられていること」と「運転者が運転席において左右の外側線上後方50m以内の車両の状況を確認できること」などが設置条件となっています。
さらに、以下のような設置基準も定められています。
- 簡単に角度を調整でき、一定の角度を保持できること
- サイドミラーなどの車外に設置したミラーは、歩行者と接触したときに衝撃を和らげられる構造であること
- ルームミラーなど車内に設置したミラーは、衝突事故のときに乗車している人の頭部に傷害を与える恐れがない構造であること
- 鏡面にひずみや曇り、ひび割れがないこと
このように設置基準が法律で定められているため、バックミラーがなければ車検には通りません。
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バックミラーの種類
バックミラーには車内にあるルームミラーや、車外にあるドアミラーなどが含まれます。
ここでは、バックミラー4種類とそれぞれの特徴を解説します。
ミラーによって確認できる範囲が異なるため、それぞれの特徴を理解して適切に使い分けることがポイントです。
ドアミラー
ドアミラーは、運転席と助手席それぞれのドアの外側に設置されたミラーです。
サイドミラーとも呼ばれます。車線変更時に後方の車を確認したり、駐車時にサイドのラインを確認したりする際に役立ちます。
最近では自動で角度を変えたり、車のドアをロックすると自動で折りたたまれたりする機能が備わっているものが多いです。
フェンダーミラー
フェンダーミラーは、ドアミラーよりも前方のボンネット上に設置されているミラーです。
前輪周辺をカバーするボディパネルであるフェンダーパネルに設置されていることから、フェンダーミラーと呼ばれています。
車体の前方に設置されていることから、車幅を把握しやすいメリットがあります。
狭い道を走行するときやほかの車とすれ違うときに、車体感覚を把握しやすいです。
ただし、ドアミラーよりも遠くに設置されているため、ミラー内に映る情報が少ないことや、小さくて見えにくいデメリットもあります。
ルームミラー
ルームミラーは、運転席と助手席の間のフロントガラスに設置されているミラーです。
走行中や車線変更時に、後続車の有無や車間距離を確認したり、駐車時に後方の安全を確認したりするときに役立ちます。
後方は確認しやすいものの車の左右は確認しにくいため、ドアミラーとともに使用することで、周囲の安全を確認できます。
リアアンダーミラー
リアアンダーミラーは、車のリアガラス付近に設置されているミラーです。
後方の安全確認がしにくい際に役立ちます。
リアアンダーミラーがあれば、バックする際に障害物がないかをミラー越しに確認することが可能です。
ただし、後方の左右は確認できません。
バックミラーモニターとは
バックミラーモニターとは、車外に取り付けたカメラで撮影した映像を車内に設置したモニターで確認できるものです。
夜間でもクリアな映像が写し出されるため、時間帯に関係なく安全を確認できます。
従来のバックミラーは、バイクや自転車が真横を並走しているときにミラーに映らない死角がありました。
また、ドアミラーは車外に飛び出すように設置されているため、空気抵抗を高める要因となるだけでなく、接触事故の危険性を高める要素にもなっています。
このような従来のバックミラーの問題点を解決するのが、バックミラーモニターです。
バックミラーモニターであれば、カメラの撮影範囲を広げることで死角をなくし、広範囲の安全を確認できます。
2016年6月には国土交通省がバックミラーモニターの保安基準を定め、バックミラーモニターが設置されていれば、従来のバックミラーがない車を製造することも可能となりました。
ドアミラーなどをバックミラーモニターに置き換えられれば、空気抵抗を抑えた燃費性能の向上や、これまでドアミラーに遮れていた視界の確保が可能になります。
ただし、従来のバックミラーをなくしてバックミラーモニターのみを搭載した車を製造するには、安全上クリアしなければならない点が多いのが現状です。故障すると映像が写し出されなくなるほか、カメラに太陽光が当たって映像が見えにくくなる場合の対処や、映像の乱れを防止する対策などが求められます。
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まとめ
今回はバックミラーとは何か、役割や必要性、種類、バックミラーなしで車検に通るのか、バックミラーモニターについてご紹介しました。
バックミラーはルームミラーやドアミラーなど、運転者が後方の状況を確認するためのミラーです。
ドライバーは前方も後方もよく確認しながら運転する必要があり、バックミラーがなければ振り返って目視しなければなりません。
バックミラーには少ない視線移動で後方の安全を確認し、運転者の負担を軽減する役割があるため、法律で細かな設置基準が設けられています。
そのため、基本的にバックミラーを装備していなければ車検には通りません。
車外に取り付けたカメラで撮影した映像を車内で確認できるバックミラーモニターが登場しているものの、太陽光の反射による見えづらさや映像の乱れなどが懸念点です。
完全に従来のバックミラーをバックミラーモニターに置き換えるうえで、これらの課題解決が必要になるでしょう。
近い将来にはバックミラーがなくなり、現在の課題をクリアしたバックミラーモニターだけで安心して走行できる車が、多数販売されることに期待したいです。