1馬力はどのくらい?車のパワーの表し方

馬力は仕事率(単位時間当たりの仕事量)に用いる単位の1つで、車においては最高出力を表す際に用いられます。車のカタログや情報誌で多く目にする言葉ではありますが、正確な意味や測定方法を知らない人も多いのではないでしょうか。

このページでは車の馬力について、概要から測定方法、車種別の平均まで詳しく解説します。

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車の馬力とは

はじめに、車の馬力について概要を紹介します。

車 馬力とは

馬力の概要

馬力とは仕事率(単位時間あたりの仕事量)に用いる単位の1つです。一般的に、75kgの重さのものを1秒間で1m引き上げるのに必要な力を1馬力と表現します。

車の場合、エンジンにおける最高出力を馬力で表します。馬力が大きいほど速度を出しやすく、最高速度の数も大きくなるイメージです。

馬力と呼ばれる由来

馬力という単語を生み出し、仕事率の単位に定めたのは、蒸気機関の発明で有名なジェームズ・ワットです。

馬力 生みの親 ジェームズワット

1765年にワットが発明した蒸気機関はさまざまな工場で導入されました。彼は自身が開発した蒸気機関の優位性を示し、公正な使用料を徴収するために「性能を客観的に把握できるよう単位時間あたりの仕事量を表す必要がある」と考えます。

その後、彼は自作の蒸気機関に馬と測定器を結び付けて馬のけん引力を調べました。実験において175ポンドの荷物を馬にひかせた結果、1分間で188フィート移動しました。

そしてワットは、この実験で確認できた仕事量を1馬力と定義したのです。その後馬力という単位が広まり、車の仕事率を表す単位として定着して現在に至ります。

なお、それぞれの単位を日本で一般的に用いる単位に変換すると以下の通りです。

  • 175ポンド:約79kg
  • 188フィート:約57m

馬力の単位と測定方法

続いて、馬力の単位と測定方法を紹介します。

馬力の単位

馬力で用いる単位は主に以下の4つです。

  • w・kW:馬力計算の基になる仕事率の国際単位系で、世界中で用いられています。
  • HP:ヤードポンド法に基づく馬力です。主に英語圏で使用される単位のため、アメリカやイギリスの自動車メーカーで多くみられます。
  • PS:メートル法に基づく馬力です。日本のほか、ドイツの自動車メーカーでも使われています。
  • CV:PS法と同じくメートル法に基づく馬力です。主にイタリアの自動車メーカーで用いられています。

基準としては国際単位系であるw・kWが用いられるのが一般的です。1馬力は約735.5wであり、車のカタログではkWを用いるため1馬力=0.7355kWとなります。

日本の自動車メーカーのカタログはkWとPSを併記したものが多いです。また、車について広く扱った情報誌ではPS表記のみのケースもみられます。

なお、1PS=0.7355kWですが、1HP=約0.7457kWです。PSはメートル法、HPはヤードポンド法と異なる基準を用いているため、同じ1馬力でも若干の違いがあります。

測定方法

車の馬力はシャシーダイナモ(シャシダイナモ)という機械を用いて測定するのが一般的です。シャシーダイナモを用いて車の馬力を測定することをパワーチェックと呼びます。

パワーチェックには以下2種類の方法があります。

  • ローラー式:車をローラーの上で走らせて馬力を測定する方法
  • ハブ式:車からタイヤを外し、タイヤにパワーチェック用の計測器を取り付けて測定する方法

パワーチェックはチューニングショップや大型のカー用品店などで受けられます。

パワーチェックは専用の機械を用いるうえに、実施するには特定の技術が必要であるため、一般的には事前予約が必要です。また、計測に用いる機械とタイヤのサイズが合わない・特殊なグレードであるなどの理由から、パワーチェックができないケースがある点にも注意が必要です。

馬力 計算式

馬力とトルクの違い

トルクとは車のタイヤを回すための力です。単位はmとkgf(重量キログラム)を用います。

トルクを自転車で例えると、自転車を漕ぐためにペダルを踏みこむときの瞬間的な力と表現できます。ペダルを踏みこむ力が大きいほどタイヤを回転させる力が大きくなるため、自転車は加速しやすくなります。同じように、車のトルクが大きいほどタイヤの回転数も大きくなり、より加速するようになるのです。

車の馬力は以下の計算式で算出できます。
馬力=トルク×エンジンの回転率

トルクと同じく自転車に例えると、馬力はペダルを踏む力を1分間でどれだけ発揮したかを表すイメージです。

トルクが大きくてもエンジンの回転数が小さければ速さが出ません。馬力は1分間にどれだけのトルクを発揮できるかを示すもので、車の効率のよさを判断する材料とも表現できます。

なお、車の乗り心地は馬力ではなくトルクによる影響が大きいです。

トルクが大きいほど加速がよくなりますが、回転数が多いエンジンの場合は低速の際にスカスカな印象を感じやすいです。最大トルクはかなりの回転数に達しない限り発生しにくいため、エンジンを回すときの楽しさを感じない面もあります。

トルクが小さい車の場合、回転数を上げなければ出力も上がらず速度が遅めです。ただし、最大トルクの発生する回転数まで上げれば、出力が高くなるためにエンジンを回す楽しさを感じやすくなります。

このように、乗り心地に与える影響が大きいのは馬力ではなくトルクの方です。

トルクが大きく回転数が少ない車とトルクが小さく回転数が多い車であれば、どちらも馬力は同じぐらいになります。したがって、馬力だけでは乗り心地の判断ができません。馬力の方が注目されがちですが、トルクも欠かさずチェックする必要があります。

馬力の平均

続いて、乗り物別に馬力の平均を紹介します。

普通車

普通車の馬力の平均は50~300程度です。

車の使用用途や乗車人数によって異なるため一概にはいえませんが、一般的に馬力が50もあれば問題なく走行できるといえます。ただし、前述のように馬力だけでは乗り心地のよさは判断できないため、トルクのチェックも必要です。

なお、平均馬力を遥かに上回る普通車も多く存在します。特にスポーツ走行を意識した車は馬力が大きいものが多い傾向です。

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軽自動車

前述した普通車の馬力の平均は50~300程度と、ある程度幅が広くなっていました。

一方、軽自動車の馬力の平均は40~64程度で幅が小さめです。また、馬力が64を超える軽自動車はありません。

軽自動車の馬力に幅が小さい理由、および馬力が64を超えるものがない理由として、64馬力規制が挙げられます。

64馬力規制とは、文字通り馬力の上限を64とする規制です。

かつて軽自動車の馬力は最大でも50程度でしたが、1987年に64馬力の軽自動車が販売されました。そして馬力が大きい軽自動車がどんどん登場する馬力競争が始まりましたが、後に「このまま馬力競争が激化しては交通事故や違反が増加する。」との考えが生まれます。その結果、ドライバーの安全を確保する目的で、軽自動車の馬力の上限は64にするという自主規制が始まったのです。

メーカー独自の自主規制ですが、今でも馬力が64を超える車の製造はされていません。

軽自動車

バイク

バイクの馬力の平均は排気量によって以下のように大きく異なります。

  • 50cc:2~7程度
  • 125cc:7~15程度
  • 250cc:19~24程度
  • 400cc:25~55程度
  • 750cc:40~100程度
  • 1,000cc:50~200程度
カワサキ バリオス KAWASAKI BALIUS

まとめ

馬力は仕事率に用いる単位の1つで、一般的には75kgの重さのものを1秒間で1m引き上げるのに必要な力を1馬力と表現します。車の場合、エンジンにおける最高出力を馬力で表現します。

馬力は速度の出しやすさに関係する要素です。車の乗り心地をチェックするためには、馬力ではなくトルクの方を重視する必要があります。

車の馬力の意味やトルクとの違いなども選ぶ際の基準の一つとして活かしましょう。

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