V2Xとは?今後のクルマ業界に欠かすことのできない最先端技術について解説

自動運転システムは、2006年ごろに実用化され、近年驚異的なスピードで進化しています。

自動運転において、都市部の走行には高精度な地図や車両間の通信インフラなど高度な技術を必要とします。
その高度な技術のひとつにV2Xという技術があります。

この記事ではクルマ業界の進化に欠かすことのできない技術V2Xについて解説します。

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V2Xとは?

最先端技術V2Xとは

V2Xは、「Vehicle to everything(X)」の略で、クルマが周囲のあらゆるものと通信したり連携することができる技術のことです。

情報を連携することにより、道路の安全性、交通の効率、および総合的な運転支援システムの向上を目指しています。これからの自動車産業と交通システム全体において、大きく寄与すると期待されています。

V2Xには、下記の4種類があります。

  • V2V(Vehicle to Vehicle):クルマとクルマ
  • V2I(Vehicle to Infrastructure):クルマと信号機などのインフラ設備
  • V2P(Vehicle to Pedestrian):クルマと歩行者
  • V2N(Vehicle to Network):クルマとネットワーク

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V2Xの通信種類

自動運転に重要な技術V2X

V2Xには4種類の通信種類があり、それぞれ異なる役割を担っています。
ここでは、その4種類の通信種類について解説します。

V2V(クルマとクルマ)

V2Vとは「Vehicle to Vehicle」の略で、クルマとクルマが通信を行う技術です。

この技術により、クルマ同士の車間距離を測定し、検知した障害物や、危険な路面状況などの情報を車に共有することが可能になります。

運転者が把握しにくい死角や見通しの悪い状況でも、周囲の車両との相互通信によって情報を知ることができます。

事故や衝突の予防が図られるだけではなく、交通状況の相互通知などにより、快適なクルマの運転に繋がります。

V2I(クルマとインフラ)

V2Iは、「Vehicle to Infrastructure」の略で、クルマと道路周辺のインフラ機器との通信を行う技術です。

この技術により、信号機や道路標識などのインフラから情報が連携され、より安全かつ効率的な運転ができるようになります。

また、V2I技術は道路や交通状況、インフラの状態をリアルタイムで把握し、最適なルートを導き出すことができ、渋滞緩和や交通の効率化に繋がります。

V2P(クルマと歩行者)

V2Pは、「Vehicle to Pedestrian」の略で、クルマと歩行者との通信を行う技術です。

この技術は、歩行者が携帯するV2P対応の端末と連携することで、歩行者の位置情報をクルマに連携します。

この技術で、クルマが交差点で曲がる際、歩行者の存在を知ることができれば、事故のリスクを減らすことに繋がります。

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V2N(クルマとネットワーク)

V2Nは「Vehicle to Network」の略で、クルマとネットワークに関する技術です。

クルマそのものをインターネット端末とし、自動運転のソフトや地図情報の更新、アプリ配信など各サービスが利用できます。

タイムリーな交通情報が受信できるので、交通面や運転面において大きなメリットになります。

V2Xに期待されるメリット

クルマの未来に期待

V2X技術はあらゆるシーンでの活用が期待されています。
ここでは、私たちの生活の中でV2Xのチカラが期待されるメリットを紹介します。

交通の安全性向上

V2X 通信は、他のクルマや歩行者、交通状況を通信・連携することで、事故や渋滞などを未然に回避することができるようになります。

ドライバーはより適切な情報に基づいて運転することができるほか、死角にいるクルマや見通しの悪い場所、行き先周辺の交通渋滞など、見えにくい状況を事前に感知することができます。

交通の効率化

交通インフラや他のクルマ情報を通信/連携することで、交通の流れを最適化させ、渋滞の軽減やスムーズな移動に繋がります。

さらに移動時間が短くなることで、ガソリンの使用量が減少することで排出ガス削減も期待されます。

関連記事:自動車産業における「CASE(ケース)」とは?簡単にわかりやすく解説!

自動運転のサポート

V2Xは自動運転テクノロジーの重要な技術です。
自動運転車が交通状況や他のクルマ、歩行者と安全に進行できるようサポートしてくれることが期待できます。

スマートシティの促進

V2X は車と各インフラを統合することで、スマートシティの開発において重要な役割を果たすことが期待されます。

道路交通や公共交通機関、都市計画のより適切な管理を可能にします。

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V2Xで予想されるデメリット

一方で、自動車業界にかかわらずではありますが、技術の発展にはデメリットがつきものです。
ここでは、V2Xが実現した場合に予想されるデメリットを紹介します。

セキュリティ面でのリスク

V2Xは無線通信を利用するため、ハッキングなどのセキュリティ面でのリスクが懸念されます。

車両の制御システムへの不正アクセスや、偽情報の送信などが可能となり、事故や交通渋滞を引き起こす可能性があります。

プライバシーの侵害

V2Xでは、車両の位置情報や速度などのデータが送信されます。
これらのデータが適切に管理されない場合や漏洩した場合、プライバシーの侵害につながる可能性があります。

車両価格などのコスト増加

V2Xを利用するには、車両に通信装置を搭載する必要があります。そのため、車両価格の増加が懸念されます。

V2Xは、車両同士やインフラとの間でリアルタイムに通信を行う必要があるため、高い通信技術が必要であり、異なる通信規格間の互換性など、技術的な課題も多く残されています。

そのため、車両価格だけでなく修理や整備にもコストがかかると予想されます。

社会的な課題

V2Xの普及には、ドライバーや歩行者への理解促進や、法制度の整備など、社会的な課題も存在します。

V2Xに関する情報を発信し、関係者間の連携強化による、法制度の整備が必須で、それを誰にでもわかるようにしなければなりません。

関連記事:モビリティ社会への課題とは?事例や現状をわかりやすく解説

まとめ

今後のクルマ業界に欠かすことのできない最先端技術のV2Xについて解説しました。

これからこの技術が進化していくとクルマの運転が快適になったり、安全性が向上するなどいろいろな期待が寄せられています。

これからクルマを購入、もしくは乗り換えを考えている方は自動運転の機能についても重視して検討されてはいかがでしょうか。

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