エンジンがかからないがセルは回る場合の対処法を徹底解説

いざ車に乗ろうとしてエンジンがかからなかった時、路上であれば焦ってしまうこともあると思います。

しかし、突然の故障には、冷静に対処することが大切です。

セルは回せるのにエンジンがかからないといった場合には、どうすればよいのでしょうか。

ここでは、エンジンがかかりにくくいがセルは回るといったトラブルが起こった場合の対処法を解説します。

トラブルの要因を理解し、対応方法を覚えておくことで、急な不具合にもスムーズに対応できるように準備することが重要です。

関連記事:車のエンジンがかからない!しばらくするとかかる時の原因と対策

エンジンがかからないがセルは回る際の原因

上から撮影したセルモータ

セルは、エンジンを始動させる部品です。

車のどこかに不具合が生じると、セルモーターを回したのに、エンジンがかからないというトラブルもあります。
エンジンをかけようとしてかからなければ焦ってしまうかもしれません。

ここでは、セルを回してエンジンが作動しない場合に考えられる原因について、5つほど紹介します。

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バッテリー上がりや電圧不足

セルが弱々しく回っていたら、バッテリーが上がってしまっていることが考えられます。

バッテリーは、走行している間に充電される仕組みです。長く運転しない期間が続くと、放電されてバッテリーの電圧が下がっていることがあります。また、ほかの機器がつけっぱなしになっている時も放電されています。

電圧が下がれば、エンジンをかけるために十分なエネルギーが供給されません。
完全にバッテリー上がりが起きていなければ、長距離走行することで電力が供給されるため、回復する見込みがあります。

この際、バッテリー上がりが原因の場合は、エンジンがかからず何度もセルを回すと、さらに悪化することがあります。セルモーターの扱いには十分気をつけましょう。

また、オルタネーターが壊れていたり、バッテリー自体が古くなっていたりすることで、うまく蓄電されなくなっている場合にも、電圧不足が原因でエンジンがかからないケースがあります。

この場合は、それぞれのパーツの修理や交換が必要です。

関連記事:バッテリー上がりが起きた車、どのような対処法がある?症状や原因を解説!

セルモーターの故障

セルモーターには寿命があり、約10〜15年とされています。

そのため、寿命によってセル本体が壊れていることも考えられるでしょう。
セルモーターはエンジンを始動するために必要な部品であり、セルモーターの故障によってエンジンがかからなくなります。

セルを回す時に、ガチッ、ギギギ、カチッといったような歯車がうまく動いていない異音がすれば注意が必要です。

セルを軽く叩いたら回って、エンジンが動くようになる可能性も考えられますが、いずれ壊れるためなるべく早くに修理を行きましょう。

関連記事:車のバッテリーの寿命はどのくらい?長持ちさせる6つのコツを紹介!

点火プラグの問題

点火プラグはガソリンを着火させるライターの役目を持つパーツです。

点火プラグが作動しなかったり、点火のタイミングがずれていたりして、エンジンがかからないこともあります。

イグニッションコイルや点火プラグ、ベルト、トルクにトラブルがあることが考えられるため、それぞれのパーツを点検する必要があります。

また、プラグかぶりの可能性もあります。プラグかぶりとは、点火プラグに炭素が付着している状態です。
燃焼効率が悪くなり、エンジンがかかりません。エンジンをつけてすぐに消した時などに起こりやすいトラブルです。また、冬の寒い日などにも起こりやすいといえます。

セルを回して、キュルキュルと音がなれば、プラグかぶりの疑いがあります。早めに修理を依頼しましょう。

関連記事:車のキュルキュル音…ファンベルト以外の原因と対策は?

燃料供給の問題

エンジンに燃料が供給されていないことかからない場合もあります。
ガソリンの劣化や燃料ポンプの故障などが原因となることが多いです。

ガソリンが古くなると、もともとはオレンジだった色が褐色に変色します。
また、強い刺激臭を出し、ドロドロの状態になるのが特徴です。

そうなると、車の金属部分の腐食や、重要な部分でつまりが発生して、エンジンに動作不良が起こります。

およそ2〜3年ほど放置していると、このような状態になります。
また、気温が高い、空気にさらされるなどの状況であれば、3カ月程度から劣化が始まるでしょう。

長い間ガソリンを放置している人は、なるべく早くガソリンの入れ換えを行ってください。

また、燃料ポンプの故障もエンジンがかからない原因のひとつです。
燃料ポンプの経年劣化や通電不良、揮発性の高い成分が発生してモーターが動かないなどが原因で、燃料を吸い上げられなくなっていることがあります。

燃料ポンプが壊れている時には、異音が発生しないことが特徴です。

ガソリン劣化や燃料ポンプの故障は、自分では修繕が難しいため、専門家に見てもらう必要があります。

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防犯システムの誤作動

車の防犯システム(イモビライザー)の誤作動により、エンジンがかからなくなっていることが考えられます。

防犯システム(イモビライザー)は、キーと車両の間で暗号化された通信を行っており、キーが適切に認識されない場合、イモビライザーはエンジンの起動を妨げます。

その原因としては、キーの電池切れやキー本体の故障の他に、車両バッテリーを交換した際にシステムがリセットされてしまった、近くの電子機器が電波干渉を起こしているなど、さまざまな原因が考えられます。

そのほかの問題

上記のほかに原因として考えられるのが、エアクリーナーの異常やバッテリーの液量不足、ターミナルの腐食、ヒューズの断線などです。

また、ガス欠や寒さが影響するケースもあります。

このように、エンジンのトラブルにはさまざまな要因がありうるため、自身で判断せずに修理業者に見てもらうことをおすすめします。

エンジンがかからないがセルは回る際の対処法

自動車の下部にあるエンジンなどの機械類

エンジンがかからないけれどもセルは回る場合、どのように復旧させればよいでしょうか。対処法を詳しく紹介します。

アクセルを踏み込む

エンジンがかからない時の簡単な対処法としては、アクセルをぐっと踏み込んだ状態でエンジンをかけることです。

エンストの場合は、この方法で解決することがあります。

一度試してみて解決しなければ、しばらく時間を置いてからもう一度試してみましょう。すぐに何回も試してしまうと、プラグかぶりなどの問題が起こる可能性があります。
そのほか、バッテリーが上がって故障してしまうこともあるため、やりすぎないように気をつけなければなりません。

また、もう一度アクセルを踏む時には、踏み方を変えてみることもポイントです。
アクセルを深く踏み込んだり、踏み込んでから少し浮かしたり、強弱をつけて踏み込んだりなどして解決したケースもあります。

救援を呼ぶ

自力で対処しても解決しなかった場合には、ロードサービスなど車の故障時に駆けつけてくれるサービスに連絡することをおすすめします。

ロードサービスは、加入済みの自動車保険についていることが多いため、事前に連絡先を控えておきましょう。

サービス内容や料金は保険会社により異なります。
保険に付帯のロードサービスがなければ、一般社団法人日本自動車連盟(JAF)を利用することも可能です。会員になっていなくても、誰でも有料で利用できます。

エンジンがかからないがセルは回る際の注意点

ここでは、エンジンがかかりにくいけれどもセルは回る場合に、注意しておきたいことをまとめます。

立て続けにセルを回さない

エンジンがかからないからといって何度もセルを回していると、プラグかぶりを起こす可能性があります。
また、バッテリーが上がることもあるでしょう。

路上で動けなくなってしまった場合など、焦ってしまうこともあるかもしれませんが、無理な方法で対処すること状況が悪化する可能性が高くなります。

冷静に対処し、必要に応じて専門家に相談するようにしましょう。

復旧したら、すぐにエンジンを切らない

アクセルを踏み込むことで、復旧することもあるかもしれません。この際には、すぐにエンジンを切らないようにしてください。

少なくとも5〜10分ほどは空ぶかしの状態で置いておくことが重要です。

そのうちマフラーから白い煙が出てくるため、エンジンの中に溜まった燃料が燃え尽きて、煙が出てこなくなるまでそのままにしておきます。

復旧したら、なるべく早く修理工場に持っていきましょう。

まとめ

エンジンがかからない原因は、バッテリーやセルモーターそのもの、点火プラグや燃料ポンプなど、さまざまなところに問題があることが考えられます。

対処方法としては、アクセルを踏み込んでエンジンをかけることです。

この方法で治ることが一般的ですが、それでも動かなかった場合には、ロードサービスに救助要請をしましょう。

エンジンの復旧には専門知識が必要なため、自力で修理することは難しいです。

車が動けば、すぐに修理工場に持ち込んで見てもらいましょう。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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